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  [No.660] プロローグ 投稿者:ヴェロキア   投稿日:2011/08/24(Wed) 17:46:15   13clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

華麗にスケボーを操る子どもがいた。とても子どもの技とは思えない。ジャンプ台も軽々と飛び上がる。それどころか、1070度回転した。公園に来ていた子供達も、遊ぶのを忘れてそれに夢中になっている。
難しい技、手すり滑りも公園の階段で難なくこなす。プロ並みだ。
するとその子はシーソーへ移動した。片方に乗り、沈んだ所でジャンプし、手すりに乗る。難易度は高い。
そしてまた、下がっているシーソーで降りた。公園中に拍手が響き渡る。ヘルメットをかぶっているので誰かは分からないが、それを診るために公園に来るマニアもいると言う。
その子が、ヘルメットに手をかけた。
「おぉ〜やっと誰か分かる!」
一人のマニアが言った。
水色のヘルメットを外すと、その子は、
「ライナ!」
少年でもなく、少女だったのだ。
「ライナ、なんでこんな事をしてるの?」
マニアがメモ帳を手に聞く。
「フッ 趣味でねぇ。いつも公園でやっているんだよ。」
そういい残して、スケボーで去っていった。
「あれがライナだったとは。」
「あり得ないぜ。」
「ライナでも、上手いもんは上手いんだ。これからも見ようぜ。少年だと思ってな。」
次々と人が帰っていくが、10数人だけ残った。
「俺達で、ファンクラブ作るか?」
「いいな。ネットにな。」
すると、どこからか声が聞こえてきた。
(だめだ。やるんじゃない。この私が許さない。)
「今のは?」
残った人が、公園中を探すが、誰もいない。
「もしかして、ライナ様がお許しになっていないんじゃ・・・祟りだ・・・」
「ライナ様、心からお詫び申し上げます。」
いつの間にか敬語の中の敬語になっている。
(よし。今度はただじゃおかねぇからな)
また同じ声が聞こえてきた。
ライナは、ちょっと男らしい所(言葉遣い)があるが、本当は優しい女の子だ。
明日は、ライナの誕生日。プレゼントは何かな・・・?
続く
(プロローグなので短いです。一話からはもう少し長いです。)