ヒカリ、ヒカリ
「貴方はこんなところにいたいわけじゃないんでしょう?」
ヒカリ
「だったら一緒に行こう。外へ」
私は人々の闇をよく知っている。私は結局は、あの男の手のひらに踊らされただけだったのかもしれない。
あの男によって招かれた少女と少年。
彼らは
光そのものだ。
光があるところには闇がある。それは変えられない事実だ。光そのものが闇を照らし、闇は光があるから生まれる。
ひどく惹かれた。
だが、この身に宿る力を私は忘れてはならない。他の世界、外へとこの身を置いてはならない。
皆が苦しむ。
「なら私がずっとそばにいてあげる」
「一緒に出ようよ、外へさ」
少女が笑い、少年は手を差し出す。
「貴方が悪いことなんて何一つない。だって悪夢は人間なら誰しもが見るんだから。自責の念に駆られる必要はないよ」
少女も手を差し出した。
手を
とってしまった。
せめて三日月の羽を持っておいてほしい。
「君がそう言うのなら」
少女は困ったように笑って私の申し出を受け入れてくれた。
少女と少年と外へ出て、私は少女と共にいることにした。
彼女の仲間達とボールの外で対面した時、正直な所拒絶されるだろうと思った。
それは半分当たっていた。
ボールから出た彼らは初め警戒していた。見たこともなく、感じたことのない力だったからだろう。
しかし、ヒカリが私の事を紹介すると、直ぐにその警戒心は解かれた。彼らは笑顔で宜しくと私に言って来た。
私に。
戸惑った。知らないからそんな表情ができるのだと、その時思っていた。