むしゃくしゃして書いた。
にっかさんのこれ(http://fesix.sakura.ne.jp/contest/2017/alola/041.html)が好きなんです。
流血表現?があります。
昔々あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
ある日おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが洗濯をしていると、川上からどんぶらこどんぶらことそれはそれは大きなモモンの実が流れて来るのが見えました。
それを見たおばあさんは突然ハッスルすると、その大きなモモンを川から拾い上げ、家に持ち帰ってしまいました。
さてその大きなモモンをぱっかーんと割ると中からなんと、
それはそれは立派な筋肉! マッスル!!
そう、マッシブーン(ミニ)が出てきました。
たしかに立派な筋肉! たくましい体! でしたが、いかんせん生まれたばかりですからまだまだ未熟な筋肉です。マッシブーンは、子どものいなかったおじいさんおばあさんに養育されることになりました。
マッシブーンは人間と違って全身が赤かったり(まさに赤子ですね!)、四本足であったり、背中に羽が生えていたり、鳥のようなとがった口を持っていたりしましたが、まあ些事です。立派な筋肉! の前にはすべては些事です。
マッシブーンはモモンから生まれたので、桃=マッシブーン太郎と名付けられました。
ムキッ! お祝いのフロントダブルバイセップス!(腕を肩の上でムキッ! として上腕二頭筋をアピールするポーズ)
桃=マッシブーン太郎はすくすくと成長し、赤光りする筋肉! 素晴らしく鍛え上げられた体!!! となりました。
桃=マッシブーン太郎はひたすら己を鍛え上げ、ムキムキのマッスル!! を手に入れましたが、そうすると今度はこの筋肉! マッスル! そして溢れるパッション!! を誰かにぶつけたいと思うようになりました。己の全力をぶつけそして互いを高め合う相手を見つけたいのですが、生憎桃=マッシブーン太郎の住む場所は山奥でありそんな相手が見つかるはずもありませんでした。
そんなある日、所用でおじいさんと人里に下りた桃=マッシブーン太郎は、あちこちで悪さをする「鬼」の話を耳にしました。
マッスル溢れる桃=マッシブーン太郎には難しいことはわかりませんが、その鬼とやらであればこの筋肉! マッスル! そして溢れるパッション! をぶつけてもいいだろうということは筋肉! マッスル! でわかりました。
ですので桃=マッシブーン太郎は鬼退治に行くことにしました。
おばあさんは桃=マッシブーン太郎のためにおにぎりを握って持たせてくれました。
おじいさんは桃=マッシブーン太郎のために立派な陣羽織や刀を用意してあげようかと思いましたが、赤光りする筋肉! 鍛え上げられた肉体美!! を見て、そのままがいいと思ったのでそれはやめました。
おじいさんとおばあさんに見送られ、意気揚々と桃=マッシブーン太郎は筋肉! マッスル! 出発しました。
信じるは筋肉!! そして鍛え上げたこの筋肉!! 恐れるものは何もありません。
ムキッ! やる気全開のモストマスキュラー!(体をやや前傾にし、下ろした腕をムキッ! とするポーズ)
しばらく歩いていると、向こうからそこそこ大きなもふもふで橙色の犬がやってきました。
桃=マッシブーン太郎はとても大きな筋肉! マッスル! なのでそこそこの大きさに見えましたが、普通の人間からしたらとても大きな犬です。というかぶっちゃけウインディです。
ウインディは突然現れた桃=マッシブーン太郎の異様さに恐怖し、思わず襲いかかってしまいました。
しかし、その瞬間。
筋肉!! 咆哮!! 轟音!!
