最初のものが眠りにつこうとして、それでもまだ、もう一度。
もう一つだけ、最初のものは作ったのです。
最初のものは言いました。
「お前はポケモンではない」
最初のものは言いました。
「かと言って、人間でも無い」
生み出されたものは尋ねました。
「それならば、私は何なのでしょうか」
最初のものは言いました。
「ライチュウの電気は10万ボルトにも達することがある」
生み出されたものは尋ねました。
「そのことと私と、一体何の関係があると言うのでしょう」
最初のものは答えました。
「お前はそれで気絶する」
最初のものは言いました。
「ゴースは薄いガス状の生命体である」
生み出されたものは尋ねました。
「そのことと私と、一体何の関係があると言うのでしょう」
最初のものは答えました。
「それに包まれてお前は2秒で倒れる」
最初のものは言いました。
「それでは行くといい、ポケモンの世界へ、ポケモンと人間が隣合って生きる世界へ」
生み出されたものは尋ねました。
「その世界で生きる、ポケモンでも無く人間でも無い私は何なのですか」
最初のものは言いました。
「お前に名を与えていなかった」
最初のものは言いました。
「お前は、インドぞう、と名乗るが良い」
最初のものは眠りにつき、インドぞうは世界へと旅立ちました。
時間が回り、空間が広がり、知識と意思と感情がうねる世界に、ポケモンの世界に、人間とポケモンが隣合って生きる世界に、インドぞうが生まれました。
インドぞうは何なのか、それはだれにもわからないままです。
だけど、今でも、インドぞうは世界の何処かにいるのです。
世界の何処かで、ライチュウの10万ボルトに気絶し、ゴースのガスで倒れているのです。
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先日、チャットでインドぞうの話になったので。