『雪が大きく吼える日に一人で外に出て行っては行けないよ』
『その白い手があなたの手を捕まえるでしょう』
『その白い腕があなたを抱きしめるでしょう』
『その白い歌があなたに口づけをするでしょう』
『そのとき、あなたは――』
ある村にはこのような伝承が残っていました。
昔々、とある雪深い村に一人の少女がいました。
年は10代の真ん中といったところで、
背は少々小柄で、黒い髪を腰まで綺麗に垂直に垂らしており、
そして、華奢な(きゃしゃな)首からは先端に銀色の鈴が付いている赤い紐(ひも)が垂れていました。
その少女には想い人がいました。
この雪深い村に住んでいる一人の若い殿方でした。
身の丈はゆうに六尺を超えており、体つきも中々がっしりとされていました。
年は少々離れておりましたが、その少女がその殿方を見つめる小さな瞳は恋という文字を映していました。
「あの人とずっと、ず〜っと一緒にいたいなぁ……」
月並みな呟きでしたが、少女の想いは本物で日に日に強くなっていきました。
同じ村に住んでいるので、もちろん意中の殿方と言葉を交わしたことはありましたが、
殆どが「こんにちは」などの挨拶程度で、
そこから発展したとしても「今日は天気がいいねぇ」といった、たわいもないこと止まりでした。
それ以上の発展がどうしても続かない……。
大好きな殿方が目の前におられるのだからでしょうか、いざ殿方に声をかけるとき、
胸の鼓動の速度は気が遠くなる程、加速していってしまうようです。
「でも……このままじゃ、ダメだよね……」
ある日の夜、月が高く昇っている頃、少女は家の中で毛布に潜り込んで、完全な真っ暗の中で考えていました。
「このままだと……他のだれかに……いや、そんなの絶対にいやだっ」
殿方が他の女性と仲良く暮らしているところを想像したおかげでしょうか、少女が遂に決意しました。
「もうすぐあの人の誕生日だわ……そのときに告白しましょっ!」
この村から少々離れた森には一つの湖があり、
その湖の周囲には雪の中でも咲くことができる不思議な白い花があるとか、
そして、その白い花に込められた花言葉が『譲れない愛』だったはず。
少女は村人から聞いたその話を基に、白い花束を殿方に想いとともに渡そうと決めました。
そうと決まれば明日は朝早くから出掛けなければと少女は急いで夢の中へと走って行きました。
遠くから聴こえるグラエナの遠吠えに背中を押してもらいながら。
翌日、朝日が昇るのと同時に少女は家を出ました。
茶色の毛皮を身に羽織って(はおって)意気揚々と歩き始めました。
誰にも内緒で、もちろん意中の殿方にも内緒にしたいことなのですから、
ピジョンが朝を告げる歌を上げる前に少女の足跡は村から出て行きました。
サラサラと砂のような雪に、サクサクという何かをかじるような音を残しながら、少女は件の森を目指しました。
天気は大変良好で空一面、青色で塗られていました。
少女自身、あまり村に出たことがなかったからでしょうか、楽しい気分になっているようで鼻歌まで出ています。
サクサクという何かをかじるような音と少女の鼻歌が、
ちょっとした偶然のハーモニーを奏でながら続いていき、
小一時間ぐらいで件の森に到着しました。
「よし! 見つけてやるわよぉ! あの白い花!」
少女の心意気にビックリしたかのように、
近くにいたミミロルが踊るようにして雪原の遠くへと走り去って行きました。
森の中は上に太陽があれど薄暗く、時々、何かが動いたと思われる音に肩をすくませたこともありましたが、
少女は愛する殿方のことを考えると、すぐに恐怖を捨てて、無我夢中になって奥に進んで行きました。
ただ真っすぐに歩き続けること小一時間、
木々の空間からようやく開いた空間で少女が見たもの――
それは例の湖でした。
綺麗な丸い円を描いていて、半径は8尺ほどあり、
寒い季節で表面は見事に凍りついてます。
ちなみに、少女が向いている方向の先――湖の奥には中ぐらいの大きさを持った山脈が続いていました。
さて、凍りついた湖の上を楽しそうに滑って遊んでいるポケモンが数匹いましたが、
少女の心はもう『花』という文字しか映っていませんでした。
すぐさま、話を聞いた、あの白い花を見つけるべく、かがみこんで草をかき分けていきます。
と、言いますのも少女が探している花は真白に染まっている為、
傍目からだと白い雪が保護色になってしまっていて、見分けがつかないのです。
厚手の手袋と厚手の服が、森から開けた場所の為、太陽の光を浴びて熱をためていきます。
その熱からでしょうか、
それとも焦りからでしょうか、
少女の額(ひたい)から透明なモノがこぼれていきます。
「ぜったいに、ぜったいに……見つけるんだから、ぜったいに、ぜったいにぃい!!」
必死な少女の姿に降伏したのでしょうか、
ようやく白い花が少女の目の前に現れました。
少女はその可憐(かれん)な白い花を目に映した途端、すぐにその花を
逃がさないように、
誰にも採られないように、
その手で覆いました。
「やっと……やっと、見つけたよぉ……」
感激のあまり、少女はそのつぶらな瞳にうっすらと涙を乗せました。
その白い花は花弁だけではなく茎も雌しべも雄しべも……そう、何もかもが真白だったのです。
この限りない白が『譲れぬ愛』を示しているのでしょうか?
