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  [No.1287] 看板かけて 投稿者:音色   投稿日:2011/06/04(Sat) 23:52:30   65clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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 戸締り良し、ガス良し、食料も大丈夫だな。あとは、工房に看板引っ掛ければオッケーか。
 んで、あんみつ良し、しろあん良し、小猿ども・・は、みんないるな。クーラーボックスの中のかくざとうも良し。
 それじゃあ、ライモン向けて出発しますか。


 事の始まりは一通の手紙。
 足を無くしたシキジカ用の義足の微調整が済んで、トレーナーの女の子ともども送り出してから三日もたたずに投函されていた。
 ダイレクトメールにしては随分と丁寧で、おまけに某有名デザイン会社からなので興味に負けた。

 しろあんが珈琲をついでくれた。
 小猿どもはめいめい好きなモノを飲み始める。
 庭であんみつはごろんと日向ぼっこ。かくざとうは冷蔵庫。


 中身は簡単にすると、イベントに参加してくれないかというものだった。
 3カ月にある、ライモンシティでのデザイナーズイベント。つまるところ、人間とポケモンのファッションショーみたいなもんだろう。
 ただ、今回のテーマが『ヒトとポケモンのあり方』・・なんか、最近騒がれてるプラズマ団みたいだな。
 人に傷つけられているポケモンが増える中、俺みたいなのを呼んで世間にもっと知ってもらおう、見たいなことらしい。
 そりゃ、イッシュに俺以外にポケモンの義手義足をつくってるモノ好きはいないからなぁ。
 何処で俺のうわさを知ったか知らないが、なんだか、悪い話ではなさそうだ。

 ただ、まぁ、行くとなると結構な長期滞在になる、という事が示唆されている。
 金は出るらしいけど、その間こいつらどうするべきか。
 あんみつやしろあんは連れて行くとして・・小猿たち。

 だって、なぁ。
 りょくちゃもアセロラもサイダーも、俺のポケモンじゃないんだから。


 まぁ、こっそり荷造りして猿たちは俺がいない間森に帰るよう説得するのに大騒動が起きたのは別の話なんだけど。

 結局のところ、猿たちも強引についてくることになって。


 そんなわけで、しばらくシッポウシティは留守にして。
 ライモンシティにいきますか。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――
余談  紀成様コラボ用フラグ。
いい加減にライモンに行かせないとコラボることもできそうにないので

【さーて、どこまでいけるかな―(笑】


  [No.1288] 相棒 まだそれっぽくはない(仮) 投稿者:紀成   投稿日:2011/06/05(Sun) 14:29:40   62clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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ミドリ:つまり、コラボというのはコラボさせてもらう相手の小説をよく読んで、おかしな場所が無いかきちんと確かめる必要があるんです。例えばカクライさんがいきなり彼女に会っちゃったり、コクトウさんがいやに血の気が多かったり、ライザくんが敬語だったら、おかしいでしょ?というかやらかしましたよね、一度。
つまり事前によく打ち合わせして、ネタをよく練っておくということが重要なんです。分かりましたか?

紀成:わかりませーん!

…そんなこんなで、音色さんとのコラボ『相棒〜二人だけの(仮)』は始まったのでした。やれやれ…


――――――――――
ミドリはデザイナーである。まだ高校生だが、両親の人脈を勝手に使って、デザイン会社などに知り合いを作り、ここまでのし上がってきたのだ。こう言うと何だか敵が多い気もするが、確かに敵は多い。学校に友人はあまりいないし、いたとしてもまた彼もちょっと変わり者なのだ。
容姿はあまりよくないが、読書家で秀才で偏食でそして折り紙が大得意という、一風変わった個性の持ち主である。パートーナーはムーランドらしい。あまり話したことは無いが、眼鏡をかけると性格がガラリと変わるミドリのことは、同じ読書家として好いているとかいないとか。
その日、ミドリはライモンシティの遊園地に来ていた。今回のパートナーはジャローダのみ。自分でデザインしたシルクのローブを着せていた。
「このロゴのブローチがポイントなんだよね。ポケモンに着せるにはちょっと高いけど、多分冬になったらセレブがポケモンへのクリスマス・プレゼントとして買ってくれるでしょう。
…ちょっと暑いけど、すぐだから我慢してね」
『キュウウ…』
ジャローダは草タイプ。寒いのにも弱いが、暑いのにも弱い。ミドリは今自分が着ている服を見た。比較的涼しいデザインにしてある。これも、自分でデザインした物だ。
「…それにしても、まさかこんな時期にこんな物に出ることになるなんてね」
ミドリは改めて、待合室と称されたテントの中に貼ってある、一枚のチラシを見た。

