ポケモンストーリーズ!投稿板
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  •   [No.2597] ゲノセクトか?ゲノセクトなのか!? 投稿者:NOAH   投稿日:2012/09/01(Sat) 14:30:32     80clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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    話の流れ的にゲノセクトだと思うのは私だけ?

    ゲノセクトをP2ラボに連れて来た時に出会った博士が
    この男の人だとしたら、プラズマ団に襲われ強制連行されて
    ゲノセクト復活。その後行方不明。

    で、見知らぬトレーナーが彼の元にゲノセクトを連れて来る
    そんな流れな気がします。
    ……あくまで私的展開ですが。

    でも、No .017さんのイメージも素敵だと思ってますので
    あくまでたくさんあるイメージの1つと捉えて下さい。
    ……それでも誰かが書いて下さったら光栄です。

    【書いてもいいのよ】


      [No.2452] つがい 投稿者:紀成   投稿日:2012/06/09(Sat) 13:57:56     59clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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    ねえ、きみはどこにいるの?

    じめじめした空気。狭くて暗い空間。足元は水と何か細くて糸のような物が纏わり付き、歩くことも難しい。
    そんないるのも嫌になるこの場所を、一匹のペンドラーがゆっくりゆっくり這い上がっていた。
    彼には、時間の経過という物があまり感じられない。
    いつからここにいるのか、どうやってここに来たのか、それすらも覚えていない。
    それでも、ただ一つだけ理解していることがあった。というよりそのためにここにいるのだということを忘れてはいなかった。

    (こっちから匂いがする)

    毒タイプ独特の匂い、と人間は言うだろう。特に湿っているこの空間では、それは普段以上に効力を増す。
    そのペンドラーは、相棒を探していた。生まれた時から一緒で、いつも隣にいた。フシデ、ホイーガと進化して最終進化のペンドラーになっても、常に一緒にいた。
    性別うんぬんではなく、相手と一緒にいれば幸せだったのだ。
    だが、数日前――既に彼は記憶していないが――彼の相棒は、珍しく一匹で散歩に出ていた。いつもは森しか散歩しない彼だったが好奇心に負け、森から出てしまった。
    そしてそのまま行方不明となり、何処へ行ったのかも分からないまま数日が過ぎた。だがある日――雨が降った日だった――湿り気のおかげで相手の匂いを突き止めることができ、残された彼は相棒である彼を探しに出たのだ。

    だんだん薄暗くなってきた。自分の目線数センチ先まで見えるようになった。ふと上を見ると、光がいくつか隙間から差し込んでいるのが見えた。
    ――もうすこしだ。きっとあの隙間を通り抜ければ、彼に会える。
    ペンドラーは糸のような物がついた足を振り払うと、そこへと向かう。

    やがて、視界が開けた。と同時に、ガチャという音がした。
    空気が、凍りついた。


    「おかーさん、またペンドラーが風呂場にいるんだけどー」
    「やっぱり?」

    若い娘がうんざりした声を出した。高校生くらいだろうか。悲鳴も上げなければ、恐がりもしない。慣れているのだろう。
    風呂掃除をしようとそっとドアを開けた瞬間、めざわりな姿が目に入る。流石に一人では対処できないため、母親を呼ぶ。
    ほどなくして彼女は来た。ティッシュを大量に持って。

    「やっぱり、ってことは前に出たの?」
    「うん。一週間前くらいにね。ほら、ペンドラーってつがいで行動するから、近いうちにもう一匹出るんじゃないかなって踏んでたのよ」
    「ふーん」

    しばらくして、トイレの方から水音が聞こえてきた。

    「ところで母さん、ご飯まだ?」
    「今作るからもう少し待ってなさい。それよりも、志望理由書今週の金曜締め切りよー」
    「うわっやばっ」

    娘の方がそそくさと階段を上がっていった。その頭には、無残に死んだペンドラーの影などこれっぽっちも無い。


    ――――――――
    久々に書いた物がこれか!ちなみにこういうことがよく家で起きています。
    でかいペンドラーやマダツボミがいるなら、ちまっこいペンドラーがいてもいい気がしたのですよ。

    【何をしてもいいのよ】


      [No.2307] きょうのキュレム 投稿者:小春   投稿日:2012/03/16(Fri) 21:48:49     70clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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     おおきな穴がぽっかり空いたジャイアントホール。その奥の奥に住んでいるのが、キュレムです。図鑑完成に必要なしと言われ、なかなかキュレムに会いに来てくれるトレーナーさんもいないので寂しかったキュレムですが、最近嬉しいことがありました。
     キュレムを主役に迎えた映画が発表されたのです。それだけでも嬉しいキュレムに、またまた嬉しい知らせが届きました。キュレムを主役に迎えてゲーム本編が発売されるというのです。おまけに、パッケージにまでキュレムが飾られています。
     嬉しくて歌っていたら、いつのまにか自分の冷気で体を凍らせちゃった、ちょっとおっちょこちょいなキュレムなのでした。

