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  [No.2703] タグソートアルゴリズムの変更テスト 投稿者:   《URL》   投稿日:2012/10/19(Fri) 21:43:32   119clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
タグ:1番だから1番】 【3番だけど2番】 【4番だけど3番


「……『Line:3316 未定義のシンボルです』……これ、もう何回目でしょう……」
「まーたそのエラーか。ったく、可愛げがねーなぁ」

名取――エラーメッセージを読み上げた男――と、北川――エラーメッセージに「可愛げがない」と悪態を付いた男――が一つのディスプレイに目をやりながら、それぞれにぼやく。二人は今、ディスプレイに垂れ流された長いプログラム・コードを読みながら、潰しても潰しても際限なく出続けるバグと格闘し続けていた。

名取と北川は、共にとある情報処理技術を扱う企業に勤めているプログラマーだ。名取は二年目の新人、対する北川はこの道十五年のベテランである。彼らはこうしてコードと格闘する日々を続けながら、それでもこの仕事にやりがいを見出すことができていた。この手の仕事は離職率が高い。彼らのようにやりがいを見出すことができる人種は、幸せな人種であると言えた。

「ちゃんとヘッダで宣言してるんですけどねぇ」
「ああ。こりゃ、どっかでヘンな初期化を食らってるな」
「デバッガにかけてみましょうか?」
「いや。printfデバッグでいいだろう」

この部屋の時計は、すでに十一時を指している。無論、本日二回目の十一時だ。だだっ広いオフィスの電気はほとんど落され、部屋にある光源は名取と北川の見ているディスプレイのみ。彼ら以外に、人影はまったく見当たらない。

北川の指示を受け、名取がキーを叩く。

「この辺ですかね」
「おう。とりあえずその辺りの変数をコンソールに出してみてくれ」
「はい」

二人はごく最近チームを組んだばかりであるが、見ての通り、なかなかに息の合ったコンビだった。

北川の指示と、それを受けた名取によるコードの修正という作業が数度繰り返された後、名取が何かをやり終えたような表情で、ゆっくりと息を吐きながら呟いた。

「……とりあえず、エラーは出なくなりましたね」
「とりあえずは、な。またいつ出るか分からんから、ここはコメントアウトして残しておけ」
「ええ。そうするつもりです」

名取はカーソルキーを数度、スラッシュキーを二度叩き、最後にコントロールキーとF5キーを押下した。

「これでよし、と……」


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