ガタゴトと音を立てながら、何かの貨物が揺れているらしい。辺りは黒い布を被せたみたいに薄暗く、あいにく外の様子は分からないのだが。
その音に従うように、私の入ったボールもまた、揺れていた。
察するに、何かの乗り物に乗っているようだった。前にご主人と乗った、眩い光を発しながら真っ暗なトンネルをひた走る巨大な鉄の塊が、これと似たような感覚だったように思う。
ボールの中にいることもあってか、小気味良いリズムはまるで揺りかごのよう、ガタゴト音はさながら子守唄といったところか。私はその揺らぎに身を任せ、うとうとと目を閉じていた。
体はひどくだるくて、頭は重石をくくりつけられたようにぐらぐらする。何かを考えることすら億劫だった。重苦しい意識の中、ただひたすら、眠りにつくことだけ集中していた。
これは、ただの悪い夢。寝て起きたら、きっと、全て元通りになっているはず。
そう自分に言い聞かせながら。
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BW2をやってたらふと書きたくなったので、一気に書きなぐりました。
とりあえず読みきりサイズには収まらなかったので続きます。
完全なる見切り発車です。どうなることやら……
すでに長編一本連載していますが、特にいくつまでという規制もないようなのでこちらに投稿したいと思います。
簡単に見積もって五、六話くらいの長さになりそうです。
できるだけ完結できるよう頑張ります!
また、この作品は流血シーンや生々しい描写を少々含みます。
苦手な方はお気をつけ下さい。