    ☆★☆★☆★

    作者は3DSの立体ポケモン図鑑でキュレムのおしりがかわいいと評判をききつけ、犯行に及んだと供述している。後悔しているが、反省はしている様子はない。

    一応、ドラゴンタイプだったはずですよね


      [No.2161] ロトムに説教した 投稿者:音色   投稿日:2011/12/31(Sat) 22:15:02     78clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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      一年の終わりだからかどうか知らないが、雪まで降ってきたらしい。ヨノワールさんが訪ねてきて中途半端だった掃除も一区切り終えて休憩中に外の作業組が逃げ込んで来た。
     まぁ、ヌケニンなんか効果抜群だもんな。何匹か力尽きてヤミラミが担いで持って入ってきた。・・誰が御霊の塔まで運べっつった。こいつは放置プレイで良いんじゃね?
     ・・・ミカルゲさぁ、寒いんなら石の中に戻れよ。え?体感気温は変わらない?しょうがねぇなー、今だけだぞ。後で外に出すからな。
     にしてもゴ―ストポケモンだらけだから中もそこまで温くはないな。ゲンガーっているだけで気温が5℃下がるらしいし。
     屋敷の広さが仇となったな―。ストーブの陣取り合戦勃発。おい、私の場所だ。押すんじゃない。
     元気のある奴はおしくらまんじゅうでもして自分で温かくなってください。う―寒い寒い。こりゃ早いところ仕事を再開して動いた方がいいかもしれねぇな。寒さで手が動かなくなる前に。
     よーし、仕事再開すっぞー!文句いうな。ちゃっちゃか終らせたあとは蕎麦食うなりコタツにもぐるなり紅白見るなり好きにしてくれていいから。
     急に気合が入りやがったなこいつら。現金な奴。まぁ、いいか。


     数分後、物置から悲鳴が上がった。何だ!?あれか、黒いつやつやのGのつく虫でもあらわれたか。一応その場合の対応はピンポイントのナイトヘッドや鬼火を許可しているので大丈夫だと思っているんだが、まぁ、怖いものは怖いか。
     一応ゴキバスターを持ったままそっちに駆けつける、と。ゴ―スたちがビビりながらすっとんで来た。おい、おい何があった?
     扇風機が空飛んで追っかけてきたぁ?
     なんだそれ。ポルターガイスト?ははは、ふざけるのも大概にしろよ。どーせ誰かほかの奴等が悪戯でもしたんじゃねぇの?まともに考えて。
     全くもー。お前らゴーストなんだからさ、それくらいの超常現象だって起きるにきまってるだろう。むしろ、超常現象が起きる要素しかないだろ。ほら、一緒に見に行ってやるから。
     ・・・ほら、なんともないじゃないか。ただの扇風機だよ。な、これで大丈夫だろ?自分の持ち場に集中しろよー。


     ・・・今度は何だ?庭グループ。芝刈り機がすごい勢いで御霊の塔に突っ込んでぶっ壊した?ミカルゲ、お前嘘つくならもうちょっとまともな嘘をつけよ。
     そんなに家の中が良いのか。休憩時間だけって言ったろ?・・・え、ヤミラミ達も見たの?でもさ、うちの芝刈り機って錆まくってて動かないはずなんだけどさ。
     錆びてなかった?むしろオレンジ一色で派手だった?そんな趣味の悪いカラーの芝刈り機見たこともないぞ。
     って、家の中でまた騒ぎが起こってるぽいな。


     電子レンジに噛みつかれた?おまけに火をふいた、と。おいおい、掃除中に妙なものを温めたんじゃないだろうな?雑巾で拭こうとしただけ?じゃあ何でそんな事になるんだよ。
     そっちは冷蔵庫に閉じ込められかけた?妙だな、いかに超常現象が起きるからといって悪戯にしちゃああっちこっちで起こりすぎだろう。
     おまけにやってることは全部ばらばらじゃん。追っかける、破壊する、火をふく、閉じ込める。なんじゃらほい。
     今度は洗面所か!?あーもう、誰だこんなことやってる奴は!


     あー・・・、本当だ。趣味の悪いオレンジの洗濯機が跳ねてる。ぴょんぴょんしてるよ。なるほど、一連の超常現象の原因はあいつか。
     で、あれに水をぶっかけられたと。はぁぁ、仕事増やしやがって。ちょっと説教してくる。

     おいそこの洗濯機!跳ねるな!動くな!つーか掃除の邪魔じゃボケぇぇぇ!いいか、お前がやってんのはただの悪戯超常現象だ。大掃除の仕事を増やしてくれるって言うのはどういうことだ?ん?そんなに私に怒られたいか?あっちこっちで騒動起こしやがって困ってんだよ!遊んで欲しいんなら邪魔するな!洗濯機は洗濯機らしく元の場所に戻って洗濯機をやってりゃいいの!冷蔵庫も電子レンジも扇風機なんかこの季節いらねぇから!芝刈り機も全部草抜いちゃったから仕事ないから!分かったか!


     ・・・ぜーぜー、何で大晦日にこんなに労力を使わなきゃならんのだ。
     洗濯機はしょんぼりしながら元の場所にもどった。それでよし!さて、さっさと仕事終わらせるぞ―!


     大掃除が終了して紅白でも見ようか、と思ってテレビのある部屋に行った。既に同じような奴等がコタツに潜っていた。お邪魔する。
     テレビを付ける。・・・つかない。あれ?
     うにょん、と画面が歪んで妙なのが出てきた。どっかで見たオレンジ色。あぁ、おまけか、超常現象。お前も一緒に年を越そうぜ。
     けたけた笑って引っ込んだ。テレビがついた。
    「やれやれ、ひねくれもんだ」


    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    余談  ロトムのテレビフォルムはまだですか。

    【ラスト一匹!】
    【好きにしちゃえ】


      [No.2018] 鳩をどけろ、カメラを回せ 投稿者:紀成   投稿日:2011/10/21(Fri) 20:41:26     83clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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    ピジョンが住み着いていた。
    それは、私にしか見えないようだった。なんとも無い、普通のカメラなのに、私がレンズを覗いて何かを撮ろうとすると、必ず一羽のピジョンが景色の中に映っていた。シンオウ地方の大平原、カントー地方の田舎道、ジョウト地方の紅葉道、ホウエン地方の大海原。
    そして私が住むイッシュ地方の大都会の中にも。

    普通の人にはただのカメラらしい。以前友人に見てもらったが、特に変なことは無く写真が撮れた。丁度夏休みだったため、一面の向日葵が眩しかった。だが、もう一度私が撮ると必ずピジョンが咲き誇る向日葵の中でこちらを見ているのだ。
    ある時は大平原上空で空を飛んでいた。
    またある時は田舎道で土をつついていた。
    そのまたある時は紅葉道で振り返っていた。
    そしてまたある時は大海原で餌を採っていた。

