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  [No.469] ウィッシュスターとバースデイ 投稿者:マコ   投稿日:2011/05/24(Tue) 17:14:13   52clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

こんにちは。マコです。
今回のお話はポケリアの特別編です。
特別編と言いながら7,8話くらいのボリュームになりそうなので、別スレを立てることにしました。


今回はジラーチがマイコの家にやってきた7月1日から、ジラーチが再び1000年という長い月日の眠りにつく日である7月7日までの1週間という形で進めていきたいと思います。


それでは、奇跡の出会いを果たした1週間のお話へ、いってらっしゃい!


  [No.470] 1日目 星が降ってきた! 投稿者:マコ   投稿日:2011/05/24(Tue) 17:17:29   56clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

その日、マイコが見ていたニュースで、女性キャスターがこんなことを言っていた。
「今日7月1日に、1000年に1度しか見られないという千年彗星が見られるという現象が起きます!見られた人はとってもラッキーですね!もちろん、見逃すともう一生見られないので、見逃すことのないよう準備は怠らないでくださいね!」
準備とは言っても、天体望遠鏡とかを持っていないマイコにとっては、興味の湧くものではなかった。
しかし、そんな彼女に、千年彗星からの贈り物とも呼べるポケモンが来るとは、彼女自身、まだ知らない。


そして、大学の講義やバイトも終わって、その日の夜。
風呂に入ってその日の疲れを癒し、さあ眠ろうと布団に入りかけたマイコ。しかし、次の瞬間だった。

ピカッ!!!

ベランダの方からすごい光が起こり、彼女は慌てて様子を見に行った。
そこには、黄色い繭のようなものがあるだけだった。
「どうしたのかな、これ。何かのサナギ?」
マイコがその繭に触れようとした瞬間、その繭はスルリスルリとほどけていき、1匹のポケモンを形作った。
そのポケモンは、頭が星のようになっており、短冊が3個ついていた。さらに繭の形態の時に体を包んでいた部分が布のようにヒラヒラとたなびき、腹には目が1つ。全体的には小さく、かわいらしい、願い事ポケモンのジラーチだった。
「キミ、ひょっとして、ジラーチ?」
『そうだよ。僕、ジラーチ!君の名前は?』
「サカモト マイコ。マイコって呼んで。……ところでさ、ジラーチ、」
『どうしたの、マイコ?』
「キミは人の言葉をしゃべれるの?」
『うーん、しゃべれる、というよりは、テレパシーで君の脳に言語を送っているようなものだよ。でも、言葉も分かるよ』
マイコはその突然の来訪者に興味が湧いてきた。千年彗星の贈り物、悪くはない。
「ねえ、ジラーチ、」
『ん、なあに、マイコ?』
「私は、トレーナーなんだ。ポケモンの」
『……僕を捕まえるの?』
「捕まえないよ。私の仲間を紹介しようと思って。……でも、ちょっと外で出した方がいいかな、部屋に入らない可能性も大きいから、さ」


公園に着いた1人と1匹。マイコは持ってきたボールを高く投げた。
すると、マイコの手持ちであるチャオブー、ウォーグル、ムンナ、フシギバナ、ヌマクロー、ライボルトが姿を現した。
「みんな、ジラーチと仲良くしてね。大切な客なの」
6匹は心得たようで、各々自己紹介をしたりして、すぐに打ち解けあっていた。
そこで、ジラーチは大事なことをマイコに伝えた。
『僕は今日を含めて、7日間しか起きていられないんだ。願いを叶えることには沢山エネルギーが必要だからね。マイコは何か願い事をする?』
「今はどういう願い事をすればいいのか、分からないの。……あ、そうだ。私、7月7日が誕生日なんだ。その日、ジラーチは起きているよね?」
『うん。確か最後の日だったね』
「その日、元気があったら、誕生日を祝ってくれないかな」
『僕でいいの?』
「うん!」
こうして、願い事ではないが、小さな約束をし合った1人と1匹。
しかし、ジラーチ覚醒の陰で、この願い事ポケモンを狙い、そしてジラーチを見つけたマイコをも狙う、悪の組織も覚醒したことを、まだマイコは知らない……。


2日目へと続く……


マコです。お話が始まりました。
悪の組織が具体的に動くのはもうちょっと先です。
それまではちょっぴり安息の時間。
マイコの日常を覗いてみましょうか。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


  [No.471] ヒロイン及び悪の組織紹介 投稿者:マコ   投稿日:2011/05/24(Tue) 17:43:51   51clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

ヒロインはもちろん、ポケリア本編のマイコちゃん。
彼女が七夕の日に、21歳のバースデイを迎えようとしています。
手持ちは本編その15が終了した段階でのポケモンです。
チャオブー、ウォーグル、ムンナ、フシギバナ、ヌマクロー、ライボルトの6匹。
彼女はベランダで繭状態のジラーチを見つけ、1週間限定の同棲(?)生活を送ることになります。
もちろん、マイコの友人達も登場します。
今回は、男性のみならず、大学の女友達も登場しますよ!


そして、ジラーチを狙う悪役。
いつものロケット団ではなく、千年流星会という奴らです。
3人しかメンバーはいませんが、みんな手強いです。
ちなみに、3人ともアンデッドであり、1000年という時を経て蘇った奴らです。

ボスはトワという男性。
ジラーチを捕獲することを最大の目的としており、邪魔する奴は容赦なく抹殺しようとします。
また、倒そうとしても、服が「守る」技の効果を帯びていて、彼に攻撃しても意味がありません。
手持ちのポケモンはマタドガスが6体。
全員で大爆発を行い、邪魔者を排除する役割があります。
爆発を行わない場合は毒で対象を溶かしつくす凶悪な攻撃を行います。

女性幹部はチトセ。
とにかくどぎついサディスト。人がケガしても、それを喜んでいます。
殺害行為を行うことに無上の快感を感じる恐ろしい奴です。
手持ちのポケモンはメタモンが複数。
相手でなく他のポケモンに「変身」した状態で出てくるので、相手が戸惑うことがしばしば。
また、変身しない場合、チトセの命令のもと、人間を殺害しようとすることも。

男性幹部はミライ。
何を考えているか分からない太った男。推定体重130キログラム。
機械いじりが大好きで、援助ユニットを使い、ポケモンのみに頼らない戦闘を行います。
手持ちのポケモンはカビゴン。
一般の体重の1.5倍もの巨体で、防御力がすごいです。
もちろん、巨体を生かしたのしかかりも破壊力がすごいです。


マイコ達と直接対決を行うのは、しばらく後のことです。


  [No.477] 2日目 買い物へ行こう! 投稿者:マコ   投稿日:2011/05/27(Fri) 13:43:50   60clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

マイコがジラーチと出会った翌日、彼女は携帯電話でジラーチを撮影していた。
『マイコ、それ何?』
「これはね、携帯電話っていうんだ。この世界ではこれがなくちゃ生きていけないの。後、ポケモン図鑑もこれに入ってるよ」
ジラーチが画面を覗き込むと、そこには、写真とともに基本データが載っていた。

