|
> ちなみにポケモンはヌマクローです。
進化させましょう。二段階進化のポケモン、とりわけ最初の三匹の中盤は見た目的にも能力的にも微妙な物が多いです。
ただしジュプトルは別ですが。
進化させてラグラージにしてしまえば、見た目がキモイとかキモクナイとか以前にバトルで使えるようになります。ただし草タイプ対策はきちんとしておきましょう。
息子さんに言ってあげてください。キモかろうがなかろうが、所詮ポケモンは強さなんだと……
あれ、違うか?
もしどうしても、というなら貴方が育てればいいと思います。荷物持ってくれるし、波乗りはしてくれるし、日常生活の中でも役に立ちますよ?
【そんなキモイかねえ】
【サファイアが初プレイ・ミズゴロウが相棒の私涙目】
そこはとある森の奥にある一軒の小屋。
その中の囲炉裏がある部屋に、金色の九尾狐が一匹いた。
炭火で暖を取りながら、その狐はあくびを一つあげると尻尾の中から何やら取り出した。
何個かの真っ赤に染まったトゲトゲ形であるマトマの実と、『週刊狐』と載っている一冊の雑誌。
白銀色のかんざしを髪に挿している一匹のロコンが表紙を飾っており、『特集! みたらしフォックスガール!!』と隣に書かれてある。雑誌の表紙には目玉となるようなネタは大きめに書かれてあるようなものだが、もう一つ、大きめに書かれてあるネタがあった。
『イケメンアナザーカラーゾロアーク、池月氏! まさかの七又の疑惑!?』
やれやれといった顔でその九尾狐はマトマの実をかじりながら、その雑誌を開いた。
【特集! みたらしフォックスガール!!】
「んーまいっ! やっぱり団子はみたらしにかぎるでー!」
みたらし団子を頬張りながら、笑顔でそう語ってくれるのはタマムシシティに住んでいる、白銀のかんざしをその髪に挿したロコンの灯夢(ひむ)氏である。今回の取材前後にもみたらし団子を頬張り続けているほどの大のみたらし団子好きの狐だ。
なんでも、千歳生きてキュウコンになる為の試練として人間の学校に通っているという事情を持っているらしい。人間の学校ということは、人間の姿に化けて通っていることなのだろうか? だとしたら、折角だから人間の姿も見せてもらうことにした。
「どうや? とっても可愛いやろ?」
背は150後半で、赤茶の髪の毛を腰まで垂らしていて、三本のクセッ毛が先端を丸めながら頭から立っており、白銀のかんざしももちろん装備されている。そういえばその白銀のかんざしはどこで手に入れたものなだろうかと、尋ねてみる。
「これは……って、なんや! ウチのこの姿には感想はないんかい!」
いや可愛かったが、その白銀のかんざしの方が気になると正直に言った結果、鳩尾(みぞおち)にいいのを一発もらった。狐パンチなんてそんな可愛い名前なんてものじゃない、あれは確かに鉄拳だった。うん、エビワラーも真っ青になるぐらいの威力だった気がする。それにしても、見事なパンチだ。趣味は格闘技なのだろうか。
「人間の姿で襲われたときの防衛手段として、覚えたんや。これ一発で大抵の奴を落とせるからなー。格闘技? まぁ、興味はあるけど」
読狐の諸君の中で、Mな方がいたら、彼女のパンチでもオススメしておく。
さて、どんどんとみたらし団子の串が重なってきて、軽く山ができそうなのだが、灯夢氏がそこまでみたらしに溺愛しているというそこまでの過程をぜひ訊いてみたくなった。
「昔から和菓子系が好きだったんや。ほんで、故郷で昔、母さんに連れていってもらった茶屋があってな? そこで食わせてもらったみたらし団子がめっちゃうまかったねん。そこからやったからな〜、ウチとみたらし団子の恋は」
なるほど、みたらしは灯夢氏にとっては思い出の味でもあるということか。
ちなみに故郷という単語が気になったので、それも尋ねてみた。
「みたらしお代わりっ!!」
あまりのみたらしジャンキーぶりに、折角の質問のタイミングが一気になくなった気がする。灯夢氏が何か言ったかと聞き返してきたけど、いえなんでもないです(棒読み)と返しておいた。
このまま灯夢氏がみたらし団子を食べるのを眺めて終わりかな、後は表紙やその他諸々に使う為に写真撮影をさせていただいて、終わりかなと思っていたが、そういえばまだ訊いてなかったことがあった。
学校に通っている(変わった試練だと思ったがそこは突っ込まない方がいいだろう)ということなので、学生生活などを伺うことにした。
「あー。九百九十七歳生きて初めての経験やからな、何もかもが新鮮やで。この前とか体育祭っちゅうもんがあってな、中々楽しかったで? 『にほんばれ』したかいがあったっちゅうもんや。面倒くさいから『あまごい』使わせて体育祭を中止しようとした輩がおったかもしれへんけど、ウチには勝てへんようやったな」
意気揚々と自慢話を語る灯夢氏。
とりあえず会話に花が舞い戻った。良かった、まだページの尺が残っていて困っていた……というのは内緒にしておこう。
このままの勢いで得意な科目とか苦手な科目とかも尋ねてみる。
「うーん、ウチ意外と英語できるで? 後は国語の漢文とか古文、あ、後は歴史系も得意やで! それと体育もな」
そりゃあ、九百九十七歳も生きてきたのだから、現場に居合わせたというのもおかしくなさそうだ。
それにしても英語が得意とは意外だと思った。横文字とか苦手そうなイメージがあったのに。
まぁ、反対に体育はイメージ通りというか、今、ここで見せてる活発そうなところから連想できる。
「苦手な科目は数学や。あの数式に、変な絵みたいなもん? あれ苦手やねん」
試しに『1+1』を出してみた。
「それ数学やなくて、算数やろ!」
見事なツッコミ。
「っちゅうか、おんどれはウチのことを馬鹿にしてるんかぁー!!??」
鳩尾(みぞおち)のおまけはいらなかった。
さて、色々と訊いてきたが、後は普段はどういうところに住んでいて、暮らしているかという、少しプライベートに踏み入った質問もしてみた。
最初は不機嫌で答えなかった灯夢氏だったが、みたらし団子を上げたら、機嫌を直して答える灯夢氏。
うん、この狐、ちょろい。
将来がちょっとだけ心配だ。
「実はなー。一人暮らしする予定やったんやけど、その部屋が偶然ダブルブッキングしてあってな。今、同じ学校に通ってる人間の野郎と暮らしてるねん」
ほう、それは気になる情報。
男と女が一つ屋根の下でやることがすごい気になる。
人間とポケモンで種族が違う?
