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  [No.4191] 大好きだよ、クロエ! 投稿者:砂糖水   投稿日:2023/12/31(Sun) 16:40:49   2clap [■この記事に拍手する] [Tweet]

 一目惚れだった。テレビでアローラ地方の特集をやっていて、そこにペルシアンが映った。見慣れた白いペルシアンじゃない、黒くて丸顔のペルシアン。かわいい……!
 リージョンフォームというらしい。こっちでよく見かける姿とは異なるアローラ地方でしか見られない姿。

「お母さん! わたし、あの子がいい!」
 思わず叫んでいた。
 アローラ地方に伝手もないのにどうやって、と言われたけど、
「うちみたいに、生まれた子を里子に出してる人を探す!」
 うちにはお母さんが子供の頃から連れているペルシアンがいて、以前子供が生まれたときに子供を里子に出したことがある。よそでも見たことがあるから、きっとアローラ地方でだってやっている人はいるだろう。
「あなた、英語読めるの?」
 探すにしても言葉は違うだろうし、里子の情報を探すのも大変だろう。
「がんばる」
 愛があればなんだって乗り越えられる、って誰かが言ってた。あの子のためなら、がんばれる。


 ということですったもんだの挙句に、うちに黒いニャースがやってきた。
 な、なんて気品のある顔立ち……。ツンとしたお澄まし顔、可愛い……。おっといけない、じっと見たら駄目だ。敵意がないことを示すために、そっと視線をそらして、ちらちらと横目で様子をうかがう。一応、黒いニャースもそっぽを向いているから敵意自体はなさそうなんだけど。でも、目は大きく見開かれていて、瞳孔はやや開き気味。耳も尻尾も下がっている。
 ああ、警戒されている……。仕方ないね。全然知らない場所に人。よほど人懐こい子じゃなきゃ、怖がるのは当然。ゆっくり、でもなるべく早く、仲良くなりたいなあ。

「クロエ、ごはんだよ」
 はじめは名前を読んでも反応がない。そりゃまあ、まだ呼び始めたばかりだし、そもそもわたしのことにも慣れていないだろう。ごはんを盛ったお皿をそっと床に置いて、少し離れたところで待つ。お皿やクロエのことをじっと見つめることはしないで、やっぱり横目でそっと見守る。クロエはこっちを警戒しながら、少しずつお皿に近づくとごはんを食べる。
 もしごはんも食べられないくらい、警戒心MAXだったら大変だったけど、そうじゃなくてちゃんとごはんを食べてはくれるから、大丈夫そうではある。手を出したり、声をかけたりしたくなるのを我慢。そんなことしたら、きっとすぐに食べるのをやめてどこかに隠れちゃう。
 うずうずしながら、クロエが食べ終えるのを待った。

「クロエ、遊ぼう?」
 紫色のコラッタを模した小さなぬいぐるみや、ねこじゃらしを手に、クロエに声をかける。もちろん、近づいてこない。ですよねー。
 でも、おもちゃをそっと置いて離れたところで待機していると、そろそろとおもちゃに近寄って、つんつんと突いている。ちらちらとこちらを見てそっとおもちゃから離れたので、わたしがいると遊びづらいみたい。知ってた!
 隣の部屋に移動すると、コラッタの形をしたおもちゃで遊んでいるのか、きゅぴきゅぴと音がした。おもちゃから音がして、クロエはびっくりしただろうか。クロエと一緒に遊んでみたいなあ。

 一ヶ月も経つと、クロエも大分うちに慣れたようで、人のいないところだと割と自由に動き回っているみたい。人がいると、部屋の隅っこに行ってしまうけど。
 調べたところによると、アローラ地方のニャースが進化するにはトレーナーになついていることが条件だそうだ。わたしのこと、好きになってくれるかな?

 クロエが我が家に来てから半年も経つと、クロエもわたしの存在に慣れたらしくて、横にいても警戒しなくなった。まあでも、わたしの横でおもちゃで遊ぶことはあっても、わたしと一緒には遊んでくれないし、撫でようと近づいたりすると、逃げられるんですけどね!
 はー、残念。そういうところも可愛いけどね! でもたまにはデレてくれてもいいんだよ!
 ちらりと様子をうかがうと、クロエはそっぽを向いてしまう。そりゃあ、敵意剥き出しじゃないだけでもありがたいと思うべきだけど。
 やっぱりさ。昔お母さんにペルシアンが甘えた声を出して、足にすりすりしたりしていた光景を見ていたからさあ、自分たちもそういう関係になりたいなー、なんて思うわけですよ。お母さんからは焦っちゃ駄目って言われてるし、そもそもそんなのわかってるけど。
 クロエのことは、大好き。だいだいだーいすき。この愛をいつか受け取ってもらえますように。

 それからさらに半年。つまりクロエがやってきて、一年になる。お祝いに今日のごはんはちょっと豪華にしてみた。ま、クロエは無反応だけど! 知ってた! クロエが静かにごはんを食べているを眺める。
 一年経って、警戒はされなくなったけど、その後の進展がない気がする。
 なんてことを考えていた時だった。クロエがむくむくと大きくなって、そして。
 え、あああああ……黒いペルシアンかわいい……。スリムな体にこの丸顔のギャップがたまらん……! って、え? 進化、した? なんで? なつかないと進化しないはずじゃ。だって、クロエ、全然、そんな素振りなかった。
 その時、クロエがわたしを見て、ゆっくりと瞬きをした。
 ……っ! 呼吸が止まるほどの衝撃。泣きそうだ。でも、泣いてる場合じゃない。
 涙をこらえて、わたしもゆっくりと瞬きを繰り返す。

 お母さんとペルシアンが時々やっていた仕草。わたしには絶対にやってくれないことの一つだった。

 ニャースやペルシアンがゆっくりと瞬きするのは、親愛の証。大好きってこと。
 わたしも大好きだよ、クロエ!



******

ハワイティ杯で最初のころ、なかなか作品数が増えなくてごはさんが心配そうに?してたのを見て、枯れ木も山の賑わい、ということでちまちま書いてたんですが、その後続々と大作が投稿されていったので、すっ…とお蔵入りさせたやつ。
猫の仕草について色々調べた記憶。
ずーっと放置してたんですが、最近テキストファイル漁ったときに、おっこれちょっと書き足せば完成するじゃん!となり、ちょこちょこ手を入れてお出しすることにしました。
個人的にこういう話は、他人のを読む分にはいいんですが、自分で書くとなると、わ、わざとらしい!蕁麻疹が出そう!という感じになり苦手なんですが(お蔵入りにした理由の一つ)、時間がたちすぎたのか、まあいいんでない?と思えたというのもあります。
本当に最低限しか手を入れてないので色々と雑な気もするんですが、ちゃんと読み返そうとすると全身むずがゆくなるのでこれ以上は無理でした。
最後全部ダムに沈むなら許せるんですけど、これはそういう話としては書いてないので我慢しました。
ダムに沈んでも…ええんやで(

書くに当たっては以下を参考にしたらしいです(昔なのでよく覚えてない
https://allabout.co.jp/gm/gc/188022/
ストレススコア
http://www.konekono-heya.com/kunren/css.html
猫の行動からわかる猫の気持ち
http://www.sennan-ah.com/date-order/topics/1293
「猫を飼う大変さ」を飼い主194人に聞いてみた
http://news.mynavi.jp/news/2014/07/14/130/


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