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  [No.3864] #127051「縁切りするアカウント」 投稿者:きとかげ   投稿日:2015/12/31(Thu) 19:11:02   98clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

Subject ID:
#127051

Subject Name:
縁切りするアカウント

Registration Date:
2010-04-06

Precaution Level:
Level 1

Handling Instructions:
該当のツイッターアカウントに対する情報収集は、専用ツールにより自動化されています。担当者は定期的に専用ツールの動作確認と集積した情報のバックアップを行ってください。

本案件は異常性・実効性に疑義が多数上げられており、裁定委員会で取扱の停止が検討されています。

Subject Details:
案件#127051はTwitter社が提供するミニブログサービスTwitter上に存在するアカウント(アカウント#127051)と、そのアカウントのフォロワーに起こりうる現象(現象#127051)についての案件です。

アカウント#127051は登録者不明のツイッターアカウントです。アイコン画像にはポケモンのストライクが描かれたフリー画像が使用されています。ヘッダー画像は初期設定状態、プロフィール欄は空白で、ツイートは公開されています。ツイート内容は日常的で他愛のないもので、縁切りに関する内容はありません。フォローしているのは著名人のアカウントやニュースアカウント等で、フォロー数30前後で不定期に増減します。フォロワー数は最初の報告があった2010年3月時点で1309となっており、これは後述する現象を期待した人によるフォローだと推測されます。アカウント名は一般名詞で、不定期に変更されています。

現象#127051は、当該アカウント#127051をフォローしたアカウントAで、アカウント#127051以外のアカウントBのブロック(手順#127051)を行うと発生する、と期待されている現象です。アカウント#127051の登録時期は2009年4月と判明していますが、現象#127051が起こると期待される理由、噂の初出などは明らかになっていません。

現象#127051が発生すると、ブロックしたアカウントAの持ち主(アカウント登録者#127051-A群及びアカウント作成者#127051-E-A群)と、ブロックされたアカウントBの持ち主(アカウント登録者#127051-B群及びアカウント作成者#127051-E-B群)は現実世界で縁が切れた状態となります。当局が観測できた範囲で手順#127051を行ったアカウントとそのブロック先について、追跡調査を行った結果の一部を以下に記述します。:

[事案#127051-1]
アカウント登録者#127051-1-Aとアカウント登録者#127051-1-Bは2009年度、小学校四年次に同じクラスだった。同年度8月頃にアカウント登録者#127051-1-Aが手順#127051を実行。2010年度からは別のクラスに分けられた。その後の調査でアカウント登録者#127051-1-Aは中学に進学、アカウント登録者#127051-1-Bは進学せず旅に出て、以後縁が切れたと言っていい状態になった。

この事案についてアカウント登録者#127051-1-AとBの在籍していた小学校に調査を申し込んだところ、当事者たちは折り合いが悪く、念の為五年次からは別クラスにしたとの証言が得られた。また、アカウント登録者#127051-1-Aは常日頃から中学進学について意欲的である旨を発言しており、アカウント登録者#127051-1-Bも進学しないことを仄めかしていた。経緯に不自然な点はなく、当事案について異常性はないものと判断された。

[事案#127051-8]
アカウント登録者#127051-8-Aとアカウント登録者#127051-8-BはC社の同じ課に属する部下と上司だった。アカウント登録者#127051-8-AはBと同じ支店に配属された一年後の2010年4月初旬に手順者#127051を実行。その約一年後にアカウント登録者#127051-8-Aは別支店に配置転換、アカウント登録者#127051-8-Bは退職し、以後縁が切れたと言っていい状態になった。

この調査の結果、アカウント登録者#127051-8-Aは単に期限による配置転換であった。アカウント登録者#127051-8-Bの退職については、BがA含む職員らに常習的にハラスメントを行っており、自主退職を強く薦められたことが明らかとなった。経緯に不自然な点はなく、当事案について異常性はないものと判断された。

[事案#127051-9]
アカウント登録者#127051-9-Aとアカウント登録者#127051-9-Bは同じ大学のサークルに属する同学年の学生だった。大学三年次の2010年4月頃、アカウント#127051の噂を聞き手順#127051を実行。しかし、2012年の追跡調査でAとBは疎遠になったが関係を保持していると回答した。