そう思った人にはシンオウ地方にあるミオ図書館に行って、民族系や昔話の本を漁ることをオススメする。
「あの野郎は本当にたわけっちゅうか、なんっちゅうか……うん、ともかく嫌いや」
このロコンにはツンデレというものがあるんだと勝手に期待しておく。
なおも灯夢氏のグチは続いていく。
「この前もウチのみたらし団子を勝手に食べるわ、尻尾を踏むわ、水浴びしとるところを覗いたりとか、みたらし団子を勝手に食べられたりとか、食べられたりとか!」
どうやら灯夢氏の恋人はみたらしで確定のようだ。
とりあえず、なんとなくだけど、その人間の男にはドンマイと言っておこう。
さて、ここまでみたらし団子を頬張りながら取材に答えてくれた灯夢氏。
なんとかページの尺が足りてきたので、ここいらで最後のセリフを決めてもらうことにした。
そこで、今後の抱負とか訊いてみる。
「今年もみたらし団子を食べ続けるで! それとそろそろアイツに鳩尾決めておきたいで」
みたらし団子が本当に好きな灯夢氏の、これからの活躍を期待している。
……色々な意味で。
(取材狐:ロコモーション☆田中)
【イケメンアナザーカラーゾロアーク、池月氏! まさかの七又の疑惑!?】
我ら狐界きってのアイドル、イケメンアナザーカラーゾロアークの池月さん。
そのルックスと、皆から慕われているという頼りになる性格に、今もなお人気上昇中の方ですが……最近、妻子がいるのにも関わらず、他にも七又をかけているのではないかというスクープを手に入れました。
モテる影には浮気ありなのか、そうなのでしょうか。私は池月ファンクラブ幹部の名にかけまして、このスクープを追いかけることにしました。
一匹目:我ら狐界のもふ神である長老(キュウコン)
「うーむ。そういえば、最近、なんか楽しげにどこかに行こうとしているのを見かけたような気がするのう」
池月氏といえば長老のお弟子さんでもあります。
まさか師弟愛とかあったりするのかが気になり、思いきって尋ねてみます。
「う〜ん? 何を想像しておるんじゃ、娘よ。やましいことでも想像しているのではないじゃろうなぁ?」
流石は長老、こちらの考えはお見通しということですか。
確かにお約束の言葉から借りますと、夜の修行とか修行とか修行とか……いけない、これ完全に長老ペースですよね。
とりあえず、恥ずかしながらも本当のことを言っておきました。
長老に隠しごとは通用しませんし。
「まぁ、ノーコメントで。よろしくのう」
長老のニヤニヤとした顔がとても印象的で意味深な感じがします。
とにかく真実は謎の奥に消えてしまったわけですが、もしかしたらという線は消さないでおきます。
二匹目:トレーナーシュカさんの相棒狐、ひばなさん(キュウコン)
「いけづきさん? あぁ、色違いのゾロアークになら声をかけられたけど……」
なるほど、声をかけられたのですか。
もしかしてナンパというものなのですかね、どんな風に声をかけられたのかとても気になります。
「え、ただ道を訊かれただけだよ? その後はあなたにも、もふ神様のご加護がありますようにって言ってたね」
どうやらナンパをしていない模様なのですが。
これは七又なんてデマだったということなのでしょうか。
「それにしても、あのいけづきさんっていうゾロアーク。すごい目をキラキラさせていたような気がするなー。それと別れるとき、わたしの右手に口をつけてきたよ」
挨拶代わりのキスはキスとしてカウントしません。
べ、別に、う、うらやましいなんて思ってませんからね、えぇ、思ってませんとも。悔しいとか妬ましいとか憎いとか……ちょっとそこのカゲボウズ、いきなり出てきて、私になつかないでください。困ります。
それにしても、それでその池月さんに対して、ひばなさんはなんとも思わなかったですか?
