安全迅速 投げ出しませんつくまでは!
・・をモットーにやってます!
サブタイ 『チョロネコヤマト豊縁支部出張研修編』
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(♪ポケットの中にはビスケットが一つ〜のリズムでお読みください)
♪ ジャケットの中にはゴ―スが一匹
もひとつたたくと ゴ―スが二匹
もひとつたたくと ゴ―スが三匹
叩いてみるたび ゴ―スが増える ♪
・・って、おまえら。私のダウンジャケットの中で何やってんだぁぁぁ!
正式にチョロネコヤマトの社員になるため、なんか新人研修とやらを受けなくちゃならないらしい。そんなんしなくてもノウハウは分かってるつもりなんだけどなー。
丁度行き先が前々から気になっていたカゲボウズ付きのアパートのある地方だったので、見物がてらに行ってみるかと思って荷物をまとめて出発した。
ゴーストポケモン共には『私が帰ってくるまでに硬筆三段が取れるくらい腕前になっとけ』と大量の漢字練習帳と鉛筆とドリルをおいてきてやったのでまぁ大丈夫かとたかをくくっていた。まさかついてくるわけ無いだろー。
甘かった、私が盛大に甘かった。ココアに砂糖一袋ぶち込む以上に甘かった。甘すぎて胸やけがする。
船の中で二泊三日、の二日のお昼あたりで向こうの気温をみると結構温かいらしい。さすがは南。新奥なんかよりよっぽど温いねー。
テレビを眺めながら冬物の服持ってこないほうがよかったかな―とか思いながらカバンを開けた、ら。
ダウンジャケットがあった。うん、そりゃ持ってきたんだからあるよな。
・・なんか、妙にパンパンじゃねぇ?こんなに膨らんでたっけ・・。
・・・。
あやしい。
出かける前にゴ ―スどもがなんかイタズラしたんじゃないだろうな?服の中に工具詰めるとか。・・いくらなんでも重さで気づくか。
うーん・・。気圧がさがったわけじゃあるまいし。つーか飛行機じゃないっつーの。
・・。
「ちぇりお―!」
間違えた、チェストだった。もう遅い。ダウンジャケットに きあいパンチを くりだした!
ぼすっ 「ぴぎゃい!」 ポン ゴ―スが そでから こぼれおちた。
・・へ?
あ、あいつ、何事もなかったかのようにジャケットに戻りやがった。
・・・ほほぅ?
息を吸い込んで―・・・「あたたたたたたたたたたたたたたたた!」
れんぞくパンチを くりだした!
ぴぎゃきゃきゅきゃいきゃいくきゃきりりくきゅるきゃらー
叩けば叩くほど溢れ出るゴ―ス!なんだこれは!
・・そして冒頭の状況へ。
全部で15、6匹のゴ―スがジャケットの中にいました。おい、お前らが出た後のジャケットペッタンコなんですけど?中身全部抜いたのかお前ら。
これ、チルタリスの羽毛100%だった高級品なんだぞ?ゴ ―ス100%にしてどうすんだよ?つーか、なんでついて来てんだ!硬筆三段取れるようになってんだろうな?
あぁもう・・。あっち行ってまでなんでお前らと一緒にいなきゃなんないんだよー!私にゴーストタイプ以外の出会いはないのか!
・・いかん、この調子だとホウエンゴーストタイプめぐりツアーになるような気がする!おい、お前ら笑ってる場合じゃねぇ!
つーかこの船ボールに入っていないポケモン持ち込み禁止だし!おまえら無賃乗船兼無断乗船じゃん!この場合怒られるんのは私なんだからな!
くそ、なんでこいつ等に振り回されんといかんのだ!あー、もういい!お前らジャケットに戻れ!もう向こうにつくまで出てくんじゃねぇぞ!
その夜。
・・おまえら、腹へってねぇ?
ほれ、握りめし。分けてから食えよ!
・・ほら、いらない心配する羽目になる。