115 狩猟犬という過去 リング(HP)
今現在、カロス地方で多く親しまれ、街中で見かけることの出来るトリミアンというポケモンは、かつてはカモネギ猟のお供として飼われていたポケモンでした。猟と言っても、それは日々の生活の糧を得るための狩りとは少々経路が異なり、貴族や王族達が趣味や弓の練習という名目として行う一種のスポーツという感覚で行われた狩りのお供としての役割が一般的です。
なぜ、このトリミアンがそういった役割についたかと言えば、その知能の高さによるものでしょう。人間に忠実な犬系統のポケモンの中でも特に賢いとされるこのポケモンは人間の命令をよく理解するし、命令の呑み込みも早かったのです。その知能の高さのおかげもあって、第二次世界大戦が起きた時には救助犬としての活躍もはたしています。
また、彼らはとても泳ぎが上手く、どう見ても陸上に生きる見た目ではありながら犬かきでもって危なげなくすいすいと泳いでゆきますし、仕込めば波乗り覚えることも出来るため、群れた外敵を追い払うことも可能です。
そのため、獲物を殺しても水に濡れるのを嫌った貴族たちには、都合のよい存在だったのでしょう。戦利品を水に濡れることなく得る事が出来るトリミアン達を重宝したのです。
また、戦利品を持ち帰る役割を受け持つトリミアン達には、その仕事を円満に行うために独特のカットが施されました。水の抵抗をなるべく抑え、なおかつ心臓などの大事な部分は保温できるように。そのような目的で始められたのが、トリミアンの体毛をカットする本来の目的です。
しかしながら、年月が経つにつれトリミアンの美しさに目を惹かれた上流階級の貴婦人たちの間では、次第に愛玩目的のトリミアンも増えてゆきました。それが高じた結果、カットやトリミングの美しさが競われるようになり、時には毛染めなんかも交えて自分なりの美しさを追求していったのです。
今となっては異国文化の化粧なども参考にしたカットなども普及し、数々の淘汰の中で生き残ったカットスタイルは、全く刈らない姿も含めて9種類が基本形となっています。美しさのためにカットするのがポリシーのトレーナーもいれば、全く刈らないほうが可愛いというトレーナーも根強く存在します。中には、夏は毛を刈って、冬は生えるがままに任せるのが一番だとするトレーナーもいて、それが一番トリミアンが喜ぶのだとか。
しかし、カットはトリミアンを玩具にしていると非難するトレーナーもいて、トリミアンのカットやカラーリングには賛否両論あるようです。愛するトリミアンのためにも、トリミアンが嫌がらないように節度を持ってカッティングとトリミングをしてあげたいものですね。
|
|