twitterで18分。
プテラが主役。
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気付いたら、生きていた。
目の前は、透明な壁みたいなもので遮られていて、周りを見れば、それで自分の体は覆われていた。
ヴン、ヴン、と響く変な音。見た事の無い、歪で変な物。
そして目の前には、どうやら喜んでいる、自分達とは何か違う生物が数匹居た。
この壁の中で翼さえも広げられない事に窮屈さを覚えたが、それ以上に疑問が浮かんでいた。
何があったんだ? でも、何も思い出せなかった。
この目の前の光景、生物に途轍もなく違和を感じているのは確かだった。けれど、それが何故なのか、全く分からなかった。
今より前の事が、全く思い出せない、全く分からない。考えるのは無駄だと決めると、この目の前の壁が邪魔になってきた。
けれど、蹴ってみれば想像以上に硬く、皹すらも入らない。頭突きでもしてみようかと思う。
そうしようとした所、ウィィン、と音を立ててその壁が上へせりあがって行き、壁が取り払われた。
全く、訳の分からない事だらけだった。
その目の前の生物達は、小さな球体を取り出して、そこから自分達と同種らしき、獣を発現させた。
なんじゃそりゃ。本当に、何から何まで訳が分からない。想像もつかない。
出て来た獣は、ひょろりとした姿形の、額と尻尾の先に宝石のようなものを付けた奴だ。
「やあ」
そいつが言った。
「……やあ」
一応返すと、そいつは続けて勝手にぺらぺらと喋り始める。
「どうなってるか分からない顔だね。まあ、そうだろうね。
何せ、君は一億年以上前のポケモンなんだから」
ポケモン? 多分俺達を指す言葉だろう。
いや、それよりもだ。今、何て言った? 一億?
数、だよな。一億ってどの位だ?
嫌な予感がした。
聞き出すか迷っていると、そいつは頼みもしないのに喋り続ける。
「君は、死んで骨だけになって、長い、長い、本当に永い年月の間、岩の塊の中に居たんだ。でも、死んだ時の状態が良かったから、こうして現代の、僕のご主人とか、ニンゲンって言う人達によって生き返る事が出来た」
ああ、俺は、死んでいた、のか。
その事には大して驚きは無かった。生きている事さえ、不思議だったと最初に思っていた。
「なるほ」
「で、まあ、そんなきっと何も分からない君を落ち着かせる為に僕がこうして出て喋ってる訳だけど」
俺にも喋らせろよ。
「どうする? 僕と戦ってみる?」
突然の提案。命懸けの食うか食われるかの戦いじゃなく、単なるケンカみたいなモンだろう。でも俺は「いいや」と言った。
「ええ。何でよ」
露骨にがっかりしたような顔で、そいつは聞いて来た。
「体が動くかどうかも分からねぇ状態で戦いたくはねぇよ。それに、何となく思うけどさ、お前、俺に有利な属性じゃねぇの?」
本当に何となくだが。
「あ、ばれた?」
まじかよ。
「じゃあ、何かしたい事ある?」
そう言われるとなぁ。と思ったが、すぐに答が出た。
「何でもいいから食いてぇ。肉じゃなくとも構わん」
「ああ、そう。分かった」
そう言うと、そいつはニンゲンとやらに向って身振りで俺が飯を食いたいだろうことを伝え始めた。
何だ、こいつらとは意志疎通出来ないのか。
生き返らせる何て事までしたのに。凄いのか凄くないのか、良く分からんな。
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……続く?