    何回『疲れているのかな』と思っただろうか。医者に相談しても、何の解決方法も見出せない。何しろ、『疲れているのだから旅行にでも行ってきなさい』と言われ、すっきりしたところでそのカメラを取り出してみても、やはりピジョンが映っているのだ。
    これはノイローゼなのか。いや、もっと別の何かなのか。
    私はピジョン恐怖症になりそうだった。否、なりかけていた。

    丁度その頃、高校時代の同窓会があり、私は生まれ故郷のカントー地方に出かけた。何故こんな時に限って同窓会なんて開くんだ、と思ったが友人には会いたかった。皆それぞれ仕事に就いていて、その話に花が咲いた。ある者は観光会社に就職し、ある者は保母さんになり、ある者は小説家になっていた。
    『こうして見ると、よくあんなにやんちゃしていた自分が社会に出れたなって思うよ』
    友人の一人が呟いた。彼は高校時代、勉強せずに部活に専念していた人物だった。
    『そうね。大人になりたくない、言いなりなんかになりたくないって言ってた私たちが……』
    そういう彼女は不良グループに入っていた。今思えば、それも小さな可愛い物だったのだが。
    『知識もついた。金も稼げるようになった。充実しているはずなんだけどな。
    でも正直に言えば、あの頃は夢を見ていたんだ』

    夢を見ていた。
    その言葉が、いやに引っかかった。

    『下らない話で笑い転げたり、学年の可愛い子に一斉に告白して玉砕したり、ガキっぽい原因で喧嘩したり……
    見えない明日を恐がることもなく、ただ楽しんでいた』

    私は同窓会の名簿を見た。一人だけ、いなかった。聞けば、警察官になった者だという。随分今日の同窓会を楽しみにしていたようだが、昨日殉職してしまったらしい。
    『おい、記念写真撮ろうぜ』
    皆が皆、デジカメを取り出す。私もあのカメラを渡した。さて、今回は大丈夫だろうか。
    『撮るぞー』

    パシャリ、という音がした。


    案の定、写真にはピジョンが映っていた。俺の友人の膝の上に、ちゃっかり座っている。
    ……
    今の生活に、不満はない。それは友人達と同じだ。だが、俺の目にはピジョンが映っている。何を象徴しているのか。過去への執着か、それともこれから先の不安か。
    どちらでもいい。

    避けて通れる物、通れない物。
    退けることが出来る物、できない物。

    どうやら俺がいくら退けようとしても、ピジョンは退いてはくれないらしい。
    ならば。


    『鳩はどけずに、カメラを回せ』


      [No.1870] 俺というキャラクターそのものがなんか違う 投稿者:音色   投稿日:2011/09/16(Fri) 22:19:32     73clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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    なんか【書いてみた】ついとるー!

    どうも、ビリリダマな音色です。
    ていうか、もしやマコ様気づいておられなかった?

    ビリリダマって、俺ですよ?つまり音色ですよ?名前がないことはないですよ一応。ただ面倒くさいからだしてないだけで(略

    ・・しかしよくよく考えればビリリダマ=俺と言う図式を正確に何処にも書いてねぇじゃん俺!うーん誤解をまき散らすわけだすんませぇぇぇん!


    まーいつの間にかマコ様ランドともコラボれたみたいだし長老は是が非でも俺に攻撃技を与えようとしないらしい

    俺がレベルアップ音を奏でられる日はあるのか!(多分ない

    【でも俺と言うキャラがなんか違いすぎるような気もしないでもないような気もしない・・・つまりどっちだ】


      [No.1723] 本日は586日和 投稿者:音色   投稿日:2011/08/10(Wed) 11:29:50     101clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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     テレポート 20/20

     目の前が真っ暗になるとかどんだけ死亡フラグですかー!?ヤダヤダ、俺はまだ死にたくない死ぬ気もない当分生きてやるだからなチクショ―!
     くそ、『殴りに行けるアイドル握手会』に行ってないのに何故タブンネにぶっ飛ばされねばならんのだ!ていうか、俺手とかねぇや。ちっ、せっかくの握手会が・・!
     んで、ここはどこですか。草むらではないないらしい・・ロケット団並に空のお星さまレベルで飛んでったのか俺は。
     
    「まったく、今日は一体どうかしている!」

     って、どこだと思ったらここ診療所だよ!なに部屋の真ん中に俺いるの!・・ま、なんか机に向って怒ってるお医者さん気づいてないっぽいからいいや・・。
     ・・とりあえずゴロゴロと転がってベットの下に潜り込んでみる。

    「鍵に釣り針にハンドルにレコードにピストル洗濯バサミ・・挙句ストローだと!私を馬鹿にしているのかはたまた政府の陰謀か!」

     鍵に釣り針にハンドル・・待て、この道具の羅列はどっかで見たこと聞いたことがあるようなないような。
     
    「一体何がどうなったらアンノーンがモノに見えるなどという訳の分からない症状が発症するのだ!ついこの間は隣町の医者が『アンノーンのYが手鏡に見える』などと言ってきた!」

     ・・アンノーン・・だと・・。
     待て待て待てぇ!聞いたことどころか思い当たる節しかねぇぇ!

