タグ: | 【書いてみた】 【途中からノロケ注意報】 【リア充爆発しろ】 |
『一番好きなポケモンは何ですか?』
目の前の、無邪気な瞳に聞いてみる。
“えっとね、黒と赤と白に目が水色の…優しいおじさんが一番すきなんだっ!”
その夜、彼を寝かしつけ、月光浴をしている影に聞く。
“一番? そうか。それなら一緒に暮らしていて、今隣に寝ている、小さな水色のよく光る彼になるな”
すぐそばに集まっている数匹のポケモン達に聞いてみる。
“どんなものにでも化けられる、黒くて強気な狐のお姐さんかしら。バトルでいつもタッグを組むんだけど、最高の相棒で友達よ”
“あー、俺はドレディア。って言ってもこの彼女だけだけどな。世界でただ一匹忠誠を誓う程度には愛してるぜ?”
“コジョンド。軽やかに闘う、紫と白の綺麗でしなやかな動きは芸術だなぁっていつも思うの”
“シュバルゴの彼。普段はけっこうふざけてますけど…たとえ炎からでも私を護ってくれる、騎士な彼が”
“そこにいるウルガモス。初めて会った時に丸焦げにされて、一目惚れだった。出会いって不思議なもんだな”
“二匹いるわね。大きな身体の、立派な縞模様の角がある…ウフフ、私が一番愛したポケモンよ。それに、白くてもふもふした……彼に似たやんちゃな性格の、この子も好きね”
“二ひきいちゃだめ? おとうさんとおかあさん! つよくてやさしいんだ!”
“んー? 俺か? 決められねぇな。強い奴なら誰だってバトル大歓迎って位に好きだけどな”
“拙者も…強ければ歓迎でござる”
目の前に居るのは、旅をする一人の少女。
“アブソルだよ! 昔から友達で、親友で、家族なの”
……え、今お時間ありますか? っていや見れば分かるでしょ、勉強してるんですけど受験勉強。あとアナタ誰。てかどこから入ってきたんだよ不法侵入者っ!!
『一番好きなポケモンは何ですか?』
こちらの質問一切無視ですかい。まあいいや、私この年になってもポケモン大好きだから答える。
えーーっと沢山いるけど、一番はなかなか難しい質問だなぁ。みんな好きなんだけど。
“二刀流のダイケンキ。進化前の彼を見たときから運命だって思った。今では一番のパートナーやってもらってたりする”
答えてくれた人も、ポケモンも、みんな笑顔。
……その後。
「こらそこの虫三匹!! 公衆の面前、お互いの目の前で堂々と愛を公言するな! 見てるこっちが恥ずかしいわ!!」
「ノロケ、告白はお断りよ」
先ほどのコジョンドとゾロアークが目の前の三匹……シュバルゴ、ウルガモス、ペンドラーに突っ込む。
「失敬な、一番好きなんだから別に文句ないだろー?」
「あーあー、何も聞こえないわねー(棒)」
「羨ましいだけだろwww てかサワンは何故入ってないんだ」
三匹とも何も反省していない涼しい顔で受け流した。
「彼女は顔が真っ赤になってて死にそうだったから別問題」
「何だよその基準」
「まあ彼女は控えめだもの、そんなものよ」
「いやそれよりもさ。お前ら言いたい事があるんだろ?」
何も言えずに真っ赤になって立っていたドレディアを脇に寄せシュバルゴがあおった事によって、彼女らの感情がついに爆発した。
「「ああああ畜生リア充爆発してしまえぇぇぇぇ!!」」
空に消えていったすさまじい咆哮に、当のリア充である三匹は腹を抱えて笑い転げたのであった。
盛り上がっている脇で、子供のメラルバがダイケンキとアギルダーに尋ねる。
「ねえねえりあじゅうってなにー?」
「……何だろうな、この疎外感」
「同感でござるよ」
答えをせがむメラルバの問いかけには答えず、彼らは遠い目をして言ったのだった。
――ダメだ、口から砂糖吐きそうです…
ど う し て こ う な っ た 俺 が 知 り た い by銀波
ポケモンに、一番好きなポケモンは? って聞いたらこういうのもありえるかなって思ったんです叩かないでください……。
門森さんのは種族としての好きが多かったので、一匹の個体への好きとして書いてみました。結果ノロケが多発してしまいました(苦笑) なんかいろいろと変な方向へ走ってしまって申し訳ないです。
あるか分かりませんが、需要があったら喜びます。久々の投稿がこれとは……。
【愛があるならいいじゃない!】