舞台はホウエン地方、カイナシティ。 カイナ市立大学の学生であるミシマはある日、たくさんのカゲボウズに憑かれた青年、ツキミヤコウスケに出会う。ゴーストポケモンを研究する彼女は研究目的でツキミヤに交際を申し込んだ。 なぜ彼にはこんなにもたくさんのカゲボウズが憑いているのか――ツキミヤをより深く知る為に交際を続けるうち、彼女は同大学教授のオリベからその過去を聞かされる事になる。それはかつてこの大学の教授であったツキミヤの父親が失脚した事件と大きく関わっていた。 専攻の変更を提案するオリベ。だが、ツキミヤは拒絶する。なんとかツキミヤに歩み寄ろうとするミシマであったが、自身の過去と孤独につけ込まれ、カゲボウズ達に取り込まれてしまう。ツキミヤの言葉に従うままにすべてを委ねようとしたミシマだったが、彼女が土壇場で出した結論は、絶望ではなく前に進む事であった。 トレーナーとして旅立って行くミシマ、彼女を見送り大学に残るツキミヤ。 一方でオリベも諦めていなかった。季節は初夏から冬へと移り変わる。
■収録作品 霊鳥の左目………………7 霊鳥の右目………………13 半人………………………191 (全338P)
■各話紹介
・霊鳥の左目 豊縁昔語より。古代ホウエン、仏師の無念。
・霊鳥の右目 季節は冬に移り変わる。 院試の季節となり、考古学研究室の院試を受けるツキミヤであったが、彼の進学を望まぬ教授達とオリベの工作で、民俗学研究室の門を叩く事になってしまう。 だが、彼の研究室入りを望んでいたはずのオリベは一転、ツキミヤに妙な課題を出したのだった。 一方、カイナシティではトレーナーを狙った通り魔事件が続発していた。
・半人 30年前、カイナシティ。 カイナ市立大学に入学したオリベはツキミヤソウスケ(ツキミヤの父)と出会う。 ツキミヤと親しくなったオリベであったが、彼自身には将来の目標もやりたい事も無くひたすらに無気力であった。 ある日、考古学実習をサボっていたオリベは古墳に侵入し、何かを踏みつけてしまい……。
霊鳥の左目以外、全部書き下ろし(320Pくらい)になります。 前巻と合わせてぜひよろしくお願い致します!
|