ジラーチ  願い事ポケモン
タイプ 鋼・エスパー
身長 30センチ
体重 1.1キログラム
特性 天の恵み……技の追加効果が出やすい

1000年のうち7日しか目を覚ますことができない、幻のポケモン。
様々な願いを叶える力を持っていることで知られる。
腹にある閉じられた目が開くとき、

「あれ、文が途中で切れてる。続きが気になるんだけどなあ」
閉じられた目が開くと、一体何が起こるのだろうか。
『それは自分で確かめて。たぶん、マイコと一緒にいるときに見られるはずだから』
ジラーチもはっきり教えてくれないようだ。


今日は休日。バイトも大学もない。完全なオフの日である。
そこで、マイコはジラーチを連れて買い物に行くことにした。
「えーと、これは今日安いから買おう。これは高いな。あとこれは……」
『マイコ、何してるの?』
「値段を見ながら買うものを決めているの。私、そこまでお金を持っているわけじゃないからさ……」
『マイコ、これはー?』
「高いよこれ!」
スーパーに入り、食品を値段と相談しながらカゴに入れ、ジラーチが念力で浮かせている食品を見ながら、これは高いだの大丈夫だの言っていると、
「おっ、マイコやん。こんなところで何しとんねん」
マイコの友人のうちの1人、ハマイエがやってきて、マイコに話しかけてきた。
「うわ、ハマイエ君じゃん。……まずいとこ見られたな」
「別にまずくないで。ところで、そこにいる星みたいなやつは何やねん」
「ジラーチっていうの」
『はじめまして、僕はジラーチっていうんだ!よろしくね、ハマイエさん!』
「しゃべった!?」
『テレパシーだよ。しゃべっているように聞こえるのかもね』
「ところでさ、ハマイエ君、何か買い出しに来てるの?」
「自炊のためにな。お前もこの様子を見る限り買い物中か。料理の腕は上がっとるんか?」
「……たぶん」
「お前よう言うわ。最初すごい味のお菓子持ってきたくせして」
「……!!!!」
『どうなったの?ハマイエさん』
「食べた人は泡を吹いて倒れて、数時間後にベッドの上におった。俺もそのうちの1人や」
マイコはスーパーで恥ずかしい過去を大暴露されてへこみまくっていた。
「お願いだから、これ以上はやめて……」


買い物を終えて、レジに並ぶ2人。そこでハマイエは、自分のパートナーである風隠れポケモンに財布を渡し、お金を払うように言った。
「大丈夫なのかな?」
マイコは心配していた。エルフーンは特性であるイタズラ心の性質が強く、このようなことには正直向かないと言われているからだ。会計をやる前に商品を持って行かれるなんて窃盗まがいもあったらしい。
しかし、目の前にいたフワフワのポケモンは、そんな心配も無用で、きちんと代金を渡し、お釣りもきちんと受け取っていた。
『すごーい……』
「エルフーンえらいね。すっごく訓練したんでしょ?」
「最初は商品を買わんと持っていこうとしたこともあったからな。だいぶ謝りながら教えていって、今はもう大丈夫になっとんねん」
結構努力して学ばせていっているようだ。


そして、ハマイエと別れ、帰ろうとした時である。
ジラーチが思い出したようにマイコを呼んだ。
『マイコ!クロスのペンダントを売っているお店に行って!』
「クロス!?どうして?」
『買ってほしいんだ』
急いでアクセサリーショップに足を運んだ1人と1匹。
「クロスのペンダント、何個買えばいいの?」
『バトルの上手そうな人数分。マイコの分も含めて』
「……7個くらい買おう。値段は……1つ500円か。えーと、3500円……出費がすごいな」
そう言いながらも、マイコは財布からお札を4枚ほど出していた。
「これ7個ください!!」


「ありがとうございましたー」
店から出て、家に帰りついてから。願い事ポケモンはペンダントに何やら力を送っていた。
力を送られたペンダントは光に包まれていた。何だか、店に飾られていた時よりも綺麗になっているのは気のせいだろうか。
「ジラーチ、今何をしたの?」
『千年彗星の加護をこれに与えていたんだ。多分、妙な邪悪の力が働いてもこれをつければ守られるはずだよ』
「何だか分かんないけど……とりあえず、1個もらうよ」
そう言って、マイコはペンダントをつけた。
『似合ってるよ、マイコ』
「ふふ、ありがとう」
マイコは明日にでもみんなにこのペンダントをあげよう、と決めた。


このペンダントが本当に守護の役目を果たしてくれる日が来ることを、まだマイコは知らない。


3日目へと続く……



マコです。
マイコちゃんの日常。1人暮らしに買い物は付き物。
エルフーンがイメージによらずお利口です。
信頼あってこそ、こんなことができるんです。
さて、次回はペンダントを渡して、ジラーチも見せることになりそうです。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


  [No.481] 3日目 マイコの願い 投稿者:マコ   投稿日:2011/05/31(Tue) 12:31:36   58clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

今日もマイコの通う大学は休みである。だから、いい機会だと考えた彼女は、ジラーチを連れて、いつものたまり場でもある劇場に足を運ぶことにした。
そして、マイコには、ここに行くのにある目的を持っていた。
それは……


「あ、おはよう、みんな!」
「「「おはよう、マイコ!」」」
「フフフフッ」
いつもマイコと事件を解決しているメンバーの前で、マイコが笑いをこらえきれない様子だった。ちょっと怪しい。
「どないしたん?そんなにおもろいことでもあったんか?」
「実は、みんなにプレゼントがあるんだ。渡そうと思って」
プレゼント、と聞いて黙っている人はいないように思われる。
「何を渡すん?教えてくれへん?」
「待って、今から出すから……あ、これこれ」
マイコが出したのは、昨日、ジラーチに頼まれて買ったクロスペンダント。もちろん、千年彗星の加護のオマケ付きである。
「これ、1個ずつね。身に着けておくと魔除けの効果があるとか言ってたから」
魔除けという言い方はあまり適当ではないが、邪悪を祓うという意味ではあながち、間違いではないかもしれない。
「あと、紹介したい仲間がいるの」
そう言ってマイコが呼んだのはジラーチ。ハマイエには昨日見せたが、全員揃っている前で見せたのは初めてだ。
そして、願い事ポケモンはみんなからジロジロと見られることになった。


「うわ、カワイイやんか!」
「こいつって珍しいポケモンちゃうん?」
「マイコ、こいつとどうやって出会ったん?」
ジラーチだけではなく、何故かマイコも質問攻めに遭っているような気がするが、気のせいだろうか、いや、きっとそうではないはずだ。
『僕が目覚めた時に初めて会った人がマイコなんだ』
「こいつしゃべれるん!?」
『しゃべっているように聞こえるだけだよ』
当然、ジラーチのテレパシー言語には、初めて対面した面々が驚くことになった。
人の言語を操るポケモンの方が、正直珍しい部類に入るためである。