    「なに?あぁ、そろそろ往診の時間か・・ん、おいワシのハンドバックが開かないぞ!どうなっとるんだこれは!」

     あああぁそれはハンドバックじゃないアンノーンの『V』だよお医者さん!だぁぁ駄目だぁ!ここにいたらそのうち俺もあの病もどきにかかっちまうような気がするぅぅ!
     どうにかここから脱出を・・どうしようどうすりゃいいんだ・・!
     ・・・。
     俺、そういやテレポート使えるじゃん。


     テレポート 19/20

     んでさ、テレポートってイメージ的に自分が知っている場所に行けるもんだと思ったら大間違いなわけね。
     何で電車の中なんだろう。これ無賃乗車になったりしないかな。ポケモン(現時点で一応俺はビリリダマなわけだし)が金の事なんか気にしてもしょうがないか。
     地下鉄じゃないっぽい。うん、外の景色が見えるので廃人専用地下鉄ではないな。たぶん。
     ちなみにビリリダマな俺が出現した場所は恐らく電車の中だと判断した理由は至極簡単。テレポートした先がいわゆる電車とかの椅子の上だったからだ。

    「あれ、貴方いつからそこにいました?」

     声をかけられ正面を向くとそこには一匹のディグダが座っていた。・・もちろん、椅子から突き抜けてる恰好で。

    「細かいことは気にしないでください」

     適当にごまかす。やべーよ!ここ合席だなんて思わなかったよ!

    「はぁ・・まぁ構いませんけどね」

     よっしゃ助かったー!

    「でもここはダグトリオ専用車両なのにどうやって乗ってきたんですか?」

     ・・ダグトリオ専用車両とな?
     っていうことは、目の前にいるのはディグダではなくピンのダグトリオということか?

    「あの、もしかしてあなたのお父さんは鈴木三郎と」
    「どうして知っているんですか!?」

     間違いない。目の前にいるのは最初がヨーゼフだったかヨーデルだったか忘れてしまったが略称よっちゃんであることに間違いない!

    「あの、ちなみにビリリダマ専用車両はどこでしょうか?」
    「ほかの種族はちょっと・・それ以前にビリリダマに専用車両があったかどうか・・」

     ないのか。ちょっとショック。

    「おや、あれはダグトリオか?」

     向こうの席からそんなセリフが聞こえた。と、いうことはもうすぐ雪国に到着するはずである。
     そんなわけでよっちゃんに挨拶をして俺はテレポートをすることにした。

     テレポート 18/20

     なんだこれ。今度は一体どこにテレポートしたんだ俺は。
     『アンチそらをとぶの会』と書かれた看板の目の前に出現したけど、これは一体どうすればいいんだ。
     ・・何か向こうでぎゃんぎゃん騒いでるけど。

    「ほかに意見のある人!」
    「はい!」
    「はい!」
    「はい!」
    「はい!」
    「よし……それじゃそこのイトマル!」
    「やっぱり、まずはトレーナーの上にでっかい網とか仕掛けておけば大丈夫な気がします!」
    「なるほど…それ採用!」

     ・・・。いや、ダメな様な気がするが。
     まぁ、やってる本人たちが充実していそうだからいいか。次に行こう、次。

     テレポート 17/20

    「おい聞いたか!一ヶ月後には世界が消滅するんだとさ」
    「まっさかぁ、あんたあのテレビの受け売り信じてるのぉ!?」

     今度はやたらと物騒な世界に来ちまったなぁおい!アンチそらをとぶの次は世界滅亡のカウントダウンか!
     走り去って行った高校生くらい少年少女のあとをゴロゴロと追ってみる。児童公園、と書かれた場所まで転がると、なんかポケモンがいた。
     ・・ネイティオだ。
     あいつなにやってんだ。突っ立ってぼけらっとして。
     興味本位でそちらに向かって転がる。自慢じゃないがだいぶこの『ごろごろ移動』に慣れた。地味に痛いんだけどね、小石とか踏むと。

    「あのー・・こんちわ」

     ポケモン同士なら会話が成立するとさっきのダグトリオエクスプレスで確認したばっかりなので、たぶん大丈夫・・だとおもうんだけど・・。
     無反応。まー予想していたけどねー・・。
     ・・ていうか、こいつさ・・。
     泣いてね?いや、絶対泣いてる。右目だけ泣くという不思議かつ奇妙な泣き方をしている。
     えっと右だが左だがどっちだったか忘れたがどっちかで未来を見てもう片方で過去を見るという大変ややこしい視界なもんだから目が疲れたんだろうか。
     んなわけないか。
     とりあえず、こいつが何を見ているか俺がわかるわけないし見たくない訳で。たしかこのお話が始動するのは滅亡カウントダウン三日前のはずだから。
     行くか。

     テレポート 16/20

     ささささささささささささささむい。ここここここここごえじぬ。ていうかしししししぬ。ゆゆゆゆゆき!ゆきふってるぅぅ!
     ここれが本当の冷蔵庫の中というやつかかかかか。まずい、ふふふふるえがとととまらんんん。
     テレポートだ!いますぐここから離脱するんだだだだだ!

     雪が降る聖夜の中、ニコラウスとヴィクソンが飛び立つのが見えた・・ような気もした。

     テレポート 15/20

     ミスったぁぁ!空中に出現するとかないわ――!落ちる――!ギャ――!
     いかん!下の方にポケモンいるしぃぃ!あれだよ、ビリリダマの図鑑説明には衝撃を与えたらもれなく大爆発が起こるみたいなことが書いてあった気がする!
     そこの誰か逃げてー!逃げても俺が無事じゃないだろうけど―!

