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  [No.1536] トーストさらさら  投稿者:小樽ミオ   《URL》   投稿日:2011/07/07(Thu) 23:59:20   68clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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※『風乗りサラリーマン』を先にご覧いただけると、より安全にお召し上がりいただけます(※トーストを)。



◇   ◇   ◇



「七夕飾りなんて何年ぶりかなぁ」

 彼はさやさやと揺れる笹の葉の懐かしい音を聞きながら、短冊をそっとくくりつけた。
 その声に、奥さんはくすりと微笑む。笹の葉を見上げてなんだか幸せそうな顔をしていた旦那さんの顔。新婚のころ、遠くの街の七夕祭りを見に行ったときのあの顔と同じに見えた。

『ささやかな幸せにみんなで感謝できますように』

 久しぶりの短冊には、幸せを願うわけでもないそんな慎ましい願いがさらりと記しつけられていた。
 あの七夕祭りで、ふたりこっそり笹飾りに短冊をくくりつけたことがある。『毎日仲のいい夫婦でありますように』、そんな夢のような願い事が、今こうして叶っているんだなとふと思う。
 笹の葉を揺らす風の中にいっしょになって踊るその短冊は、果たしてあのときのように天に願いを届けてくれるだろうか。





「……で、ちるり、こんなところにトースト下げるのやめようか」


 短冊の合間、笹の香りよりもひときわ香ばしく芳醇な香りを放っているトースト。
 よく見れば彼の死角になる側には、何枚ものトースト、トースト、トースト。
 笹飾りの反対側に回って「うわっ」と引いている彼と対照的な、却ってすがすがしいまでのちるりのドヤ顔。どこかの歌合戦の歌姫のように大きく広げられた翼がドヤ顔を引き立てていて、もう何と言ったらよいのか。むしろ何と言えというのか。


「ところで、何を書いたのか教えてくれよ」
 ぶら下げられたこんがりトーストを笹飾りから外し、ちるりのくちばしに差し出しながら彼は奥さんに問う。
 短冊代わりのトーストを取られたちるりは一瞬むっとした表情をしたようだったが、すぐにいつもどおりにさくさくと音を立ててトーストをかじり出した。


「えへへ、ナイショ」
 桃色の短冊をそっと後ろ手に隠して、奥さんはいつものようににこやかに微笑んだ。
 いじわるだなー、とにやり笑った彼に、あなたが優しすぎるのよ、と奥さんは切り返して、もう一度自分の短冊をそっと見つめた。



『感謝に満ちあふれた幸せな日々を みんなで過ごせますように』



 本当に、本当にささやかなお願いだけれどね。彼女はひとり微笑む。
 笹の葉を揺らす風に、ふたりと一匹の願いが真昼の天の川のせせらぎに向かってさらさらと流れた。



◇   ◇   ◇



 ヘーッドスライディーングっ!
 私も短冊を吊るさせていただいて退散させていただこうと思いますー。
 今年もみなさまにたくさんのしあわせがありますよう!

 『今年もみなさんの作品をたくさん拝読できますように』
 『たゆまぬ努力を続けられるようになれますように』



 ちなみにネタに走った感がありますが、本来彼らはこんな家族じゃない(笑)



【どうしていただいても差し支えないのよ】
【さくさくさくさくさくさくさくさく】


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