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  [No.1366] 最近、サンダーさん来ないね 投稿者:茶色   投稿日:2011/06/25(Sat) 19:05:34   103clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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フリーザー「最近、サンダーさん来ないね」

ファイヤー「そうだね。すっかりぼくたちも忘れ去られたけど、友達から忘れられるのは悲しいね」
フリーザー「そうだよね。忘れられたよね。昔は“こころのめ”と“ぜったいれいど”で引っ張りだこだったんだけど」
ファイヤー「君はまだましだよ。ぼくなんてあんまり使ってもらえた記憶ないし、おうちを2回も勝手に変えられたし。その上忘れられるなんてさんざんだよ」
フリーザー「君は最初から不遇だったよねぇ、」
ファイヤー「みなま言うな。みなまで言うな。言いたまうな」
フリーザー「でも、実際はぼくはフロンティアくらいでしか使われていないなぁ」
ファイヤー「逆にぼくは“だいもんじ”や“ソーラービーム”とか覚えてさ」
フリーザー「あれ? 何かぼくは最初が良いだけだ」
ファイヤー「サポートが必要だからだろうね。上級者じゃないと中々扱いにくい」
フリーザー「ヴィジュアルには自信あるんだけどなぁ」
ファイヤー「スケッチすれば美しく、デフォルメすればかわいらしく。羨ましいよ」
フリーザー「ファイヤー君、設定は温かくて良いと思うよ」
ファイヤー「それってヴィジュアルはいまいちって言っているようなものじゃないかなぁ」
フリーザー「そうじゃなくてさ、シンプルなんだよ。大型鳥ポケのベースって感じでさ、可愛いとかそういう評価は駄目だと思うんだ。唯一神なんだよ」
ファイヤー「皮肉を言われている気がする。サンダーさんみたいにトゲトゲもしていないし、君みたいに雅でもないって言われているってことでしょ」

フリーザー「まあでもサンダーさん来ないってことはさ、用事があるってことだよね。むじんはつでんしょが無くなったときはほんとに困ってたけど良いことだよね」
ファイヤー「ぼくたちのおうちに泊めたりね。誰も知らない幕間劇だよね」
フリーザー「うん。初代伝説同士、困ったときは助け合ってきたよね」
ファイヤー「ぼくたちはほんとに良い友達だと思う」
フリーザー「そうだね」
ファイヤー「ポケモンでもさ、最近は『じゆう』が欲しいってやつがいるけど、それだけじゃ足りないかもしれないんだよね」
フリーザー「難しいことは分からないけど、百獣の王だって一人で生きるのは難しい。それくらいは当たり前のことなんだ」
ファイヤー「でもさ」
フリーザー「ん?」
ファイヤー「ぼくたちって割と気ままだよね」
フリーザー「あははは、そうだね。こんなこと言っても説得力ないや」
ファイヤー「こんな気ままでいられるのも暇だからだけどね」
フリーザー「どうだろう。サンダーさんお仕事あっても気付いたら遊びに来てた」
ファイヤー「あの頃はみんな忙しかったから。ぼくだって色んなところに行ったんだよ」
フリーザー「忙しいから時間が経つのも早かったからってこと?」
ファイヤー「そういうことだね」
フリーザー「言われてみればそうかも。あの頃は毎日が矢の如しだった」
ファイヤー「シンオウに行ったりホウエンに行ったり。でもまだイッシュには行っていないんだよなぁ」
フリーザー「分かる分かる。遠いもんねー」
ファイヤー「君はどこに行ったの?」
フリーザー「ファイヤー君とそんなに変わらないよ。でもホウエンに行った時はちょっと参ったかなぁ。暑いし、だからといって雪山作るわけにもいかないし」
ファイヤー「分かる分かる。ぼくもシンオウに行った時はいつもくたくただった。たとえば山登った時、雪を融かして雪崩れ起こすわけにもいかないしさ。気を遣った」
フリーザー「ファイヤー君とぼくとが一緒にいれるのはカントーかジョウトくらいってことかぁ」
ファイヤー「そうだね。気候もそうだし、気質もそうだよ」
フリーザー「気質?」
ファイヤー「ポケモンとか人とか、動植物とか色々」
フリーザー「ふぅん。でも寒い所の方が君が来るのを待っているんだけどね」
ファイヤー「それは承知しているんだけどね。喜んでくれてぼくも嬉しいんだけど、どうも、駄目なんだ」
フリーザー「んー、ぼくも暑い所の気質ってのは不慣れなのはあるけど」
ファイヤー「ホウエンの平地とかにさ、君がたまに来るとね、喜ぶんだよみんな」
フリーザー「もちろん知っているよ。だから行くけどさ、ここはぼくの居場所じゃないって思う。ぼくは喜ばれて良いとは思っていない」
ファイヤー「君は優しいよ。優しくていて、それでいてやっぱり怖いんだ。そういうことだよね」
フリーザー「うん。ぼくは怖くちゃいけないんだよ。ファイヤー君もそうだよね」
ファイヤー「ぼくの方はほら、エンテイ君がいるから」
フリーザー「やっていることが違うでしょう。エンテイ君は噴火は起こすけど春は呼ばない」
ファイヤー「ちぇ、君は厳しいな。冬のようだよ」
フリーザー「冬だもん」
ファイヤー「冬過ぎて春来るらし。ぼくを見習うべきだね」
フリーザー「春過ぎて夏来るらし、でしょ」
ファイヤー「春も夏も一緒だよ。ぼくが過ぎれば夏になる」
フリーザー「春に動き始めて君が元気になれば夏になる。その間ぼくは休んで、君が疲れてきた頃にぼくがまた顔を出す。それで秋になり、やがて君が休んで冬になる」
ファイヤー「うん。そうやってずっとやってきた」
フリーザー「毎年やっているからね。みんなぼくたちのことは覚えている」
ファイヤー「忘れたくてもじわじわ攻めるからね」
フリーザー「あははは」

