出発前日――
私達が今回行くのはオルカの父方の実家、行くメンバーはリーダー、ナイト、サワン、ティラにカゲマル、そして私レッセ。
実家は、とある島の山の中だそうよ。だいだい船で二時間、車で一時間ですって。どんな所なのか、今から楽しみよ♪
一日目――
都合により夜に出発して深夜に実家に着いたから眠かった…。
そのままみんなでグースカ寝ちゃったんだけれど、起きたのは朝の六時。蝉の合唱に起こされたわ。なんだかオルカの家の周りにいるのより、はるかに数も種類も多いのよね。ミンミンって鳴くやつはたまに家にもいるけど、オーシツクツクって鳴くのは初めて聞いたわ。
昼間はオルカもみんなもだらだらしてたわ。時間の流れがゆっくりで、いつもの賑やかさはどこへやらよ。みんなも寝不足だったみたい。
夕方は、お墓へご先祖様を迎えに行ったの。お墓は、実家から歩いてすぐ近く。オルカは慣れてるみたいなんだけど、私達は毛が逆立ちっぱなしだったわ。あと、あそこにいる山蟻が強烈! 噛まれると物凄い痛かったわ。サイズもやけにでかいし。
カナカナカナって、あれも蝉なのかしら? ちょっと不気味で、雰囲気的にけっこう怖かったの…。
この地域の風習では、お盆にお墓参りをする時、墓石に水をかけてからハスの葉をかぶせるのね。ティラがそれを見て、ふざけて余った葉を一枚頭にのっけてたわ…。ハスの葉をかぶったゾロアーク、皆さんのご想像におまかせするわね。
二日目――
今朝も蝉の大合唱で起床よ。実家は山の中にあって広いから、比較的一日中風が通って涼しいけど、唯一暑苦しいものと言ったらこれね。でも、一日中聞いてるとだんだん気にならなくなってくるの。慣れって怖いわ。
空気もおいしいし動けるスペースも沢山あるからいいんだけど、オルカは虫が苦手で困るみたい。
夜になってから、部屋にガガンボ二匹と羽虫が入ってきて、パニックになったオルカがアースジェ●トを部屋に撒き散らしたの。おかげでナイトとカゲマルが半死半生になっちゃって大変だったわ。後でリーダーが久しぶりにメガホーンを一発、ぶち込んでたわね。
虫が苦手なくせにパーティに虫タイプが多いのよね。オルカの趣味って本当理解できないわ…。
三日目――
今日は網戸の張替えをしたわ(っていってもオルカが)。この家って、スズメバチと昔から暮らしてるんですって、すごいわね。
軒下とかを見ると、人の頭二つ分くらいのでっかい巣が三つくらいもあったわ。今回は、二回の軒下に新しく巣を作り出したから、お互い共存するために珍しくオルカが一生懸命やってたわ。多分羽虫とかが入らないようにってのもあるわね。すぐそこで騎士と忍者が複雑そうな顔をしてたけど、気にしない。
夕方になって、オルカが外出しちゃったから我らポケモンはフリーダム! 何かしようか? ってことで肝試しをやったの。
驚かし役はもちろんティラで、まあ、暗くなった家の周りや庭をふざけまわるだけだったの。それで済めばよかったんだけど…。
オルカは、たらふく食って幸せ〜って顔で帰ってきたわ。
その晩のこと…。
みんなとうに寝静まったころ、サワンが急に叫び声をあげたの。何事!? と思ってみんな飛び起きたわ。すると…
部屋に、青白い人魂が一つ、浮いていたのよ。
その人魂は徐々に大きくなっていって、やがて男の人の姿に…。
私達全員、絶叫したわ。
それから先は、よく覚えてないの。ただ、オルカだけは気付かぬ様子ですやすやと眠ってたのよね。
最終日――
今朝は昨晩のことのせいで、オルカ以外寝不足よ。オルカは『どうしたの?』って、本当に気付いてなかった様子で聞いてきたわ。みんな、黙って首を振るだけだったけどね。
夜に、また船に乗って家に帰らなきゃ。けっこういい所だったから、ちょっと残念だわ。
帰りの船で、寝不足のせいでみんな気持ち悪そうだったの。リーダーなんて、途中で夜の海に飛び込んで、そのまま船の跡について泳いできたのよ。
『やっぱり泳いだ方が気分もいいな』って、リーダーすごすぎね…。
まとめ――
・ティラとナイトは、そうめん食べるときに七味唐辛子を入れすぎ
・リーダーとカゲマルと私は、甘いお菓子を食べすぎ。体重が…
・サワン、クーラーに当たりすぎて少々夏バテ気味
・オルカは勉強しなさい!
【何をしてもいいのよ】
【夏休み明けにテストがあるのよ】