ことの始まりは、一週間ほど前。『プラズマ団』と名乗る者から、手紙が届けられた。
『貴方をポケモンと共存するデザイナーとして、私どもが主催するイベントにご招待します』
最初は眉唾ものだった。だが本気になってきたのは、きちんと会場である遊園地の無料券が同封されていたからだ。騙すなら、ここまではしないだろう。
『参加する場合は、三日以内にこの手紙に同封されている紙に出席するか否かを書いて出してください。住所は手紙に書いてある物をそのまま書いてください。いいお返事をお待ちしております』
読み終わるかという前に、ミドリはボールペンを取り出した。ジャローダのデザインだ。尻尾をノックして、ペン先を出す。
「イエス、と」
そしてその足でギアステーション前のポストに投函してきた。
返事が来たのは、次の日。『ご出席ありがとうございます。つきましては、貴方様がデザインした服を自ら着て臨んでいただきたいと思います。
出来るならば、ポケモンにも一着をお願いします』


そんなこんなで、今に至る。待合室には沢山の人とポケモンがいた。ミドリ・ソラミネの名はかなり知れ渡っているが、実物を見た者は関係者と、雑誌のカメラマンやライターくらいしかいない。ファンの人達はあまり知らないはずだ。
ま、もし見たとしても信じない気もするけど…高校生だし。
表のステージでは、同じような制服を着たプラズマ団の団員達が司会をしている。服のデザインはまあいいけど、ピッチリしたフードが気に入らない。あれじゃ男女の区別が遠くから見たらつかないじゃない。
「不思議なことを考える人もいるものね…ポケモン解放なんて」
近くでオーベムに餌をあげていた女性トレーナーが呟いた。考え方は人それぞれだろう。だが、その食い違いが時に救いようのない悲劇を生み出すこともある。
祖父を警視長に、叔父を監査官長に持つミドリは、そのことをよく知っていた。

『続いては、イッシュにその名を轟かせるデザイナー、ミドリ・ソラミネの登場です!』
司会の声に、観客席がざわめいた。若い女の声が一番よく聞こえる。服は買ったことが無くても、名前は聞いたことがあるという人間がほとんどだろう。
ジャローダが促した。眼鏡はそのまんま。目まで下げるのは、あるべき時だけでいい。
ステージに上がる。驚きというか、落胆というか。そんな二つの声が混ざり合っている。司会がマイクを渡してきた。スピーチ?何も考えて無いよ。
「こんな子供だと思い、落胆したでしょうか」
ざわめきが止んだ。こんな言葉を吐くなら、眼鏡を下げていいよね…

「ポケモンは道具ではありませんよ、皆さん。そこは百も承知でしょうが、一応お伝えしておきます。
個体値が高ければいいという問題ではありません。本当にポケモンが好きならば、そのポケモンを一生懸命育てるべきではありませんか?
トレーナーが自分勝手なら、ポケモンは簡単に離れていくでしょう。ボールという道具で縛っているだけで、結局はポケモンは人よりずっと強い存在です。その気になれば、このジャローダも私の息の根を止めることだって可能でしょう」
ジャローダが驚いて首を振った。私は笑って彼の頭を撫でる。
「ポケモンと人間が共存していく上で一番大切なのは、信頼です。この時代まで築き上げてきた関係を、これからも崩さないようにしていきたいと、私は思います」
私は礼をした。数秒後、爆発するような拍手が起きた。

