ある所に、リアガワ ジュウゾウさん(38歳)、通称リアジュウさんがいました。
この人、38歳にも関わらず、妻子どころか彼女も居らず、それはそれは寂しい毎日を過ごしていました。
そして、そのうち、彼氏や彼女がいて満たされている人達、通称リア充のことが憎たらしくて仕方がなくなってしまいました。
ある日、とうとうリアジュウさんは1つのモンスターボールをひっつかみ、リア充がわんさかいる真夏の海へと飛び出していってしまったのです……!
真夏の海、そこは恋人達のランデブースポット。
この日も夏休みの真っ最中だったからか、リア充がそこかしこに居るわけです。彼らのポケモン達もどうやら同じようで、特に水タイプのポケモン達はかなり元気です。
しかし、その楽しそうな彼らの声は、ちょうどそこへ来た男の一声で崩壊するのです……。
「お前らリア充だろう?俺はお前らが憎い!だから爆発しやがれ!」
その声を発していたのは、何とリアジュウさんだったのです!
たちまち海岸はパニックに包まれてしまいました。
さらに、リアジュウさんがモンスターボールを放って出現させたポケモンを見た人達は、ギャアギャアと喚き回ってしまいました!
それもそのはず、リアジュウさんが出したポケモンは、今にも爆発しようとしているマルマインだったからです!
「マルマイン、大爆発!」
リアジュウさんの指示に従って、体内に溜め込んだエネルギーをそこら中に撒き散らそうとするボールポケモン。
カップル達はただ怯えるばかり。
そして、爆発が起きかけたその時!
客の一人がモンスターボールを放って、あるポケモンを出したのです!
そのポケモンの登場で、マルマインの大爆発は……、
「おいマルマイン、何で大爆発しねえんだよ!」
止まってしまいました。
リアジュウさんの怒鳴り声が響きます。
そして、マルマインの大爆発を止めたのは、
隠れ特性“しめりけ”を持った、ぬまうおポケモンのラグラージだったのです!
傍らには、ラグラージのトレーナーと思われる女子大生。
「おっさん最低」
彼女は吐き捨てるように、しかし単刀直入に言いました。
リアジュウさんは、こんな挑発らしき言葉に黙っていられるはずもありませんでした。
「邪魔くさい!マルマイン、電磁浮遊からジャイロボールで気持ち悪いやつを弾け!」
ボールポケモンは電磁力で浮き上がり、さらに高速回転しながらぬまうおポケモンにぶつかりました。
しかし、ラグラージは種族的に力がとても強いポケモンです。難なくマルマインを受け止めてみせました。
ラグラージのトレーナーの指示が飛びます。
「ラグラージ、冷凍パンチ!」
ボゴオッ、と激しい音が起き、マルマインはガチガチに凍ってしまいました。
さらにラグラージは太い腕を振り上げて……、
「とどめのー、」
「やめてくれ、もうしないかr」
「アームハンマー!!」
ズッドォンッ!
リアジュウさんの悲鳴なんてお構い無しに、ラグラージの必殺の打撃攻撃が炸裂し、リアジュウさんは相棒共々、吹き飛ばされたのでありました。
こうして、真夏の海に平和が戻ったのでありました。
めでたし、めでたし。
マコです。
夏です。リア充がわんさかできる季節です。
リアジュウさんは名前のわりに全然リア充じゃないですね。
あんなことされたら迷惑です。
後でちょっとした後日譚でも書こうかと思います。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】
【感想はお手柔らかにお願いします】