     ばふーん

     落ちた先は堅いようなもふもふでした。

    「あり?」

     ごろごろと鈍ーく弾かれて何が起こったのかよくわからん。
     ひょいっと、突っ込んだ草むらからそっちを見たら、くるんともふもふこっとんガード。
     なぁるほど。
     俺をはじいたのはチルチルちゃんらしい。
     助かったなぁ、と一安心。

     さてさて、今度こそしくじらねぇようにテレポートすっか。

     つづけみすとりー

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
    余談  つづけにポケモンが関係なくなってきた。

    【586さんのコミケ発売お祝いを兼ねまして】
    【テレポートのPPはまだ残っている】
    【拍手くれたら嬉しいな】


      [No.1580] ドッペルゲンガーだけは怖くない人 投稿者:   《URL》   投稿日:2011/07/10(Sun) 17:07:43     56clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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    キトラさん、感想ありがとうございます! 感想マスターの称号を是非。

    ホラーきつい人だったのですか! それはごめんなさい。でも怖がってもらって嬉しいという矛盾したこの気持ち。ゴーストタイプってきっとこんな感じ。

    > 熱帯夜に涼しいという恐ろしい舞台装置が
    熱帯夜なのに涼しい、というのにそんな効果が!
    なるほど。指摘されてはじめて気付きました。

    > 何が怖いって、ドッペルゲンガーみてしまったらどうしようとか
    > トラックにひかれたくないとか
    ドッペルゲンガーは私怖くなくてあれなんですが(知人にドッペルゲンガー並に似てる方々がいるので信じる気になれない)
    トラックはガチで物理的に迫ってくるから別の恐怖があると思います。
    つまり恐怖を二種類味わえて美味しいのです(

    > 幽霊とかかなり怖い部類なので、ホラーきついです。なので増えないでください(願
    > 個人的な願いなので、出来る人は書けば良いと思う!
    同意ですノ
    そういえばこれを上げた後くらいからしょっちゅう金縛りに(


      [No.1439] 【百字】さあ、行こう。 投稿者:ラクダ   投稿日:2011/07/05(Tue) 21:40:17     106clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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    僕は相棒を見る。相棒は僕を見る。僕らは顔を見合わせて、にやりと笑う。
    明日はとうとう夏休み。水遊びが得意な君と川へ行こう。かけっこが得意な僕と野原へ行こう。

    海へ山へ、知らない町へ。

    さあ、冒険の扉が開く。




    ―――――――――

    百字祭りを開催中との事、フライング夏休みを書いてみた。

    ……夏休み欲しいよう。

    【なにをしてもいいのよ】


      [No.1298] かわいいコとは旅をせよ 投稿者:クロトカゲ   投稿日:2011/06/08(Wed) 01:34:25     118clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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    ――スキンヘッズと目が合った――


    おう、そこのアンタ。

    そう! アンタだよ。目が合ったよな?

    金?

    ああ、置いて行け。ただし、アンタがバトルに負けたらな。

    そうだよバトルだよ。あんたが買ったら俺が金を置いてく。当たり前だろうが。
    早く出せよ、ポケモンをよ。



    何そのポケモン、 超かわいい!



    ちげーよ! そんなこと言ってねーし! えーと、あっ! あれだあれだ! 超可愛がってやるぜって言ったんだよ!

    俺様のピィだって負けてねぇ! 負けてねぇからな!
    でもあれだな。見たことないけど珍しいポケモンなのか?

    普通に? そんなにいるわけ?!
    よし、じゃあこうしよう。俺が勝ったら金はいらねぇから、そいつをどこで捕まえられるのか教えろ!

    え? ウソ?! シンオウ地方にはいないのそのポケモン?!








    おう。また会ったな。元気してたか?

    バトル? ああ、バトルしてーならするけどな。

    ああ、礼を言っておこうと思ってな。
    確かにシンオウにも、他の地方にもまだまだ可愛いポケモンがいたよ。
    でも色々探したけど、こいつが一番だった。もう、運命だよ。運命感じるね。

    当ったり前だろうが。うちのブルーが一番可愛い。もう、絶対!

    よせよ。似てねぇって。こいつはすげー可愛いし。まぁ、ちょっとワイルドなところは俺に似てるかもな。
    ほら。見てみろよ。このスカジャン。うちの子の顔が入ってるんだぜ。いいだろ。

    おう! 世辞でも悪い気はしねぇな。

    他にもほら。ミミロルだろ、ヒメグマだろ、当然ピィもいるし。

    そうそう。こないだのポケモン、チラーミィだっけ?

    ほら。チラーミィのスカジャン。

    知らねーの? こういうのだよ。背中とかに見事な刺繍が入ってるジャンパー。
    ああ、その、なんだ。たまたま譲ってもらったんだけどよ。女モノだし、いらねーからアンタにやるよ。

    あー、どこでも売ってるだろ。いや、ほら、あれだ。あそこだ。……どこだっていいだろ!
    どこでも売ってるっつったら売ってるんだよ!

    おう、似合ってるじゃねーか。やっぱり女の子だからピンクだなピンク。

    え? 進化した?! じゃあえーと……。

    そうチラチーノ! チラチーノになったのか! 見せてくれ! おおーっ! いいなぁ! いい! すげーいい!

    そりゃあ、チラチーノのスカジャンも欲しくなるよな。
    探しといてやるよ。見つかったら俺が確保しておいてやるから。

    おいおい、そんなにすぐ作れねーよ!

    あ、いや、そんなにすぐに見つからねぇって意味だよ。それにほら、人気あるだろうし! 売り切れたらすぐには店には並ばねぇだろうし。そうだろ?! な?!

    え? 交換してくれるの?

    捕まえてきてくれたのか?!
    何でもいいのか? っつっても交換できる手持ちいねーし……。

    そうだ! 今そこらへんで適当な奴捕まえてくるから待ってろ! すぐ捕まえてくるからな! マッハで! だからそこを一歩も動くんじゃねーぞ! 絶対だからな!