他の色を寄せ付けない白、つまり、それは、誰もあの殿方を渡しくないという少女の心を表して――。
「う、うう、もっとだ」
少女は呟きました。
「もっと、もっと、もっと、たくさん! この花を持って帰ろう!! そうすれば、絶対にうまくいくはずよ!!」
少女は無我夢中になって、他にもあの白い花がないかと探し出しました。
一輪、また一輪と少女の手には白い花が積まれていきます。
そして気が付けば見事な白に白を重ねた純白きらめく花束が産まれました。
これだけあればもう充分と少女が空を見上げた頃には、曇天が空に広がっていました。
少女が朝、出発したときには雲一つない青空だったのに、今ではその青色は見事に灰色に上塗りされています。
ちらほらと雪が降り始めていき、寒風も心なしか少し強くなっているような気がした少女は、
純白きらめく花束を大事そうに抱えながら、湖を後にすることにしました。
最初は小雪程度で穏やかに綿胞子のようにふわふわと描きながら降っていましたが、
徐々に大雪に変わってきて、重くのしかかるような降り方になっていき、
おまけに風も強くなっていき――吹雪となってしまいました。
しかも向かい風の為、少女の歩む足は中々、前へと、動いてくれません。
森を出るところまでは雪風は大人しかったのですが、
そこから、雪風はその白い牙を猛々しく(たけだけしく)ふるってきたのです。
少女の、か細い体は確実にその白い牙によって傷ついていきました。
けれども、少女の前へ歩こうという意志は少しも揺らぎませんでした。
この純白きらめく花束を渡して、あの殿方を――。
吹雪の歌が少女の自由を奪い去りました。
少女の感覚は徐々に遠くなっていき、
少しずつ、目もうつろになっていきます。
そして自分の目の前にあの殿方のことだけが鮮明に映し出され――それが走馬灯だということを少女は知りませんでした。
ねぇ、ずっと、わたしのそばにいてよ。
ねぇ、ずっと、わたしは大好きだったんだよ。
ねぇ……ねぇ…………ねぇ………………。
目の前にいる殿方が幻だとも気付かずに、声をかける少女の生気はほぼ底をついて――。
『……まだ、生きたいですか?』
突然、少女の目の前に何者かが現れました。
少女の目はもう殆どかすみ目状態の為、確認できなかったのですが、
それは水色の模様が少しばかりあしらわれている真白な着物に、、
そして白の中に咲いたかのような紅色の帯のようなものをつけていました。
『もう一度訊きます。まだ、生きたいですか?』
もう死にかけているはずであった少女の頭の中に直に響いてくるように聞こえてくる言葉。
凛(りん)とした女性のような声がそこにありました。
少女はもう体を動かす事はできませんでしたが、かすかな意識の中で思いました。
『生きたい……生きたいよ……!』
少女の想いを、のどから発した声のように聴き取った何者かは、少女との距離を詰め、少女の顔の前に現れました。
真白の着物からのぞく紫色の顔に、頭には角のように生えている二つの氷。
そして、冷たく透き通るかのように映える、綺麗な水色の瞳。
『もう二度と、元の生活には戻れなくても、それでも、生きたいですか?』
何者かの『生きたいですか?』という言葉に少女は強く反応しました。
生きて、あの殿方に告白する為に――。
浮かび上がる殿方の姿から、このときの少女は『もう二度と、元の生活には戻れなくても』という言葉を考えることが叶わなく。
それ故に迷うことなんかありませんでした。
『生きたい、わたしは生きたい……生きたいんだよ!』
少女の願いを受け入れた何者かはその顔を更に少女の顔に近づけ――。
元から紫色に塗られていた唇と寒波の筆により紫色に塗り替えられた唇が重なりました。
冷たい風がなぜか甘い香りを伴いながら心地よく少女の体の中を吹き抜けて行き、
少女は全てを、その何者かにゆだねていました。
そして突然、
