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  •   [No.1307] お題:雨 投稿者:渡邉健太   《URL》   投稿日:2011/06/10(Fri) 22:25:36     62clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:TEST1】 【TEST2】 【TEST3】 【TEST4】 【TEST5

     近所のバーレストランでナシゴレンを食べ、一番安いバーボンを飲んでいる。ジーンズの尻ポケットから取り出した癖のついた文庫本を開く。
     ふいに「好きだ」と彼女にメールをしたくなった。けれどもそれは手遅れのような気がした。

     腰かけたカウンターの目の前にサーバーがあり、店員の女は何度も俺の前を行き来した。そう、動物園で見たマレー産のヒメグマのように勤勉に。
     その七分袖の黒いカットソーを着たメスのクマは、丁寧にビールを注ぎ、とても上手に泡の蓋をした。彼女は数席離れたカウンターに腰かけた飼育員から「よその店よりずっと旨い」と褒められていた。最近のクマは愛想笑いも上手い。

     奥の厨房から料理を受け取ったり、カクテルを作るために、彼女はカウンターに背を向けるように立った。ゆったりとしたスカートを履いていたが、それでも腰の下には健康そうな花柄の丘陵が見て取れた。
     何度かそれを眺めたあと、残りの酒を煽って、文庫本をまた尻ポケットに突っ込んだ。笑顔の女から釣り銭を受け取る。飼育員に見せたものよりは、ずっと素朴な笑顔だった。

     店を出ると細かい雨が降り出したところだった。手を差し出してもさほど感じないが、歩道は少しずつ濃いグレーへと変わっていった。
     俺は携帯電話を開き、彼女にメールを送った。
    __

    一杯飲んで来たら、雨が降り出したので。
    帰ってきて見たら、お題が雨だったので。

    なんかタグ、よく分かんなかったんだけど(笑)。
    俺は特に加筆とかする気ないんで、書いたり描いたり批評したりどうぞ。


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