こう、胸がドキドキしたとか、苦しくなったとか、チクチクするとか、熱くなったとかありませんでしたか?
「え、別になかったけど?」
私だったら鼻血の大量放出で死にそうなのですが。
三匹目:トレーナーモモコさんの相棒狐、あかねさん(ロコン)
「……あのゾロアーク? 道を尋ねられたけど」
また道を尋ねるパターンですか。
なるほど、道を尋ねるところから何気なく入っていって、それから一気に相手をおとすというナンパの高等術(?)をしたのかもしれませんね。
「……いきなり手を握られた。正直、嫌だった」
手を握られたなんて、そんな幸せなこと……私だったら狂喜乱舞しているところです。
他にも池月さんに何かされたりのかとかが気になりますね。
「……顔が近かった。邪魔だった……道を尋ねられたこと以外は全部忘れた……あ、でも、これは覚えている」
なんかイライラしているような感じがあかねさんから伝わってくるのは気のせいですか。
無表情なんですけど、なんか殺気を漂わせているのが、こう本能的に察したといいますか。
「……別れぎわに右手にキスをしようとしてきたから……『かえんほうしゃ』を放っておいてやった」
挨拶代わりのキスぐらいはもらってもバチは当たらないと思いますが。
……だから、そこのカゲボウズ!
私は別にうらやましいとか、憎いとか思ってませんから!
舌なめずりをするのを止めてください!
四匹目:キャンピングカーに住んでいるゾロアークさん
「え? 青いゾロアークですか? あぁ、はい。ここにやってきたことありますよ」
また道をお尋ねするパターンなのでしょうか。
私にもそういうシュチエーションが来ればいいのにと思ったのはここだけの話ですよ?
「いえ、いきなり勧誘されたというか、あ、これどうぞ」
おぉ、美味しそうなオレン漬けですね。お言葉に甘えていただきます。
中々、甘酸っぱくてさわやかな味です、もぎゅもぎゅ。
それにしても勧誘という単語も気になるところですが、何の勧誘をされたのかと尋ねてみます。
「えぇっと。もふもふパラダイスに連れていきたいとか言われましたね……まぁ、私にはここで待っている人がいたりとかで離れることはできませんが……その、まぁ、機会があればぜひ行ってみたいなぁって思ったりしました」
なるほど、世界をもふパラにする為に、池月さんは日頃努力していることがうかがえますね。
私も言われてみたいですね……『今宵、あなたをもふりにきました』なんて言われた日にはもう私、昇天しそうです。
さて、そんな夢見ごごち(実際に起きてくれないですかね、本当に)はさておき、今回は色々と訊けそうな感じだったので、他にも何か池月さんに何かされなかったのかを尋ねてみます。
「えっと、とても色男だったんですが……その楽しかったというか、なんというか。」
なんかオレン漬けがやけに甘酸っぱさを増してきた気がするのですが。
なるほど、あなたも私たちの同志ということですか、そうですか。
今日からライバルということで一つよろしくお願いします。
五匹目:神出鬼没の美イタチ、あんにんどうふさん(コジョンド)
「ん? 青いゾロアークでアルか? 確かに会ったでアルぜ」
狐ポケモン以外の方にも手を出すという噂の池月さん。
確かに、異姓が声をかけたくなるほど美しいコジョンドさんですが、なんかやけにテンションが高そうなお方ですね。
「いやぁ、あのゾロアーク、新技を編み出したときにちょうどいいところにきたでアルよ」
新技という単語から思いっきり危険な香りがします。
けれど、ここは思いきって、どんな技なのかを教えてもらうことにしました。
なんか胸が高鳴ってきました。
「よっしゃ、いくでアルぜ、ワタシの波動、うおおおおおお!」
あれ、なんか想像していたのと違うのですが。
あんにんどうふさんは右手を胸に当てて、何やら力を溜めています。
徐々に波動と思われし青いオーラが、キーンという甲高い音と共にあんにんどうふさんの右手に集まっていきます。
「目指すでアルぜ、いすかんだる! 『はどうだん』からの『はどうほう』発射でアル!!』
そう叫んだ後、あんにんどうふさんが思いっきり右手を思いっきり前へと振りますと――。
遠くから地響きを伴う大爆発音が響きました。
「うむ、戦艦に比べたらまだまだ威力が足らないでアルぜ。もっと精進にしなければでアルよ」
技って、そっちの技でしたか。
てっきり異姓を落とす為のテクニックかと思っていた私の胸のトキメキを返してください。
むしろ寿命が縮んだのですが、どうしてくれるんですか。
後、数十センチずれていたら、私に直撃してましたよ、これ。
というか、これ、池月さんにもやったんですよね? すっごい心配なのですが。
「あぁ、あのゾロアーク、もろ受けだったアルよ」
本当ですか、それ。
あの技を受けたらただじゃ済まないような気がするのですが。
「いやぁ、あのゾロアークやるでアルよ。その後、立ち上がってスマイルしたでアル。ここで死ぬわけにはいかないと言っていたでアルね」
流石、池月さん、素敵です、かっこいいです、最高です!
