[ミッション前にて]
よう! オレの名前は『プラズマ団のしたっぱ』だ!
『プラズマ団のしたっぱ』以外、何者でもないからな!!
…………………。
……………。
……。
しょうがないだろ!?
だって組織の一員なんだぜ!?
簡単に名前なんか教えられるわけねぇじゃねぇか!
…………オレだってカッコイイ名前があるのによ。
……それを言えなくてプチブルーなんだぜ?
……。
ま、まぁ、それはさておきだなっ!
今回はオレは大事な仕事を任されてるんだよ。
実はな……最近、我がプラズマ団の邪魔をしているヤツがいてよ、
そいつの資料を見せてもらったんだけど……。
白い半そでにシャツ黒いノースリーブのベストをかけていて、
あれってホットパンツっていうのか? まぁ、なんか短いジーパンをはいてて、
つばの部分が赤みかかったピンク色をした帽子に、
ポーニーテールで少しウェーブがかかっている髪を持っている、
…………少女。
……って!
コイツ、まだガキじゃねぇか!
なんだよ、こんな弱そうなヤツが我がプラズマ団の脅威だっていうのかよ!?
そう!
オレの仕事とはコイツに痛い目を合わせること……なんだけど、
本当にコイツが……!? というくらいオレには信じられねぇぞ!
……しょうがねぇ。オレも大人だ、一応な。
まずはターゲットの情報をもう少しだけ得ようと、
オレはターゲットと戦ったことのあるやつから話を聞いてみることにした。
それから数時間後……とりあえず結果報告するとな…………。
ポケモンとのコンビネーションが抜群すぎて強いかもしれないということが分かったぞ。
……このオレが負けるわけないはずなのだが、うーん、どうやってターゲットと戦えば効率よく……。
ポケモンとのコンビネーション…………それだ!!
オレはターゲットに接触するために準備を始めた。
後輩を一人、連れていくか…………。
[ミッションにて]
電気石の洞穴にて、オレのミッションがスタートした。
ターゲットが現れた……がオレはまだ隠れている。
そしてオレの後輩がターゲットとポケモンバトルを始めた。
そのバトルの様子を眺めながらタイミングを…………。
……………………今だ!
実はオレの後輩の真の役割は囮(おとり)なのだ!
オレのミッションはターゲットに痛い目を合わせ二度とプラズマ団の邪魔をさせないようにするのであるから、
ターゲットを――あのガキに直接攻撃をすればいいのだ!
このオレの拳でな!!
オレは後ろからターゲットに迫る。
静かに、抜き足、差し足、忍び足で距離を縮めていく。
よーし、ターゲットは依然、バトルに集中しているなぁ……このまま!!
「せんぱーい! 今です! やっちゃってくださーい!!」
「あっ!!?? このバカ!!」
相手は気が付くこともできずにオレの拳に殴られる予定だったのに……!!
あのバカのおかげでターゲットが気付いちまったじゃねーか!!
ターゲットが急いで振り返るが、まぁいい、オレの拳はもうお前に向かって――。
次の瞬間、
何かがめり込むような鈍くて重い音が鳴り響いていて、
そして倒れていたのは
オレだった。
「……卵ふ化作業で鍛えた足を甘く見ないでよっ!」
……どうやら、オレはこのガキの足技で一撃必殺をくらっちまったらしい。
プラズマ団したっぱの目の前がまっくらになった。
無論、そのプラズマ団したっぱの財布が少しだけ寒くなったのは言うまでもない。
教訓:卵ふ化作業で生まれた足腰の力は半端(はんぱ)ない。
【書いてみました】
一つのボックスをゾロアで埋めてみよう!
という作業中に、ふと思ったこと……
『卵ふ化作業をかなりしているトレーナーの足腰はもしかして強いかも!?』
『すると、足技なんか強そうかも!?』
という考えから、今回の寸劇(ギャグともいう?)を書いてみました。
……四コマで使われそうなネタかな……? と個人的に思いながら。
ありがとうございました。