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18 岩神様、数十年ぶりに表へ。 フミん(HP


PDFバージョン  フォルクローレに採用されると見開きの片側に絵がつきます。



本日正午より、岩(いわ)郁(くに)神社に祀(まつ)られている岩(いわ)神様(がみさま)≠ェ一般公開される。これは、実に二十五年ぶり。
これまで岩神様は、自らの意思で公の場に姿を見せなかった。理由は定かではないが、当神社の神主は岩神様本人の意見を尊重してきた結果、今日まで長い期間が開いてしまったのこと。最近は体調も回復傾向にあり、これからは、年に数日は皆の前に顔を出していきたいと考えているらしい。 岩郁神社は、おおよそ二百年前から既存する由緒ある神社であり、小さな神社だが、毎年多くの参拝者が訪れている。昔、近辺の村々の間で飢饉(ききん)による争いが起きた際、岩郁神社周辺にあった村は村人の人数も少なく、周辺の村による攻撃のせいで滅びかけていた。その村の代表の手持ちであったガントルが、沢山の仲間と共に他の村から攻めてきた人達を追い払ったことから、その村ではガントルに感謝する祭りが毎年行われるようになった。数十年後、仲間を率いて村を救ったガントルが亡くなった際、感謝の気持ちを忘れないようにと、そのガントルの魂を祀ることを決めた。これが岩郁神社の始まりである。
この神社は長寿と子宝の神様として有名で、最近は若いカップルを中心に願掛けをする人やポケモンが増えているという。そのお陰なのか否か、我が国は、世界トップクラスの長寿国としても有名である。平均寿命は、男女共に最高水準を維持している。
現在の岩神様は八代目。年齢は七十五歳と高齢ではあるが、まだまだ若々しいとのこと。当神社の神主(五十一)は、「元気な岩神様の姿を、是非間近でご覧になって下さい」と述べてくれた。
岩神様が登場されたことで、神社の近くに店舗を構える土産屋も期待を寄せている。特に、岩神様をモチーフにした岩神せんべい≠ヘ美味だと地元では有名。岩神様による経済効果も決して無視できないだろう。
次回、岩神様が表へ出るのは、来年正月の三が日を予定しているとのこと。


【地元の地方新聞の朝刊、裏面に近い小さな記事より。】