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  [No.2066] 責任はどこにある 投稿者:きとら   《URL》   投稿日:2011/11/14(Mon) 23:20:05   39clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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「おい何やってんだ。俺が火の粉つったら火の粉出せばいいんだよ。ひっかくなんて技命令すらしてねえぞ」
 ハクタイの森にいた時のことでした。倒れたケムッソの前にいるヒコザルのあっし。そして振り向いたあっしの前に仁王立ちしているのは……あっしのトレーナーなんす。シンジ湖で出会ってというもの、ずっとこの調子で……。
 これでもあっしの攻撃力は弱く無いんでさ!それなのに、このコウキっちゅートレーナーは、あっしの本領を無視して特殊攻撃ばかり命令するんでさあ。いつも戦わないであっしの後ろで命令してるだけのいい御身分だというのに、物凄い偉そうなのも特徴で……。
 ああ、一緒にもらわれたポッチャマのマゼランや、ナエトルのモエギがうらやましい!! マゼランなんてジュンっていう自分のトレーナーを従わせてるし、モエギはヒカリっていう、物凄く優しい女の子に貰われてるし!! 世の中不公平というのはこういうことを言うんすね、本当に。
「聞いてんのかエンゴ。お前のトレーナーは俺なんだ。俺の言うことを聞け」
 なんでこんなポケモンに偉そうに出来るのかあっしはすっごく不思議です! 
「だって、コウキはそうやって……」
「んだと? お前が命令を無視してひっかいた相手はケムッソだったよな。ケムッソといったら、毒針を持つ厄介な虫だ。お前がそれに刺されて毒を食らって、誰が治療すんだ? 言ってみろ」
「あ、あっしが……」
「じゃあお前は毒になっても俺に頼らないんだな? 死にそうになってもポケモンセンターに連れていかなくていいんだな? 腹が減っても無視しておいていいんだな!?」
 まくしたてられて、あっしはぐぅの音も出ませんでした。
 
 いつもこんな時、ジュンはどこかにいませんが、ヒカリはコウキをなだめる役ですんで。
「コウキ君、ポケモンと人は同じですよ。あんまり責めたらかわいそうです」
「ヒカリは甘いんだよ。こいつらと同じなわけがない。戦いの場を全体としてとらえることが出来ない割には、自分勝手に戦いたがる。ポケモン様じゃねえんだ、エンゴはこれくらいしないと解らないんだよ」
 余計に反撃されてしまいました。あっしのことでヒカリがあんなに責められるのは本当に申し訳なく思ってますだ……。モエギがいつも頭の双葉を振ってるのも本当に申し訳なく……。
 ああ、コウキの視線が怖いです……。あっしにはオレンの実一個なのに、仲良しな相棒とも言えるクロバットには3個です。はぁ……いや、彼は強いんです。それは認めます。ですが、納得いきません。
「なんで、今日主に戦ったあっしがオレンの実一個なんですか!?」
「お前の体格がオレンの実一個分のエネルギーだから。文句あるのか?」
「ぐぐぐぐ……コウキはいつもそうやって、あっしのことバカにして! 今日こそ今までの恨み、思い知れェェっ!!!!」
 あっしは飛び掛かりました。この素早い動きについてこれたものなんかいません! マゼランだって、モエギだってあっしの素早さにはついてこれなかった! お前のその顔、ひっかいて泣かしてやる!
 
 ヒコザルの ひっかく!
 しかし そのまえに コウキの ばくれつパンチ!
 リーチが ながい ぶん ヒコザルの こうげきは はずれた!