改めて、狐界のトップアイドルの底力を感じさせてもらいました。
「この技はもっと磨いておくでアルぜ。また受けに来て欲しいでアルよ」
だが断っときます、はい。
六匹目:鳩尾キラーの異名を誇る関西狐、灯夢さん(ロコン)
「ん? あぁ、そのゾロアークやったら、声をかけられたときがあるで」
ふむふむ、ここでもまたナンパですか。
何かされたことはないかと尋ねてみます。
そこの隠れているカゲボウズ、変に準備とかしなくていいですから、黙っていてください。
「まぁ、いつもどおりその尻尾をもふらせてください言うてきたから、鳩尾一発殴っておいたわ☆」
ニッコリとした笑顔でそう語る灯夢さんがなんか怖いです。
それにしても、またダメージを負うようなことを。
池月さんは結構、体を張っているのですね。私たちも見習わなければいけないところかもしれません。
「あぁ、そういえば、団子屋に行ってくるから、失礼します! とか言うてたな〜」
ふむふむ、団子屋さんですか。
また気になるフレーズが飛び出てきましたね。
そういえば、七又情報の出所の後一つは団子屋なんですが、一応、尋ねておきます。
「和菓子屋本舗幻想黒狐やで」
なるほど、ありがとうございます。
早速行ってみることにします。
あぁ、それと今回の特集ページへの出演、ありがとうございました。
後輩のロコモーション☆田中が迷惑をかけていたら、すいません。
七匹目:『和菓子屋本舗幻想黒狐』初代店長の狐、クロミツさん(ゾロア)
「んあ? 青いゾロアーク? ナンパ好きな男? あー、それなら、そんな奴もいたかもしれねぇなぁ」
確かに、人に化けていたかもしれませんからね、なんせ街の中ですし。
しかし、我が社の情報網を甘く見てもらっては困ります。
「団子買うまでの順番待ちのときとかに、やけに女に声をかけていた奴がいたっていう話を店員から聞いたぜ」
ふむふむ、もしかしたらここをナンパスポットとしていたかもしれませんね。
なんとか、その店員から聞いたという話の内容をもっと教えてもらうよう頼んでみます。
「えっと、確か、いつでももふもふできる世界に興味はありませんかー、だった気がするなー。まぁ、灯夢ちゃん一筋な俺には関係ねぇ話だけどな!」
ここでもしっかりとお仕事をなさる池月さんがかっこよすぎて、私、失神しそうです。
それで、その後、池月さんはその女性に何かやったりとかしていないとか尋ねてみます。
「ん? 団子買ったら、もう帰っていったぜ?」
あれ、進展なし?
あ、いや、もしかしたら団子をごちそうさせてから落とすという方法かもしれませんね。
きっとそうに違いない。流石にこれ以上の情報はここから出そうにないですが、ここからが本番になりそうですね。
これから、この後の池月さんの足取りをしっかり調べなければ。
しかし、まずは腹ごしらえをしておかなければ。腹が減っては戦はできませんし!
とりあえず、注文しておきます。
「ん? 何にするんだ?」
みたらし十セットよろしくお願いします。
【今回の池月氏の七又疑惑に関する結果発表】
とりあえず、今回の池月さんの七又疑惑に関する結果発表をしますと。以下の通りになります。
・長老とは深い深い深い師弟愛があるかもしれない。
・ひばなさんにその気はないらしい、ただし池月さんはどうだか不明。
しかし、アリかナシかと言われたら、ナシの可能性が高い。
・あかねさんは全くその気はないらしい、ただしこれも池月さんはどうだか不明のまま。
しかし、アリかナシかと言われたら、ナシの可能性が圧倒的に高い。
・キャンピングカーのゾロアークさんはなんかトキメいている感じ。
このままうまくいけば池月さんと進展があるかもしれない可能性アリ。
・あんにんどうふさんは問題外、強いて言えば、あの技は色々な意味で危険。
・灯夢さんは全くその気はないらしい、ただしこれも池月さんはどうだか不明のまま。
もしかしたら、クロミツさんとのガチバトルは免れない可能性アリ
・『和菓子屋本舗幻想黒狐団子』で団子を買った後、誰と交際したのかは不明。
ただいまその件に関しては情報収集中。
以上のようになります。
ということでますます謎ばかりが深まっていくという今回の結果となりました。
池月ファンクラブ幹部として、この雑誌の池月さんに関するページは私が担当となっているのですが、ファンとしては池月さんの名前が広がって喜んだり、モテモテな感じが取材を通して分かってちょっとジェラシーを感じたりで、複雑な心境です。
まぁ、この心境に関しては私に限った話じゃないですけどね。
奥さんとか特に複雑な心境を持ちそうですし。
さて、今回はここで筆を置かせてもらうことにします。
また池月さんの特集のときを楽しみにお待ち下さいね。
池月さんファンクラブ幹部の名にかけて、全身全霊、スクープさせてもらいますから!
あー、みたらし団子うめぇーです。
あ、ちょっと、そこのカゲボウズ! 残りの一本を横取りしないでください!
