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29 慣用句:ユクシーに眠らされる リング(HP


PDFバージョン  フォルクローレに採用されると見開きの片側に絵がつきます。



 シンオウ地方に伝わる伝説のポケモンの一種に、ユクシーと呼ばれるポケモンがいます。このユクシーは空を飛び回ることで人間に知識を与えるポケモンとされており、ユクシーが住むエイチ湖はそのご利益に預かろうとする受験生のお参りの地として有名な場所。
 シンオウの学生が祈願に訪れることも少なくありません。
 前述の通りこのユクシーは湖の周囲を飛び回り、それだけで生活に役立つ知識を与えてくれるのですが、ユクシーがもしも誰か一人の人間の上で飛び回ったのあれば、得られる知識は湖の周囲を飛び回った時の比ではないとされています。
 そのためなのでしょうか、ユクシーは時折湖を飛び出し行方不明になる事があり、その際には誰かがどこかで物凄いアイデアにひらめくのだとか。
 ただし、その際知識を授かった人間は、ユクシーに出会ったという記憶を消されてしまうために、ユクシーを間近で見たと言う目撃例は一切無いのが現状です。
 そのためシンオウでは、朝起きて突如いいアイデアが思い浮かぶ事を、『ユクシーに眠らされた』と表現するのです。

 そのユクシーに眠らされた例として代表的なのは、怪しいパッチに関わる都市伝説でしょうか。製作者が不明とされているこの怪しいパッチ。
 この怪しいパッチには、あらゆるプログラマーの知識を以ってしても解析できないようなブラックボックスが満載であり、そのためポリゴン2には搭載できた各種アプリがほとんど役目をなさず、進化をさせるのは自殺行為とすら言われておりました。
 またポリゴンZにアプリを搭載することは不可能とされており、要するにポリゴンZの改良は企業の手に余り、純粋に戦力としての機能以外は期待しない方が良いというのが通例でした。

 しかし、ネット上にはなぜか、時折思いもよらないようなアプリが無料で流されています。製作者の名前はラマッコロクルという名前で、これはシンオウの古い言葉で『知恵者』を意味し、湖に住むユクシーと同じ名前を名乗っています。
 このラマッコロクル、シンオウ中のネット回線から投稿している謎の多いユーザーとして、都市伝説となっています。
 とある企業がそのプログラマーを特定するべく、『ウイルスが混入している可能性がある』と難癖をつけ、警察に裏金を渡して捜査をさせても、パソコンを操作している人物は複数居て、しかもそのほとんどがプログラムのことなんてまったく学んでいないのだとか。
 パソコンが遠隔操作されているだけだというのが警察の見解ですが、都市伝説上ではユクシーに眠らされたのだという説が流行っています。
 去年の秋に公開されたポケウッドの映画、『ポリゴンZの逆襲』では、この都市伝説を元に、ユクシーが人間への粛清を決行したという設定の物語。この都市伝説が作り話ならば、今頃作者はにやけていることでしょうね。