ファイヤー「ぼくたちこれまでも、これからもこうあるんだよね」
フリーザー「ぼくたち以外にもこういうことは色々あるけど」
ファイヤー「うん」
フリーザー「そういうのも含めて、ぼくたちのことを忘れてほんとに良いのか、ちょっと問いたいね」
ファイヤー「どういう意味で?」
フリーザー「色んな意味で」
ファイヤー「色んな意味で、か。むつかしいね」
フリーザー「どうして?」
ファイヤー「忘れることだって、大事なことだから」
フリーザー「世界は有限だから?」
ファイヤー「世界は有限だから」
フリーザー「有限だから良いこともあるんだけどね」
ファイヤー「ジレンマだね」
フリーザー「じゃあ、無限なものがあるとすれば何があるんだろう」
ファイヤー「有限を突破するという意味で?」
フリーザー「うん。無限にしなくても良い、有限を1から2に拡げるために」
ファイヤー「想像、じゃないかな」
フリーザー「想像、ね」
ファイヤー「一番良い例は精神だよ。有限の精神も、その中にある無限の想像力でいくらでも拡げられる」
フリーザー「でもそれってさ」
ファイヤー「うん?」
フリーザー「想像のベースが必要だよね」
ファイヤー「時間と接触、興味と恐怖」
フリーザー「そのあたり」
ファイヤー「でも、やっぱり入るのかな、忘れることも」
フリーザー「想像は無限でも頭は有限だからね」
ファイヤー「参ったな」
フリーザー「それに誰しも、“自分だけは”と心の奥底で思っている。誰しも災難には遭うし、誰しもその内、死ぬ」
ファイヤー「全てが全てじゃないだろうけど、そうしないと精神を保てないから」
フリーザー「純然たる事実を忘れることて保たれる精神。その精神で無限の想像を得る」
ファイヤー「どんな結果が待っているかは、まあみんなその内分かることなんだよね」
フリーザー「分かったときには大概、手遅れだけど」
ファイヤー「手遅れだね」
フリーザー「過信は破局を招く。破局を免れるためには破局を読み取って動くしかない。でも精神は、本質的にそれを嫌う」
ファイヤー「想像が精神に依存することの最大の問題点ってわけだ」
フリーザー「もちろん、するかしないかを別にすれば、想像することは出来るわけだけど」
ファイヤー「それにしても、サンダーさん来ないね」

フリーザー「来ないね。久しぶりに三鳥で飛び回りたいんだけどなぁ」
ファイヤー「あの人のことだからどこかで良い雲を見つけて暴れているのかもしれないけど」
フリーザー「ありうるね。大いにありうる」
ファイヤー「雲を減らしておけば良かったかな」
フリーザー「ちょっと暴れて来てもらうくらいが良いんだけどね。そうでないと、むじんはつでんしょが無くなってからあの人、びりびりしているから」
ファイヤー「うん。こっちは鳥だっていうのにね」
フリーザー「あの人も鳥だから、鳥が電気に弱いってちょっと認識が足りないんだよ」
ファイヤー「君も氷で攻撃すれば良いのに」
フリーザー「そりゃあ、ぼくとあの人じゃ相性で五分五分だけどさ」
ファイヤー「うん?」
フリーザー「ファイヤー君が仲裁に入っても、炎にはサンダーさんよりぼくの方が弱いんだから。ぼくが損するだけだよ」
ファイヤー「それもそうか」
フリーザー「喧嘩はあまりしたくないしね」
ファイヤー「ドードーがどうしてそらをとべるのか、口喧嘩してからずっと喧嘩してないなぁ」
フリーザー「何年前の話なんだろう」
ファイヤー「“ねこにこばん”はどうしてお金が出るんだろうとかね」
フリーザー「あったあった、そのお金は本当に使えるか試したいってサンダーさんが言っていた」
ファイヤー「人間じゃなくて、鳥なのに」
フリーザー「鳥なのにねぇ」
ファイヤー「鳥、といえばさ」
フリーザー「うん?」
ファイヤー「最近、カントー飛んでると夜暗いよね」
フリーザー「色々大変そうだよね」
ファイヤー「うん」