    ------------------------------------------------------------------------
    シンオウのロストタワーにいるスキンヘッズがピィを出してくるせいで、スキンヘッズのイメージがツンデレになってます。
    ツンデレが過ぎて、ポケモン以外にまで愛が溢れ出てるとかそんな感じ。

    【異論は認める】


      [No.1155] 【標準語】モミジム三連戦! 1/3【翻訳】 投稿者:久方小風夜   投稿日:2011/05/07(Sat) 07:51:32     120clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:翻訳して】 【違和感を感じたら】 【広島人

    ※こちらは「モミジム三連戦! 1/3」の標準語翻訳版です。
     広島弁が読めなかった方は、ぜひこちらもご覧ください



    「たのもーっ!」

     おぉ、元気のいい声だなぁ。キセルをふかしながら俺はぼんやりとそう思った。
     挑戦者か。随分と久しぶりだなぁ。しばらく誰も来ていなかったから、何か懐かしいなぁ。

     ベンチに寝転んだままぼんやりしていると、頭を叩かれた。何するんだ、と俺は後ろにいた男……ケンタに言った。

    「挑戦者が来ているよ。ちょっとは動いたらどうだい?」
    「わかってるよ。ちょっとぼけっとしてただけだろ」
    「また飲んでたの? ほどほどにしておかないと、体に良くないよ?」

     枕元にある白牡丹の一升瓶(空になっている)を拾い上げた女……セトナはため息をついた。

    「それは昨日の夜の分だ。さすがに今日はまだ飲んでないさ」
    「それじゃあこっちのまだ開いてない方は?」
    「そっちは今日の分だよ。いいだろ別に」
    「もういいから、早く起きなよ。一番手だろ」
    「ああごめんごめん。今行くよ」

     キセルの灰を落として、賀茂鶴の瓶を片手に、俺は起き上がった。



     挑戦者を見て、俺はちょっと驚いた。

    「何だ、挑戦者が3人いるのか」

     ジムに来ていたのは、男が2人と女が1人。3人で旅をしているらしい。
     それにしても3人旅。仲のいいことだなぁ。


     このジムはジムリーダーが俺、ケンタ、セトナの3人。
     挑戦者は、俺たち3人を全員勝ち抜きで攻略しないと、このジムのジムバッジ、メイプルバッジは渡せない。
     俺たちは1人2匹使っているから、まあ普通のトレーナー1人を相手にするのと数は変わらないんだけどな。

     にしても、どうしようかなぁ。
     何と言っても今日は5月5日。鯉のぼりの日。俺たちモミジシティ人の愛する野球チーム、モミジ東洋マジカープの日だからなぁ。ちょっとぐらいサービスしてあげてもいいと思うんだけどなぁ。

     ……あ、いいこと思いついた。
     俺は3人の挑戦者に向かって言った。

    「そうだなぁ、本当は3人抜きしないといけないんだけど、せっかく3人で来てくれたんだから、1人ずつ相手してやるよ」
    「えっ」
    「おいおい、勝手に決めるなよ。酔ってるのか?」
    「酔ってねえよ。いいじゃないか。今日は祝いの日だぜ。それに、そのくらいの方が面白いだろ?」

     私は別にいけど、ってセトナが言って、ケンタもしょうがないなぁって言ってため息。
     とは言っても、この中で一番バトルが好きなのはアイツってことは、俺はよく知ってるけど。

    「勝負は2対2の勝ち抜き。回復禁止。誰か1人でも俺たちに勝てたら、君たちがバッジを持って行きなよ。いいか?」
    「は、はい」
    「じゃ、俺が最初に行くよ。君たちは誰から来るんだ?」

     俺が言うと、挑戦者は何か話し合って、女が前に出てきた。

    「ふーん、君か。それじゃ、早く来なよ」
    「あ、あの……怒ってます?」
    「怒ってないよ。だから早く来な」
    「ううっ……絶対怒ってる……」
    「いいから早く来いって!」

     ひぃっ、すみませんっ! って言って女は走ってきた。
     名前は? って聞いたら『アキ』って言ってきた。

    「そうか。俺は『ジョウ』。使うのは草タイプだ。ま、よろしくな」



     手持ちの中から2匹選び、更にボールを1つ選んだ。
     それじゃあやろうか、と言うと、アキはお願いします、と頭を下げた。

    「行くよ、ウルガモス!」
    「おぉ、最初っから容赦ないなあ。それじゃあ、頼むぞ、えいちゃん!」

     俺はヤナッキーのえいちゃんを出した。名前はもちろん、あの谷沢永一(通称永ちゃん)からだ。
     セトナが、もう、本当にどうしようもないねぇ、とため息をついた。

    「アンタ、本当にそのネーミングセンスどうにかしなさいよ」
    「いいだろ別に」

     あのー、始めてもいいですかー? ってアキが言ってきた。ああごめんごめん、勝負に戻らないとな。


    「ウルガモス、『ぎんいろのかぜ』!」
    「ひゃあ、怖い怖い。えいちゃん、『かげぶんしん』!」

     何とか避けられた。あー怖い怖い。
     こっちが『ふるいたてる』を出したら、あっちも『ちょうのまい』。
     ふぅ、さて、どう来るかな……ん?

    「! えいちゃん、跳べっ!」
    「ウルガモス、『ねっぷう』!」

     跳んでかわしたんだけど、かすってしまった。だけどそれでも相当なダメージ。すごく強いなぁ。
     えいちゃんはマゴのみを取り出して食べた。うーん、かすっただけでこれとは。本当にむごいな。
     アキはそれ見ろ、とでも言いたそうな顔でこっちを見ている。

    「相性最悪ね。私が負ける要素が全然ないわ」
    「……俺は小理屈を言う奴は好きじゃない。最後までやらないとわからないだろ?」
    「ジョウ、何拗ねてるの?」
    「拗ねてねぇよ。ちょっと待ってろ」

     キセルをもう1回くわえ直す。1回大きく吸い込んで言った。

    「『アクロバット』!」

     持ち物がなくなって軽くなったえいちゃんは高く高く跳び上がった。それで体をひねってウルガモスに蹴り。
     頭と体の付け根に直撃した蹴りは、そりゃぁものすごくよく効いたようで、ウルガモスは力尽きた。
     アキはなんてこったい、といった顔でぽかんとしていた。
     煙を吐き出して俺は言った。