というか、まだいたのですか、この子っ。
(取材狐:佐山雅 きゅう(さざんが きゅう))
やれやれ、もてるのも大変なものだと思いながら九尾狐がマトマを片手にのんびりと『週刊狐』を読んでいると、玄関の方から声が聞こえた。
九尾狐がその雑誌を再び尻尾に入れて、玄関の方に向かうと、色違いのゾロアークが何やら包みを持ってそこに立っていた。隣にはそのゾロアークの妻であるキュウコンと息子のロコンがいる。
なんでもその色違いのゾロアークが言うには、おいしい団子屋さんでみたらし団子を買ったから一緒にお茶をしましょうということで、九尾狐は尻尾を振りながらその親子を招き入れた。
囲炉裏がある部屋で、山吹色に染まった和風な小皿にみたらし団子を置いて、和菓子に合いそうなせん茶も用意すると、九尾狐達は食べ始める。
中々いい焼き具合で、タレも申し分ないと、九尾狐の喉がご満悦だと鳴いたときだった。
色違いゾロアークが、隣に座っていた妻の口元についた団子粒をペロっと舐めて取ってあげた。
色違いのゾロアークは優しく微笑んで、妻は頬を赤くさせながら困ったような笑顔を浮かべる。
「妻一筋なのは分かるが、いやぁ、モテるというのも考えものかもしれんのう。大変じゃよな、池月」
それは心の中で呟きながら、その九尾狐は温かくその夫婦を見守っていた。
この夫婦がずっと幸せでありますようにと。
そう願いながら。
【おまけ】
タマムシシティの街外れの方にある楓荘というアパートの一室にて。
「なぁ、お前。どうしたんだ、その団子の山」
「取材させてやったら、ほうびにもらったんや、やらんで?」
同居人が驚いている様を楽しむかのように、そのロコンはニカっと笑っていた。
【書いてみました】
『週刊狐という雑誌で、灯夢ちゃんの特集や、池月さんの七又疑惑特集を書いて欲しい!』という、akuroさんのリクエストを受けまして、今回、書かせてもらいました。灯夢さんの特集もそうですが、まさか池月君の浮気疑惑話を自分が、ここで書くときがやってくるとは想像にもしなかったです。(ドキドキ)
えっと、チャットとかで危ないフラグを建てて(今回の物語も少し、怪しい部分がありますが)しまっている自分ですが、やっぱり『もふパラ』の作者として、そして個人として、池月君とエリス夫妻には幸せになってもらいたいなぁと思って、あのような話の結びとなりました。池月君はエリスが一番なんです! と私からも(説得力は保証できませんが)言っておきますね。ただし、フラグ建築士という名前をいただいた以上、またチャットとかで私も危ないフラグを建ててしまうかもしれませんが、そのときはよろしくお願いしますね。(苦笑) まぁ、池月君を強くさせる為のものだと思っていただければ(以下略)
それと、灯夢さんに関してはネタばれにならない程度にああいった感じとなりましたが、いかがだったでしょうか?
楽しんでいただけたら、幸いです。
ちなみにロコンが千歳超えるとキュウコンになれるという勝手な設定は、千年の時を経た狐は九つの尾を持った天狐になるという、昔に読んだどこかの書物からきています。
改めて、リクエストをくれて、ひばなさんとあかねさんを貸してくれました、akuroさん。
和菓子屋本舗幻想黒狐、クロミツさん、キャンピングカーのゾロアークさんをお借りしました、きとらさん。
自分を信じて、池月君を預けてくれた、イケズキさん。
そして、ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました!
この場でありますが、これからも『もふパラ』をよろしくお願いします。
それでは失礼しました。
(追伸:作業中、『池月』君という文字を『流月』さんと空目しまし(以下略))
【何をしてもいいですよ♪】
【池月君はエリス一筋なんです♪】
目を開けたら見知らぬ天井で、皮膚は暑いし痛いし、不愉快。
ここどこと焦って首を横に振ると、四角い光がまぶしい。
何があるのだろうと目を凝らしたら
サンダーが居た。
寝てる場合じゃない。体が痛い。首を横に向けるので精一杯。いや死ぬ。
サンダーがこっちを向いています。フィルとテトはどこ?
