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近所のバーレストランでナシゴレンを食べ、一番安いバーボンを飲んでいる。ジーンズの尻ポケットから取り出した癖のついた文庫本を開く。
ふいに「好きだ」と彼女にメールをしたくなった。けれどもそれは手遅れのような気がした。
腰かけたカウンターの目の前にサーバーがあり、店員の女は何度も俺の前を行き来した。そう、動物園で見たマレー産のヒメグマのように勤勉に。
その七分袖の黒いカットソーを着たメスのクマは、丁寧にビールを注ぎ、とても上手に泡の蓋をした。彼女は数席離れたカウンターに腰かけた飼育員から「よその店よりずっと旨い」と褒められていた。最近のクマは愛想笑いも上手い。
奥の厨房から料理を受け取ったり、カクテルを作るために、彼女はカウンターに背を向けるように立った。ゆったりとしたスカートを履いていたが、それでも腰の下には健康そうな花柄の丘陵が見て取れた。
何度かそれを眺めたあと、残りの酒を煽って、文庫本をまた尻ポケットに突っ込んだ。笑顔の女から釣り銭を受け取る。飼育員に見せたものよりは、ずっと素朴な笑顔だった。
店を出ると細かい雨が降り出したところだった。手を差し出してもさほど感じないが、歩道は少しずつ濃いグレーへと変わっていった。
俺は携帯電話を開き、彼女にメールを送った。
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一杯飲んで来たら、雨が降り出したので。
帰ってきて見たら、お題が雨だったので。
なんかタグ、よく分かんなかったんだけど(笑)。
俺は特に加筆とかする気ないんで、書いたり描いたり批評したりどうぞ。
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