ウインディのすぐそばの地面が抉れました。ウインディはあまりの恐怖に情けない声を上げ、尻尾を隠してガクガク震えました。
マッスル溢れる体を持つため難しいことはわからない桃=マッシブーン太郎ですが、生き物を粉砕し辺りが血の海になるとおじいさんおばあさんが悲しそうな顔をするので極力しないようにしていたのです。
ですからウインディは命拾いしました。
あまりの出来事にウインディは盛大に下から漏らしていましたが、桃=マッシブーン太郎はそれに構わず先へ進むことにしました。
ムキッ! 口ほどでもない(?)のサイドチェスト!(体をやや斜めから見せるようにし片手でもう片方の手首を軽く握りムキッ! とするポーズ)
さてまたしばらく歩いていると、今度は"よがぱわー"溢れる小さな猿が、桃=マッシブーン太郎の前方にいました。
桃=マッシブーン太郎はとても大きな筋肉! 鍛え上げられたとても大きな筋肉! なので、それと比較すると小さな猿でしたが、実際はやや小柄程度の猿です。というか、ぶっちゃけチャーレムです。
チャーレムは溢れる"よがぱわー"により、どう考えても桃=マッシブーン太郎には敵わないことがわかったので、気配を察知するや否や木の上に逃げ出し、がたがた震えて盛大に失禁していました。
そこにやってきた桃=マッシブーン太郎。
筋肉! マッスル! が何かいると彼に囁いていましたが、同時に些事であることも伝えてきたので、鍛え上げられた肉体美!!! を何かに見せつけるように、ムキッ! と、よくわからんがとりあえずバックダブルバイセップス!(体の後ろの筋肉! を見せるポーズ。腕は肩の上でムキッ!)のポージングだけしておきました。
どうにかチャーレムは命拾いしました。
そのときチャーレムはあまりの出来事に気を失っていましたが、桃=マッシブーン太郎はそれに気づくこともなくそのまま先へ進みました。
さてまたしばらく歩いていると、今度は赤く流れるような冠羽が特徴的ないかにも勇ましい鳥が現れました。ぶっちゃけオスのケンホロウです。
ケンホロウは、桃=マッシブーン太郎のことを遠くから見つけ、タイプ相性よしと見なすや否や、桃=マッシブーン太郎を打ち倒すべく力を溜めて攻撃態勢を取っていました。あんなに恐ろしい存在は生かしておいてはいけないと思ったのです。
そんなケンホロウが待ち受けているところへ桃=マッシブーン太郎はやってきました。
今だ! とばかりにケンホロウは桃=マッシブーン太郎へ突っ込みました。渾身のゴッドバードです。
しかし、その瞬間。
筋肉!! 咆哮!! 轟音!!
哀れケンホロウは木っ端みじんになり、周囲を赤く染め上げました。
たしかに桃=マッシブーン太郎はおじいさんおばあさんが悲しそうな顔をするので、むやみに生き物を粉砕することはほとんどありませんでしたが、これは正当防衛なので何の問題もありません。
真正面から血を浴びたため、血も滴る素晴らしく鍛え上げられた筋肉!!! でしたが、血は乾くとカピカピになるので、桃=マッシブーン太郎は血を洗い流すべく川を探しました。
体を洗った川を赤く染め上げたので、周囲のポケモンたちは桃=マッシブーン太郎の存在に震え上がりましたが、まあ些事です。
ムキッ! 体を洗ってすっきりのアブドミナル・アンド・サイ!(腕を頭の上で組んでムキッ! とするポーズ)
さてまたしばらく歩いていると、海が見えてきました。海を見やると、おぼろげに島が見えました。
そう、鬼が住むという鬼ヶ島です。
ようやく見えた鬼ヶ島に、桃=マッシブーン太郎の溢れるパッション!!! は通常の三倍ほどにもなり、その勢いで桃=マッシブーン太郎は海へと飛び込みました。とうとう好敵手に会えるというものですから、まあ仕方のないことです。
桃=マッシブーン太郎が泳ぐのは初めてでしたが、そこは筋肉! マッスル! が泳ぎ方を囁いてくれるので何の問題もありません。それはもう見事なバタフライ泳法で水をかき分け鬼ヶ島へ突き進んでいきました。
さて鬼ヶ島側から見ると、得体の知れない何かが猛烈な勢いで水しぶきを上げて迫ってくるものですから、鬼たちは大慌てです。