その後は待合室から他の人を見ていた。私の次は…ポケモンの義手、義足を作っている人らしい。
「コクトウです」
若い男の人だった。片腕が義手のダゲキを連れている。
「このダゲキは片腕がありません。トレーナーによってそうなってしまったのです。長いこと彼の義手の調整をしてきましたが、人がポケモンに与えた傷は簡単に治るものではありません。
おそらくこのダゲキも、人間をよく思ってはいないでしょう」
待合室から見たダゲキの目は、鋭かった。自分が大勢の人間に見られることを、必死で耐えているような目だ。
「俺はこのダゲキに、お前の腕を失くした人間を許してやってくれとは言いません。ただ、そんな人間もいるけど、ポケモンを大切にするという心の持ち主が少なくとも一人はいるということを、知って欲しいのです。
ここで話を聞いてくれている人達もそうであると、信じています。ありがとうございました」
拍手が沸き起こった。私も気付かないうちに手を叩いていた。この人は、色んなポケモンを見てきたんだ―
何となくそんな気がした。

スピーチが終わってしまうと、何もすることが無い。丁度昼時だったので、屋台を見て回った。オクタン焼き、ポケモンを象ったカステラ、木の実を丸ごと飴に包んだ木の実飴。
その中に見知った顔を見つけた。店の前にはレックウザも真っ青の長い列が並んでいる。店の主人は…
「ユエさん」
「あら、ミドリちゃん!さっきのスピーチ良かったわよ」
GEK1994のユエさんだった。丁度お客にカップに入れたゼクロムを渡していたところだった。どうやら今回限定の商品があるらしい。
「特製カレーパン、ください」
「はい。手持ちポケモンのタイプは?」
「水です」
「はい、分かりました」
後ろには大鍋。美味しそうなカレーがたっぷり入っている。そばにあった白パンにカレーを入れると、ユエさんは小さなボウルに入った青色のペーストを中に入れた。
「それは?」
「これはネコブの実とシーヤの実を混ぜ合わせてペーストにした物よ。連れているポケモンのタイプに合わせてカレーに入れるペーストが違うの」
相変わらずのアイデア精神だ。マグマラシはいないみたいだけど…
「あの子はメラルバと一緒よ。お金渡しておいたから、好きに食べてるわ」
「今日も預けて行かれたんですか」
「ま、これもサービスよね。帰りにゼクロム飲んで行ってくれるし」
その時だった。

「変な言いがかりつけてんじゃねえよ!この時計は俺のなんだよ!」

ステージ近くから罵声が聞こえた。私も含むその場にいた人が一斉に向こうを見る。
「何かしら」
「ちょっと見てきますね」
私はジャローダと一緒に騒ぎのする方へ行ってみた。二人の男が争っている。あれ、片方は…
「だけど、その時計は俺の鞄についてて、ついさっき盗まれて」
「これがアンタのだって証拠でもあんのかよ!名誉毀損で訴えるぞ!」
片方はサーフィンでもやっているのだろうか。この時期にしてはかなり肌が焼けた男だった。もう片方はさっきステージに上がってた人だ。
確か…コクトウさんだっけ?
どちらにしろ、ここまで見てしまったら白黒はっきりつけたいところだ。私は眼鏡を再び目元まで下げた。
「いい加減に…」
「どうなされましたか」
二人の視線がこっちを向いた。うん、こういうのって嫌いじゃない。それにしたって、このサーファーの顔どっかで見たような…
「コイツが俺の時計取ったとかほざくんだよ」
「待ってください。初めからお願いします。コクトウさん」
「え…ああ」
彼が話し始めた。

