青の器 梗概
作品URL:http://masapoke.sakura.ne.jp/stocon/novel36.html
山奥に伊万里の名人がいる。
そんな噂を聞いた四朗はドードリオを駆っていた。
四朗は伊万里と呼ばれる青い絵の磁器に魅了され、修行をしていた。だが、努力しても認められない事に絶望し、窯元を飛び出して来たのであった。
捜索の末、神社に奉納された伊万里を見つけた四朗は、絵皿に描かれた青いポケモン達が導く夢を見る。夢の通りに道を進み、木を組んだ鳥居を潜ると、一軒の家に辿り着いた。
そこは絵付けをするゴーリキー、材料を砕くネンドール、竈番のコータス達が伊万里を作っている窯元だった。特にゴーリキーの描く絵に四朗は驚嘆する。
ここが名人の窯元に違いないと確信した四朗は主人帰りを待つが、あくる日、ポケモン達と共に山に登った時にその墓を発見する。
その夜、ネンドールは過去を映し出し、かつてのここの主人がその厳しさから弟子を失い、代わりにゴーリキーが技を倣った事を教えた。それ知った四朗は思い直し、元いた窯元に戻る事を決意する。
だが帰郷もつかの間、師匠の死を知らされるのであった。
すべてが遅かった。その後悔はやがて、師匠の描いた青いギャラドスの幻影となって襲いかかる。山の窯元に逃げ戻った四朗は何でもするから置いて欲しいとゴーリキーに懇願するが無視される。
転機が訪れたのは、窯元にやってきた商人が伊万里を買い叩くのを目撃してからであった。怒った四朗はその価値を説き、何倍もの値段で買い取らせる事に成功する。ようやくゴーリキーに認められた四朗は伊万里の修行に没頭する。
そしてある嵐の日、川の深みのコイキングがギャラドスになる様を目撃し、その感動を青の絵にした。完成した絵は師匠のギャラドスを上回る力強さを誇り、彼はやっと幻影から解放される。その冬、久々の帰郷を果たすのであった。
正月を過ごした四朗は再び山に戻っていくが、雪のせいで入口の鳥居が崩れていた。鳥居を超え戻ったものの、そこに窯元はなく、ずっと昔に崩れた竈の跡が残っているばかりであった。
故郷に戻った四朗は自らの窯元を興し、かつて共に働いたポケモン達を描いた。
その伊万里は今でもミシロの美術館で見る事が出来る。
(871文字)
1100字ありましたが何とか圧縮。