少女の首に巻いてあった赤い鈴付きの紐がちぎれて、吹雪の中へと舞っていきました。
体に受けている冷たい風が気持ちいい。
その感覚から目を覚ましたのは少女――。
『……えっ?』
厳密に言えば、目を覚ましたのは少女でした。
『…………体が、なんか、おかしいよ?』
その瞳に映っていたのは真白の着物を身に包んだかのような体と、
そしてその体に巻かれている紅色の帯。
更には、自分の体が何故だか縮んだかのような感じがしてなりませんでした。
『むにゅ? こんなところで何をしてるんでちゅか?』
突然に舞い込んできた声とともに少女の瞳に映ったのはうさぎポケモンのミミロルでした。
何故、人間であるはず自分がポケモンの言葉を聞き取れるのかが分からなくなって、戸惑いを見せていると――。
『きこえてまちゅか? ユキメノコしゃん?』
少女は不思議な感覚の正体を知りました。
そのとき、少女はぼんやりとではありましたが、何者かに話しかけられたことを思い出します。
あの何者かというのは、ユキメノコだったのです。
『むにゅにゅ? なにか、かんがえごとでちゅかね? それはしつれいでしたでちゅっ』
ミミロルはユキメノコからの返答がないところから、そうみて、立ち去ろうとして、
二、三歩、ユキメノコから距離を離したところで一回振り返りました。
『どこかで……会ったこと、ありましたでちゅか?』
そんな疑問符を雪原に残して。
少女が状況を理解するにはやはり時間がかかりました。
死んだと思いきや、目を覚ましてみればユキメノコに――ポケモンになっていますし、
それと、少女に起こった変化は外見だけではありませんでした。
「ひゅう、ひゅううう」
人間の言葉が出ないのです。
ポケモンの声はさっきのミミロルのときに聞こえていたのですから、
ポケモン同士なら話をすることは可能でしょう。
しかし、少女の住んでいた村には人間が殆どです。
ポケモンの言葉を人間の言葉に翻訳できるという素晴らしい芸を持っている人なんて、
少女の知る限りあの村にはいませんでした。
『もう二度と、元の生活には戻れなくても、それでも、生きたいですか?』
あのときのユキメノコはそのようなことを言っていたような気がすると、少女は思い出しました。
思い出して、涙が溢れてきました。
『もう、この姿じゃ、あの人と一緒にいられない……! だったら……!』
あのときのユキメノコの言葉を認めたくありませんでした、
しかし、今の自分の姿はその言葉の意味を嫌というほど語ってくるような感じが少女にはしました。
『まだ…………死んだ方が……良かったよ……!!』
あの殿方に出逢ったとしても、その瞳に映してくれるのはユキメノコというポケモンで、
少女ではないのです。
それが少女にとっては、生き地獄のようなもので、苦しくて苦しくて、仕方ありませんでした。
少女はもう何も考えたくありませんでした。
一人、いや、もう正確には一匹だけで落ち着ける場所が欲しくなりました。
そして、そのまま何もせずにいれば、きっと楽になれる、そう信じて…………。
少女はなんとなく、あの白い花を取った湖に戻ってきて、
しばらく辺りをうろついていますと、一つのほら穴を見つけました。
少女が最初に湖にきたときに見えた山脈のふもとに、ぽっかりと誰かを誘うようなほら穴がそこにありました。
中に入ってみると、がらんどうのようで誰もいません。
広さは大人の人間が10人ぐらい入っても大丈夫そうなもので、
天井からは所々、透明な鋭いひげが垂れており、一本一本の長さはそれぞれ違っていました。
少女はとりあえず誰にも気付かれないように奥のほうに向かい、静かに座りました。
それから……少女は何も考えませんでした。
水色の瞳にあった光もどこか弱々しいものでありました。
人間のときはあれだけ寒くて冷たくて避けていた風が、ほら穴の中に入ってきて少女のところまで届くと、
なぜだか抱きしめてもらって、慰められている感じがしてきて、