桃=マッシブーン太郎が鬼ヶ島へ上陸すると、わらわらと小さな鬼が桃=マッシブーン太郎を取り囲みました。ちまたでは腕利鬼(わんりき)と呼ばれるその鬼ですが、まあぶっちゃけワンリキーです。
ワンリキーは小さな体ですが、大人の人間を百人投げ飛ばすほどの力を秘めている鬼です。しかしながら、桃=マッシブーン太郎の前では赤子同然です。いくら取り囲もうとも腕の一振りであっという間に追い払われてしまいました。
そうこうしているうちに、今度は剛利鬼(ごうりき)――まあぶっちゃけゴーリキーです――がやってきました。ワンリキーよりも骨はありますが、桃=マッシブーン太郎としてはまったくもってもの足りません。筋肉! マッスル! で、ちぎっては投げ、ちぎっては投げ、我が筋肉に勝るものなし!! とばかりに桃=マッシブーン太郎は突き進んでいきます。
やがてワンリキーもゴーリキーも現れなくなり、筋肉! マッスル! で難しいことはわからない桃=マッシブーン太郎も、さすがにおや? と思いました。
しかし、桃=マッシブーン太郎の鍛え上げられた筋肉!!! はこの先に強敵がいると囁いています。桃=マッシブーン太郎は臆することなく突き進みました。
そうしてしばらくすると怪利鬼(かいりき)と呼ばれる鬼――まあぶっちゃけカイリキーです――が桃=マッシブーン太郎の前に姿を現しました。しかも、四人もいます。今までの鬼たちよりも強敵の気配がします。
「やい、あやしい赤筋肉達磨め! 我ら鬼ヶ島四天王が成敗してくれる!」
四天王と名乗るからにはきっと強いのでしょう。
四天王たちは各々、フロントダブルバイセップス、サイドチェスト、バックダブルバイセップス、アブドミナル・アンド・サイといったマッスルポーズをとりました。桃=マッシブーン太郎も負けじと、ムキッ! とフロントラットスプレッドのポーズをとりました。(腕を軽く下ろしつつムキッ! とするポーズ)
「まずは東を司る私が相手だ」
一人のカイリキーが前へと出てきました。
桃=マッシブーン太郎はそのカイリキーと組み合うと、筋肉! マッスル! に軽く力を入れ、ぽいっとカイリキーを投げ飛ばしました。
ご大層なことを言う割にたいしたことはありません。これには桃=マッシブーン太郎もがっかりです。
「ひ、東のおおおおおおおお!!!!!!!!」
「ククク……所詮、彼奴は我ら四天王の中でも最弱……」
「お空、きれい」
どうにも言っていることはバラバラですが、まあ構いません。まとめて投げ飛ばせばいいだけですから。筋肉! マッスル! で難しいことはわからない桃=マッシブーン太郎にだって、そのくらいはわかります。
そういうわけで桃=マッシブーン太郎は前へと一歩踏み出しました。
四天王(笑)たちは、ひっ、と小さく悲鳴を上げて後ずさりました。
しかしそのとき、四天王の一人が首をぶんぶんと横に振り叫ぶように言いました。
「ええい、恐れる必要はない! 西の! 北の! 同時にやるぞ! 複数で行けばやつも対処できまい」
複数で襲いかかる時点で怖がっている証のような気もしますが、まとめ役らしい南の四天王が声をかけると、他の二人も我に返り、たちまち桃=マッシブーン太郎へ襲いかかります。
しかし、その瞬間。
筋肉!! 咆哮!! 轟音!!
桃=マッシブーン太郎は飛びかかってくるカイリキーたちを鍛え上げた素晴らしい筋肉! で投げ飛ばしました。さすが四天王を名乗るだけのことはあり、気絶こそしていましたが、どうやら大きな怪我を負うようなことはありませんでした。
さてそのときです。筋肉! マッスル! たくましい体! が強敵の気配を察知しました。
桃=マッシブーン太郎はそれに歓喜し、見る者もいないのにムキッ! ムキッ! とフロントダブルバイセップスのポーズをとりました。(腕を肩の上でムキッ! として上腕二頭筋をアピールするポーズ)
さあ、いよいよです。胸を高鳴らせ、桃=マッシブーン太郎は進みました。
果たしてそこには、先ほどいた四天王のカイリキーたちよりも一回りも二回りも大きなカイリキーがいました。桃=マッシブーン太郎に負けず劣らずの筋肉! マッスル! 鍛え上げられた筋肉!