[事案#127051-33]
アカウント登録者#127051-33-Aとアカウント登録者#127051-33-Bは子とその親である。アカウント登録者#127051-33-Aは2010年夏頃に手順#127051を実行。その後、わずかな手荷物を持って近くの派出所を訪れ、AがBから虐待を受けており、シェルターに避難したいと要請、然るべき機関により即時処理が行われた。2015年現在Aは各種措置を利用して居住地等をBから隠匿し、Bの追跡を逃れている。以上より、AとBは縁が切れたと言っていい状態になっていると判断した。

当事案について、アカウント登録者#127051-33-AはBと絶縁する決意を固める為に手順#127051を実行したと証言しており、当事案が現象#127051によるものとは断定できなかった。

追跡調査を行ったアカウントの内、39組でおおむね縁が切れた状態に達し、288組で疎遠となっていましたが、その過程に異常性はなく、現象#127051と断定できる事案はありませんでした。また、56組については毎日か毎日に近い頻度で対面交流を行っており、縁が切れたといえる状態ではありませんでした。

さらに現象#127051について調べるため、実験用のアカウントの作成を行い、実験を行いました。

なお、里帰りや転勤といった絶縁理由をを減らし、縁故を長く続ける可能性を高める目的で、被験者の出身地・配属地をカントー地方ヤマブキシティに限定しました。また、実験は同日に行われ、被験者には誰がどのアカウントをブロックしたか・誰がどのアカウントの持ち主であるかは通知されませんでした。以下はその結果の抜粋です。:

[実験#127051-1]
実験日時:2012年5月6日
アカウント作成者#127051-E1-Aとアカウント作成者#127051-E1-Bは趣味の一致により親密にしていたが、手順#127051を実行した約1年半後の2013年10月か11月頃に仲が険悪になり、業務への影響を考慮して2014年4月付でAとBを別々の支部に配属することが決定された。それ以来、AとBの間に交流は見られなかった。AとBの間で金銭トラブルがあったとのことだが経緯に不自然な点はなく、これは現象#127051によるものとは断定できなかった。

[実験#127051-5]
実験日時:2012年5月6日
アカウント作成者#127051-E5-Aとアカウント作成者#127051-E5-Bは同部署に配属されている他は特に接点のない職員である。アカウント作成者#127051-E5-Bには実験用アカウントを2つ用意させた(アカウント#127051-E5-B及びアカウント#127051-E5-C)。手順#127051によりアカウント作成者#127051-E5-Aにアカウント#127051-E5-Bのみをブロックさせたところ、半年後の2012年11月にアカウント作成者#127051-E5-Bが結婚を理由に退職し、婚姻相手の居住地に移動した。SNSサービスfacebookにおいて交流があったものの、Bの退職と前後して、多忙と機密事項の保持を理由にAが同サービスを退会している。その後、年賀状のやり取りはあったものの、2014年にBが引っ越したことを機に2015年から年賀状の行き来が途絶え、実験者は両者の縁が切れたと判断した。

2015年4月25日にアカウント作成者#127051-E5-A及びBに対し聞き取りを行ったところ、アカウント作成者#127051-E5-AはBに送付した年賀状が返送された為、これ以上の交流の必要性が感じられないと回答した。アカウント作成者#127051-E5-BはAに転居先の通知を怠り、またその必要性も感じなかったと回答した。被験者らは元々接点の少ない関係で、経緯に不自然な点はなく、この結果が現象#127051によるものとは断定できなかった。

[実験#127051-6]
実験日時:2012年5月6日
対照実験として、アカウント#127051をフォローしていない状態で実験用アカウントのブロックを行った。

アカウント作成者#127051-E6-Aとアカウント作成者#127051-E6-Bは同一の中学に在籍している職員である。手順#127051を実行してから約8ヶ月後の2013年1月頃に実験用アカウント作成者#127051-E6-Bが退職願を提出し、当局はこれを受理。実験用アカウント作成者#127051-E6-Bは「世界がオレを呼んでいる」と発言し、ポケモンを連れて世界一周の旅に出た。実験より約3年後の2015年5月1日に、アカウント作成者#127051-E6-AにBについて尋ねたところ、Bが退職してからは連絡先が分からず、連絡を取っていないとの回答を得た。経緯に不自然な点はなく、この結果が現象#127051によるともよらないとも断定できなかった。