    「俺たちはな、リーグの前の最後の砦なんだ。そんなに簡単に越えられたら困るんだよ」
    「一……撃……」

     ぽかんとしていたアキは息を吐いて、頭を下げた。

    「……すみません。モミジジムなめてました」
    「ん、わかればいいさ。俺は強い奴が好きだからな。ま、張り切って来いよ!」

     俺が言うと、アキはしっかりとうなずいた。


    「お願い、ジュペッタ!」

     アキが投げたボールから、ジュペッタが出てくる。なるほど、いい目をしているな。
     俺はえいちゃんにもう1回『ふるいたてる』を命じた。

    「ジュペッタ、『シャドークロー』!」

     黒い爪がえいちゃんをひっかく。へぇ、こりゃあ、よくやるなぁ。

    「えいちゃんっ!」
    「ジュペッタ、『トリック』っ!」

     跳び上がったえいちゃんが、地面に落ちた。えいちゃんが持っていたはずのない、黒い玉が背中に縛り付けられている。
     くろいてっきゅう、か。素早さと身軽さが第一のえいちゃんにはきついな。

    「ジュペッタ、『ダストシュート』!」

     えいちゃんが手こずっている間に、ジュペッタの技が決まった。
     ふうやれやれ、参ったなぁ。強い強い。

    「……よくやったな、えいちゃん。休んでなよ」
    「私も、負けるわけにはいきません。あなたたちに勝って、リーグに行きます!」
    「そうか……そうだな、俺たちジムリーダーは乗り越えられるためにいるようなもんだからな」

     俺はボールを取り出す。もう1回キセルをふかして、言った。

    「……だけど、俺もそんなに簡単には負けるわけにはいかないからなあ。行け、アスベスト!」

     そうだ。俺は、そんなに簡単には負けられない。
     俺は昔知り合いにもらった、エルフーンのアスベストを場に出した。

    「……本当に、アンタ、そのネーミングセンスどうにかしなさいよ。本当に」
    「知るか。俺にこいつをくれた奴に言ってくれよ」

     俺だったら、『タツさん』(もちろん由来はかの名(迷)キャッチャーの『竜川影男』)ってつけるな。ちなみに。


    「ジュペッタ、『ふいうち』……」
    「アスベスト! 『コットンガード』!」

     あっという間に、アスベストはもふふっと綿に包まれる。あれにダイブするのが本当に本当にたまらないんだよなぁうんうん。
     ジュペッタの攻撃はモフモフの綿に阻まれて身体に届かない。アキは気を取り直して言った。

    「ジュペッタ、『シャドークロー』……」
    「アスベスト! 『おいかぜ』!」

     部わっと風が起こる。アスベストは風にのってふわふわと漂っている。まあただ単に漂っているわけじゃなくて、自分で起こした風だから自分の思うところに飛んで行けるんだけど。
     アスベストはけけけっとからかうように笑った。さすが『いたずらごころ』だなぁ。

    「アスベスト、『やどりぎのタネ』!」
    「ジュペッタ、『ダストシュート』!」

     ひゅう、攻めるなぁ、と俺はつぶやいた。
     相手は『やどりぎのタネ』でじわじわと体力を削られている。だけどまあ決定打にはならない。
     だけど、ジュペッタの攻撃もあまり効かない。

    「泥沼ですけど……絶対、勝ちます!」
    「俺も……負けるわけにはいかないな」

     俺はちらっと後ろを見た。ケンタとセトナと眼があった。

     そうだ。俺がここにいるのはこいつらのおかげ。
     こんなところで、この先の勝負を終わらせるわけにはいかない。




     モミジシティの北のはずれ、何もない田舎が俺の家。

     子供の時に、父親の都合で、モミジシティの外へ出た。
     だけどそれからは、毎日が地獄だった。


     しゃべると怖いと言われ、話しかけると怒ってるのかと言われ。

     何も出来ない、何も言えない、鬱積ばかりがたまる日々。


     あの時もそうだった。怒ってないのに怒ってると言われ、普通にしゃべってるのに怖いと言われ。


     ぶちのめしたら、すっきりした。


     だから、毎日毎日、癇に障る奴を懲らしめて回っていた。
     最初の時、たまたま近くにあった盆灯篭をぶん回していたから、いつの間にかそれがトレードマークになっていた。
     まあ、あの時の俺は、本当にどうしようもないクズだった。


     そんな俺のところに、あの2人はやってきた。


    「あんたが『盆灯篭のジョウ』って奴か?」
    「あ? 誰だてめぇら」

     カリッ、という小さな音が聞こえて。
     声をかけられるなり、俺は男の方……ケンタに頭を殴られた。

    「何すんだテメェ!!」
    「何してんだはこっちのセリフだ貴様! この馬鹿が! 盆灯篭はご先祖様をリスペクトするもので人を殴るためのものじゃねぇぞ!!」
    「怒るところおかしくないか!?」
    「まあまあ、ケンタもジョウ君も、そのへんにしておきなさいよ」

     そう言って、女の方……セトナが割り込んできた。

    「噂で聞いたんだけど、ジョウ君、ポケモンバトル強いんでしょ?」
    「ん……まあ、な」
    「じゃあいいじゃない。ねえケンタ」
    「そうだな。ま、ちゃんと戦って、ちゃんと見てみなきゃわからないけどな」

     よくわからない俺に、2人は言ってきた。

    「僕たちはモミジシティジム・ジムリーダー。君、僕たちの仲間にならないか?」




    「……どうしようもないクズ人間だった俺を、こいつらが拾ってくれたんだ。こんなところで、このバトルを終わらせるわけにはいかないな」

     口に出して、気合を入れ直した。

    「アンタ、そんな恥ずかしいことよく言えるわね」
    「まぁ言い辛いけど君は確かに残念な馬鹿だったよ」
    「悪いな……だけど、今日はちゃんと守り通すぜ、ここを」

