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  [No.2758] とあるサイキッカーの話 投稿者:神風紀成   投稿日:2012/11/30(Fri) 20:01:01   45clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

とある地方の、とある道路に、一人のサイキッカーがいた。
彼は若い頃からそのテの力を持っていて、それ故に人とあまり接することができないでいた。
そんな彼を救ったのが、エスパータイプのポケモン達だった。
彼は彼らと一緒にトレーナーになり、サイキッカーの称号を持った。

彼はその力で、他人の未来や過去を見ることができた。
もちろん、嘘をついているかどうかもはっきり分かってしまう。
例えば、トレーナーとバトルする時に相手が『俺は今まで負け知らずなんだ』と言って来たとしよう。
彼にはその言葉が嘘か本当か、一発で分かる。
だが嘘だったとしても、責めたりなどしない。

何故なら、大体そう言ってくる相手は、新米トレーナーだからだ。
ちなみにそれは、心を読まずとも、使ってくるポケモンのタイプで分かる。
世間一般で初心者用ポケモンと呼ばれているポケモンを持っていたり、ポケモン研究で有名な博士がいる街の近くに生息しているポケモンを持っていれば、それくらい簡単だ。
ここまでくると、街毎の土を全て見極めている某探偵のようだが、彼の仕事はサイキッカーという名の肩書きを持つ、ポケモントレーナーだ。

ある時、一人の学生が彼の元へやって来た。
未来が見えるという噂を聞きつけて、自分の未来を占ってもらいに来たらしい。
一先ずバトルしよう、ということになりお互いのポケモンを出し合った。
彼女のポケモンを見て、彼は学生がこの地方のトレーナーではないことを見抜いた。
そして戦っていて、それは見えた。

大きな壁にぶつかった学生の姿だった。

バトルが終わった後、ボールを戻してから学生は彼に聞いた。
彼はこう言った。

『闇しか見えなかったよ』

学生はちょっと残念そうだったが、同時にホッとしたような顔もしていた。
そしてこう返した。

『……そうだよね。未来が見えたら、つまらないよね。だって、人生は先が見えないからこそ面白いんだから』


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