以上の調査結果より、案件#127051は実効性や異常性を持たないと推定されています。2015年5月5日に実験の終了が宣言され、案件#127051の取扱停止に関する提案が裁定委員会に提出されました。

Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。

(この報告書は正規のものではないかもしれません)


  [No.3865] #142309「侵入したくなる家」 投稿者:きとかげ   投稿日:2015/12/31(Thu) 19:24:02   124clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

Subject ID:
#142309

Subject Name:
侵入したくなる家

Registration Date:
2015-02-05

Precaution Level:
Level 2(2015-10-02以前)→Level 0(2015-10-02以降)

Handling Instructions:
建築物#142309内の固定電話からの緊急通報は管理局に直通し、自動的に録音が保存されます。当該の緊急通報を受け取った担当者は現地に向かい、侵入者の確保及びヒアリングを行ってください。侵入を試みた彼/彼女に、他人の敷地に無断で侵入することが違法である旨を説明すれば、彼/彼女に励起された建築物#142309内への侵入欲求が消失することが分かっています。

[2015-10-02 Update]
上記の取扱方は廃止されました。建築物#142309は解体は終了し、建築物#142309の廃材及び跡地、その他資産について、異常性は見出されませんでした。関係者#142309-3より引取以来のあったその他資産については、通常の配送ルートを用い順次返却してください。案件#142309は既に無力化されており、これ以上の保全は必要ありません。

Subject Details:
案件#142309はジョウト地方ヨシノシティ北部の宅地にある建築物(建築物#142309)と、それに掛かる一連の案件です。

建築物#142309は1969年に建てられた庭付き・平屋の一戸建です。同年に男性(前保有者。関係者#142309-1)が購入し、関係者#142309-1とその妻(関係者#142309-2)、息子(現保有者。関係者#142309-3)が居住していました。関係者#142309-3の独立、関係者#142309-1と-2の死亡により、現在は空き家となっています。建築物#142309は2LDKのごく一般的な住居で、内部は老年夫婦の生活環境としてごく普通のものとなっています。調査の結果、内部に携帯獣や携帯獣が隠れうる空間異常は存在せず、後述する事象#142309を発生させる他に特異な点はありません。

事象#142309は「建築物#142309の内部に未知のポケモンが存在する」と確信する認識異常(段階1)から始まる一連の事象です。被誘引者#142309は未知の携帯獣について一切の先入見を持っておらず、未知の携帯獣について質問すると「未知だから未知なんだ」という旨の回答が得られます。建築物#142309が認識異常をもたらす対象者(被誘引者#142309)については、半径6km圏内(圏内にポケモンセンター有)に立ち入った旅のトレーナーが最多ですが、そうでない者も少数含まれます。認識異常は距離に反比例して少なくなり、ヨシノシティ外での発生は確認されていません。

段階1に陥った被誘引者#142309は次に「建築物#142309の内部にいる未知のポケモンを捕獲したい」という耐え難い欲求に襲われます(段階2)。この欲求に反抗することは極めて困難で、被誘引者#142309は建築物#142309を何らかの方法で見つけ出し、敷地内への侵入を試みます(段階3)。段階3で建築物#142309内への侵入に成功しても、被誘引者#142309が未知の携帯獣を発見することはありません。段階3と前後して、建築物#142309内の固定電話から警察へ関係者#142309-1の声で「家に押し入ろうとしている不審人物がいる」旨の緊急通報が入ります(段階4)。警察官もしくは局員が被誘引者#142309を確保し、建築物に押し入るのは法律的に問題であると指摘すると、段階2で発生した欲求が消失し、事象#142309は終了します。この際、未知の携帯獣が建物内で見つかっていないと指摘しても、被誘引者#142309が「未知だから分からないんだ」「未知だから見つけたら分かる」と繰り返すのみで事象#142309が終了しないので留意してください。

