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  [No.1219] A面【50個の「好き」を、次は絶対言葉にするから。】 投稿者:リナ   投稿日:2011/05/23(Mon) 22:28:37   84clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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1.毎朝遅刻ギリギリに教室に駆け込んで先生に叱られてたあなたは、そのたびにおかしな冗談でみんなの笑いをとって、先生を呆れさせていた。そんなあなたが好き。


2.同じクラスなのに「おまえ、名前なんて言うんだっけ?」と、わたしに訊いたあなた。あの時は失礼な人だなと思ったけど、そのあと私の名前を「可愛い名前じゃん」褒めてくれたあなたが好き。


3.部活ばっかりで勉強なんて全然してないんだろうなと思ってたら、理科の期末テストが学内五位だったあなた。目の下にクマを作っておきながら「直前に見てたところまんま出たんだよね」と笑うあなたが好き。


4.いつも友達に囲まれてくだらない話で盛り上がってるあなたが好き。


5.かと思ったら難しい顔して考え込むあなたの背中も好き。


6.体育の時間、見学しているわたしに休憩時間のたび話しかけてくれたあなたが好き。


7.だから体育の授業がある木曜日が好き。


8.通学が億劫で、学校も嫌いだったけど、あなたがいる教室は好き。


9.あなたのポケモンがビブラーバだったのは驚いた。この辺りでは珍しいポケモンだから。エドとなずけられたその子を大空へ放ち、あなたが眩しそうに見上げる。その顔が好き。


10.わたしのゴマゾウ、パウがあなたにすごく懐いちゃった。モンスターボールから出すたびあなたに寄りそうパウに困った顔をしながらも、パウを優しく撫でるところが好き。


11.階段を上り下りするわたしに、いつも肩をかしてくれたあなたが好き。


12.「えりあし切り過ぎた!」と言いながらしきりに髪形を気にするあなた。でも、前の髪型も今の髪型も好き。


13.喉にかかるその声が好き。


14.奥二重のその瞳も好き。


15.放課後の教室で、塾までの時間を潰していたわたしに声をかけてくれたあなた。宿題で分からなかった問題を説明してくれようとして、結局「ごめんやっぱおれも分かんない」とごまかし笑いをしたあなたも好き。


16.その日の夜、「さっきのやつ答え分かった!」と電話をしてくれたあなたも好き。


17.その電話の最後に花火大会に誘ってくれたあなたのちょっと緊張した声も好き。


18.人混みの中、あなたを探していたわたしを後ろから脅かしたあなたのしたり顔も好き。


19.その時初めてみたあなたの私服姿が好き。


20.もちろん制服姿も好き。


21.「自転車できたんだけどこんな人多いんじゃ意味ないな」って文句を言いながら、わたしの歩く速さに合わせてくれたあなたが好き。


22.わたしの足もとをしきりに気にかけてくれたあなたが好き。


23.「浴衣姿見たかったなあ」と、普段着で来たわたしに何度も言うあなたは、ちょっとしつこかったけど、好き。


24.最後の特大花火が打ち上がった時、ふと見たあなたの真剣な顔が好き。


25.人混みを離れて、わたしをベンチに座らせ、ゆっくりと話し始めたあなたの喉にかかる声は、やっぱり好き。


26.告白された後、嬉しくて泣いてしまったわたしを優しく撫でてくれたあなたが好き。


27.その日、帰りに家まで送ってくれたあなたが自転車をとてもゆっくり押して歩いてくれた。その優しさでまた泣きそうになるわたしに「もっとゆっくり歩いていいよ、その方が長く歩けるし」と言ったあなたが好き。


28.ばいばいをした後、すぐによろしくメールをくれたあなたが好き。


29.それからは、毎日が好き。


30.遅刻ばかりだったあなたが、わたしの家の前まで迎えに来てくれる時は一回も遅れない。ありがとうを言うと、あくびをしながら「なんで?」と返すあなたが好き。


31.「いつかエドがフライゴンになったら、おまえのこと一番に乗せてやるから」と、芝生でじゃれ合っているエドとパウをのんびり眺めながら言ってくれたあなたが好き。


32.あなたは松葉杖を脇に抱えてわたしを自転車の後ろに乗せてくれた。けどバランスを崩してわたしが落っこちた。ちょっと悔しかったけど、あの時少しだけ感じたあなたの背中が好き。


33.嫌いだった雨の日も、あなたと相々傘ができる日だから好き。


34.嫌いだった勉強も、あなたが教えてくれるから好き。


35.もともと好きだったカラオケは、あなたと行くから少し恥ずかしいけど、やっぱり好き。


36.あなたが食べてくれると思うと、早起きしてお弁当を作るのも好き。


37.内緒でトレーナーズスクールに通い、エドを鍛えていたあなたが好き。


38.突然遊べなくなった日はすごく残念だったけど、決まってその日の夜に電話をくれるあなたが好き。


39.電話を切る時に、恥ずかしそうに「好きだよ」って言ってくれるあなたが好き。


40.気持ちを言葉にしてくれるあなたが好き。


41.そして、お別れをなかなか切り出せなかったあなたは――ううん、変わらず好き。


42.遠い地方に引っ越さなければならなくなったあなたは、一週間前になってそのことを告げた――好き。


43.お父さんの仕事の都合で――好き。


44.どうすればいいのかな、おれ――好き。


45.大人じゃないから、ついて来いなんて言えないし――好き。


46.ごめん――好き。


47.お別れの日、あなたはフライゴンになったエドをわたしに見せた。「約束、したろ?」「――うん」「おれも一緒に乗っていい?」「乗って」――好き。


48.あなたの背中であなたの匂いを感じたのは自転車の二人乗りに挑戦して失敗した時以来だった。ジェットコースターみたいにふわりと身体が浮いて、地面がみるみる離れていった。わたしはあなたの背中に力いっぱいしがみついた――好き。


