次回予告。
『僕はユリアン。ここはいい国だねぇ』
ゲンジとカゲマサの前に、キュウコンが立ちはだかる。
大仰な羽根帽子、原色をふんだんに使った胴着、黄金色に光る美しい体毛を台無しにするように、乱暴に絵具をぶちまけたように原色の布を何重も重ねている、本来ならば気品溢れる九つの尾にはまるで統一感がない縞模様や水玉模様の布が巻かれていた。さらに背中にバグパイプのような、ワケの分からない筒を乗せた姿は、背負ったバグパイプをブカブカと吹いて街を練り歩き、騒がしく祭を盛り上げるピエロにしか見えない。
そんなキュウコンが、ゲンジの放つ水流を炎で焼き尽くし、水をすべて蒸発させながら襲い掛かる。
悪魔の手先だと罵られてきたゲッコウガよりも、その姿は正真正銘の"悪魔"のようだった。
「時代が……終わったんだな」
倒れたゲンジを前にして、カゲマサは苦虫を噛み潰したように、重い口を開く。
今、キズナの力が試される。