コクトウさんは話し終わった後、とりあえず食事をしようと思い鞄を下げて人ごみの中を歩いていたらしい。めぼしい物が見つかって並ぼうとした時、ふと財布の中身はどうなっていたかが頭に浮かんだ。もし順番が来てお金が足りなかったらイミが無い。
なので鞄のチャックを開けようと鞄を見たところ、いつも付けているはずの時計が無くなっていた。ご丁寧に鎖がペンチか何かで切られていたそうだ。
慌てて辺りを見回すと、一人の男が自分が鞄に下げていたはずの時計を右手で宙に放り投げているのが見えた。それで声をかけて―
今に至る、らしい。
「なるほど」
「鞄に付けているとはいえ、うちの工房は物を何処かに置き忘れることが出来ないくらい小さな場所なんだ。毎日見てる。だから遠目から見ても絶対間違うはずが無い」
「ふざけんなよ。ったく、何でこんな場所まで来てこんな目に遭わなきゃならねえんだ」
「ふむ…」
ミドリは考える。憧れの名探偵ほどまではいかないけど、これくらいのいざこざなら一人で片付けたい。
「貴方、マリンスポーツをしていますね」
「は」
「この時期にしては肌が黒い。それにその短い髪形。そして」
ミドリは男の着ている服の袖を捲くった。手首より上は、白だ。
「おそらくサーフィンでしょうねえ。ここまで独特な日焼けの跡は同じマリンスポーツでも限られてきますから。
…おや、これは?」
右と左の腕の日焼けを見比べる。右の方が、わずかに白い部分が多い。
「ダイバーズウォッチの跡でしょうか。防水、水圧に耐えられるだけの丈夫さ。水中はもちろん、陸上でも普通に使うことができます。
つまり貴方は、腕時計を愛用していた。ここまで日焼けの跡が残るということは、相当長い間使っていたのでしょう」
「な、なんなんだよ」
「腕時計を愛用しているのに、わざわざチェーン付きの時計を手に持つというのは、いささか妙な気もしますがねえ…」
ミドリの独特な言い回しが癪に障ったらしい。男が吠えた。
「ふざけんなよ!餓鬼だと思ってなめてんじゃねえぞ!」
「もしペンチか何かで切ったとしても、盗られた本人が気付くまで少なくとも数分はかかっています。その間にペンチを捨てることは可能です。探そうにも、この人ごみから見つけることは骨が折れるでしょう。
それだけでは証拠にはなりませんが…やっと思い出せました」
「え」
ミドリは男に向かって言った。

「貴方、窃盗の容疑で指名手配されていますね。サーファーとして肌の色と髪形を変えたつもりでしょうが、その目の色は誤魔化せませんよ」

男が走り出した。懐からナイフを出して振り回す。野次馬がちりぢりになる。
「待ちなさい!」
ミドリは走り出した。あまり走るのは得意ではない。だがそんなこと言ってる場合じゃない。
「あっ」
男が側にいた一人の女性を人質にとった。首にナイフを突きつけている。
「来るな!来たらこの女を刺すぞ!」
「馬鹿なマネはよしなさい!」
ミドリが叫んだ。
「ここで逃げおおせても、貴方の罪が増えるだけです。今はただ必死かもしれない。ですが、罪を重ねれば重ねるほど、貴方の背中にのしかかっていくんですよ。
貴方はそんな人生を歩みたいんですか!自分の自制心すら失ってしまいましたかっ!」
男が怯んだ。と、その時、ミドリはある違和感に気付いた。男に人質にされている女性の首が、下がったままなのだ。茶髪のポニーテール。どこかで見たことがあるような服装。
あれ、この人ってもしかして…
「ねえ?」
ずっと黙っていた女が口を開いた。男が女の顔を見る。
「ああ?」
「今、貴方何処触ってるか分かってる?」
ミドリは少し考えた後、後ろに立っているコクトウの元まで下がった。幸いにも男の周りに人はいない。これなら平気だろう。
「何処って」
男の左腕は、女の胸をぐるりと一周するような形で抱き寄せていた。

「何処触ってんじゃおんどりゃああああああああああああああっ!」

耳を劈くような声が響き渡った。怯んだ男が腕を放した隙に、女が抜け出す。そのまま右拳をみぞおちにヒットさせる。男の体は十メートル近く吹っ飛んだ。
「え、あの、ちょ」
「随分と好き勝手やってくれたじゃない。他人の物盗んどいて、いいがかりつけられた?ふざけんじゃないわよ!」
声を聞きつけたマグマラシとメラルバが寄ってきた。ミドリがボソッと呟く。
「ユエさん…落ち着いてください」
「アンタなんて人間の風上にもおけないわ!ちょっと、誰か鉄パイプ持ってきて!」
「いけません、ユエさん!そんなことしたら貴方も犯罪者になってしまいますよ!マスターの店を守るんでしょう!?」
その場にいた常連客の一人が必死に叫んだ。ユエの動きが止まる。
「マスター…」
「貴方がいなくなったら、あの店はすぐに潰れてしまいますよ!それでいいんですか!?」
しばらくの沈黙。ユエが深呼吸し、そして男ではなく地面に左拳を突き刺した。
少しへこむコンクリ。
「それは…困るわ」
「マスターの珈琲の味を出せるのは、貴方だけなんですよ」
「そうね…ごめんなさい、私が間違ってた」
立ち上がるユエ。体を起き上がらせる男。そして―