それが少女にとってみじめで涙を止めることができませんでした。
一人になれて少しは楽になった少女でしたが、
ユキメノコになってしまった、その変わらない事実が
少女の胸に『しめつける』で離すことはありませんでした。
そんな感じで少女がほら穴の中に引きこもり始めてから数日後のことでした。
少女にはもはや興味がなかったことでしたが、外からは寒風の叫び声が聴こえてきており、
どうやら外では吹雪が乱舞していたころ、
「あれ? 誰かいるんですか?」
少女の――ユキメノコの目が大きく開きました。
馴染みのある声に思わず引っ張られる形で少女の顔があがった先には――。
「あれ……キミはユキメノコ、かな?」
身の丈はゆうに六尺を超えており、体つきも中々がっしりとされていました、
その人が厚い頭巾から顔をあらわにしました。
年は20代でさわやかそうなその顔は少女の見覚えがあるものでした。
「ご、ごめんね。見ての通り、吹雪がいきなりやってきてさ、おさまるまで、ここにいさせてもらってもいい?」
その人は少女の想い人である殿方でした。
とりあえず少女は顔を縦に振ると、その殿方は礼を言いながら座りました。
自分の大好きな人と一緒にいられるという空間が、少女の瞳に生気を与え、
そして殿方のほうへと近づくと、少女はゆっくり座りました。
今の姿がユキメノコだからでしょうか、ふつふつと湧き上がる感情に火傷(やけど)しそうで、
いや、それ以上に、溶けてしまいそうな感覚が少女の中に広がりました。
今の自分の姿では、村にいるあの少女だと気付いてくれない、ということよりも、
今、大好きな殿方と一緒に二人っきり(正確には一人と一匹ですが)でいられるという事実の方が少女には刺激が強かったのです。
「キミはここに住んでいるの?」
少女は顔を縦に振りました。
「そうか……確かに、住みかにするには良さそうな場所だよね」
次に少女は頭から疑問符が出ているかのように殿方を見つめてみると、
奇跡的に意図が通じたのか殿方は苦笑混じりで答えました。
「ここにある森にある実を取りにきたんだけど……途中で吹雪いてきちゃってね、
朝はすごい天気が良かったから大丈夫だって思ったんだけど……いや〜、雪は本当に読めなくて困るよ」
少女は殿方の言葉を聞きながら、感動に震えていました。
人間の言葉を話すことができないのが非常に残念でしたが、
殿方と時間を共有しているということがその残念さを吹っ飛ばしていました。
『自分なんだよ、わたしは、あの村の女の子なんだよ!』
『あなたのことが大好きなんだよ!!』
心ではそう強く想いながらも、残念ながら声が出ない今、そのことが伝わらないということから、
今度は悔しい気持ちが少女の中に広がっていきました。
人間の声を出せない今、どうしても、この姿でもいいから、気持ちを伝えたい。
そうでもしなければ、自分の気が治まらないという想いが少女の中で産まれました。
その想いが強い刺激を与えたのでしょうか、少女の頭の中に何かを閃いたという光が走りました。
少女はいきなり外へと飛び出しました。
殿方の目が一気に驚きに満ちたというのは言うまでもありません。
少女は荒れ狂う吹雪もなんのその突き進んでいき、例の湖の場所へとたどり着きました。
これがユキメノコの持つ力でしょうか、全然、体は寒くありません。
むしろ、寒気を受けた体がだんだんと活気に満ちていきます。
少女は早速、辺りの草をかきわけて――。
少女が再びほら穴へと戻るとそこにはまだ例の殿方が座っており、
携帯食を持っていたようで、それを口にちょっとずつ入れていました。
「ひゅい、ひゅいー」
少女の――ユキメノコの姿に気付くと殿方は目を見開きました。
「あ! もう、ビックリしたよ? いきなり出て行ったからさ……僕、なんか悪いことをしちゃったかな……って思ってて」
「ひゅい、ひゅい、ひゅ!」