もはや言葉などは不要。すべては筋肉! マッスル! で語り合うのみ。
桃=マッシブーン太郎は二本の腕、カイリキーは四本の腕。桃=マッシブーン太郎は不利でしょうか? いいえそんなことはありません。
真正面からがっぷり組み合うと、両者一歩もそこから動きません。
そう、鍛え上げられた筋肉! 上腕二頭筋! 前腕筋! 三角筋! 僧帽筋! 広背筋! 腹筋! 大臀筋! ありとあらゆる筋肉! がうなりを上げます。
彼らに迷いはなく、信じるは筋肉!! そして鍛え上げたこの筋肉!! 筋肉!! 筋肉!! そして筋肉!!
やがて均衡は崩れました。
筋肉!! 咆哮!! 轟音!!
土煙が消えたとき、そこに立っていたのは、桃=マッシブーン太郎でした。
我が筋肉に勝るものなし!! とばかりに桃=マッシブーン太郎は勝鬨(かちどき)を上げます。
フロントダブルバイセップス! サイドチェスト! バックダブルバイセップス! アブドミナル・アンド・サイ! そして渾身のモストマスキュラー!
「さあ、首を持って行け」
鬼たちの頭(かしら)であるカイリキーは地面に倒れ伏しながらそう言いました。しかし。
「何を言っている、我が好敵手(とも)よ!」
キェェェェェアァァァァァァァ!! シャ、シャベッタァァァァァァァァァァ!!!(ry
なんと桃=マッシブーン太郎が口を開きました。
「これから我らはここで筋肉! の楽園を作るのだ。そしてこの筋肉! マッスル! をともに鍛え上げるのだ!」
マッスル! ムキッ! と赤光りする筋肉! をアピールしつつ桃=マッシブーン太郎は言いました。
たしかに頭のカイリキーは桃=マッシブーン太郎に負けましたが、ここまで桃=マッシブーン太郎と渡り合える存在はそうはいません。桃=マッシブーン太郎はとても嬉しかったのです。楽しかったのです。
「好敵手(とも)よ、さあ立て」
桃=マッシブーン太郎は頭のカイリキーに手を差し出しました。頭のカイリキーはしばし見つめると、その手を取りました。
エンダアアアアアアアアアア(※違います
さてその後。桃=マッシブーン太郎は鬼たちがこれまで人々から奪ったものをすべて返却させました。筋肉! を鍛えるのに邪魔になるからです。
足りない分は体で返させました。つまり力仕事で。桃=マッシブーン太郎も素晴らしい筋肉! で手伝いました。
それらの作業がすべて終わると、あとはそう、トレーニングです。筋肉! という筋肉! を鍛えに鍛え上げるのです。
マッスル! ムキッ! マッスル! ムキッ! マッスル! ムキッ!
桃=マッシブーン太郎は鬼たちとともに筋肉! マッスル! を鍛え上げ、さらなるたくましい体! を作り上げ、ときには鬼たちと力比べをし、溢れるパッション! を発散し、幸せに暮らしました。
それはそれとして世界はダムの底に沈みました。
しかしまあ、筋肉ではどうしようもありません。
めでたしめでたし。
――
(たぶん)夏コミ前に途中まで書いて放置していたのを、むしゃくしゃしたので続きを書きました。
もう本当にね、にっかさんのあれが好きで。
三次創作?
でも、あれはやはりあの短さだからこそいいんだなとしみじみ思いました。
あと語彙力のなさがつらい。
正直これを読むと、これ書いたやつは馬鹿なんじゃないか?と思うけど、書いたのはわたしなのでつまり、ええ。
鬼の名称は鳩さんが青の器(http://masapoke.sakura.ne.jp/stocon/novel36.html)で使ってたりするのをお借りしました。
マッスルポーズ?はこちらのサイトを参考にしました。
https://kintorecamp.com/bodybuilding-poses/
これを書いてる間は楽しかったです。
それダムはいいぞ。