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  [No.2026] ダイゴさんとハルカちゃん。 投稿者:きとら   《URL》   投稿日:2011/10/28(Fri) 23:16:29   32clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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「そうなんです!私のお父さんはジムリーダーで、私もお父さんを尊敬してます!」
 嬉しそうに家族のことを話す女の子がいた。今までたくさんの大人にこの話をしてきたが、いずれもお父さんと仲いいのねとかいいことだねと言ってくれていた。
 だから同じ反応を求めていた。自然と。気付かないうちに。
「ふーん。あっそう。まあ、ジムリーダーなんて名前だけでしょ」
 その場の空気は凍り付いた。


 不機嫌な足音がする。その持ち主を特定するには時間はかからない。
 それが聞こえた時、彼の心臓は止まりそうだった。今やっているポケモン図鑑をまとめる作業に集中し、なるべく気付かないフリをする。
「ねえちょっとユウキぃ!」
 その不機嫌な足音は部屋に入ってきてユウキの後ろに立つ。これは特大に機嫌が悪い。なるべくユウキは自分に降り掛からないように空気を読むモード最大に入る。
「なんなのあのダイゴとかいう嫌味なトサカ頭!まじうぜえし!」
「う、うん知ってるよハルカ……」
「つーかあいつまじいつか殺す」
 ハルカの目は言っていた。もうそれだけで怒りに満ちている。その後に続く今日の嫌なことが予想できすぎてユウキは心の電源を半分オフにした。
「殺すって、穏やかじゃないよハルカ……なんでそんなダイゴさんが絡むとかわっt……」
「んだとコラ」
「ひいいっ」
 目で殺す。視線だけで殺される。ユウキの心臓が大爆発寸前のマルマインのよう。
「お前もボーマンダの餌がいいかああん?」
 いじめっこがカツアゲしてるかのような二人。むしろユウキは巻き込まれただけなのだが。もう心の電源は全てオフモードになった。全てハルカの気の済むまで黙ってることを決意する。
 その後もハルカのマシンガンどころかロケット弾のような話は続く。
 ダイゴもダイゴで、ハルカに嫌われてることなど百も承知。けれどうっかりとか偶然とかで会ってしまったら、彼女にしつこく話しかけるのも悪い。ハルカの表情は一切かわらないのに、ダイゴはずっとにこにこ話し続けていた。
 そして1年のうちに何度かクリスマスとかバレンタインとかホワイトデーとかそういう行事があったときなんて大変だ。特に去年は……。

「やあ、ハルカちゃん。」
 さわやかな笑顔で近付いて来る。それに対し、ハルカの表情は一切変わらない。にこりともせず、ダイゴを見た。
「はい、これプレゼント」
「は?」
 ハルカが受け取ったのは、白い紙袋。なぜこんな唐突に?と問う前に、ダイゴは語る。
「今日はホワイトデーだったよね。」
「私、ダイゴさんにバレンタインあげてませんけど」
 悪魔で冷たく返す。この人のそういうところが嫌い。こういう嫌味みたいな絡み方をしてくるダイゴがまじで嫌い。
「いいのいいの。僕があげたいからあげるんだから」
「え?え?もらう理由がありませんからいりません」
 そういうダイゴは何が面白いのか、困るハルカを見て笑っている。嫌いな人に物を押し付けられ、ハルカもどうしようか迷った。が。
「いりません」
 ハルカは紙袋をダイゴに投げ付け、回れ右をしたかと思うと自転車であっという間に遠くへと行ってしまった。
「やれやれ、嫌われたもんだ。」
 足下に落ちた袋を拾い、砂を払う。小さくなっていくハルカの背中を見つめてダイゴは「大成功」とばかりに笑いを堪えていた。


「・・・だからいい加減ハルカをからかうのやめた方がいいですって。そのうち殺されますよ?」
「だってだって、1000円ちょっとで、こんな面白いもの見られるんだもの、映画見るより払う価値あるって。」
 ハルカに拒否されたことを、自慢気にユウキに話す。ユウキもなぜダイゴがここまでハルカに嫌がらせしているのかを知ってるようになってしまった。
「いやだからですね・・・。」
「だってかわいい後輩だよ!?ハルカちゃんも『ありがとうございます』って笑顔で受け取ってゴミ箱にぶち込むくらいのかわし方できないしさー!!!まあ、それやられたら僕が面白くなくて次から何もしないだけだし。そっちの方がまわりの見ている人の印象もいいのに、なんでできないのかなー。本当にあの子面白くて。」
「いやだから・・・。」
「別に僕はハルカちゃんに後輩以上の可愛がりはしてないし、それ以外、特別には思ってないし。だからね、僕に本気で突っかかって来るのがおかしいんだって。勝てるはずないのにねー!」
 その被害は全てユウキが被っていることを、ダイゴは全て知っている。はた迷惑な後輩いじりに、ユウキも返す言葉がなかった。



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※実話です
※実話です
※大事なことなので二度いいました。

こういうバトルは、端からみてるとかなり面白いです。ごめんなさい。
萌えたいからダイゴさん書くといって、こんなのしか浮かびませんでした。ごめんなさい。萌えません。むしろダイゴさん酷すぎる。
ダイゴさんのセリフは言い放った人の言葉そのままです。まじです。
「ジムリーダーなんて名前だけ」の意味がハルカは多分子供だから解らないんです。
意味が解った人は挙手!
【好きにしてください】