     さて、バトルに集中しないとな


     じわじわと体力が削られて、アスベストも相手のジュペッタもだいぶ疲れてきていた。ヤドリギはかなり成長しているし、綿もだいぶ少なくなってきている。
     これは、もうひと押しだな。

     先に動いたのは、アキの方だった。

    「ジュペッタ、よーく狙って……『ダストシュート』っ!!」


     ……だけど、動かない。

     ぽかんとしているアキに、俺は言った。

    「君、『サイジョウ』っていう場所を知ってる?」

     アキは知らない、というように首を横に振った。
     俺は傍らの賀茂鶴の酒瓶を掲げて見せた。

    「『サイジョウ』はな、アサギの『ナダ』、エンジュの『フシミ』と並んで、この国の三大銘醸地って言われている場所だ。なぜか知らないけど、知名度は低いんだけどな。賀茂鶴、白牡丹、福美人……俺は日本酒が好きだからたくさん飲んでるよ」
    「日本酒……」
    「ところで……君のところのジュペッタ、性格は……『ゆうかん』、かな?」
    「……! まさか!」

     ジュペッタの手から、マゴのみの破片が転がり落ちていたのに、アキはようやく気がついた。
     まるで酔っているように、あっちへこっちへ、ふらふらしている。かと思ったら、自分の頭をぽかぽかと殴り始めた。
     どう見ても、混乱している。

    「いつの間に……! 『トリック』!?」
    「よくわかってるじゃないか」
    「で、でも、確かあの時もうヤナッキーはマゴのみを使って……」

     アキが、はっとしたようにこっちを見た。

    「……『リサイクル』……」

     正解、と言って俺は笑った。

    「アスベストは耐久はあるんだけど、決定力に欠けてな……ぎりぎりまで削らせてもらわないと、なかなか倒せないんだ」
    「そ、それにしても、相手にマゴの実が効くかなんて、トリック使うかなんて、完全に運じゃない……」
    「そうだなぁ。だけど、残念ながら、俺は結構博打うちでな。当然、他の手も考えてはあるけどな」

     アキは首を振った。こんなに低確率の賭けに負けたのなら、勝てない、と言って。
     それじゃ、終わらせようか、と俺は言った。

    「アスベスト、『ぼうふう』!!」

     バトル場に、突風が吹き荒れた。




    「ジョウ、また控用のベンチが壊れたよ。アンタのだからいいけど、直しておきなさいよ」
    「参ったなぁ。もう少し狙いを絞れたら相手への威力も上がると思うんだけどなぁ」
    「だから、まだまだ詰めが甘いんだよ君は」
    「はっはっは、悪いな」

     アキががっくり肩を落として仲間のところに戻るのを見て、俺も賀茂鶴の瓶を抱えてベンチがあったところに座った。
     酒を猪口に注ぎ、キセルをくわえ、ケンタに言った。


    「それじゃあ、後は任せたぜ、ケンタ」




    ++++++++++++++++++++

    翻訳してみました。
    広島弁でどの程度ニュアンスが伝わりましたでしょうか……?


      [No.1006] コメントありがとうございます! 投稿者:紀成   投稿日:2010/12/04(Sat) 07:06:47     64clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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    クーウィさんのコメントを読んでいたら、大貫妙子さんの『we miss you 〜愛のテーマ〜』の最後のフレーズが浮かんできました。

    『ただ一人道を行く 小さき者に 明かりを』

    カオリとミドリは、同じ小さき者なのかもしれません。
    でも、進む道も今までの道も全く違う。
    『会おうと思えば親に会える』ミドリと、『どう足掻いても親には会えない』カオリ。
    ミドリの理由は書けたので、今度はカオリの方にご期待ください←

    また一つ年を取りました。
    もう喜びとか感じなくなりました(笑)
    これが精神的に成長したと言えるのだろうか・・

    ありがとうございます!


    追伸。

    六日に私のクラスメイトがエジプトに旅立つそうです。
    親の転勤で、三年間帰って来ないそうです。
    グローバルだな!と突っ込んでやってください。

    では。


      [No.862] あめが ふりつづいている 投稿者:CoCo   投稿日:2010/10/27(Wed) 19:18:17     65clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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     兎翔さま、どうも好き勝手に申し訳ありません。
     とても自分好みのやわらかくせつない素敵な作品を書かれていたので、ほくほくしつつ本当はいつもどおり無言拍手で通り過ぎようとしていたのですが、通りがかりのトレーナーさんが救助に向かわれているのを見かけてしまって、するとそのあまりのクオリティにアブソルが(以下略)。
     クーウィ氏の研修中レンジャーなんか遥かに凌ぐ救助劇に水を差してしまったかと思っていたのですが……

    【もっとかき乱してもいいと思うのよ】

     クーウィさま、華麗なる救助劇をありがとうございました。あの手際はぜひうちの研修生にも見習わせます。チルタリスしぼりたい。

     そしてイケズキさま、もしやそれは……。
     レンジャーと聞いて彼しか思い浮かばなかった結果であります。
     拙作を読んでいただいて、なおかつ……と嬉しい限りでございます。本当にありがとうございました。


    【おうちに帰るまでが救助なのよ】




    (サトチさんのお言葉から追記)
     つい思い込みで少年と書いてしまいました。女の子でしたら本当に申し訳ない、すぐに本文を直しますので。


      [No.406] カゲボウズー! 投稿者:てこ   投稿日:2010/08/15(Sun) 12:13:17     71clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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    CoCoさん、No.017さん、気に入ってくださったようで何よりです。シャドーパンチは駄目です。

    おまけ

     ベランダに干していたカゲボウズのとなりに黒い布が一枚、二枚、三枚……。
     俺がベランダに出るとカゲボウズが瞬きもせず、俺を見つめている。
     ……。
    「だめ。返してきなさい」
     ジュペッタが恨めしげに俺を見た。


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