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  [No.2930] ニンゲン 投稿者:NOAH   投稿日:2013/04/12(Fri) 12:27:53   99clap [■この記事に拍手する] [Tweet]
タグ:ヤブクロン】 【ヤミカラス】 【書いてもいいのよ】 【描いてもいいのよ

「汚い!どっか行け!」

「邪魔なんだよ!!」


ボクを見ると、ニンゲンは大抵そう言って蹴ってくる。
そんなのは慣れっこだし、ニンゲンは大抵、見た目とかで嫌ってくる。


――それに、ボクはゴミで出来てるから。


人に慣れたり懐いたりした場合は、ゴミ独特の臭いはなくなるらしいけど
未だに野生で、たぶんこの先もトレーナーの手持ちになる予定が無いボクにしてみれば
臭いの有無はどうだって良かった。

そもそも、ボクらを好んで捕まえるニンゲンの気がしれない。
ボクの周りのヤツらはニンゲンと仲良くなろうとしてるけど
ボクは生きてればそれでいいからどうだっていいんだ。

そのことを、種族は違えど仲の良いヤミカラス君に言ったら
『お前は相当変わり者だな。』って言われたよ。
そのヤミカラス君もまた、ボクと同じ意見みたいだから同じ言葉を言い返してやったけど。

でも、そんな捻くれのボクと彼の前に、1人のニンゲンが現れた。
年齢的には、60くらいの女の人で、都会の片隅ではまず手に入らない
新鮮な木の実や果物を、箱いっぱいに抱えていた。


「良かったら食べるかい?」


それだけ言って、木の実や果物が入った箱を置く。
それから、距離を置いてこちらを見ていた。

一方のボクとヤミカラス君はと言うと、ニンゲンをあまり信用してないのもあって
それに近づかずに見ていた。
いきなり現れて、こんなにたくさんの食料を置かれたら、イヤでも疑ってしまう。


「お前たちは疑い深いねぇ。他のヤブクロンやヤミカラスはすぐに飛びつくってのに………。
何も入ってないよ。試しに私が1つ食べてみるかい?」


女の人はモモンの実を取り、それを一個、ボクらの目の前で食べてみせた。

ボク達にしてみれば、なぜわざわざ目の前で食べるんだ?と思うわけだが
ここ数日、ロクに食べ物を口にしていないボク達には
女の人がしてみせた行動は、飢えた体には一溜まりもない精神的なダメージを与える。

久々の食事にありつける。
けど、ニンゲンがくれたモノを食べて大丈夫か?

2匹揃って顔を見合わせて、もう一度だけ、女の人を見る。
すっとリンゴを差し出して、優しそうに笑う女の人。

その姿を見て、気付けばボク達2匹は、揃って飛び出していた。

久々の食事は、何時もより豪勢で、ニンゲンがくれたモノで。
何時も蹴られたり石とか投げられて厄介モノ扱いされていたボクらが
初めてニンゲンの優しさを知った瞬間だった。


*NOAH*
お久しぶりです。長い間スランプ状態だったNOAHです。
ちょくちょく来てたんですけどね。拍手を押す程度でした。

今回は捻くれヤブクロンの話し。
喋ってるの女の人だけ。友情出演でヤミカラス君。

この女の人の名前とか色々決まってて
もうちょっと長くしたかったんですが限界でした………。

でもまたこうしてちょくちょく来ます。


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