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No.017さんこんばんは! お返事が遅れてしまい申し訳無いです…OTL
いえっこちらこそ、突然だったにも関わらず、快く受け取って下さって有り難う御座いました!
もしやイースターネタ一番乗りでしょうか? やった!笑
クリスマスやハロウィンに比べると、イースターは話を広げにくそうですよね。そこがイースターが浸透していない理由の一つかもしれませんね。
個人的にはとても好きな行事なので、もう少し知名度が上がったらばグッズが出来そうだよなーと、密かに期待している昨今です。卵の雑貨は可愛いと思いますv
ジグザグマは、実はそこまで深く考えずにチョイスしたのですが(えー)、そう言って頂けて一安心…と申しますか(笑)
面白い特性は他にも沢山ありますし、スポットを当ててみると色々とお話が作れそうですよね!
文章での描写が疎かになってしまっているのは実感があったので、余計に、時間が足らなかったことが悔やまれます。今後はもっと早くから取り掛かるようにしなければっ。
「解ってるのにやらない」のが一番ダメですよね;; 頂いたアドバイスを参考に、じっくり手直しします! 贅沢を言って頂けてむしろ有り難いッ(笑)
また見かけましたら何卒優しく見守ってやって下さいませ*・∀・*
コメントとアドバイス、有り難う御座いましたvv
これはひどい。
誰かイラスト化してくださいw
「おはようございます、ユエさん!」
「おはようございまーす」
「…」
「Ms,ユエ。今日もメラルバをよろしくお願いします」
「…」
「マスター!今からプール行くの!遊園地に巨大プールが出来たんだよ!」
「…」
「マスター聞いて聞いて!昨日のアニメでクラスタが大爆発したの!あとね、先輩の言ってた台詞の意味がやっと分かったの!」
「…意味が分からないわよ」
「あー、暑いな。ユエちゃん、キュレムゼクロム一つ」
「俺はキュレムレシラムで」
「…」
「ユエ、なんか、変だ」
「…」
ユエが全く喋らない。たまに話すことがあっても、もにょもにょとしか喋らない。おかげで何度も聞き直すハメになる。
おまけに落ち着きがない。少し頬を触ってみて顔をしかめ、ため息をつく時も鼻から。そして表情が暗い。
そんなのが一日中続いていた。
「あの…マスター、何かあったんですか?」
「…」
ユエがおもむろにカウンター下からメモ帳とペンを出した。サラサラと書く光景を皆がジッと見守る。てっきり筆談マスターにでもなるかと思いきや…
「ん」
ユエが見せたメモ帳に書かれた一文。
『親知らず 抜いた直後で 喋れない』
「…」
今日もGEK1994は平和だった。
――――――――――
前々から温めていたネタ。くだらねえww
ちなみにクラスタ大爆発はツイッターで検索を。
ポケモンがバトルに使われるようになったのは、戦国時代に端を発するとする説が有力だ。この頃からポケモンが畏れ敬われる存在ではなく、共に戦う近しい存在として扱われるようになった。もちろん、この時代に戦場で争いに身を投じたのは男であり、雄ポケモンであった。しかし、あまり知られてはいないが、女のポケモンと雌ポケモンたちも、彼女らだけの戦いを繰り広げていたのである。
この時代、後妻打ちという風習があった。これは、前妻が予告した上で後妻の元を襲撃し、家財道具を破壊するというものだ。
この風習には様々な不文律があった。まず、後妻打ちが行われる条件は、離婚してから1ヶ月以内に夫が再婚した場合に限られる。そして、前妻は予め後妻側に襲撃する日時を連絡しなければならない。
後妻打ちが行われることになると、前妻側後妻側とも仲間集めに励むこととなる。これにも不文律があり、参加者は人間もポケモンも女のみ(ただし性別不明のポケモンを除く)とされていた。また、人間は刀を使ってはならなかったり、使用されるポケモンもレベルや大きさが決められていたりと、様々な決まりがあったとの見解がされている。流石にイワークのような巨大なポケモンを使っては、必要以上の破壊を起こしてしまう。慣習の中で適度な攻撃を行うこと、必要以上に相手を傷つけないというルールが生まれていたのである。ただし、今のようにポケモンのレベルを正確に測定する方法がなかったため、その基準は、ポケモンの様子を見てこのくらいだろうと慣習で決められていたようだ。