おかあさん
おかあさん おかーさん
迫った死への恐怖に抗えず、私はもう一度意識を失う。
*注意* この話には、人によって不快に思われる描写(流血など)が使われています。苦手な方はご注意くださいませ。
昔むかし、豊縁地方の山間の寒村に、小瑠璃(こるり)という少女がおりました。
彼女の家は代々、鳥使いを生業としておりました。
豊縁に棲む鳥の一種で、綿鳥(わたどり)と呼ばれるものがおります。青い羽毛と綿雲のような翼をもったその鳥は、人に良く懐き、美しい声で歌を歌います。
綿鳥は幼鳥のころは愛玩用として、成鳥になれば人が空を渡るための手段として重宝されます。
そのため雛のころから人に慣らされた綿鳥は、位の高い人々に高値で買い取ってもらえるのでした。
ある年、小瑠璃の家に変わった綿鳥が生まれました。標準的な鳥達が空色の羽毛を持っていたのに対し、その鳥の羽毛は黄金色に輝いていたのです。
長年綿鳥を扱ってきた小瑠璃の両親も、このような色の鳥は見たことも聞いたこともありません。
両親は不思議に思いながらも、金色の綿鳥を愛玩用として育てることにしました。毛色の変わったその鳥に高い値をつける好事家もいるだろうと考えたのです。
そして両親は小瑠璃に、金色の鳥の世話をするように言いました。綿鳥に歌を教えるためです。
彼女の歌声は鈴を転がすように美しく、その歌声をまねて覚えた綿鳥は、愛鳥家にとても評判が良かったのです。
小瑠璃は金色の綿鳥に琥珀(こはく)という名を付けて、ことさらに可愛がり歌を聞かせました。
しかし、琥珀が成長するにつれ、とある問題が発生しました。
琥珀と同時期に生まれた鳥たちはもうとっくに生来の囀り方を覚え、小瑠璃の歌を不器用ながらも真似するようになったのですが、彼だけは一声たりとも鳴かなかったのです。
歌を教えるのは諦め、人を乗せて空を飛ぶのに耐えるための訓練をつけようともしましたが、こちらも思うようにいきません。他の鳥たちに体力的に明らかに劣り、長時間飛び続けることができないのです。
周りの鳥たちが次々と進化してゆく中、彼だけはいつまで経っても幼鳥の姿のままでした。
それでも稀に、琥珀を買いたいという者が現れることがありました。別段役に立たずとも、金色の鳥は縁起が良いので飾っておこうというのです。
小瑠璃の父は満面の笑みでその取引に応じるのですが――どうしたことでありましょう。
琥珀を買った客は数日も経たぬ内に、決まって返しに来るのです。
理由を尋ねる父親に、ある客はしかめっ面で、こう怒鳴りつけました。
「餌も食わぬ鳥を売りつけて一体どうするつもりか。これでは育つ訳がないだろう」
そうなのです。琥珀と名づけられた金色の綿鳥は、小瑠璃の細い手からでなければ、決して餌を摂ろうとしないのでした。
「これでは、いかに見目が良くても売り物にならん」
小瑠璃の父は長い溜息を吐きました。
「例え売り物にならなくても、私が最後までこの子を育てるわ」
だから処分してしまうのはやめて、と小瑠璃は必死に訴えます。
琥珀に一心に愛情を注ぐ娘の様子に、両親はとうとう売るのを諦めたようでした。
琥珀は自ら歌を歌うことはありませんでしたが、誰かが歌うのを聴くのはとても好きなようでした。
他の綿鳥たちが互いに軽やかな旋律を交し合っている時も、目を細めて嬉しそうに聴き入ります。
囀りの歌は綿鳥たちの意思疎通。
彼の血に眠る本能がそうさせるのだと、小瑠璃は感じ取っていました。
月日は矢のように流れ、小瑠璃は愛らしい少女から、目の醒めるほど麗しい女性に成長しました。
その美しさは人々の口に上り、山麓の町の領主の耳にも届きました。
小瑠璃の家から何度か移動用の成鳥を買ったことのある領主は、気まぐれに噂の鳥使いの家を訪れ、垣間見た彼女の美しさを一目で気に入りました。
そうして後日、ぜひ彼女を妻として迎えたいと使いを寄越したのです。
貧しい鳥使いに過ぎない彼女の家には、信じられないような良縁でした。
両親は大喜びし、すぐにささやかながらもでき得る限りの婚姻の用意を整えようと相談し始めました。
まともに会ったこともない男の元へ嫁ぐことに対し、小瑠璃本人は複雑な思いでした。
しかし、両親の喜びようを見ると、とても嫌とは言い出せません。
豊かな山麓の町からの援助なしには立ち行かない寒村で、領主からの縁談を袖であしらったとなれば、後々家族がどのような憂き目に遭うか、彼女はよく理解していたのです。
最初から、彼女に選択権は無いも同然でした。
返事を促された小瑠璃は、一つだけ条件を付けました。
「綿鳥の琥珀もお屋敷に連れて行ってよろしいのならば、その縁談を喜んでお受けいたしましょう」
使いの者は笑って答えます。
「綿鳥の一羽や二羽、飼うくらい造作もないことよ」
そうして縁談はとんとん拍子でまとまり、小瑠璃は夫となる男性と対面することになりました。
領主は八つ年上の長身の男で、武芸に優れると聞いていた通り、たくましい体躯をしています。
いかめしい顔つきは、頼りになりそうだとも思えました。
何より自分を愛してくれるこの男性に、小瑠璃は生涯尽くして行こうと心の中で誓いました。
婚礼の宴は町をあげた華やかなものでした。
貧しい鳥使いの家では一生着ることもない、豪華な着物に身を包んだ小瑠璃の姿に、両親は涙を流します。
