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  •   [No.759] Re: [語られることのない伝承] 投稿者:MAX   投稿日:2010/10/21(Thu) 19:29:32     76clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
    タグ:TEST1】 【TEST2】 【TEST3】 【TEST4】 【TEST5



    大きなポケモンは災いを飲み込んだ。そのときポケモンは、大きく傷ついた。
    災いの傷跡に、傷ついた身体で残されていた。

    ある時、1人の人が傷ついたポケモンを見つけた。

    人は尋ねた。
    お前はそこで何をしているんだ。

    大きなポケモンは答えた。
    傷が癒えるのを待っている。

    人は、災いから守ってくれたのはこのポケモンなんだ、と考えた。
    大きな災いを飲み込むときに、傷ついてしまったのだと。

    お前が災いから、私たちを守ってくれたのか。
    人はそう尋ねた。

    するとポケモンは、答えずに尋ねてきた。
    みんなは無事か、と。

    お前のおかげでみんな無事だ。だけどお前が無事じゃない。

    あの大きな災いを飲み込むほどのポケモンを、人は恐ろしいと思った。
    しかし、放っておいてはこのまま死んでしまうだろう。
    人は、そのポケモンを助けることにした。

    人が近づくと、ポケモンは言った。
    俺は勝手に暴れただけだ。また暴れるかもしれないぞ。

    人は怖くなった。しかし諦めなかった。
    私はお前が怖い。もしお前が暴れたら、私は簡単に死んでしまうだろう。
    だからこれ以上近づかない。近づかないが、勝手にする。

    そう言うと、人は木の実を投げ置いて、そのまま去っていった。

    大きなポケモンの前に木の実が転がる。ポケモンがそれを食べると、少しだけ身体が元気になった気がした。


    次の日、同じ人がまた、木の実を投げ置いていった。
    その次の日も、人が木の実を投げ置いていった。
    それから何日も何日も、人がやってきては、木の実を投げ置いていった。

    大きなポケモンは、人が置いていく木の実を食べ続けた。
    食べる度に、身体が元気になっていく気がした。


    ある日、人がポケモンのいる場所に行くと、そこにポケモンはいなくなっていた。
    今日も木の実を持ってきたのに。
    人は思った。

    あいつは元気になったのか。元気になったから、ここを離れたんだ。
    あいつは勝手に守ってくれた。だから私も勝手にあいつを助けた。そしてあいつは勝手にいなくなったんだ。

    寂しいと思った。でも仕方ないと思った。
    せっかくだからと、ポケモンのいたところに木の実を残して、人は去っていった。


    それから、その人と大きなポケモンは、二度と会うことはなかった。
    なぜなら大きなポケモンは、罰を受けていたから。


    この世の裏を守りながら、大きなポケモンは悔やみ続けている。
    さようならを言えなかったと、今でも悔やみ続けている。


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