事象#142309のいかなる段階においても、事象#142309を中断する試みは成功していません。段階1-3にある被誘引者#142309を確保する試みは、被誘引者#142309によって全て突破されます。また、建築物#142309内の固定電話の撤去/別機器に変更/また電話回線の閉鎖を行っても、段階4の緊急通報をストップすることはできません。現状では、段階4の緊急通報に応じて被誘引者#142309を確保することが最良と判断されています。

建築物#142309の前保有者である関係者#142309-1、その妻である関係者#142309-2は事象#142309の最初の通報以前に死亡が確認されており、電話の声の主については調査中となっています。また、関係者#142309-1と-2はトレーナー免許を取得しておらず、携帯獣の所持履歴がないことも判明しました。関係者#142309-3はトレーナー免許を所持していますが、携帯獣の所持履歴はありません。にも関わらず、建築物#142309について何故このような認識異常が起こされるのかは分かっていません。

[2015-03-12 Update]
建築物#142309の解体工事が開始されました。関係者#142309-3はかねてより建築物#142309の解体を計画していましたが、当局はこの件について関知していませんでした。関係者#142309-3と案件#142309の保全及び原因究明について、話し合いの場を持ちましたが芳しい成果は得られませんでした。建築物#142309の解体は止められない状況です。

[2015-06-18 Update]
建築物#142309の解体が終了しました。解体後の廃材及び跡地、その他資産についてはヨシノシティ支部に収容され、異常性についての試験が行われます。

[2015-10-02 Update]
解体後の廃材及び跡地、その他資産についての試験が終了しました。この試験結果と事象#142309の発生が長期間観測されなかった事実を鑑み、裁定委員会に案件#142309の無力化を提言し、受理されました。

Supplementary Items:
本案件に付帯するアイテムはありません。
[2016-01-02 Update]
本案件には、1件の付帯資料があります。適切なセキュリティクリアランスを持つ局員のみが、付帯資料を参照できます。

(この報告書は正規のものではないかもしれません)


  [No.3867] #142309付帯資料1 投稿者:きとかげ   投稿日:2016/01/02(Sat) 12:26:31   86clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

Appeindix 1:この資料は案件の無力化した2015年10月2日以降に、関係者#142309-3によって管理局に提出された、日記と見られる計30冊の大学ノートです。関係者#142309-3によると、この大学ノートは生前の関係者#142309-1より譲渡されたもので、最近になって中身を確認するまで、その異常性に気付かなかったとのことです。

大学ノートは市販の一般品で、それ自体に異常性はありません。大学ノートの表紙には番号と記録期間が記されています。中には関係者#142309-1の筆跡で“ナオヒコ”と名付けられた生物の観察記録のようなものが書かれていますが、この記録にある生態と一致する生物は現在に至るまで発見されていません。

以下は、1と番号が振られたノートの最初の部分です。:

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2003年2月11日 晴れて今日、ナオヒコを家に迎えた。[関係者#142309-1の友人の名前。故人]に薦められたときは腹立たしくなったものだが。少しずつ会って、今ではナオヒコのいない人生を考えられなくなっている。
[関係者#142309-2の名前]が亡くなった寂しさが消えるわけではないが、しかし、ナオヒコがいないと腐っていただろう。

2003年2月12日 餌を変えて様子見。環境が変わった為だろう、ナオヒコは前の家にいた時より食欲がなくなっている。明日[関係者#142309-1の友人の名前]から青菜を貰う予定。

2003年2月14日 昨日から少しずつ元気になっているような気がする。医者でないから予断は禁物だが。だが[関係者#142309-1の友人の名前]の野菜が効いたのだろう。うちでも育てるべきか悩む。
昨日整理をしたので、今日ちょっとの間部屋に出してやる。ナオヒコは小さいので、踏まないか緊張。
片づけだのもしないといけない。いつ私もぽっくりいくかしらん。

2003年2月15日 昨日放した為か、ナオヒコややゴキゲン。片づけに気合が入る。
片づけの途中、昔の写真が出てくる。[関係者#142309-2の名前]がたくさん写っていた。
懐かしさを感じた。と同時に、ナオヒコの餌をどうするか不安になる。貝殻なぞ。

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ノート中の“ナオヒコ”について、調査が行われる予定です。

残りのノートの内容については順次アーカイブ化が進められています。