「というところで、ワタクシ、ゲーチスの演説を終わらせていただきます。ご清聴、感謝いたします」
マントの大きい男が壇上から去って行く。街の人はポケモンを解放するだのしないだの、その内容に混乱していた。今までやってきたポケモンへの接し方、扱い方。聴衆はどよめいた。
「ふふふ、ワタクシの野望が達成される日は近い」
ワタクシは上機嫌でプラズマ団を引き連れて歩く。そして前を行くプラズマ団が声を張り上げた。何かと思えばポケモントレーナーですか。あのようなポケモントレーナーからポケモンを引き離せば、ワタクシだけがポケモンを使える日は近い。そうなれば世界はワタクシのもの。ああ、考えただけでよだれが出て来そうですな。
「そこのお前!ポケモンを解放するのだ!」
持っていたのは、おやおや小さなポケモンですね。まだ初心者なのでしょうか。それならば余計に心に付け入りやすい。何事も信念を持たないものや未熟なものは言うことを聞かせやすいですからね。
「ああ、さっきのやつらか。いいぜ、ポケモンを解放してやるよ!」
随分と素直なトレーナーですね。何を企んで・・・
「そんなゴミみたいな個体値のポケモンなんていくらでもいらねえしな!」
自転車に乗ってどっか行ってしまいました。残されたのは解放されたポケモンなのですが、自転車の消えた方向をずっと見て鳴いてます。タマゴを何個も孵化させて一番いいやつを使う方法ですね。しかし・・・そのようなポケモンを喜んで手放すような人間がいるとは、ワタクシが言うのも何ですが・・・
世も末ですな・・・。
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【かいていいのよ】【好きにしていいのよ】
ゲーチスもびっくりの孵化廃人。
絶対1人や2人はいたはず。