 あっしは顔に今までにない衝撃を受けて吹っ飛びました。それは見事なまでにボールのように吹き飛んだんです。近くの木に当たって、あっしの体は地面に落ちました。頭から落ちて、目から星が出ました。
「俺に逆らうのはいいが、てめえの頭じゃまず勝てないことを知れ」
「う……ううっ……コウキなんか、コウキなんか大嫌いだあ!!!」
 あっしは頭がふらつくのも構わずにハクタイの森の奥に走りました。
「コウキ君!? エンゴが……」
「かまわねえ。腹が減ったら戻ってくるだろ」
 追いかける気配すらありませんでした。むしろ耳がいいために遠くのコウキとヒカリの会話が聞こえてしまうのがうっとうしかったです。
 
 ふらつくからあんまり走れなかったと思います。けど、もうコウキとヒカリの声も聞こえませんでした。あっしは初めて自由というものになったのだと思ったんです。頭はふらふらしてましたが、一人になって見る景色は物凄い広く見えました。心細いとかそんなこと思ったことありません。むしろあのポケモンを大事にも思ってないコウキから自由になったんです。あっしは嬉しくて仕方ありませんでした。
 食べ損ねたオレンの実が成ってます。他にも見た事ない木の実がいっぱいです。
 葉っぱの裏にさっきと同じケムッソがいるっすなあ。毒針なんて……うお、こっちを威嚇してきたやんす。危ない危ない。
 自由を満喫するっていうのは悪くないっすなあ。マゼラン、モエギ、悪いけれどあっしは一足早く消えるっす!!

「こんなところにヒコザル? 珍しいな、ワレワレが所持してこそ相応しい」
 首根っこを持ち上げられてあっしは暴れました。そういえばコトブキシティで見た宇宙人のような集団に似てます。ヤバい、ヤバいっす。頭がふらふらして思うように動けません。あっという間に、あっしは身動きが取れない状態にされました。


 檻の中に乱暴に投げ入れられたかと思うと、また頭を打ちました。石頭なのが幸いして、たんこぶ程度ですみましたが、痛いのは事実です。しばらくそこでうずくまってると、他の何かの息づかいが聞こえました。音の高さからいって、あっしを飲み込むような猛獣では無さそうですが、目をこらしてみてみました。
「おさるさんだれ?」
 かわいらしいブイゼルがそこにいました。そして他にもたくさんのポケモン。
「怖いよ、ここどこ? どうなっちゃうの?」
「それはあっしも聞きたいですが……」
 鉄の格子はあっしの力でもびくともしませんでした。何度もたたきましたが、あっしの手が痛くなる一方で。
 他のポケモンたちが不安で泣き出しました。元の主人のところに帰りたいって。
「あっしは……」
 あの悪魔のようなコウキを思い出しました。決して帰りたいなんて思いません! 思いませんっ!!!!
「コウキ……」
 今さら気付きました。コウキはこんな酷いことしません。後ろで指示を出して、言うことを聞かないと怒るけれど、ご飯をくれなかったことはないし、傷薬だってちゃんとくれました。
 あっしはなんてことをしてしまったんでしょう。ポケモンと人は同じだと教えられ、それと少しでも違うコウキが受け入れられなかった。あっしの判断で戦ったら何にも勝てなかった。それよりもこんなところに閉じ込められて、いつ出してくれるとも解らない檻であっしはコウキに申し訳なくなりました。


「こんな3日もいなくなるなんて」
 あいつまじ許すまじ。俺にこんな手間をかけさせやがって。ハクタイの森から姿を消してから3日。
「コウキ」
 ヒカリの足元にいるモエギが話しかけてくる。
「にらまないでよ。エンゴのやんちゃぷりからして、あの洋館も探すべきだと思う」
 モエギの言うことも一理ある。ハクタイの森に隠れるかのようにある洋館は気になってはいたが。先に他のポケモンたちを休ませたかったのでハクタイシティに来てしまったのは間違いだったか。どんなに考えても、行きそうなところは思いつかない。
 羽音が聞こえる。ほぼふつうの人間には聞こえないクロバットの羽音。アキが帰ってきた。偵察に行かせたはいいが、何もつかめなかったと言う。ただ、面白い話は聞かせてくれた。
「ギンガ団がいる」
「どんな?」
「解らない。けど、ハクタイシティで謎のポケモン誘拐事件が起きてるみたい。エンゴも巻き込まれたのかもしれない」
「そうか。ヒカリ。ジュンを呼ぶから、終わるまで一緒にいてくれ」
 というかあいつもあいつで今どこにいるんだか解らん。なんで俺の周りは所在不明ばっかりなんだ全く。
「私も一緒に行きます!」
「ダメだ。エンゴを取り返しにいって、ヒカリをとられたら意味がない。ジュンは素早さの威力バカだから逃げるには申し分ない。行くぞアキ!」
 まだ寒いのに走らせやがって。本当にあいつ戻ってきたらタダじゃおかねえ。


