昔々あるところに気のいい青年が一人で暮らしていました。 ある日青年が外を歩いていると、アブリーが罠にかかってもがいているのが目に入りました。 アブリーを哀れんだ青年は罠から解き放ってやると、いいことをしたといい気分で家路につきました。 さて次の日のことです。青年が家でのんびりしていると、コンコンと戸を叩く音が聞こえました。人が訪ねてくるなんて珍しいことがあったものだと、青年が戸を開けますと、そこにはなんと! 筋肉! 赤光りする筋肉! マッスル! が見えました。 「先日助けていただいたアブリーです☆」 青年は無言で戸を閉じようとしましたが、アブリー(?)に戸を押さえられてしまいそれは叶いませんでした。 青年は思い切り舌打ちをして言いました。 「マッシブーンじゃねーか!」 「アブリー(マッスルフォーム)です☆」 きゅるん☆ムキッ! アブリー(?)がきゅるん☆ポーズを取っている隙に、青年は再度戸を閉めようとしたのですが、マッシブーン……いえアブリー(マッスルフォーム)が四本ある内の一本の足で戸を押さえていたためにやはりそれはできませんでした。 「帰って、どうぞ」 「もう、旦那様のい・け・ず☆」 くねくねとしながらマッシブーン……いえアブリー(マッスルフォーム)は言いました。 「お前の旦那じゃねーし! 帰れ!」 「炊事洗濯お掃除なんでもござれ。もちろん夜のお相手も……きゃー! 恥ずかしい!」 途中まではふんふんと聞いていた青年ですが、後半の言葉にうへえという顔をします。すかさず青年は全身全霊で戸を閉めようとしましたが、残念ながらびくともしません。 「間に合ってます……! だから帰れ!」 「もう、照れ屋さんなんだから」 「違う」 「これからよろしくお願いしますね、だ・ん・な・さ・ま☆」 「お願いだから帰ってえええええええええええええ」 青年の声がむなしく響き渡りました。
それからなんだかんだ、ふたりは仲睦まじく?暮らしたそうです。 めでたしめでたし。ムキッ!
------------------ ということでマッシブーン昔話です。 浮線綾さんがマッシブーンbotにヘッダーの画像とアイコンを描いてくだって、うれしかったので下書きのまま放置してたのを清書しました。 https://twitter.com/fusenryo/status/1139737376610144257?s=21 https://twitter.com/fusenryo/status/1141293555245187072?s=21 本当は恩返しパート(?)も書きたかったのですが、思いつかなかったので諦めて短くまとめました。
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