決戦の日になると、前妻の軍勢は後妻の元へ押し掛ける。ところが、後妻側も容易に侵入を許すことはなく、ディグダやナックラーの落とし穴、スボミーの草結びなど、あらゆる手を使い侵入を拒む。前妻側はこのトラップを突破し、家へと突撃していく。この後妻打ちで使われた罠が現在地下通路用に市販されているトラップの元だと言う説もあるが、裏付けが乏しく決定力に欠けており、一部の学者が強引に主張しているだけだという見解が強い。
前妻側は家への侵入が成功すると、家財道具を壊す。ただし家の中にもイトマルの蜘蛛の巣が仕掛けられていたり、家財道具が鏡と見せかけたドーミラー、さらには襲撃相手の後妻が、メタモンによるダミーだったという例もある。
しかし、先妻側ももちろん後妻側の罠に易々とはまるものではない。ケーシィのテレポートで直接相手の元へ移動したり、ハネッコの痺れ粉で待ちかまえる相手を麻痺させたりと、様々な手段を使っている。特にアサナンはエスパー能力による罠探知、さらには攻撃とそのバリエーションのため重宝されていたという。中には、先ほどメタモンによるダミーの話をしたが、前妻後妻側共に相手がメタモンだったという珍例もあるようだ。
こうして、戦いを繰り広げる女たちだったが、その裏には男たちに抑圧されてきた鬱憤を彼女らなりの方法で晴らすといった意図もあったようだ。慣習で必要以上の破壊を行わないようにしていたのもそのためだろう。
なお、文献から統計を取ってみると、後妻打ちに最も使用されていたポケモンは、カゲボウズのようだ。女の恨みや妬み、さらには抑圧からの解放を求めているように、後妻打ちは負の感情を元に行われる物である。そのため、負の感情を求めるカゲボウズと、戦いの手が欲しい女たちの利害が一致して、カゲボウズが頻繁に後妻打ちに参加していたのだろう。
このように行われてきた後妻打ちだったが、天下統一がなされ男による支配が完全になると、この風習は廃れていった。これ以降女がポケモンと戦いを共に行うのは、記録上は女性の権利が認められた戦後である。女性とポケモンバトルの歴史は近代からとされているが、現在のポケモンバトルとはまた違う形で、女性とポケモンが共に戦った歴史があるということを見ることは、女性史を見る中で重要なことであろう。
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何気なく見ていた歴史物のテレビ番組で、「後妻打ち」の特集をやっていて、
後妻打ちは女が溜めこんでいる恨みや妬みを晴らすために行うとかどうとか→カゲボウズ妄想→勢いだけで書いた。
ぶっちゃけカゲボウズ云々の段落が書きたくて書いた(爆)
レポート形式にもかかわらずひたすら勢いで書いたものなので、きっといろいろおかしいですが妄想の産物ということで大目に見てください(汗)
【どうしてもいいのよ】
【筆者は歴史が苦手なのよ】
主人が小ぢんまりとした定食屋に入っていった時、彼は何時も通り、腰に付けられたモンスターボールの中で、静かに外の景色を眺めていた。
外の強い日差しに慣れた目に、やや薄暗い建物内部の年季の入った内壁が、実際以上に古ぼけた印象を伴って飛び込んで来る。
――彼の入っているモンスターボールは特別製で、ボールの中に収まっている時でも、周囲の様子を広範囲に見渡すことが出来た。
何でも主人が話してくれた事には、まだ卵だった彼を譲り受けた時、彼を託した相手の望みを受け入れた結果が、こんな特製のボールを使っている理由なのだと言う。
「お前に『色々な世界を見せてやってくれ』って、頼まれたからな」
その話を聞いた時、彼の主はそう語りながら、とても懐かしそうな表情を浮かべていたのを、今でも鮮明に覚えている。
普段余り他人(よそびと)について語ろうとはしない主人が、家族や幼馴染でも無いあかの他人に対してそんな反応を示したのが、珍しかったから――
定食屋の中は、何時も通り空いていた。 ……確かにここで出される料理は中々の物だったけれども、入店資格者を厳しく制限しているらしく、常に客の入り自体は非常に悪い。
しかし最近の彼の主人は、日に一度は必ずと言って良いほど、ここに足を運ぶのだ。 ……何でも、ここはその筋では中々有名な穴場の一つで、古馴染みの実力者達と顔を合わせるには、ピッタリの場所なのだとか。
そう話してくれた時の主人の愉しげな表情を、彼は店内に落ち着いた視線をめぐらせながら、脳裏にボンヤリと思い浮かべる。
――主人があれ程表情を輝かせるのは、そう無いことだ。
普段から一風変わった所のある彼の主人が、最も幸せそうな表情を見せる時――
それは、人里離れた森や山の奥で静かにくつろいだり、川のせせらぎや風の音に耳を傾けながら、何か美味しい物を食べている時。
夜半満点の星空を、彼ら旅の仲間達と一緒に、ただ無心に見上げている時や、うららかな陽気の下、柔らかい草むらや暖かい大岩の上で、昼寝をしている時。
――それにもう一つは、全力を出し尽くす事が出来る凌ぎ合いに、巡り会えた時だ。
卵の時からずっと今の主人と共に生きて来た彼には、主人が何時も抱えている心の疲れや悩み、孤独――それに温和な心根の奥底に潜ませている、人並み外れた野生と荒々しい闘争心の蠢く様までが、手に取るように分かった。
……まぁ、それについては彼の種族がルカリオだったと言うのも、大きいのだけれど。
――生まれた時から旅の空の下で、食事も宿りも殆ど野外。 ……例え何処かに落ち着いた所で、二週間と持たない。
移ろう季節がダイレクトに身に染みる、漂泊の日々。 旅から旅のポケ勤めと、合間に挟まる厳しい修行。
故郷にろくに帰ろうともしない主人の下、生みの親の顔すら知らない彼は、そうやってずっと生きて来た。
……しかし、それを辛いと思った事は、一度としてない。
主人はその言葉通り、彼に色々な世界を見せてくれたし、様々な経験も積ませてくれた。
修行も他の手持ちポケモン達に任せ切りにはせず、時には自らの身を以って彼に『手』を教えてくれたし、終わった時には出来る限りの思いやりを持って、手当てをしてくれた。
身に付けさせて貰った知恵の類は数知れず、考え方や心構えの程も、『師』と呼ぶに相応しい薫陶を、未だ若い身であるにもかかわらず、彼に対して与えてくれた。
そして何より、何時も心の底から、彼ら手持ちのポケモン達に、『仲間』として接してくれた。 ……彼らを使う『主人』ではなく、同じ空の下で共に生きている、『仲間』として。
――卵の殻を突き破って、この広い世界を始めて知った時……一番最初に出会った相手が、今の主人だったと言う事。
それを幸せに感じた事は幾度もあったが、今の生き方を辛いと思ったり、変えたいと念じたりした事は、未だに一度たりともありはしなかった。
そしてそんな彼の主人は、今日も誰か、見知った顔を見つけたらしい。
ボールの中からでもはっきりと感じ取れるほどに、ぱっと喜びの感情を開花させた少年トレーナーは、そのまま早足に店の奥にあるカウンター席まで進んで行って、そこに座っていた人物に対し、控えめながらも丁寧な口調で、声をかける。
彼の入ったモンスターボールは少年の腰の辺りに位置している為、彼は直接は、相手トレーナーの姿を見ることは出来ない。
……しかし、どうやら相当の手練であるらしい事だけは、主人の雰囲気やその余裕のある受け答えの程からも、十分に窺い知る事が出来た。
やがて、程なく弾んでいた話も纏まったらしく、彼の視界はぐるりと180度反転して、主人の少年はもと来た道を踏み辿り、店の外へと歩み出て行く。
それを受け、店に来ていた他の客達も、数こそ少ないものの一様に注文した品物を置いて席を立ち、これから始まる出来事に対する興味も露わに、出て行く両者に付いて来る。
――いよいよ、今日も始まるのだ。 ここ数日、一日一度はお約束の様にやってくる、鍛え上げられた精鋭同士のぶつかり合い――真剣勝負の幕開けである。
店の裏に設けられている、小さな食堂には似つかわしく無いような、しっかりした造りの試合場に着いた時――そこで初めて彼は、相手トレーナーの姿を目にする事が出来た。
特徴的な帽子を目深に被った男で、何やら怪しげな雰囲気を纏った、奇妙な人物であった。
しかしその一方、その人物に同時に見て取れたのは、傍目にも自信の程が窺える物腰と、対戦相手を真っ直ぐに見つめている、静かな瞳。 ……やはり非凡な相手である事だけは、確かなようである。
試合が始まる前に、先ず彼の主人が腰のボールの一つに手を触れると、いたわる様に声をかけた。
「ルパー。 悪いけど今回は、控えに回っててくれ。」
それを聞くや、少年の指が保持しているモンスターボールが、無念そうにかたりと揺れる。 ……どうやら今回の試合形式は、5on5であるらしい。
6匹の仲間達の中から、控えに選ばれたポケモン―ビーダルのルパーが浮かべているだろう表情を思い、彼は心の中で軽く苦笑した。 ……彼にも、その気持ちは痛いほどに良く分かるからだ。
主人と相手トレーナーとが改めて向かい合い、寸時お互いの表情を確認しあった両者が、判定役を買って出た、食堂の老店主の宣言に合わせて同時にボールを投げ合った所で、試合が始まった。
最初に主人が場に繰り出したのは、黄緑色の四足獣―常にチームの先発を務める、リーフィアのコナムであった。
対する相手が送り出して来たのは、真っ白い体に黒い爪と顔、それに三日月を思わせる、鋭利な形状の角を備えた獣―悪タイプの災いポケモン、アブソルである。
互いに似たような姿勢で疾駆し、鋭い斬撃を得手とする二匹のポケモンは、それぞれの姿を確認するや否や、剥き出しの闘志も露わに、逸り立ちつつ主人の指示を待つ。
――タイプの相性は、現状況ではトントン。 故に双方とも、今は引く気配を見せていない。
主人である少年の指示も、交代ではなくGo指令。 ――寸刻を置いて命を受け終わった両者は、間髪を入れず行動に移る。
最初に動いたのは、リーフィアの方。 ……普段は争いを好まぬ大人しい彼女だが、あの主人から特に見込まれて『栄えある先鋒』を任せられているだけあって、こう言った場では一転して激しい気迫を見せ、大体何時でも先手を取って、自らの手で戦端を開く。
無数に放たれた『タネマシンガン』が、一帯を激しく掃射しながら、アブソルに襲い掛かった。
対するアブソルの方は、踊るような身のこなしでそれに対応。 雨注される小さく硬い植物のタネを、かわせる物はかわし、避け切れぬ物は身に受けつつも堪えながら、徐々にその動きの程に、凄愴な凄みを加えていく。
ボールの中で様子を見ている彼にも、一種の戦慄が走るほどまでに戦意が高まった、次の瞬間――アブソルは放たれた矢の様な勢いで、真っ直ぐにタネを発射し続けているリーフィアに向けて、疾走を開始した。
不気味に光る鋭い鎌状の角が、体に似合わぬ強靭な重みを伴って、リーフィアの体に振り下ろされる。 ……『剣の舞』で強化された『辻斬り』の一太刀は、生半可な小細工ぐらいは平気で跳ね飛ばすほどの、凄まじい威力を秘めている。
しかし、それを敢えて正面から迎え撃ったコナムの方は、素早く『タネマシンガン』を中断するや、自らの体をくるりと反転させ、流れる様な動きで己の尻尾を打ち振るい、相手の斬撃をからりと受けた。
正面から受け止めるのではなく、横様に当てて勢いを流し、角の軌道をずらしてやり過ごすと、そのまますれ違う雪獅子の背中に向け、追撃の種礫を再開させる。 ……『居合い切り』の妙技に攻撃を外されたアブソルの体が、更に重なった立て続けの被弾に対し、ヨロリと揺らめいた。
だがそれでも、先鋒の意地をかけた一対一の勝負は、そう簡単には終わらない。
素早く立ち直ったアブソルは、力押しが通じないと見るや、今度は反転すると猛烈に加速して、飛び来るタネを物ともせずに、リーフィアに体ごとぶつかっていく。
流石のコナムも『電光石火』には反応し切れず、そのまま一撃をまともに受けて、草一本生えていない乾いた土のフィールドに、強かに叩き付けられた。 ……普段なら軽いはずのその一撃も、攻撃力が大きく上昇している今では、十分な威力が伴っている。
ふら付く彼女に立ち上がる隙も与えないまま、アブソルが角を閃かせ、目にも止まらぬスピードは維持したままで、真っ直ぐ止めを刺しに殺到して来る。 ――そこで、勝負(けり)は付いた。
突っ込んで来るアブソルの動きが、突然足元から伸びて来た無数の蔓に引っ掛かって、つんのめる様にして止まる。 そのまま黒い足元は、伸びる蔓に絡め取られて、全く身動きが取れなくなる。
そこら中から生えて来た蔓状植物の『草結び』を、アブソルは必死になって頭部の鎌で切り払おうとするが、後から後からフィールド一面に蔓延って来る緑の洪水に、最早抗う術は無い。
――それを見て、対戦相手のトレーナーが状況不利と察したらしく、アブソルを手元に返して交代させようとするが、完全に蔓草に巻きつかれ、地面に縛り付けられた状態のポケモンを手持ちに戻す事は、不可能であった。
対してこちらは悠々と立ち上がったコナムは、指示を受け取ると改めて体勢を整えたと見るや、今度は初めて自分から、相手に向けて突っ込んでいく。
相手トレーナーの警告に、蔓にかかりきりになっていたアブソルが慌てて姿勢を戻し、間髪を入れずに頭部の鎌を光らせて反撃に出るも、最早何の意味も成しはしない。
リーフィアの両前足に突き出た短い葉っぱが鋭く輝き、軽やかに踏み込みつつ『サイコカッター』をかわしたその体はタンと地面を蹴ると、飛び違え様に鋭い一撃を、動けぬアブソルの胴体に刻み込む。
為す術も無く急所に『シザークロス』を打ち込まれた雪獅子の体が、戦う力を失って崩折れた時――漸く振り向いたリーフィアの意思によって、蔓草の戒めが解き放たれた。
それを受け、倒れたアブソルをボールに戻した対戦相手が、次のポケモンを繰り出す。
勝負の場に姿を現したリングマが、善戦空しく討ち取られた仲間の仇を取らんものと眦を決し、怒りに満ちた戦いの雄叫びで、蔓草に覆われたフィールドを揺るがした。
しかし既に、地の利は完全にリーフィアのものである。
新たに現れた大熊もまた、それこそ相手に対して身構える暇すら与えられないままに、フィールドを埋め尽くした蔓草によっての、『草結び』の洗礼を受ける。
――最初に乱射した『タネマシンガン』による場作りからの、『草結び』による一方的なイニシアチブの掌握。 ……地に芽吹くものの心を知り、その力を最大限に引き出すべく修行を重ねて来たコナムの、必勝パターンである。
パワーを生かして荒れ狂う大熊の爪が、足元を覆い尽くす蔓を苦も無く『切り裂く』も、その都度放たれるリーフィアの『タネマシンガン』によって随時蔓草の海は強化され、リングマの動きは自由になるどころか、ますます雁字搦めとなっていく。
やがて重なるダメージもあってか、リングマの動きが目に見えて鈍り、完全に蔓の中に膝を屈するに及んで、再びリーフィアは『タネマシンガン』を中止すると、先程と同じように『シザークロス』をお見舞いすべく、動けぬ大熊に向かって地面を蹴る。
リングマの体はやはり完全にロックされており、交代しようにもボールに戻す事は叶わない。 ……それを理解しているのか、今回は相手のトレーナーもモンスターボールを構えようとはせず、ただ冷静な目付きで、黙って成り行きを見守っているのみだ。
――しかし場を見守るその表情には、焦りや無力感の類は、全く感じられはしない。 ……それに気が付いた事により、主人の腰のボールの中から戦いの様子を見つめていた彼は、微かな不安を覚える。
案の定、今回は先程の様にはいかなかった。
リーフィアが攻撃軌道に移った瞬間、突如としてリングマが、蔓草を引き千切って立ち上がったのだ。
『シザークロス』の構えで飛び掛かるリーフィアを、リングマの逞しい腕がまともに捉え、情け容赦無く自分の足元に叩き落すと、続いて天に向けて雄叫びを上げ、生み出した大量の雪の塊を、立ち上がろうとするリーフィアに向け、勢い良く叩き付ける。
怨み骨髄に達したと言わんばかりの、カウンター効果を乗せた強烈な『雪なだれ』が収まった後には、弱点を突かれて耐え切れず、力なく横たわるコナムの姿。
倒れた彼女をボールに戻し、心からの労いの言葉を掛けた少年トレーナーは、続いて次のポケモンを、勝負の場に向け解き放つ。
……相手がノーマルタイプのリングマだったので、彼は内心自分が選ばれるのでは無いかと思っていたのだが、主人の手指は彼のではなく、別のボールを掴んでフィールドに投げた。
ますます猛り狂うリングマに立ち向かう少年の二番手は、小さな白い体に水色のストライプが鮮やかな、大きな尻尾の電気リスだ。
普通のパチリスよりも更に一回りは小さいかと見えるそのポケモンは、今度こそは自分が先手を取ろうと、大柄な体格に似合わぬスピードで殺到するリングマを確認するや否や、素早く生い茂る草の海に飛び込んで、姿を暗ます。
そして直ぐに別の場所から顔を出すと、虚しくシャドークローを空振りし、草むらを薙ぎ払うだけに終わった大熊の背中に向け、膨らんだ頬袋の中身を、勢い良く吹き出した。
『タネ爆弾』が背中に炸裂し、ダメージの分凶暴性を増したリングマが勢い良く振り返って、その血走った目を向ける頃には、既にパチリスは草のフィールドの中に首を引っ込めており、影も形も無い。
そのまま更に幾度かに渡り、パチリスのテブリは必死に相手を探すリングマを嘲笑うかのように、あっちに顔を出し、こっちに姿を見せては、相手を翻弄しつつダメージを稼いでいく。
……チームで一番小柄で迫力に乏しく、傍目には悪戯好きの小リスにしか見えないテブリだが、実は仲間内では二番目の古株で、戦い慣れたその敏捷な身のこなしの程は、波導使いである彼を以ってしても、容易に捉える事が出来ないほどのもの。
見通しの悪い草むらの中で、縦横無尽に走り回る彼を捕まえる事など、敏捷さに欠けるリングマには、到底無理な相談であった。
やがて相手のトレーナーも、このままでは埒が明かないことを悟ったらしい。
反対側の手にもう一個のモンスターボールを素早く掴むと、リングマの巨体を手元に戻し様に、一瞬で控えポケモンと入れ替える。
手負いのリングマに代わって場に現れたのは、巨大な四本足の鋼鉄獣、メタグロスであった。
すぐさまテブリは、新たに現れたこの重厚な雰囲気の怪物に対しても、狙い済ました『タネ爆弾』の一撃を御見舞いする。
しかし、鋼タイプな上に極めて強固な防御力で知られているメタグロスには、そんな程度の攻撃は、蚊が刺したようなもの。
逆に繰り出された、反撃の『アームハンマー』に追い立てられ、草地の中を逃げ惑う破目になったパチリスを、少年はすかさず手元に戻して、次のポケモンを送り出す。
フィールド上を走り回っていたパチリスが戻されると、メタグロスは次に繰り出されたポケモンの姿を確認もせずに、鋼鉄の爪が付いた太い腕を振りかぶって、現れた相手に向け一撃を放つ。
草原を横様に薙ぎ払うようにして繰り出された『コメットパンチ』は、完全に点ではなく面での制圧を意識しており、如何に身が軽くとも回避は困難。 加えてその威力の程も、元より強力な技の破壊力に遠心力も相まって、生半可な力のポケモンでは、到底受け切れる物ではない。
しかし新たに場に現れたポケモンは、防御・回避共に困難なその攻撃を、空中に飛び立つことで、難なく無効化した。
次いで綿雲の様な美しい翼を羽ばたかせる彼女は、開いた口から紅蓮の炎を噴き出して、全てを跳ね返す強固な鋼の装甲を、熱の力で簡単に打ち破る。
チルタリスの『火炎放射』がメタグロスを包み込み、その重量感溢れる体を地響きと共に地に横たえさせた事で、対戦相手の男の手持ちは、残り三体となった。
男の表情がチラリと動き、賞賛を意味する淡い微笑が面上を走る。 ……対する少年の浅黒い顔には、全力を傾注して戦っている時にのみ現れる、精気に満ちた不敵な笑み。
―― 一瞬の空白の間に、互いが求め合う物を交錯させた両者は、周囲の感嘆も歓声も耳に入らぬまま、再び盤面の形勢へと、己の意識を戻して行く。
流れ行く者同士の競宴も、そろそろ酣(たけなわ)――
交わった風は旋風(つむじ)を巻いて、互いに持てる限りの力を振るう。
得られた機会を決して逃さず、勝負師は自らの意地と誇りを掛けて、周囲を巻き込み火花を散らす――
―――――
我がメモ帳にのたくられし妄想、其の二。
内容は、まぁ見ての通りです(爆)
……ただ、メインテーマはガチバトルではなく、ルカリオさんの個人(?)的な出来事です。 ……ほんとだよ?
書いてる間に、流す心算だったバトルが膨らんじゃったのは否定しませんが……(汗)
取りあえず、未だ書き終わっては無いのですが…一応出来た所まで上げておいても構わないかしら? と思い、ぶち込んでみました。 ……異論があられましたら御免なさい(汗)
そいでは……
【批評してもいいのよ】
【描いてもいいのよ】
【もち、好きに書いちゃってもいいのよ】
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