そして、家に帰った1人と1匹。
『ねえ、マイコ』
「どうしたの?」
『マイコの友達の人って怖い人多いね』
「いや、怖いっていうか……口調だけだと思う。根っこは悪くないとは思うけど」
マイコの男の友人はみなカンサイの言葉を使う。この言葉、初めて聞いた人にはいくらかの威圧を与えるようで、そう感じるのはジラーチも例外ではなかった。
しかし、いくらか長い付き合いのマイコはもう大丈夫みたいだ。本質はみな、口調は良くないかもしれないが、正義感が強く、いくつも修羅場をくぐってきた。マイコもその一員のようで、彼らとは信頼で強く結ばれている。
『あの人達からさ、マイコはもともと俺らの追っかけやった、って話を聞いたけど……』
「……」
ただ、人の秘密をペラッと喋ってしまうのはいくら親しい仲だとはいえ、あまり気がいいものではなかった。そのため、マイコは、これは彼らの職業病なのだ、と割り切って考えることにした。
とここで、マイコが何か思いついたようで、ジラーチに話しかけた。
「あ、そうだ」
『何?マイコ、』
「願いが決まったの」
『どういう?』
「誕生日の日、晴れるように、っていう願い」
7月7日、予報では土砂降りの大雨らしい。マイコは天の川を誕生日に見たいらしいのだが、この状態では全くそれが望めそうもない。
だから、ジラーチに頼んだのだ。
『わかった。……こんな未来のことをお願いするなんて、マイコって変わってるね』
「そうかな?」
マイコには、どうやら、その手の自覚はないらしい。
そのことを聞いた願い事ポケモンは、空に向かって光を飛ばした。光は無事に吸い込まれていったが、目に見えた変化はなかった。
『これで多分大丈夫だと思うよ。まあ、その日になってみないと分からないけど』
とりあえず、七夕の夜空を楽しみにしながら床につくのであった。


4日目へと続く……


マコです。
今回はジラーチを連れての顔見せ編。
マイコちゃんの過去も垣間見えていますが……
次は大学にて。ここから話が若干シリアス目になりそうです。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


  [No.482] 4日目 少しの異変 投稿者:マコ   投稿日:2011/05/31(Tue) 15:23:16   67clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

その日、マイコは焦っていた。
「やばい!!遅刻する!!」
完全にやってしまったパターンの寝坊である。大慌てで服を着替え、化粧をし、ジラーチとともに家を出た。
『マイコ、どこに行くの?』
「大学!まあ学校だね。ごめん、ジラーチ、頼みがあるんだ」
『僕でよければ聞くよ』
「大学まで連れて行ってくれませんか?」
『分かった。僕にしっかりつかまっててね』
願い事ポケモンはそう言うと、体中から眩い光を飛ばし、その次の瞬間、

1人と1匹は大学に着いていた。
「ありがとう、ジラーチ……ってえええええ!?」
しかし、大学の校舎の上空にテレポートしていたので、
「ウォーグル、お願い!」
彼女は空を自由に飛行可能な勇猛ポケモンを繰り出し、その足を掴んで降下し、何とかギリギリのところで教室に入ったのであった。


さっきのドタバタがあったにも関わらず、授業では眠ることもなく、スライドの内容を見ながらペンを走らせつつ無事に90分を過ごした。
そして、マイコは女友達と食堂に入った。もちろん、ジラーチも同伴で。
そこで行われるのはおしゃべりである。


普段のこと、何か変わった友達のこと、いろいろ話は尽きない。
そんな中で、自分のポケモンの話になった。
女子はチラチーノとかチョロネコとか、カワイイ系のポケモンが好きな人が多く、彼女の周りの友人もその例に漏れなかった。
「マイコの手持ちってさ、数が多いよね」
「6匹フルで持ってる人って珍しいよ」
手持ちのポケモンの匹数は多くても3匹くらいという人が大多数のこのリアル世界では、マイコみたいに手持ちを最大まで埋める人の方が希少であるらしい。
しかしながら、マイコはトラブルに巻き込まれやすいのか、それともポケモンに好かれやすいのか、バトルを経由しないまま6匹揃える結果となっている。
「あとさ、ゴツイポケモンが多いよね」
「その中にいるムンナが異色だよね」
「え、えへへ、まあ……ね」
実際、彼女の今の手持ちは(ジラーチを除くと)、チャオブー、ウォーグル、ムンナ、フシギバナ、ヌマクロー、ライボルト。確かにカッコいいとかゴツイとか言われそうなメンツである。ムンナはその中にいて、補助の技が他のポケモンに比べて得意だったり、耐久力があったりと、女子受けするその見た目のみならず役割でもマイコのチームにアクセントをつけているのは事実だったりする。
「進化させたりとかは?」
「まだ、しないかな。石自体は持っているんだけど……」
とか何か話していた、その時だった。

パリーーーン!!!

ガラスの割れる音がした。
「大丈夫ですか?ケガは!?」
「「「いいえ、ないです……」」」
従業員さんが大急ぎでガラスを片付けていた。ケガ人はいないようだが、いきなりの出来事に大学構内は騒然となった。
『マズイよ、マイコ。僕だけじゃなくて、マイコまで狙われている』
ジラーチはこそっとマイコに言った。状況的にちょっとマズイところにいるのは間違いない。
「そんなこと、誰が……」
『たぶん、僕の記憶の中でそういうことをしてきたやつは……、千年流星会っていう奴だよ』
「えっ、聞いたことない!ロケット団とかそういう奴じゃないの!?」
『ロケット団って誰?』
どうやら、ジラーチの目覚めていた前の1000年では、まだロケット団は成立すらしていなかった模様だ。
「いろんなことをして私達の生活を脅かそうとする連中。私は昨日の男の人達と一緒に何度も撃退してきたことがあるんだけど……懲りないんだよね」
『マイコ、どうするの?アイツら、ひょっとしたら殺しにかかってくるかもしれないんだ。逃げるんだったら多分、今のうちだよ?』
「ジラーチ、私は戦う。逃げることよりアイツらと向き合う方が私にとっては性に合うようだし」
彼女の目は前を向いていた。その姿は毅然としていて、清々しい。
『でも、1人じゃ勝てないかもしれないよ』
「キミがくよくよするのは悲しいよ。もっと前向きに考えよう。……多分みんなと相談すれば何らかの協力はきっと得られるはずだからさ」
『分かった。マイコってさ、頼もしいね』
「いやいや」
マイコは自分が狙われている状況を考えて、ある結論を出した。
ジラーチが起きている予定の、今日を除くあと3日間は平日。当然大学もある。そこで、大学に行く(及び、帰る)ときに男の友人を数人一緒に連れて行くということを彼女は考え、メールでその旨を伝えた。

しばらくして来た返事は全員「その意見に賛成」だった。正直、「反対」とか出ると思っていたマイコは安堵した。
ひょっとしたら、怖い目に遭うかもしれない。でもみんな強いし、きっと大丈夫だろう。
マイコはおとといジラーチからもらったペンダントを握りしめていた。
そのジラーチは、マイコが元から持っていたいくつかのクロスのネックレスに加護を与えていた。


