[掲示板へもどる]
一括表示

  [No.1984] 真っ赤なエリートトレーナー 投稿者:いろは四季   《URL》   投稿日:2011/10/12(Wed) 16:11:47   44clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
タグ:TEST1】 【TEST2】 【TEST3】 【TEST4】 【TEST5

「・・・ツバキ! 好きだ! 俺と付き合ってくれっ!!」
 俺の、一世一代の告白。初恋の相手は、俺には到底釣り合いそうもない美人のエリートトレーナー。
『恋? そんなもん当たって砕けなさい!』
 それはもう書ききれないほど色々と世話になった、ミニスカートの彼女からの縁起でもない教えを頂いた時は、内心
『こいつ何てこと言いやがる・・・!』
 とか思ったけど、もうこの際、玉砕でも何でもいい!! 目の前にいる君が!! 好きなんだ!!
 この思いだけでも伝えたいん・・・

バシィ!!

 返ってきたのは言葉じゃなく、やっぱりビンタだった(予想はしてたけど)
 そして近くの木からポッポ、草むらからオニスズメが飛び出して逃げていく。
 なにこのデジャヴ。
 凛とした声で、彼女は言う。
「さん付けは? あと、敬語」
「すみませんツバキさん、ホントすいません。でも、あの、ブーツ痛いです」
 俺は普通の運動靴だよ!
 トレッキング対応可のブーツで踏まれたら激痛だよ!
 しかし彼女――元ミニスカートで、初対面の俺に鼻血が出るほどのグーパンをお見舞いしてくれた『ツバキさん』は、なかなかどうして俺に対して鬼畜極まりない。
「年下のくせに敬語使わないからよ」
「判りましたすみませんごめんなさい!」
 いいから早く踏むのやめてよ! 血が出るよ! マジで!
「反省してるわけ?」
 もう見慣れた絶対零度の視線でツバキさんは俺を見下す(残念ながら、俺はまだツバキさんより身長が低い)
「も、ホントにしてますって! 心の底から反省してます! ごめんなさい!」
 やばい、もう泣くかも・・・
 と思っていたら、ようやく俺の足へのふみつけ攻撃が終わった。
 今やったら絶対逆鱗食らうから、足の手当ては後でしよう。絶対あざできてる。絶対。

 これ以上ないくらい整った顔立ち(目つき除く)、華麗なウェーブが美しい栗色の髪、そしてスタイルは抜群。
 ここだけの話、胸はもうちょっとふくよかでもいいんじゃないかと思う。ぽよんぽよんのおっぱいとか、男の浪漫だよな?あの魅力について語るとしたら、まず(以下略
「で、さっきの寝言は一体何? アンタ、起きたまま寝言言えるわけ?」
 ほら、ひどくね? いくらなんでもひどくね? でも俺、この人好きになっちゃったんだよなぁ・・・・・・
 惚れたモン負けっていうのかな。中身がテッシードみたいでも、好きなことに変わりはないんだよな・・・
 俺もつくづく物好きだとは思う。
 告白されてビンタとブーツで踏み放題なんか返す女の人なんか見たことも聞いたこともないもん、俺。
 この人初対面からぜんぜん変わってないよ・・・・・・。ていうか、変わる気がしないよ・・・・・・。
 いや、別に変わって欲しいわけじゃないけど。むしろそのままのツバキさんが好きなんだけど。

 深く息を吸って、吐いて、俺は今度こそ真剣に言った(開き直った、というのが正しいかもしれない)
「寝言じゃないです、俺、本当にツバキさんが好きです。付き合ってください」
 ツバキさんは、俺の言葉を聞いて更に呆れたようだった。
 が。
「どこが」
「へ?」
 唐突かつ意味が判らない問いに戸惑う間もなく
「私のどこが好きなのか具体的に上げてみなさいよってことよ! この××××!!」
 なんかキレられた! 理不尽だ! っていうか、その最後の一言!!
「ツバキさんそれダメです! 放送禁止用語っていうか、作者困ってますって!」
「作者がなによ! ○○で△△△△な××××が!!
「ツバキさんやm・・・!!


*しばらくお待ちくださいませ
*ツバキが暴走しておりますので、大変危険です
*写真撮影などもご遠慮ください。後々の責任を負いかねます


「お、ちつき・・・・・・ました、か・・・」
 ツバキさんも俺も虫の息で、丈の短い草の上に寝転がっている。
「クソ・・・作者・・・」
「そんなこと言ってると・・・もう書いてもらえないかも知れませんよ・・・」
 あ、ツバキさんが黙った・・・・・・書いてもらいたいんだ・・・・・・。
 こういう、不意打ち気味に可愛いところが好きなんですよ、とか、さらっと言えたらいいのにな・・・。
「・・・・・・よ」
「へ?」
 ボソボソ言われると、作者も俺もよく聞き取れないですツバキさん。
「えっと・・・わた・・・か・・・き・・・ない・・・って・・・か・・・」
「だから、聞き取れないです・・・ツバ――
 その時俺は気付いた。
 俺と顔を合わせないようそっぽを向いたままのツバキさんの耳が真っ赤だってことに。
「すいませんツバキさん、全然聞こえないです。はっきりお願いします」
 俺はどうにかニヤニヤを心の中だけに抑えながら、極めて冷静に問いただす。
 ほらさ、この人さ、全然正直じゃないし、キレると怖いし強暴だし(俺だけ痛いし)、そのくせいつも余裕だし、エリートで、俺なんかバトルでは勝ったことなんて一度もないし、案外世間知らずだし、口も悪いけどさ・・・・・・

ツバキさんは耳を真っ赤にしたまま

「わ、私も! その! アンタ・・・じゃないや・・・カシのこと! 嫌いじゃ・・・ない・・・」

 尻すぼみになったけど、聞こえた。
 でも俺はあえて意地悪してみる。

「意味が判らないです。はっきり言ってください」

 ツバキさんはしばらく、もぞもぞと変な動きをしていたけれど、やがて負けを認めるみたいにこっちを向いた。

「わ・・・たしも、カシのこと・・・す、好き・・・よ・・・」
 あぁ! ちくしょう、可愛いなぁもう!!
 この表情は俺だけのもの。他の誰にも見せてたまるか。
 たまに痛いことされるくらいで、こんな可愛い人嫌いになれるわけがねーよ。
「・・・・・・反則ですよ、それ・・・」
 俺はそう言って、真っ赤なお耳のエリトレさんを抱きしめた。
 ワカバタウンのカシ――つまりは俺だけの、可愛い可愛いエリトレさんを。


Fin.






一応言い訳を……
「おうふくビンタと拳」のこぼれ話? 続編?
いや、私にもよく分からない作品なんですが
出来心です
ラブコメが書きたかったんです!
活字で糖度100%くらいのやつを!
ポケモンほとんど関係ないですが(出てこないし)
最近、私の中でショボーンな出来事が結構あったので自己満足してます

明日から頑張る。


【描いてもいいのよ】
【でも描いたら危ないかもよ】
【批評していいのよ】