フリーザー「思うんだけどさ、どうしてぼくたちって忘れられたんだろう」
ファイヤー「色んなポケモンがいるからだろうね」
フリーザー「色んなポケモンがいるから、ね。その通りなんだろうけど、」
ファイヤー「どうしたの?」
フリーザー「何かを忘れて、何かを覚える。それは良いんだ」
ファイヤー「その意味が何か、ってこと?」
フリーザー「うん。忘れるのは自然なことだけど、何かを覚えることは選ぶことだ。どうしてぼくたちは選ばれなかったのか、その意味が何かなと思って」
ファイヤー「新しい何かがぼくたちより優れていたんだろうね」
フリーザー「でもどこまで優れていたんだろうかとは思う」
ファイヤー「どういうこと?」
フリーザー「大した意味はないんだ。でもね、選ぶことは独立していないといけないんだ。その判断に本当に必要なことだけを抽出して選び取らないといけないだ」
ファイヤー「ぼくたちは、ぼくたちの評価だけで選ばれなかったわけではないってこと?」
フリーザー「可能性としてはあるでしょう? ほんとのことをいえば、その評価さえも可変的なものだ。その上で、選ばれなかった意味はどこにあるんだろう、ってね」
ファイヤー「ぼくには分からないなぁ」
フリーザー「ぼくにも分からない。でもさっきからそればっかり考えている」
ファイヤー「想像は無限だから」
フリーザー「うん。時間だけはあるからね」
ファイヤー「時間があると君も理屈っぽくなるんだね」
フリーザー「どういう意味?」
ファイヤー「君のヴィジュアルで哲学するなんて、聞いている方からすれば怖い先生に怒られているように見える」
フリーザー「ひどいなぁ」
ファイヤー「そんなんだから、ふたごじまから引っ越しせずにすんでいるのかもしれないけどね」
フリーザー「ファイヤー君は、口車に乗りやすいから引っ越したの?」
ファイヤー「少なくとも、そんな毒舌をはかないってことは間違いないなぁ」
フリーザー「そうだったかなぁ」
ファイヤー「そうだったよ」
フリーザー「あ」
ファイヤー「うん?」
フリーザー「聞こえなかった?」
ファイヤー「サンダーさん?」
フリーザー「うん」
ファイヤー「でもあの人、最近はぼくたちがびりびりしないように、先に1発雷落とすけど」
フリーザー「それはないけど、聞こえたんだ」
ファイヤー「聞こえなかったな」
フリーザー「本当だよ」
ファイヤー「……本当だね」

フリーザー「サンダーさん、お久しぶり」
ファイヤー「随分顔見せなかったね」
サンダー「うん、久しぶり。ごめんね、ずっと来られなくて」
フリーザー「今日はびりびりしないね」
サンダー「電気使ってきたからね」
ファイヤー「何かあったの?」
サンダー「色々あったよ。で、今さっきまではつでんしょにいた」
フリーザー「はつでんしょ? 昔のおうちのあったところの?」
サンダー「うん、あの谷間のはつでんしょ」
ファイヤー「分かった、また昔のすみかが恋しくなって、中へ入れないのに遊びに行ったんでしょ」
サンダー「違う違う。来てくれって言われたんだ、人間に」
フリーザー「えっと、またあそこを、むじんはつでんしょにするの?」
サンダー「それが一番嬉しいんだけどね、違うんだ」
ファイヤー「そうだよね、建て替えるから出て行けって言われたんだからそんなわけないよね」
サンダー「うん。ずっとあそこで発電の手伝いをしていたのに、追い出されたからくらいだからそれはない」
フリーザー「えっと、じゃあ何なの?」



サンダー「電気が来なくなって足りないから、手伝って欲しい、だってさ」



 最近、サンダーさん来ないね 了

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