少女はそんなことはないという意味を込めながら笑うと、
殿方もソレにつられて微笑みました。
どうやら、安堵(あんど)したようです。
少女は今が機会だと思い、殿方に何かを差し出しました。
「それは……!」
殿方がまた驚きの顔をみせた、その先には――。
あの白い花が数本ありました。
「……え? もしかして、これ、僕にくれるの?」
「ひゅいっ ひゅい!」
「わあ、ありがとう! 実はね、これを取りに来たのもあったんだよ」
「ひゅい!」
殿方が喜んでくれている様子に少女もつられて喜んで――。
「これで、告白も大丈夫かな。 えへへ、もしかしたらキミにはバレていたかもしれないかな、なんてね!」
少女の時が止まったような気がしました。
「ひゅい?」
「ん? 告白のことかな? えへへ実はね、結婚を考えていてさ、その子に告白するときに、この花も渡そうと思ってて」
少女は初めて知りました。
殿方には結婚しようと思っている女がいるということを。
少女は感じました。
殿方の背が見えなくなるほど遠くなってしまうことを。
『なんで? なんで、いつの間に? ウソでしょ? ウソなんでしょ? ウソって言ってよ!!!』
しかし、恥ずかしそうに照れながら語る殿方に嘘という文字はありませんでした。
調子に乗ってしまったのか、殿方は自分と結婚相手のことについて口を快走させていきます。
『だれなの、その女? ……ねぇ、止めてよ。…………止めてって。………………お願いだから、その話を止めてよ!!!』
殿方の口から出てくる結婚相手の名前が出てくる度に少女は痛みを感じました。
そして、人間の言葉では、そう訴えているのに、ユキメノコからでは人間の声を奏でることは叶うことはなく、
それ以前に、あまりの衝撃にユキメノコとしての声も出せないままでした。
「本当にありがとね、彼女もきっと喜んでくれるよ!」
『お願いだから……その笑顔をわたしだけに……………あなたはわたしのものなんだから!!!!!』
殿方の言葉と少女の想いが重なった瞬間でした。
甲高く、鋭く金属を鳴らしたかのような音色がほら穴の中に響き渡りました。
そこにあったのは一つの氷塊で、その中には、
笑顔の殿方と――。
「ひゅい……ひゅう、ひゅいひゅいひゅい、ひゅい……ひゅうひゅいひゅ、ひゅいひゅひゅひゅう……。
ひゅい……ひゅ、ひゅい……ひゅい………………ひゅ、ひゅ、ひゅい……ひゅういひゅうひゅ………………。
ひゅ、ひゅ……ひゅい、ひゅういう………………」
譲れぬ愛。
【書いてみました】
テストで受けたショックから書いてみた結果がこれだよ!!
……嘘です。ごめんなさい。(汗)
ただ、『○○した結果がこれだよ!!』と言ってみたかっただけです。(汗)
今回はポケモン界では雪女(だと思われる?)のユキメノコで話を書いてみました。
執筆の際、素敵なユキメノコのポケモンカード(作:姫野かげまる氏)には近くに鎮座してもらいました。
なんだろう……今まで、のほほん系とか穏やか系を書いていたからでしょうか?
(個人的に)温度が冷たすぎる作品を(多分)初めて書いてみて不思議な感じです。(汗)
最後の少女の言葉は最初、『大好きだよ……』と『好き』という言葉をたくさん並べてに書こうとしたのですが、
(表現があっているか分かりませんが)ユキメノコ語にしたほうが伝わるかもしれないと思いまして、上記の通りにしました。
あと、白い花は一応、創造上の花です…………実際にあったりするのかな…………って甘いですよね。(汗)
ちなみにユキメノコがゴーストタイプということで……。
『ユキメノコ:気に入った女性の唇を奪って自分の仲間――ユキメノコにするという』
そのような一種の怪談話みたいなことを考えながら、
少女とユキメノコのシーンを書きました。
女性の方、どうか雪が降る夜にはユキメノコにご注意下さいませ……。(汗)
ありがとうございました。
【何をしても大丈夫ですよ】