幸せそうに微笑む彼女の上を、金色の綿鳥がきらりきらりと輝きながら舞っていました。
陽溜まりのように穏やかで暖かな日々でした。
小瑠璃は夫を愛し、夫は小瑠璃を愛しました。
後は跡継ぎさえ生まれれば、すべてがめでたくおさまるだろうと誰しもが思いました。
しかし、その幸せな日々は儚くも終わりを告げることとなったのです。
婚礼から一年がたった頃、小瑠璃は毎日続く咳と火照るような熱に悩まされるようになったのです。
新しい屋敷での生活に気が張って疲れが出たのだろうと、初めは軽く捉えていた彼女ですが、咳は治るばかりか日増しに酷くなってゆきます。
寝床から起き上がることさえ億劫になった彼女を見て、これはどうもおかしいと判断した夫は、腕の良いと評判の医者を呼びました。
そうして明かされた事実は、彼らにとって受け入れ難いものでした。
彼女を診察した医者は、最後に首を横に振り――その当時、不治の病と恐れられた疫病の名を告げたのです。
高熱が続き、寝たきりになった小瑠璃を、夫は離れ屋の一室に閉じ込め、決して顔を合わせぬようになりました。
表向きは床から起き上がることもままならない彼女を養生させるため、しかし実のところは疫病が自分に及ぶのを恐れたためでしょう。
その部屋を訪れるのは日に二度の食事を運ぶ女中と、妻の病状を言いふらさぬよう金で口止めされた医者だけでした。
大金を払って探し求めた、万病に効くという異国の薬草も効果を示しません。
有効な治療法が存在しなかったその時代、不治の病に侵された小瑠璃は、ただただ鳥籠のような部屋の中で死を待つ他になかったのです。
「琥珀は元気にしているかしら」離れに移って数日後、小瑠璃は女中に尋ねました。
「鳥の世話なら大丈夫でございます。毎日朝晩、私が青菜を食べさせていますわ」
「……琥珀は、私の手からでないと、餌を食べてくれないでしょう。今頃、やせ細っていないか心配で……。彼を、この部屋に置いてもらえないかしら」
「いけませんわ、奥様」女中が、この時ばかりははっきりと言い放ちました。「羽毛が散って、お体に障ります」
肺の病をお持ちなのに――と女中が憐れむように言いました。
結局、琥珀の鳥籠は、離れの部屋の窓の外に置かれることになりました。
小瑠璃の声が届く位置にはあるようですが、窓が高いところにあるために彼女がその姿を直接確認することはできません。
琥珀は一声も鳴くことはありませんでしたが、時折、翼をはためかせる音だけが微かに響いてきます。
小瑠璃は琥珀に話しかけ、体調の良い時には、彼の好きだった歌を歌って聴かせてやるのでした。
小瑠璃が病の床に伏してから幾月か流れ、彼女は自分の命がもう幾ばくも残っていないことを感じていました。
咳をするたびに喀出される痰には血の泡が混じります。全身を病魔に侵され、体の節々に感じる痛みは骨まで届きます。
食事を受け付けない体は日に日にやせ衰えてゆきました。
夕刻になると熱が上昇し、苦しみも増します。そんな時、彼女は朦朧とした意識の中で、遠くない死を思うのでした。
それでも彼女は、夫のことを信じていました。疫病を患った妻など、しかも貧しい身の上の女など、すぐに離縁されて追い出されても文句は言えないご時世です。
自分をここに居させてくれるのは、夫がまだ自分のことを愛しているからだと疑ってはいませんでした。
そしてある日、遂に彼女は部屋の上部に取り付けられた窓から、使用人たちの話し声を聞いてしまったのでした。
屋敷の主人が新しい妻を決めたらしい。既に迎える準備も始めたようだ――と。
彼女の悔しさはどれ程のものだったでしょう。
妻が不治の病に罹り先が長くない。もう跡継ぎが望めないのなら新しい妻を娶るしかない――それ自体は仕様のないことかもしれません。
ですが、自分はまだ生きていて、病の熱と苦しみに耐え忍んでいるというのに、夫はあたかも自分の死を待ち望んでいるかのように……。
小瑠璃の中の夫への思いは、生涯連れ添うと誓った時の愛と同じ重さの恨みに姿を変えました。
小瑠璃は食事を運んできた女中に、琥珀の鳥籠をすぐに持ってくるよう命じました。
お体に障りますので、と以前と同じ理由をつけて断ろうとする女中に、小瑠璃は食い下がりました。
「自分がもう長くはないのはわかっています。だからせめて、この意識がしっかりしているうちに最後のお別れをしておきたいのです」
あの人は、もうここへは来てくれないでしょうから、と続けた言葉は涙混じりになっていました。
その言葉に心を打たれたのか、最期くらいはお好きなようにと思っただけなのか、女中はしぶしぶ鳥籠を小瑠璃の部屋へ運んで来てくれました。
「ありがとう。……しばらく琥珀と二人にさせて」
その言葉に女中は頷き、黙って部屋を出て行きました。
数か月ぶりに見た琥珀は、彼女の恐れていた通り、枝のようにやせ細っていました。綿のような翼だけがふわふわと体を包んでいます。
やはり、与えられた餌にほとんど口をつけていなかったのでしょう。
「ねぇ、琥珀。……私はもうすぐこの鳥籠から出ていくわ」
――死の神が私に寄り添って、連れ去ってしまうのよ。
「だから、あなたももう自由になってもいいのよ」
――でも最後に、この歌を聴いて行って。
