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  [No.1879] フタバスズキリュウ 投稿者:キトラ   《URL》   投稿日:2011/09/17(Sat) 23:09:24   39clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
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「何が楽しいんですか石ばっかり」
貴重な休日をこんな洞窟の奥に強制連行され、ユウキは皮肉をこめてダイゴに聞いた。アシスタントならハルカだってよかったはずなのに、彼女は上手いこといつも用事を作って逃げている。
「古代のロマンがあるじゃない!たとえばこの地層は」
「ああもういいです!!」
のらりくらりとユウキの敵意をかわし、自分のペースにするのはダイゴの得意技。今も地層についての講義を始まるところだった。
「そうかい。じゃあそこの道具をとって」
「はいはい」
下手に投げると後で物凄い嫌味を言われる。指定された道具をダイゴに渡した。
「ありがとう。ほら、ユウキ君、めずらしいよ。全身の化石だ」
地層の表面にあらわれたでこぼこ。ユウキにはただの岩にしか見えないが、よく目をこらせば全身の化石というだけあってなんとなく持ち主の輪郭が見えてきた。
「これはラムパルドだね。こんな全身の骨なんか珍しいよ!」
お祭りに来た子供のようなダイゴ。一層目を輝かせて、化石を眺める。
「はぁ……」
「この前なんかね、頭だけだったんだけど、それでも価値はあるって言うんだよ。そしたらどこで発見したのか解らないけれど違う化石と交換してくれたんだよ。いいよねえ、化石仲間って!」
ユウキはもうダイゴを見てない。こうなったダイゴを帰らせるには時間がかかるからだ。早く帰りたいユウキはため息をつく。
「それ全部掘り返すまで帰れませんよね。何日かかりそうですか?」
「うーん、何日だろう。すっごく大きなラムパルドだよねえ。ああもう、今からワクワクする。もし新種のラムパルドだったら……」
「新種?ラムパルドはラムパルドでしょ、新種なんているんですか?」
ユウキの問いに、ダイゴの顔は引きつっていた。何を言ってるんだ君はというように。ユウキはあんまりダイゴの方を見ていない。
「いるよ!ラムパルドだってたくさん種類がいてね、大陸に住んでいたのは」
「ああ、解りましたからもういいです。どうせ何日も付き合わされるんですから、ゆっくり聞きます」
「ユウキ君」
さっきまでは打って変わってダイゴは静かな声だった。
「君はフタバスズキリュウを知ってるかい?」
「はぁ?なんすかそれ?」
「恐竜だよ。もう絶滅した。なぜそんな名前なのか知ってるかい?」
「知りません。興味ありませんから」
「これは発見した高校生の名前だよ。周囲から絶対違うって言われていた石を自分を信じて化石を掘り進めた功績が名前になるということ」
「はぁ」
「自分を信じてなきゃ出来ない事だ。それに、フタバスズキリュウは存在を知らないまま埋もれていたかもしれない。僕はそういう埋もれた地球の歴史を知って行くのが楽しいんだ」
いつにもないまじめなダイゴをユウキはじっと見ていた。反抗的な言い方もしないでただずっと。


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フタバスズキリュウのくだりはうろ覚え。
のらりくらりな人が意外に夢を語る時はかっこよくみえる不思議。

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