「やっぱムカつくけどね」

バシン!という音と共に、男が気絶した。左頬を真っ赤に腫らせて。


男のポケットから、鎖が切れた時計が見つかった。男は警察に連行されていった。
「ありがとう」
「礼にはおよびませんよ」
ミドリが笑った。ずっと部屋に篭っていたからか、色々すっきりした気がする。
「すごいな、君。細かいことに気付くんだ」
「学校では疎まれていますがねえ。私の悪い癖」
眼鏡を額に上げる。いつものスタイルだ。
「じゃ、またね!貴方とは縁がありそう。またすぐに会える気がする」
「なあ、最後にいいか」
「え?」
コクトウが鞄から木彫りのジャローダを出した。
「助けてもらったお礼。君、ジャローダ持ってただろ。よかったら」
「すごーい!ありがとう」
ミドリが頬ずりをした。やはり高校生なのだろう。たとえデザイナーでも、眼鏡をかけることで人格が変わっても、探偵としての素質を供えていても―


その後、二人はちょくちょく行く先々で遭遇することとなる。そしてデコボコの探偵コンビとして警察内にその名を知らしめることになるのは…
まだ、先の話だ。

―――――――――――――――
構想:二週間以上
執筆:五時間ちょっと
備考:土下座

[書いてもいいのよ]
[黄金コンビの誕生なのよ?]

コクトウさんの口調がよく分からないとか…ドウスリャイイノ…


  [No.1295] 珈琲閑話 投稿者:音色   投稿日:2011/06/07(Tue) 23:22:21   60clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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 悪いな、あんな舞台に引きずり出して。借り物の部屋のソファに腰かけて、コクト―は言った。
「まさか、ついたその日にあんなイベントがあるとは思わなかったし」
 わたしが勝手に珈琲を注ぎ始めるのを見て、手を出すまいと思ったのか、申し訳なさそうな声はやんだ。


 指定されたホテルに着き、手紙を出した会社の人物との面会が済んだ直後に、妙な服装の男女に捕まったのがボール越しに見えた。
 あんみつはただ胡散臭そうにそいつらを見ていたが、外に出ようとしなかったのでそれに習う。
 小猿たちとかくざとうは部屋に入れているので心配はなかったが、ちらりとコクト―の顔に嫌悪の表情が走ったのを見た。


 結局、押し切られるような形で連れて来られたその場所は、どうも人とポケモンがやたらといた。
 部屋の隅でわたしのボールに手がかけられ、解放された。

「しろあん、ちょっといいか?」

 話の内容は、まぁ、人に傷つけられたポケモンの見本、というものをしてくれと頼まれたらしい。
 俺は、お前を見せ物になんかしたくないんだけど。
 はっきりとそう言うコクト―は、それでもお人よしで、わたしの溜め息は一つで済んだ。


 人の視線が不快だ。
 そんなにわたしが面白いか。
 コクトーの言葉が会場に響く。
 あぁ、早いところこの場から立ち去りたい。


 そう感じた数分後、コクト―は小さな事件に会うのだが、まぁそれもすぐ解決し。


「あの子、確か有名なデザイナーだったっけ?」
 片手で器用に草蛇の像を彫っている。あげてしまったストックの補充、といったところだろうか。
 
「にしても、ダゲキとコーヒー飲み合いながら雑談するなんて、ちょっと思わなかったな」

 ぎち、と木製の右腕が音を立てる。
 初めて飲んだ時の苦い味を、今は至福の味と見るべきなのか。
 
 慣れてしまった舌は、どうともおもわない。

―――――――――――――――――――――――――――――――――
余談  何書いてるんだ俺。
意味不明すぎるけど、好きだからいいや。

【しろあんの話はいつになったら書けるんだろう】