小瑠璃は歌います。最期の歌を。歌うことが危険であると知りながら。
病に罹った苦しみ。
夫の裏切りに対する恨み。
生きることへの渇望。
生きている者への妬み。
それらを感じるみじめさ。
ひっそりと枯れるように死んで、忘れられてゆく恐怖。
言葉で重ねきれぬ思念が脳裏を駆けめぐり、呪詛のように喉から発せられます。もはや悲鳴のようでした。
歌が終わる刹那、喉に鮮血が溢れました。
致命的な大喀血。血が気管に流れ込み、呼吸の出来ない苦しみに小瑠璃はのたうちまわりました。霞んでゆく意識の中で、彼女は最後の力を振り絞って鳥籠の蓋を開け、琥珀を解き放ちました。
彼は倒れ伏した彼女の上を二度三度旋回し、上部の窓から夕暮れの空へ飛び立ってゆきました。
異変に気づいた屋敷の者が、すぐさま医者を呼びにゆきました。しかし、駆け付けた医者にも、もう手の施しようがありません。
領主が見たものは、すでに昏迷に陥った妻の姿でした。
結局、小瑠璃は意識を取り戻すこともなく、病状は悪化の一途をたどり、翌日帰らぬ人となりました。
彼女の遺体は荼毘に付され、手厚く葬られました。
小瑠璃の死が告げられて以来、山麓の町には奇妙な噂が飛び交いました。
黄昏の町の上空で、美しくも禍々しい歌を歌う者がいるというのです。
泣くが如く、嘆くが如く、喉も裂けよと言わんばかりの悲痛な叫びを聞いた人々は、何とも表現しがたい恐怖に襲われ、あわてて自宅に逃げ込みます。
領主の妻の亡霊が黄色い人魂となって墓地へ飛んでゆくのを見たと、まことしやかに話す者さえ現れました。人々が囁き合う不吉な噂は次第に誇張され、災いの気配に誰もが怯える程でありました。
屋敷から飛び去った綿鳥は、夕暮れの町を飛び回りながら、生まれて初めて歌を歌いました。
今際に小瑠璃から聞いたその歌――恨みと絶望と悲しみで織り込まれた死の歌を。
もう何も食べることも、休むこともなく、血を吐くまで鳴き続けます。
歌の終わる時が自らの命も尽きる時と、覚悟を決めているかのようでした。
一月ほど後のこと。金色の綿鳥の成鳥が、道端に物言わぬ姿でうずくまっているのが見つかりました。
真相を知った町の人々は、その鳥と、主であった女を憐れみ、その亡骸を彼女の墓の隣に葬ってやったということです。
---------------------------------------------------------------------
よろず板の【読みたいネタを書くスレ】に投稿された、ラクダさんの「歌の下手なチルット」ちゃんをお借りいたしました。
一目見た時から、いいなぁ、書いてみたいなぁと思っていたのですが、中々ストーリーが浮かばず悶々と。
先日いきなり「これだ!」と思えるネタが浮かんだので、チャットにてラクダさんに許可をいただき書かせていただきました。
でもチルットちゃん、「歌が下手」というより殆ど歌ってないのよね orz
ほのぼのとしたお題だったにも拘らずこんな殺伐とした悲劇になったのはひとえに私のせいです本当にすみません;;
そして憧れの豊縁昔語風の語り口にしようとして撃沈☆ 足元にも及びませんでした。鳩様ごめんなさい
タイトルは、大好きな谷山浩子さんの楽曲よりお借りしました。
ネタを提供してくださったラクダさんには感謝をしてもし尽くせません。
お読みくださり、ありがとうございました!!
【書いていいのよ】
【描いていいのよ】
【批評してもいいのよ】
もうお前のステータスは見れない。
いやいや、性格は知ってるよ、きまぐれ。
そのリボンの数だって覚えてる。
けれどね、もうお前のコンディションは見れないんだ。
適当に生まれたフシギダネ。ソーラービームの迫力に圧倒されてコンテストをいくつ勝ち抜いた?
読みが外れてビリなんてこともあったね。
けれどここにはヒスイの思う勝負はないんだ。
解るかな、もう必要ないわけじゃない。
活躍できないんだ。
だから、君はそこにいて。
シンオウのコンテストで輝いて。
ルールは全く違って、思うように優勝できないかもしれないけど。
ポフィンっていうんだっけ、あれもおいしいみたいだよ。
全てのコンディションがマックスなお前には関係ないかな。
私はそのつぼみが好きだからずっとそのままだけど
ここでは咲かせるかい?
フシギバナに
……十七作品とかマジで?!
俺、晦日と来年12日にも自分のライブがあるのに、
14日までに全部読んで審査とか死んでしまう!
むう、作者のみなさんの熱意に負けては申し訳ない。
いまからコツコツ読まなくちゃ……。
> > ☆☆☆!
>
> つい、「☆十個で満点だろう」とか勘ぐってしまうきとかげです。いえ、素直に受け取ります。
あ、きとかげさんはご存じないでしょうけど
☆☆☆っていうのは最高評価です。
フフフ……
返歌いいよね!
すごくいいよね!
やっぱりサトチさんもそう思うよね!
あー、あと詠み人知らずの赤版出来たんですけど、内容がアレすぎる……これはひどい。
こっちは詠み人知らずと一緒に個人誌の豊縁二集に載せようと思ってます。
タイトルは「黄泉人知らず」となる予定です。
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | |