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僕はずっとここにいる。
僕等はあの日まで一緒だった。
あの日、博士の下に2人の少年が来た。博士の孫と、その友人。
彼等は博士から何かを頼まれていた様だった。そして彼等は僕等3匹を見比べると、1匹ずつ選び連れて行った。
僕は選ばれなかった。博士の孫にも、その友人にも。
その後、彼等は選んだポケモンと共に旅に出たらしい。残された僕は、旅に出た仲間達を羨ましく思っていた。それは今でも変わらない。
それからしばらくが経った日の事、博士に彼等から連絡が来た。どうやら共に旅立ったポケモンが進化したらしかった。
僕は進化した仲間達を想像し、進化した自分も想像した。いつかあんな風になれたら気持ちいいだろうなぁ。
未だに成長していない僕は、進化した仲間達を羨ましく思っていた。それは今でも変わらない。
さらにしばらくが経った日の事、博士に彼等から連絡が来た。どうやらこれからセキエイ高原へと挑戦するらしかった。
僕はチャンピオンと戦うかつての仲間達を想像し、その舞台に立つ自分も想像した。いつかあの舞台に立てたなら――それ以上は想像出来なかった。
未だにスタート地点にいる僕は、ゴール間近のかつての仲間達を羨ましく思っていた。それは今でも変わらない。
そして、今。彼等はチャンピオンを倒し、彼等同士で戦い、旅立ちの場所へ帰って来た。
僕は帰って来たかつての仲間達を眺めた。その逞しい姿に、僕はただ見とれていた。
あの日と変わらない僕にとって、かつての仲間達は憧れとなっていた。それはこれからも変わらないだろう。
それが変わるとしたら、それはきっと――
僕はずっとここにいる。
僕のトレーナーが現れるまで。
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人生5作品目にしてついに500文字超えたぜヒャッホォォォォォォォゥ! 次は1000文字目指そう。
ポケスコのバナーがアーカイブにリンクされていていつもの文字数カウンタが使えなかったので、検索して出てきたやつを使ったら物によって数字が違うというね。
選ばれなかった初代御三家視点で書いてみました。ご自由に当てはめて想像して頂けたら幸いです。
書いてて可哀相になってきたので誰か迎えに来てあげて欲しいのよ。永遠に待ち続けるのもそれはそれで好きですが。
進化した姿を想像出来たりゴール間近だと分かるのは博士の会話が聞こえているから、というご都合主義にしておきます。
何かしっくり来ないところがあるので改良案を思いつき次第修正するかもしれません。後書き含め。たぶんしないでしょうけど。
【描いてもいいのよ】
【書いてもいいのよ】
【ご自由にどうぞなのよ】
【迎えに来てあげて欲しいのよ】
高いビルの隙間から、曇天の空が見える。
主の腰から見上げていると、俺が入っているボールの表面に、ぽつり、と水滴が当たった。
「…雨?」
とたんに主が駆け出し…
『がんっ』
俺はボールの壁にぶつかった…。
『ごんっ』
(へぶっ)
どうやら隣のシュバルゴ、ナイトもぶつかったらしい。
『びたんっ』
(きゃっ!?)
あ、今のはゾロアークのティラだな。
主の腰が振動するたび、ボールも激しく揺れる。上下左右に揺れ動くボールの中で、俺たち手持ち六匹は自分の体を守るのに必死だった。
(十字ボタン操作荒いんじゃああぁ!!)
ボールの中だから主に聞こえるはずも無いが、一声吠えてみる。
土砂降りになる寸是で間一髪、主はポケモンセンターに駆け込んだ。そのままソファーに疲れて座り込む。
一方、振動地獄から開放されたボールの中では、それこそ六匹の苦情が雨のように降り注いでいた…。
(頭打ったんだけど…)
そう言うのはレッセ。コジョンドで、身のこなしも軽い彼女が頭を打つ位だから、相当な揺れだったのだろう。
(マスター、人にぶつかってましたよね…)
(ここヒウンシティだからかなり迷惑だったと思うんだけど。)
ドレディアのサワンとウルガモスのナスカ。この二人、怒らせると辛口である。
(リーダー、大丈夫だったの?)
(…少し背中を打った。)
(めずらしいわね。リーダーってああいう揺れには一番慣れてるんじゃない?ミジュマルの頃からの付き合いだし。)
流石ナスカ、鋭い。俺があの揺れに対応できなかったのは、考え事をしていたからだ。
俺はダイケンキのシェノン。
(…その顔は、思い出を懐かしんでたって顔ね。)
(どうやったらそこまで俺の気持ちが分かるんだよ。)
ウルガモスであるナスカは、無表情、というか表情が顔に出ない。
ハッキリ言って無表情で自分の感情を読まれると、とても恐ろしいのだが。
(ま、どんな事かまでは干渉しないけど。)
(…頼むからそこまでにしてくれ。)
(リーダーの思い出かぁ、きっと初めてここに来たときのことだよね。)
(ティラまで何なんだよ。)
(だって、リーダーその時フタチマルだったわけでしょ?今よりずっと可愛かったのかな〜って。)
(こら。)
女って本当怖い。こういう話になるとどうしてそこまで敏感になるのか…。分からない…。
ナイトも、少し理解の出来ない様子で何も言わずにこちらを見ている…。正直目線が痛い。
(ヒウンシティっていうと、やっぱアイスとかの??)
そしてなぜこうも推測が当たっているのか。アイスではないが。
ビルの間の空を見ていると、進化したてだった頃の自分も、こう空を見ていたな、と思い出す。
そして、自動販売機の前に立つ主。進化した祝いに買ってくれた『サイコソーダ』。
確かスカイアローブリッジで、遠い入道雲を見ながら飲んだはずだ。
このメンバーの中で知っているものはいない。恥ずかしいが、一つ大切に取っておいた思い出だ。
当たってもう一本出てきて、喜んだりもしたっけか。
そろそろ夏だな、と思っていたら、モンスターボールの振動地獄が来たのだった。
今度、主に頼んで、またスカイアローブリッジの上で飲もうか。
主が外に出ると、さっきの土砂降り嘘のように午後の金色の陽が降り注いでいた。
ビルの表面の赤い文字の広告が目に映る。
『しゅわしゅわはじけるサイコソーダ!お手持ちのポケモンちゃんといかがですか?』
というわけで、俺の好物はサイコソーダなのだ。
お題:雨
書いてみましたあぁ初小説です。うん、いろんな意味でやばい。やばすぎる。素人ですのでお許し下さい。
オルカ は 深海の 奥底に ひきこもって しまった…。イケズキさんごめんなさいティラの出番がっ
【描いてもいいのよ】【書いてもいいのよ】
【批評は超緩めにお願いします】
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