一方、別所にて。
精悍な顔つきの男、ケバイ化粧の女、かなり太っている男の3人がジラーチとマイコを見ていた。
「今回のジラーチの保護者はどういうやつだ」
ボスらしき精悍な男が聞く。
「どこにでもいそうな20歳代の女です」
細身で、派手な化粧の女が言った。
「保護する人にしては無欲なのが特徴です」
太りまくった男はそう言った。
「ジラーチを奪い、邪魔するものは抹殺しろ」
「「了解、ボス」」
対決の日は、近い。


5日目へと続く……


マコです。
とうとう登場することになった今回の悪役、千年流星会。
次はいよいよ戦いです。
シリアス度が上昇することになるはずです。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


  [No.487] 5日目前編 激突!強敵・チトセとミライ!〜あくどい女・チトセ〜 投稿者:マコ   投稿日:2011/06/02(Thu) 17:17:06   46clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

※残虐な描写もありますので、閲覧する方は少々お気を付けください。





大学での襲撃未遂事件の翌日も、普段通り授業は行われることになった。
何事もなかったかのように平然としている構内。
いつもと違うのは、マイコとともに、男の友人が2人来ているということだ。
ただ、彼らは学生ではないため、授業中にいると怪しい。そこで、校舎に入るまでついていき、食堂か図書館で時間を潰してもらうことにした。


授業は眠気との戦いでもある。しかし、ここで眠ってしまうと、期末考査で泣きを見ることは自明のことであったため、マイコは必死に耐えた。
そして、眠気に打ち勝ち、何とか授業を終えたマイコは、図書館で待っていたアキヤマ、キザキと合流し、そのまま図書館内へ入っていった。


マイコはそこにあった備え付けのパソコンのある席につき、ネットの情報を見た。
検索先は有名なインターネット百科事典サイトである。
そこに「千年流星会」と打ち込むと、情報が展開された。
そこには、こうあった。

千年流星会(せんねんりゅうせいかい)とは、幻と呼ばれるポケモン・ジラーチを捕まえるために暗躍していた組織のこと。
1000年前に活動し、数々の残虐極まりない行動を繰り返してきたが、ジラーチを守る思いを結集した民衆によって倒され、街中さらしの刑に処せられた。
これにより撲滅されたかに思えたが、現在蘇り、ジラーチを再び捕らえようとしている。
団員は3人で、現在はアンデッドとして、日本のどこかを彷徨う状態。

ヒットした上に、ここまで詳細な情報があるとはみんな思ってもみなかった。
「アンデッドって、ゾンビみたいなものなのかな?」
『ゾンビは体中腐っているけれど、アンデッドは人間とほぼ変わらないから、見た目としては全く違うよ』
「こいつらはどんなことをしてきたん?」
『自分達の主義に反する人達を何人も殺害してきたりとか、ポケモンを勝手に奪ったりとか。1000年前にも実はポケモンが来ていたけれど、その時は僕が来たことで次元が歪んで出てきたんだ』
「じゃあ、ジラーチが眠ったと同時に、ポケモン達も帰っていったってことなん?」
『そうだよ。でも今はそれとは全く関係なくポケモン達がいるから、向こうの世界の都合で来たって思われるよ。だから、僕が眠ってもポケモンは戻らずに、今までみたいな関係で繋がっているんだ』
「何かいろいろ分かった。ちょっと謎に触れた感じがする」
図書館での調べものによって、少しだけいろんなことの核心に触れた気がした。


そして、帰りのバスには3人だけではなく、もっとたくさんの学生が乗っていた。
40分くらいバスに揺られて、下車予定のバス停に着く。
そして、3人ともバスから降り、バスが発車アナウンスを告げた、その時だった。
「発車します、ご注意くださ……」

ドーーーン!!!!

バスが炎上したのだ!!すでに降りている人々は逃げまどっていた。
「誰かー!水技を使えるポケモンはいませんか!?」
乗客も確か乗っていたはずであるし、間違いなく運転手はいるはずだ。
「ポッタイシ!ハイドロポンプ!!」
「ヌマクローもハイドロポンプ!」
「フタチマルもハイドロポンプ!!」
マイコもアキヤマもキザキも、自分の持つ水タイプのポケモンを使い、燃え上がる火を消した。
しかし、中にいた人の生存はあまり望めそうもなかった。
「バスが自発的に爆発したんやろうか?整備不良とかで」
「いや、そんなことはないと思うけど。そんな車は多分公道を走れないだろうし。それより悪意を持った誰かがやった方が分かるかも」
「外から炎を放ったとか?そうやとしたら暗殺目的でやったとか」
3人が推測を立てていると、上空から声がした。
「この私、チトセ様がやったのよ!オーッホッホッホ!!!」
その女は見るからにケバイ化粧をしていた。


「あんた何の目的があってこんなことしたのよ!?」
マイコは怒り心頭だった。
「決まってるじゃない。ジラーチを奪うためよ!」
「やからって関係ない人巻き込むことないやろ!!」
アキヤマも激怒していた。
「願い事を叶える力を持つポケモンを捕まえるのに手段なんていらないのよ。邪魔な人間さえ片付けられればそれでいいの」
「少なくともお前みたいな悪い奴にジラーチはついていかんと思うけど」
キザキもかなり怒っていた。
「フン、あんた達とはとことん反りが合わなさそうね。いいわ、苦しみながら死ぬという残酷な目に遭わせてあげる。行きなさい、サメハダー、ホウオウ!」
チトセと名乗る今回の事件の黒幕は、ボールから虹色ポケモンと凶暴ポケモンを繰り出してきた。
「3人相手にするのは好きじゃないから、2人と勝負したいのよ。決めて頂戴」
「そんなこと言って、私達が話し合っている最中にさらに攻撃するつもりなんでしょ?」
「まさか。そんなことしないわよ。もしかして、私のことを疑ってるの?野蛮よね現代人は」
マイコはその言葉に腸が煮えくり返りそうになったが、ぐっと堪えていた。


話し合いを行った末に、マイコとアキヤマがチトセと戦うことになった。
「私はホウオウの相手をするから、アッキーはサメハダーの相手をお願い」
「分かったわ。お前がアイツにめっちゃ怒りを感じてんのは痛いほど見えた。あんまり我を忘れんように」
マイコはヌマクローを、アキヤマはジャノビーを繰り出し、対峙してみると、相手からは普通感じるはずのプレッシャーを全く感じられなかった。
これは一体どういうことなのか。しかし、その謎はすぐに分かることになる。
アキヤマが携帯の「ポケモン図鑑アプリ」を見て下した命令は、マイコには少し理解ができない内容だったのだ。
「ジャノビー、リーフブレード!」
「何で!?これは接触を伴う攻撃だよ!?」
「分かってるで」
「そんなことしたら、ジャノビーがサメ肌でダメージを喰らってしまうよ!?」
「マイコ、図鑑を見てみ。俺がこの指示を出した理由が分かるはずやから」
マイコは自分の携帯画面を見た。そこには明らかな事実があった。

メタモン  変身ポケモン
タイプ  ノーマル
身長  30センチ
体重  4キログラム
特性  柔軟……麻痺の状態異常を防ぐ

どんなものにも変身できる珍しいポケモン。
唯一の技である「変身」で、相手ポケモンの技やタイプをコピー可能である。
ただし、特性は変身後でも「柔軟」のままなので、気を付けること。
(※ゲームでは「変身」によって特性もコピーできますが、この話では特性はコピー不可という設定になっています)

ようやく、マイコにも先のアキヤマの指示の真意が分かったようだ。それと同時に、今目の前にしている相手もまさか、と思い、見てみると、先と同じデータが出ていた。
「そうなんだ。妙に威圧感ないなって思ってたとこなんだ」
彼女はその結果に納得できた。
「ホウオウ、聖なる炎!サメハダー、噛み砕く!!」
「嘘をつくな!お前のポケモンは両方ともメタモンやろ!?」
「どこからどう見てもホウオウとサメハダーじゃない!嘘ついてるのはあんた達」
「図鑑のデータは正確だったよ!?熱湯や水鉄砲のPPが1個ずつしか減ってないのがその証拠よ!!」
「接触攻撃のリーフブレードを繰り出してもサメ肌のダメージはなかったで!!」
「……何ですぐバレるのよ!?」
チトセの悪かった部分は、特性が特徴的なポケモンを使ってきたことだと言える。
そのため、ここまで堂々とばれてしまうことになったのだ。
その時である。ジャノビーとヌマクローが光りだした。最終進化である。
「えっ、まさか……!?」
「これは進化やな。タイミングがめっちゃええ」
ジャノビーは大きな、風格も兼ね備えたロイヤルポケモンのジャローダに、ヌマクローは腕が太く、ガシッとした沼魚ポケモンのラグラージへと進化したのだ。
「ジャローダ、リーフストーム!!」
「ラグラージ、ハイドロポンプ!!」
草の大嵐と巨大な鉄砲水が、偽物の虹色ポケモンと凶暴ポケモンを飲み込み、ダブルノックアウトするのに、そう時間はかからなかった。
ノックアウトされたポケモンは、変身が解け、ともにメタモンに戻っていた。
オリジナルのポケモンがコピーのポケモンに勝った瞬間だった。


しかし、悪の女幹部はどうも納得がいかないようで……
「よくも私に恥をかかせてくれたわね!!あんた達死になさい!!」
何と、2匹のメタモン(無論、先程戦っていない別個体だが)を出し、先まで戦っていた2人の足元まで伸ばしてきたのだ。
「どういうこと!?」
「早く逃げな……!?アカン、逃げられへん!!」
メタモンの方が動きが早く、2人を絡め取って動きを止めてしまったのだ……!!


後編へ続く……


マコです。
なんかピンチですが、戦いは続きます。
次回はもう一人の幹部・ミライが登場し、マイコ達を翻弄します。
勝負はどうなるのでしょうか?
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


  [No.488] 5日目後編 激突!強敵・チトセとミライ〜メカを使う男・ミライ〜 投稿者:マコ   投稿日:2011/06/03(Fri) 14:03:52   52clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

※残虐な描写があります。注意してご覧ください。





勝負には、確かに決着がついた。しかし、諦めの悪いチトセは、マイコとアキヤマを絡め取って殺害することで敗北という結果を帳消しにしようとしたのだ。
無論、そんなことは許されるはずはない。
「卑怯者!!!負けを認めて2人を解放せえやっ!!!」
キザキがそう言って2人の捕らわれているメタモンの塊に駆け寄ろうとした、が、
「……!?」
足と腕をこれまた別のメタモンに絡められて、身動きができなくなってしまった。
「あんたも反逆するのね。そっちの2人は後回しにして、まずはあんたから殺してやる!!!」
チトセはそう言うと、鋭い爪をキザキに向け、首を絞めようとした。こんな爪で首を絞められると、きっと無事では済まないはずだ。
彼は目をつぶり、そして悪の女の手が首に届こうとした時だった。

バチバチバチッ!!!

「ぎゃああああっ!!腕が、腕があっ!!!」
彼女の手は届くことはなく、焼け焦げて消失していた。ついでに、彼を縛っていたメタモンも逃げ去っていた。
「今、何が起こったん!?」
どんなことが起こったのか、キザキには最初分からなかったが、首元の光を見て納得した。
「ペンダント……!?」
『僕が千年彗星の加護を与えたんだ。あいつらみたいなアンデッドには星の光が効果抜群なんだよ。まあ、直接触れようとした相手限定なんだけど』
「ありがとう、ジラーチ。……それはそうとして、マイコちゃんとアキヤマさんは大丈夫なんかな?」
『その心配はないよ。ほら、』
別方向では、アキヤマが繰り出した緑色の刃ポケモン・エルレイドがサイコカッターでメタモンを切り裂き、マイコもアキヤマも解放されていた。
「ありがとう、エルレイド。……マイコ、大丈夫か?立てるか?」
「大丈夫だよ。それより、どうすればいいか、全然案が出なかった……」
「良かった!2人とも、何とか無事やったんですね!!」
3人は何とか、再会を果たせた。しかし、チトセはまだしぶとく生きていた。
「くそう、よくも、私に、こんな、飛んだ、大恥を……」
だが、彼女の言葉も続かなかった。頭上には虹色の光が迫っていたのだ。
『これは未来予知の攻撃の光。僕が仕掛けておいたんだ。もう逃げられないよ、ハンターさん!』
「う、嘘でしょう!?こんなこと、」
『こんなことを起こした罰は重いよ。光で粛清されてしまってよ!!』
「ぎゃああああっ!!!」
ジラーチの放った未来予知攻撃によって、チトセは微細組織レベルにまで崩壊していった。もうアンデッドとしては蘇らないはずである。


「終わった……もうこれでおとなしく、」
マイコが言いかけたその時だった。
「よくもチトセを葬ってくれたな!!」
明らかにメタボリックシンドロームな男が出てきた。どうやら先程のチトセの仲間のようだ。
「おいデブ!!お前誰や!!」
「俺様は千年流星会のミライ様だ!崇高なジラーチをお前らみたいな野蛮人が持つのは相応しくない!今すぐ俺様に渡せ!」
「渡すわけないやんか!お前らなんかに渡したら悪いことが」
『僕は行くよ』
「えっ、ジラーチ!?何でそんなことを言うの!?」
願い事ポケモンは3人の予想を裏切ることを言った。
しかし、3人の陰でちょっとニヤリ、とした笑みを見せていた。裏があるに違いない。
「よく分かっているなジラーチ!さあ、俺様達とともに、より良い世界をつく」
『嘘だよ。僕がお前達みたいなやつについて行くわけないよ。……ごめん、みんな。騙すつもりはなかったんだ』
3人とも明らかに不安だった。もしついて行ったらどうしよう、とか思っていたからだ。
「良かったあ……」
「一瞬、えっ、ホンマなん!?とか思ってもうたで……」
「あいつについて行ったらどうされるか分からへんから、さ……」
マイコもアキヤマもキザキも安心していたが、引っ掛けられたミライはカンカンだった。
「よくもやってくれたな……カビゴン、あいつらを潰してやれ!!」
悪の男は、ボールから居眠りポケモンを出した。それを見て3人は呆然とした。
出てきたそいつは規格外の大きさだったのだ!


カビゴンというポケモンは、2.1メートルという身長であるものの、体重が460キログラムという、全部のポケモンの中でも最重量級として知られている。
しかし、今3人の目の前にいるカビゴンは、身長が3メートルほどで、まあ普通よりも大きいのだが、体重が700キログラムほどもあった。そういう部分がマスターに似るのかと思うくらいである。
さらに、このポケモン、体重もあれば体力も高く、その上眠ることで多少のダメージなんてなかったことにしてしまうという、味方にいるなら頼もしいことこの上ないが、敵に回すと恐ろしい相手なのだ。
その眠りを封じるために、マイコはある変化技を種ポケモンに指示した。
「フシギバナ、悩みのタネ!いっぱい撒いてあげて!」
背中に背負った巨大な花から紫色の種がたくさん飛び出し、全てが居眠りポケモンにぶつかる。表情もどことなく苦しそうだ。しかし、ミライの表情は、それは分かりきっているという、余裕が感じられた。
「これで、眠ることに関しては解決、ね」
「お前、これでこいつを封じたとでも思っているのか?怖いのはここからだぜ!!」
彼が指示した技は、……腹太鼓だった!!!


カビゴンの無尽蔵にある体力が約半分まで減ったのは、マイコ達にとってプラスなのだが、この技の怖いところは、それと引き換えに攻撃力を最大限まで引き上げる部分なのだ。
種ポケモンめがけて飛んできた炎のパンチは、ターゲットに当たらずに済んだものの、アスファルトにクレーターを起こすくらい強烈なものだった。
マジカルリーフが居眠りポケモンに直撃したのを見計らい、マイコはフシギバナをボールに戻した。
「何やこの威力……えげつない……」
「こんなん喰らったらどんなポケモンでも危ないんちゃいます?」
「これどうしよう、どうすれば止められるんだろう……」
必中の草技がヒットしても、まだカビゴンは元気そうである。そいつにどう立ち向かおうか考えを巡らせていると、
「危ないっ!!!」

ドドドドッ!!!

緑の弾が発射された。3人が見上げると、そこには翼の生えたメカが2機あった。
「これは俺様が発案したメカ、エレメントファイターだ!まだ試作段階で3属性しか使えないが、ゆくゆくは17属性全てを使えるようになる!」

ドドドドッ!!!

今度は赤の弾。次いで青の弾が発射され、3人とも必死で避けた。しかし、そこから属性を割り出すのは案外容易であった。
「草・水・炎の3種ね。弱点属性でたぶん止まるはず……」
マイコの推理は当たっていた。表示された属性が弱点とする攻撃で壊れるようになっているのだ。そのため、タイミングを見計らって攻撃しないといけないわけだ。
「草タイプが表示されたのを見計らって……クロバット、クロスポイズン!」
キザキが繰り出した紫色の蝙蝠ポケモンは高速でメカに接近し、交差させた翼から毒を繰り出した。草タイプが表示されていたメカはその攻撃に耐えきれず、交差の傷を露わにしたまま墜落した。しかし……
「甘いぜ!」
「どういう……って、え!?復活しよる!?」
何と、さっき傷ついたメカが回復しているではないか!
「このメカは2機同時攻撃でないと破壊できないぜ!」
「クロバット、エアカッター!!」
単体攻撃のクロスポイズンではダメなら、全体攻撃のエアカッターの方が同時破壊にいいのだ。しかし、攻撃を当てることには成功したが、これでも復活してしまった。
「1匹のポケモンによる全体攻撃もダメだぜ。壊すなら、同じ技で同時攻撃しねえとな。ハッハッハッハ……」
こいつは先程のチトセとは違う意味で卑怯な奴だった。
「ウォーグル、出てきて!」
マイコは勇猛ポケモンを繰り出し、同時攻撃の方法を考える。
「タロウちゃん、」
「どないした?」
「クロバットはブレイブバードを使える?」
「確か、使えたと思うで。……これでやる気なんやね」
「そう。じゃあ、行くよ!ウォーグル、ブレイブバード!!」
「クロバットもブレイブバード!!」
2匹の飛行タイプのポケモンは、羽をたたみ、ターゲットに向けて突撃していった。
しかし、その攻撃は同時に命中したものの、当たった時のタイプが水だったのだ。そのため、すぐ回復して浮上してきた。


反撃が止まず続く。マイコは少し頭を抱えていた。
「どうにかして、あのタイプ変化を止めないといけないんだけど……いい案が浮かばない……」
「マイコちゃん、ちょっと思いついた案を試してもええかな?」
「うん、今のままじゃどうにも動かないからね……」
キザキに何か策があるようだ。彼はクロバットに指示を飛ばす。
「クロバット、あのメカが草タイプの時に怪しい光!」
あえて変化技をぶつけたのだ!ふよふよとふらつきながら飛んでいく光は2機のメカにしっかりと認識されたわけだ。
「けっ、何かと思えば変化技か!そんなものは効かな……」

ドオオン!!

いきなり、爆発音がした。
「なっ!?」
驚いたのはミライだ。まさか、こんなことが起こるなんて彼も予期していなかっただろう。
「メカに怪しい光が効いて混乱してくれるとは思わんかったで」
「貴様、よくも、」
「あ、タイプ変化の方もバグを起こしてくれたみたいやね」
キザキの策は見事にはまった。本当は反撃をストップさせる目的だったのだが、思いがけずタイプ変化にも異常をきたすことに成功したわけだ。もうタイプが変わることもない。
つまり、今、エレメントファイターの属性は両方とも草。
「ウォーグル、」
「クロバット、」
「「ブレイブバード!!!」」
そして、今度こそ、同時ブレイブバードが炸裂し、メカは木端微塵に破壊されたのだ!!


自慢のメカを壊された形となったミライは狼狽し、そして、憤った。
「くそう、くそう……カビゴン!!みんな潰してしまえ!!!!」
居眠りポケモンは、通常の1.5倍はあるその自慢の巨体で、3人を押し潰してきたのだ!!!
「「「うわああああっ!!!」」」
そのピンチに呼応するように、3人それぞれのパートナーであるジャローダ、フタチマル、チャオブーがボールから出てきて、自分達のマスターが潰されないように踏ん張った。
しかし、相手が悪すぎる。なにしろ、700キロのカビゴンののしかかりだ。考えただけでも恐ろしい。重力に逆らうことができず、もはやこれまでか、と思われたその時!

チャオブーとフタチマルが光に包まれ、最終進化を果たし、それぞれ大火豚ポケモンのエンブオーと貫禄ポケモンのダイケンキとなったのだ!!!


進化したことでパワーが大幅に上昇した2匹は、既に最終進化しているジャローダとともに、巨大居眠りポケモンを弾き飛ばした!
そして、3人はそれぞれ指示を飛ばした。
「ジャローダ、リーフストーム!!」
「ダイケンキ、ハイドロポンプ!!」
「エンブオー、火炎放射!!」
その時、願い事ポケモンが光を飛ばし、それは3匹に当たる。すると……、

巨大な木の根と、赤熱した炎と、猛烈な水流が居眠りポケモンを同時に襲い、跳ね飛ばしたのだ!!!
「え、ハードプラントが……!?」
「ブラストバーンが出てる……」
「こっちは、ハイドロカノンが……」
3人が突然の出来事に驚いていると、ジラーチが話し出した。
『僕が、自分の願いで究極技を開放したんだ。みんなものすごく懐いているみたいだし、本当はもう少し早くみんなに教えたかったんだけど……やっぱり、最終進化しないとダメみたいだったから……』
「「「ありがとう、ジラーチ!!」」」
『どういたしまして』
3人からお礼を言われたジラーチは恥ずかしがっていた。


「何であんな野蛮人に奇跡ばっかりが起こるんだ……こっちは誤算続きだっていうのによ……」
『それは、あの人達が奇跡を起こすに相応しいからだよ。そこまで僕に執着するの?』
願い事ポケモンの頭上に、先程チトセを浄化した未来予知の光があった。
「なあ、ジラーチ、あいつらをその力でメッタメタにしてくれねえか、そして、俺様達と手を組めば平和になるぜ……」
『僕はその手に乗らない。前の1000年でも千年流星会が起こした騒ぎでたくさんの無関係な人が亡くなっているんだ。もうこれ以上犠牲にさせたくないから、君をここで葬るよ』
浄化の未来予知の光がミライの体を貫く時に、彼はこう叫んだ。
「覚えてろ!トワ様はお前ら野蛮人を放ってはおかない!明日、必ず、女、お前は死ぬ!!」
不吉な予言を残したまま、ミライは崩壊していった。


「あいつ、ロクでもない捨て台詞吐いて消えよったな」
「その予言がホンマに起こらんことを願うしかないんやね」
「……私が、そのトワとかいう人と決着をつけなきゃいけないのよね」
その時、ひらひらと手紙が落ちてきた。手紙にはこうあった。

サカモト マイコ様

私のかわいい部下を2人も消滅させるとは、なかなかすごいジラーチの保護者ですね。
明日、16時に、願いが丘で待っています。

千年流星会・総帥 トワ

「果たし状、ねえ……」
マイコは千年流星会のボス・トワと戦う決意を固めたのだった。


6日目へと続く……


マコです。
無事に、千年流星会の幹部2人を撃破したマイコ達。
次は、いよいよボスであるトワとの対峙です。
ラストまではもうすぐです!
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


  [No.489] 6日目 爆発、そして、願い 投稿者:マコ   投稿日:2011/06/03(Fri) 15:10:02   54clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

※死ネタっぽい描写があります。注意してご覧ください。





今日と明日は大学の教授が学会でおらず、完全にオフなので、家で休むマイコ。
昨日、チトセとミライを撃破したことにより、千年流星会の構成員はトワのみになったわけだが、トワの情報が少ないことを気にしたマイコは、ジラーチに少し探りを入れてみることにした。
「ジラーチ、」
『マイコ、何か気になることがあるの?僕が聞くよ』
「トワってどんな相手?」
『確か、大爆発で戦う人だった。1000年前に、チトセとかミライよりも圧倒的な数の死者を作った人なんだ』
「つまり、かなり残虐ってこと?」
『まあね。人当たりはすごくいい人のように見えるけれど、抹殺に関しては容赦ないんだ。マイコは爆発を防止できるポケモンはいる?』
「湿り気の特性を持っているポケモンなら、ラグラージがいるけど」
『分かった。でも油断はしないようにね。爆発以外にも毒の攻撃が容赦ないから』
そう言いながら、約束の16時に備えていくのだ。


そして、約束の時間の5分前。マイコはみんなとともに願いが丘に到着していた。本当だったら1人で行った方が良いのかもしれないが、相手は千年流星会の総帥だ。
何をしてくるか分からない。そのため、ついてきてもらった。もし、自分が倒れてしまったら……とか思ったが、ここで後ろ向きになってもいけない。みんなには離れたところで見てもらい、自分が倒れたところで出てきてもらうように言った。


約束の時間、16時。精悍な顔立ちの男が来た。この男がトワなのか。
「初めまして、マイコさん、」
「は、初めまして」
「トワと申します」
確かに、ジラーチの言う通り、穏やかそうな人だ。情報を何も聞いていなかったら、普通のいい人だと勘違いしてしまいそうだ。
「マイコさん、」
「何ですか、」
「私は、世界を平和にしたいのです。あなたは野蛮な人と一緒に私の幹部と戦ってきたみたいですが、あなたは十分に強い。どうです、私と組んで平和をもたらしませんか?私と一緒なら、ジラーチも一緒にいられますよ」
甘い言葉。大抵の人はついていきたくもなるだろう。しかし、マイコは毅然としていた。
「いやです。あなたと得た平和は、偽りでしかありません。それよりも、今までずっと一緒にいたみんなとともに得る平和の方が、私にとって誇るべきものなんです。ジラーチだって、あなた達の行動を1000年前に見て、拒絶していました。私は、あなたについて行かないですし、ジラーチもあげません!」
しっかりと、トワを見据えて言い放った。それを見た彼は、至極残念そうにこう言った。
「残念です、あなたとは気が合いそうだったのに……」
その瞬間だった。マイコの目の前には6匹ものマタドガスが浮かんでいた。
「ラグラージ……」
爆発を防ぐための切り札となり得る沼魚を出す前に、

ドオオオオオン!!!!!

6匹同時に大爆発を起こしたのだ!!


黒焦げの状態でぐったりと倒れこむマイコ。それを見て、傍観していたみんなが黙っているはずがなかった。
「「「よくもマイコをおおおおっ!!!!!」」」
ジラーチがマイコの元に飛んできた。
『マイコ、ねえ、起きてよ、生きてよ、ねえってば!!』
ポケモン達が一斉に技を繰り出す。マイコのポケモン達もボールから出てきて、ムンナに至ってはカバンから取り出した月の石でムシャーナへと進化した上で攻撃をしていた。
しかし、トワは平然としていた。
「私はポケモンの攻撃を《守る》効果を持つ服を着ているので攻撃なんて受けないのですよ。鉄壁の防御は破れないのです!」
それでも、まだ止まぬ攻撃。
「無駄です!どんなに強い攻撃を放っても、私に効果はないのです!!」
トワは未だに平気そうだった。このままではPP切れでこちらの方が倒れてしまうと思った、次の瞬間だった。

ジラーチのお腹にある、3個目の目が開き始めていた……。



『トワ、よくも、マイコを傷つけてくれたね……』
これまでにないくらい怒っている願い事ポケモン。彼の頭上には、赤熱した隕石が今にも降りかかろうとしていた。
「そうか、ジラーチ、君の選択は、彼女含む野蛮人を全て見捨てて私と一緒について行くことなのですね」
トワが言いかけたのを、ジラーチは止め、言い放った。
『お前の方が野蛮だ!1000年前と同じ過ちを繰り返し、果ては僕を大事にしてくれた彼女を瀕死にして!!お前が裁きを受けろ!』
隕石がトワに迫る。
「おや、ジラーチ、忘れているのですか?」
『何のことを?』
「服ですよ。私の服には《守る》の効果があります。どんな攻撃も効かな」
『もう言っちゃうよ。僕が出す技は《破滅の願い》だ。この技は、守るとか見切りの効果を貫通できる珍しい技だ。普通に使えるのは僕ぐらいだよ。守るの効果なら、もうお前に未来はない』
「やめてくれ!もう殺したりはしないから命だけは助けて」
『お前は光の中で猛省しろ!!!』
隕石が千年流星会の男の総帥を直撃し、焼けながら浄化されていった……。


『マイコは生きているの?』
「息を少しずつしてる。病院に運ばないと……」
生死の狭間を彷徨うマイコ。彼女を救うためにジラーチが出した決断は、こうだった。

体から出た光は、空に向けて飛び、そして、マイコに突き刺さった。
「えっ!!?」
光が突き刺さることに全員が驚愕したが、黒焦げだった彼女の体はみるみるうちに傷がふさがり、やがて元の状態に戻った。そして、彼女は目覚めた。
「うーん……」
『マイコ!!!』
「「「生き返った!!!」」」
「みんな、どうしたの!?」
こと切れていたらどうすることもできなかったが、息がまだ続いていたため、癒しの願いで復活させた、というわけだ。
そして、あの図鑑のデータの続きは、こうだった。

ジラーチ  願い事ポケモン
タイプ 鋼・エスパー
身長 30センチ
体重 1.1キログラム
特性 天の恵み……技の追加効果が出やすい

1000年のうち7日しか目を覚ますことができない、幻のポケモン。
様々な願いを叶える力を持っていることで知られる。
腹にある閉じられた目が開くとき、破滅の願いが発動する。

なんにしろ、これで、もう邪魔者はいなくなった。明日のマイコのバースデーは楽しみだ。


最終日へと続く……


マコです。
破滅の願いでトワを撃破して、ようやく千年流星会を撲滅しました。
次のお話でラストです。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】


  [No.499] 最終話 さようなら、ジラーチ 投稿者:マコ   投稿日:2011/06/04(Sat) 21:39:14   43clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

7月7日、七夕。マイコの21回目の誕生日、当日。
爆発に巻き込まれて死にかけたため、彼女は少し遅くまで寝ていることになった。
そのおかげか、目覚めは良かった。
しかし、一方の願い事ポケモンの方は、どうも欠伸が多い。マイコもそれを見て、何度も生欠伸をしていた。
「ジラーチ、眠い?大丈夫?」
『ふわあ、何だか眠いね。大丈夫だよ、心配しないで、マイコ』
そう、今日はマイコのバースデイであると同時に、ジラーチが1000年の眠りに入ってしまうその日でもあるのだ。だからジラーチに欠伸が多いわけだ。


「うわあ、快晴だ!よかった、願いが叶った!!」
『今日は夜中に流れ星もいっぱい見られるってテレビで言っていたよ』
「天の川と一緒に!?今日の夜空はきれいだろうね」
マイコは3日目の夜、確かにジラーチに、「誕生日に晴れるように」とお願いしていた。そして、今日、雲ひとつない快晴の空模様だった。
彼女の願いは叶ったのだ。
さらに、彼女にとって嬉しいことが、もう一つあった。


みんなが、マイコのサプライズバースデーパーティーをしてくれたのだ!
場所は願いが丘。昨日のバトルの舞台ではあったが、「千年流星会が壊した場所をきれいに直したい」という願いを受けて、元の美しい場所に戻っていた。
「「「ハッピバースデートゥーユー、ハッピバースデートゥーユー、ハッピバースデーディア・マイコ、ハッピバースデートゥーユー!!」」」
誕生会ではお決まりの歌の後、21本並んだ蝋燭を消すマイコ。
「「「誕生日おめでとう!!」」」
「ありがとう、すっごい嬉しい!」
『おめでとう、マイコ!』
「ジラーチもありがとう!」
みんなから祝福されて、マイコはすっかり照れていた。
「それではマイコ、メッセージをどうぞ!」
親しい男の友達に促され、マイコは少し、語り出した。


「正直、この1週間は、色々あったよ。ジラーチが家に来て、買い物とか、大学とか、一緒に行って、すごく充実してた。まあ、誕生日を迎える前に、悪党に殺されかけたけど、……みんな私のこと、心配してくれてた。ありがとう……。」
マイコは話を続ける。
「ジラーチも色々ありがとう。……私なんかみたいな普通の女のところに来てくれたこと、すごく感謝してる。でも、もう、今日、別れなくちゃいけないのは、寂しいよ……」
周りはしんと静まり、しばらくして、拍手が沸き起こった。
そして、そのうちの1人がこう切り出した。
「みんなで写真を撮って、そこからみんなで騒ごうや!マイコも一緒に!」


「みんな揃った!?」
「「「大丈夫!!!」」」
「それじゃあ、ハイ、チーズ!」
カシャッ
カメラのシャッター音が響く。ジラーチも含めた写真は、後で焼き増しを経て、配られるらしい。
そして、みんなビールやらワインやらを飲み、ワイワイガヤガヤ大騒ぎをした。マイコも、カシスオレンジをちびちび飲みつつ、一緒にはしゃいだ。


しばらくすると、星が夜空を一閃した。この時点で気付いたのは少しだけだったが、
「うわ、いっぱい流れ星が!天の川もある!!」
誰かの声にみんなが夜空を見上げた。
そこには、千年彗星の影響なのか、たくさんの流星群が起こっていて、ベガとアルタイルを隔てる天の川に降り注いでいる、神秘的な光景が広がっていた。
「キレイ……」
マイコ達がそれに見入っていると、傍らにいた願い事ポケモンが光り出した。
「ジラーチ!?どうしたの!?」
『ごめんね、マイコ……僕、もう、眠らなきゃいけないんだ……』
タイムリミットは近かった。体がどんどん繭に近くなっていく。
「別れるのは知っていたよ。でも、離れてしまうのは、いやだよ……」
『マイコ、1週間とっても、楽しかったよ』
もうほぼ時間のようだ。
「ジラーチ……1000年後、私の子孫と逢えるかな?」
『分かんないけれど、……僕もそうだといいな。だって、マイコの、子供達は、きっと、優しい人に、なれるはず……だから……』
光とともに、ジラーチが消えていこうとする中で、マイコは叫んだ。
「ありがとう!とっても、とーっても、楽しかったよ!だから、……さようなら、ジラーチ……」
マイコの目からは涙がボロボロ溢れていた……。


マイコにとって、21歳の誕生日前の1週間は、人生の中でかけがえのない出来事のうちの1つに、確実になっていた。
優しく、毅然として、勇敢で、でもどこか頼りがいのない部分もあるけれど、みんなに愛される女、マイコ。
彼女には、きっと、これからも、光り輝く未来が待っているはずだから。


おしまい。


マコです。
ちょっと最後、グダグダな感じになってしまって、申し訳ないです……。
でも、とにかく完結です。
次は、本編でお会いしましょう!
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】