「おい、出ろ」
 宇宙人みたいな人間たちがあっしたちの檻をあけました。出れるのかと思って近寄るポケモンはいません。みんな怖がって檻の奥へといってしまいました。
「ポケモンごときが。ワレワレに逆らえると思うのか」
 人間が檻を蹴りました。大きな音が響いて、ますます怖がって出れなくなりました。
「思い知るがいい」
 あっしをつかみました。そして思いっきり床に叩き付けたんです。あっしは身軽なんでなんとか足から着地しましたが、他のポケモンだったら頭から思いっきりいってます。容赦ない暴力が、本当にポケモンを従えようなんて思う人間のすることじゃありません!
「そのヒコザルは俺のだ返せ」
 妖しい人間の後ろに、仁王立ちしているのは期待は裏切らなかったです。
「誰だお前は……お前がコウキか!」
「残念だな。俺がコウキだよ! そんでそのヒコザルが俺のだったことが運のつきだ!」
 コウキの爆裂パンチが人間の顎をとらえました。他人事ですが、痛そうです……
「コウキぃ!!」
 あっしは嬉しくて思わずコウキに飛び込みました。そして今までのことを詫びようとしてコウキと目をあわせた瞬間。
「遅い」
 頭にいわくだきを食らいました。大きな拳があっしに突き刺さりました。爆裂パンチより痛くてあっしはその場でうずくまりました。
「手間かけさせやがって。だから人の言うことは聞けっつっただろ!」
 コウキの怒鳴り声が頭にぐわんぐわん響きました。もうその通りすぎて、あっしは言い返すこともできません。
「汚名返上の場面をやる。エンゴ、お前の火でこいつらを片付けるぞ」
 コウキに言われて振り返ったのは、変な人間がたくさん、しかもみなコウキより凶暴そうです。あっしは頷くと、コウキの指令と共に駆け出しました。



ーーーーーーーーー
シンオウなう
こうだったらいいな、第2弾。
チャットにて鬼畜鬼畜いわれたコウキはこんな感じであろう。

あとこれは余談ですが、仕事(ある目標を達成するためにやること)をする時、リーダーと下っ端に別れますが、どちらも大変です。
でもどちらかというと下っ端のが楽。
なぜなら、全責任をリーダーが負うので、下っ端はリーダーの指示に従えばいいのです。下っ端も考えないといけませんが、リーダーの比ではありません。
エンゴの言う通り、後ろから指示だせばいいと思って、と思っていた下っ端時代。めっちゃ甘えてました。そんな意味もこめて
【好きにしてください】


  [No.2068] コウキ君まじ鬼畜 投稿者:No.017   投稿日:2011/11/15(Tue) 18:32:21   22clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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コウキ君まじ鬼畜wwww
私の中のさわやかな主人公像が破壊されたよ。

ヒコザルってあっしが似合うなぁ。
ちょっとおじさんぽいけど。


  [No.2072] だってコウキは 投稿者:きとら   《URL》   投稿日:2011/11/16(Wed) 21:39:54   26clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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ダイヤで始めたとき、コウキにしたんですが、やつの後ろ姿は不敵に微笑んでますよ(そう見えるだけ)
それに、ダイパ出る前の新しいのが、ファイアリーフだったのもあって、どうみても、ファイアリーフの主人公に似てるし。どちらも。
だから、レッド二号だと思っていたのは内緒。


ヒコザルは、「オッス、オラ(当局にスナイプされました)」でも似合いますね。
なんにせよ、標準語ではない、少しくだけた言い方が似合います。