49.「おれ絶対エドに乗ってまた帰ってくるから――迎えに来るから!」あなたは震える声でそう言った――好き。


50.待ってる。ずっと――大好き。








 ――――――――――


 甘ったるくて自分でも最後まで読めない…でも吐き出した【好き】。
 そして、B面は正反対ですw

 【なにしてもいいのよ】


  [No.1220] B面【数え切れないほどの「嫌い」は、どうしたらいい?】 投稿者:リナ   投稿日:2011/05/23(Mon) 22:30:40   71clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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1.死ねばいい。音楽が好きな奴はコンプレッサーに潰されたベースラインと一緒に。酒が好きな奴は四十七度を一リットルふっかけて。女が好きな奴は卑猥な下着と聴くに堪えない壁越しの声にまみれて。ポケモンが好きな奴は――ああ、もう死んでるようなもんだ。


2.アンテナはとうの昔に折れてる。違和感に気が付いたのは十年も前だったけど、全員が見て見ぬふりをした結果がほら、メルトダウンは目前だ。汚染されてるのは何もそこだけじゃない。ハナっから世界が泥だらけ。まあでも大丈夫だ。「直ちに健康に影響を及ぼす値ではない」からな。


3.あの子みたいにスタイルがよくなれたらきっと視界が激変するわ。もしウチがあの子だったら、グラエナみたいに息荒く近寄ってくる男どもの鼻先から、欲しいものだけかすめ取ってカジノでベットしてやるの。


4.歯車。ギシギシと耳障りな音を響かせてかろうじて噛み合って回ってる。この街の片隅の、ほとんどだれも見向きもしないボロアパートには歯車にさえなりきれなかった鉄屑がいると聞いた。ギアルの方が存在価値がある皮肉。


5.もうバーチャルとリアルはイコールで結んで良い頃でしょう。ウェブ上の権限と現実の地位の境界線など、これからの時代、経済発展の妨げになるだけです。分からないんですか? イライラしますね、あなたと話していると。


6.嫌い? アタシのこと。アタシじゃだめなの? ねぇ答えて――直すから、ちゃんとあなたが望んでる通りになるから。お願い――


7.百五十一匹だったんだ、お父さんが子供の頃はね。どんどん新種が発見されてもうついていけないな。そうそう、おまえのタブンネ、昨日テレビで紹介されていたぞ。かなり人気の種類なんだな。たぶんね――なんちゃって、あ、おいおいそんな冷めた目で見ることないだろ―― 


8.腹立つんだ。ボクを馬鹿にするやつは。みんなボクの凄さを分かってない。将来ボクは世紀の大発明をするんだ。転送装置なんて、時代遅れにしてやるんだ。教室の前でヘラヘラ笑ってるあいつらなんか一生たどり着けないレベルにボクは立つんだ。


9.ははは!!! ポケモンマスターって本気かよ! この時代に? 冗談だろ?! 笑い死ぬ!! 大体そんな名前の職業あんのかよ。いや、悪い悪い。ないよな。免許皆伝ってことは、そうなった頃には仕事なんて選び放題だから、そんなの関係ないよな――はっははは!!!!


10.そろそろ二足歩行に限界を感じてるんだが、おれだけか? そんなことないはずだ。朝起きて仕事のことが頭によぎった瞬間吐き気をもよおすようなら、残り少ないライフ使って精神科へ行け。


11.なにコイツ、キモい。さっきから自分のくだらない自慢ばっかり。しゃべり方からして生理的に受け付けない――まあでもお金持ってるなら、寝てもいいけど。


12.バトル――よく分からないんだ。人にポケモンを戦わせる権利がどこにある? 平気で技を指示する連中の気持ちが分からない。まるで「スポーツ」みたいに言ってるけど、傷つくのは君じゃないから言えるんだ。


13.サッちゃんがね、いっしょにあそぶって言ってたのに、かえりの会おわったらすぐミチコちゃんとかえっちゃったの。やくそくはやぶっちゃいけないってお母さん、言ってたよね?


14.もう何年も前になるかのう、わしのニョロモは車にひかれてこの世を去った。飲酒運転じゃったよ。今は感情など消えてしまったが、当時は怒り狂ったもんじゃ――


15.嫌いなんだ。別に理由なんてない。















∞.私、気付いちゃったんです――その瞬間、ものすごく怖くなって、身震いがしました。おかしいんです、この世界。そうです、この、私たち人間と、ポケモンと、いろんな生き物が暮らしているこの世界です。 
 正直、知らない方が良かった。だって、こんなこと知りさえしなければ――

 あなたのことも嫌いにならずに済んだのに。
 もう、どうしようもありません。








 ◇ ◇ ◇









∞.私、気付いちゃったんです――その瞬間、ものすごく怖くなって、身震いがしました。おかしいんです、この世界。そうです、この、私たち人間と、ポケモンと、いろんな生き物が暮らしているこの世界です。 
 でも、知ることができたから、理解できたから――

 あなたのことも嫌いにならずに済みました。
 怖くて手も足もすくむけど、それ以上に、知ることは嬉しい。














1.死のうとか考える前に、ちょっと思い出せよ。音楽が好きな奴はコンプレッサーに潰されたベースラインと一緒に。酒が好きな奴は四十七度を一リットルふっかけて。女が好きな奴は卑猥な下着と聴くに堪えない壁越しの声にまみれて。ポケモンが好きな奴は――もう一度、そいつの目、見てみろよ。おい、見えるか? 分かるか? 感じるか?





 ――――――――――


 病み過ぎ――と自分に突っ込む。

 【なにしてもいいのよ】