マサラのポケモン図書館 カフェラウンジ
このフォームからは投稿できません。
name
e-mail
url
subject
comment

[新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

  [No.2658] 解放 投稿者:フミん   投稿日:2012/10/03(Wed) 00:23:44   125clap [■この記事に拍手する] [Tweet]


通りすがりの青年の前で、少年が草むらの中に入って行った。


「こら。君は、ポケモンを持っているのかい?」

「持っているよ。ほら」
 
少年の腕には、ミネズミが抱かれている。

「そうか。なら草むらに入っても大丈夫だな」

「うん。これからミネズミ逃がすの」

「逃がしちゃうのか。見たところ随分懐いているようだが、何か事情があるのかな?」

「うん。ポケモンは人間と暮らしちゃいけないんだって。だから逃がすの」

「ポケモンは大事な家族じゃないか。誰がそんなことを言ったんだ」

「お母さん。テレビで見たんだって。ポケモンは大事な友達だけど、やたらむやみに捕まえたらいけないって。僕の家にはもうチョロネコがいるから、どっちか逃がしなさいって言われたの」

「そうなのか。家で面倒が見られないならしょうがないな」

「うん。チョロネコもミネズミもタマゴから育ててきたけど、家で二匹もポケモンを飼えないんだって。家計が苦しいんだって」


「困ったな。お兄さんも手持ちがいっぱいなんだ。ミネズミを欲しがるトレーナーも少ないだろうし、ポケモンセンターや施設に預けても、こいつが幸せになるとは限らないからな」

「うん。お母さんも、きっと野生で立派に生きていくから大丈夫だって。きっとたくましいミルホッグになって、群れのリーダーになるって」

「そうだな。よく見ればこのミネズミは良い顔をしている。お母さんの言っていることも正しいかもね」

「うん。じゃあさよなら、ミネズミ」
 
少年はミネズミを地面に置いた。ミネズミは、最初はおろおろとしていたが、やがて森の中に走り去って行く。


「ミネズミー 元気でねー」

「達者に暮らせよー」
 
少年と青年が見守る中、ひたすらミネズミは走っていく。
そして数十メートル走り続けた頃、一匹のケンホロウが、ミネズミめがけて一直線に飛んでいく。ミネズミが危機に気づいたときにはもう遅かった。

獲物を捕らえ悠然と飛び去る鳥ポケモンを、青年と少年は何もできず、ただ呆然と見つめていた。




――――――――――


一発ネタです。これ以上の意味はありませぬ。

フミん


【批評していいのよ】
【描いてもいいのよ】


- 関連一覧ツリー (★ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ※必須
Eメール
subject 入力禁止
Title 入力禁止
Theme 入力禁止
タイトル sage
URL 入力禁止
URL
メッセージ   手動改行 強制改行 図表モード
添付ファイル  (500kBまで)
タグ(任意)        
       
削除キー ※必須 (英数字で8文字以内)
プレビュー   

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 削除キー