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  [No.1928] 青いころのお話 投稿者:マコ   投稿日:2011/09/26(Mon) 05:37:08   19clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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これは、マイコ達の元にポケモンが送られて、暫く経った頃のお話。




マイコが一緒に戦っている男性達と出会った頃、彼女は長く、綺麗な黒髪を持っていた。
それが、ある日、すっぱり切られ、ボブカットになっていた。


「マイコちゃん、どないしたん?イメチェン?」
キザキがそう聞いた所、彼女は、
「うぅ、うっ……、違う、よ……」
泣き出した。更に、驚くべきことを言い出す。
「……、切られた……。」


マイコが話すことは、こうだった。
彼女が黒ずくめをバシバシ倒すという噂が少しずつ立ち始めている大学の中で、マイコは先輩であるレンという男に目をつけられ、パートナー同士のバトルを挑まれた。
そして、レンのパートナーが、マイコのパートナーであるチャオブーにとって相性がすごぶる悪いポケモンであったのも苦戦の要因だったわけだが、それ以上にマイコを傷つけたのは、
「……、裁きの礫」
とんでもない技を使ってきたことだった。
マイコはそのまま負け、レンに髪をバッサリ切られた、ということだ。


「……リベンジマッチは、1週間後って言われた。だから、アイツに勝つために、修行しなきゃ」
「せやけど、そないざんばらな髪やと、可愛くないで。まず、美容院行かんと」
美容院に連れ出された後、少しさっぱりしたマイコは、街中のバトルルームに行き、キザキに相手を頼んだ。


「ミズゴロウ、熱湯をかけて!」
「コイル、ロックオンからの電磁砲!」
「フシギダネはヘドロ爆弾、ムンナはシャドーボール!」
「フタチマルはシェルブレード、ニューラは冷凍パンチ!」
「そうきたんだね。それならチャオブーは諸刃の頭突き、ワシボンは切り裂く攻撃」
「こっちは変化技や!ナックラーは砂嵐、ゴルバットは怪しい光!」
5対5のバトルで、次々代わっていく相手に技の指示をしていく。
終わった後、2人とポケモンが横たわる。
「疲れた……」
「せやけど、レンってこんな感じちゃうかったやろ?もっとキツかったんちゃうん?」
「キツかった。だからもっと修行……って言いたいけど、限界。明日にしようか」


1週間後。
マイコは濃密な修行を行い、見違える程強くなった。
そして大学のバトルルームに、彼女はいた。隣にはキザキがいる。
彼はマイコのリベンジマッチを見たいと自ら志願して行った。
正面にはレン。更に取り巻きが多数。
「レンさん、あの女、懲りずに来やがりましたよ!」
「コテンパンにやっつけちゃいましょうよ、レンさん!」
「今度はそこの男と一緒に坊主にでもしてやろうか、あーっはっはっは!」
レンは傲慢さを見せて笑った。マイコは泣きそうだったが、涙を堪えていた。


「バトルは3対3。全員倒した方の勝ちです。最後のポケモンの自爆行為は禁止です。では始め」
審判の声が響き、マイコもレンもポケモンを出す。


マイコの1匹目は小さな沼魚、ミズゴロウ。レンの1匹目は体が丸っこく、腕の太いヒヒダルマ。
「ヒヒダルマ、アームハンマーで潰せ!」
腕の一振りは、何と熱湯を利用した沼魚の大ジャンプによって回避される。
「うおっ、凄いわ!ようやるな!」
「何てことしてくれてんだ!」
キザキは喜び、レンは狼狽する。
マイコが指示をしていく。
「ミズゴロウ、上から熱湯!」
弱点の攻撃を食らい、堪らずヒヒダルマはダルマモードに移行する。
そしてサイコキネシスで攻めようとするが、ミズゴロウのかけた泥を正面からぶつけられ、ノックアウトされた。


レンの2匹目は水色の海月みたいな♂のプルリル。一方、マイコはフシギダネに次を託す。
「バブル光線!」
「宿り木の種を撒いて!」
プルリルの吐き出す泡を避けつつ、種を背負うとは思えない速さで接近する種ポケモン。
いくつかの種は発芽し、プルリルの動きを制限しつつ体力を奪う。
そのまま蔓のムチで投げ飛ばされた所にタネ爆弾がぶつかり、プルリルもノックアウトされた。完勝である。


「あんた、もう後はないよ」
マイコは静かに言う。
「フッフッフ。それはどうだか」
そして、レンの出したポケモンは……

スターミーだった。


「マイコちゃん、気ぃつけや!どんな技繰り出してくるか分からへんから!」
「分かってる。コイツなの、問題は!」
マイコはそのままフシギダネを続投させる。
そして、レンの口から衝撃的な指示が飛ぶ。


「スターミー、エアロブラスト」


猛烈な風の塊は、それだけでフシギダネをノックアウトさせた。
レンの取り巻きは沸く。
キザキは呆然としていた。
「フシギダネ、大丈夫?ゆっくり休んでて……」
マイコはフシギダネをいたわり、ボールに戻す。
続けて出したのはミズゴロウ。
口から泥爆弾を発射し、スターミーにぶつける。
しかし、そこでまたしてもレンの指示が飛ぶ。
「スターミー、ボルテッカー」
雷をまとったスターミーはミズゴロウを簡単に弾き飛ばし、これでイーブン。
更に沸く取り巻き。
「アイツ、おかしいで!なあ!エアロブラストとかボルテッカーとか!改造とかしてるやろ!」
キザキは審判に叫んでいた。しかし審判は取り合ってくれない。


マイコはチャオブーを出す。相性で負けていても、パートナーなのだ。きっと奇跡を起こせる、と彼女は信じていた。
「チャオブー、まずはニトロチャージ!エンジンかけるよ!」
体を燃え上がらせる火豚ポケモンはやる気充分。
「スターミー、ハイドロカノン。とっとと沈めろ」
突然発射される大水流。
チャオブーはスピードが上がり回避に成功するが、周りがブーイングを起こす。
「お前何でレンさんを勝たせねえんだ!」
「お前ら死んでしまえ」
冷たい言葉ばかりかける取り巻き。
3連続の技の改造疑いが浮上する中で、レンの出した指示は、


「サイコブースト!」


念の光線が発射される。
それをチャオブーは何とか回避する。
「改造してんじゃない?あんた」
「怪しい技が多すぎるで」
2人が言うが、レンは聞く耳を持たない。
「裁きの礫」
更に指示を飛ばす。


チャオブーは回避するがもう体力が限界だ。
マイコの敗色の濃厚さが強くなる。

「お前ら大人しく坊主にしろ!」
そう言い、ハイドロカノンの指示を飛ばすレン。


ちょうど、その時だった。

ピシッ、ピシピシ


皆驚く。スターミーにヒビが入っていく。
そして……


パリーン!!!


粉々に割れた。


「うわああああっ!」
大絶叫するレン。皆言葉を失う。そして彼は言う。
「……すみませんでした。彼女に勝つために、ロケット団から買った非合法な技マシンを使っていました。強い技の代わりに、ポケモンを失うなんて……」



勝負はマイコの反則勝ちとなった。
それから、マイコは皆と共に強くなるのである。




マコです。
改造ダメというメッセージを込めました。
どんな方法でもしてはいけません。
【書いてもいいのよ】
【改造、ダメ、ゼッタイ】