一年前の今日、私はあなたたちと出会いました。
プレゼントボックスから飛び出してきた小さな草蛇といっしょに、最初の道路へ足を踏み入れたあの瞬間。
何もかもが初めてで、新しいポケモンを見つけたり、新しい技を覚えたり、新しい街についたりする度にわくわくして、学校でも、どこまで進んだ? が週末明けの決まり文句になっていました。
通信対戦に、交換、ハイリンクと、昼休みもほとんどポケモン尽くし。
わくわくが止まらなくて、あっという間にエンディングを迎えて、かつて共に旅をしたポケモンたちもニューヨークの街へと連れ出して……
友達のブラックシティが廃墟になっているのを見て笑ったり、もらう予定のポカブに「やきぶた」ってニックネームをつけてから交換してもらったり。
本当に、いろんなことをして、とっても楽しかった。
移動教室を終えて自分の教室に戻ってきたとき、私は指先が凍りついてしまいました。
あるはずのものが、ない。
冷たいものが、ゆっくりと、全身に染みわたっていくのを感じました。
何度もかばんをひっくり返して、底に手を突っ込んで、探しました。
でも、ないものは、なかった。
ちょうど、プレイ時間が三桁を超えたときのことでした。
心にぽっかりと穴が開いたみたいで、悔しいやら悲しいやら、しばらくの間は何も手がつきませんでした。
ただのデータなんだから、と、何度も何度も自分に言い聞かせてあきらめようとしました。
が、消えてしまった彼らは、私の中ではもう、とてつもなく大きな存在になってしまっていたのです。
同じソフトを買って、同じポケモンで、同じニックネームをつけて旅をしても、その子は、最初にイッシュの地を巡った子ではないのです。
言い聞かせれば聞かせようとするほど、むなしくなるだけでした。
ただのデータなんかじゃない。
私の中で、あの子たちはちゃんと生きている。
パスキー、稲妻型のたてがみをぴかぴか光らせて、敵に突進していく様はとてもかっこよかった。
あなたは炎タイプの技も使えて、いろいろな敵と戦ってくれました。
ロダ、小さな鳩が、最終進化を遂げてスマートな雉に変身したときは、本当にびっくりした。
私は雄の派手な姿より、質素な中に美しさを持ったあなたの姿が好きでした。
意外なところでエアスラッシュの怯みが発動して、戦いを面白くしてくれました。
マクロ、正直、初めて画面の真ん中でにっこり笑って手を振るあなたを見たときは、パーティからはずそうかと考えてしまいました。
見た目があまりに変わってて、ちょっとびっくりしてしまって。
ごめんね、でも、高い特攻で地下鉄でも活躍してくれて、いてくれてよかったなって思ったんだよ。
ジャンゴ、ちっぽけな子猫だったあなたは、とても優美な黒豹になって私を喜ばせてくれたね。
いろんな先制技であと一歩のところを後押ししてくれて、何かと活躍してくれました。
リリアン、イッシュで初めてゲットしたのがあなたでした。
ちょこまかと画面を動くあなたには、本当に一目ぼれだった。
きゃんきゃんと犬らしい甲高い鳴き声も、進化するにつれて低くたくましい声になっていったね。
高い攻撃力と耐久力で、いつも第一線で戦ってくれました。
そして、シキ。
私のことを、好きだと言ってくれてありがとう。
その言葉が、本当にうれしくて。
最初から、最後まで、あなたはずっと一緒に戦ってくれた。
私のポケモンになってくれて、ありがとう。
今、私の手元には新しいブラックのソフトがあります。
この中にもたくさんのポケモンたちが新しい思い出と一緒につまっています。
あなたたちのデータは消えてしまったけれど、あなたたちのことは絶対に忘れない。
たくさんの感謝をこめて、あなたたちの誕生日を祝おうと思います。
【完全なる自己満語り】
【ひとのものをとったらどろぼう】
【BW一周年おめでとう】