【011】時計草

☆ 2 ☆☆ 16 ☆☆☆ 8 合計58

(自由感想)
マルコフ連鎖モンテカルロ法を用いた階層ベイズモデリングとか、そういうの好きです。意味は分かってないのですが。 世界観が好きです。“向こう”の世界と“こちら”の世界。なるほど、確かに養殖しようとするでしょうね。 炎姫が好きです。過去を良く知りながら、主人公の少年と一緒に歩いて足跡を残す彼女が好きです。 その他にも色々好きなところはありますが、あまり上手く言えません。 拙文失礼しました。
きとかげ


元々好きなポケモンが出ていると贔屓目に見てしまう気がするが、それを抜きにしても設定も面白く、非常に読みやすかったです。 他の作品も是非読みたいと思いました。
re


キュウコン“炎姫”との筆談にどきどきしました。ふたつの世界の交差…そういう考え方があったのか!


向こうの世界とこっちの世界という解釈がとても新鮮で、すごかったです。
足跡に対しても心に染みるメッセージがあって、しびれました。セレビィがとても可愛いです!
炎姫がとても優雅で素敵です!
巳佑


こんなことになってほしくない・・なぁと思わず思ってしまう作品でした 妙にリアルで・・ キュウコンって長生きだから歩との言葉はわかるって言うのに違和感がなかったのでおもしろかったです
もけはらまこと

☆☆☆
・キーワード  ライトノベル的,数学,ファンタジー,観念的な足跡
・感想  ファンタジーに数学的な用語・要素をちりばめ、幻想と現実の狭間を自由に行き交う独創的な世界観が秀逸だと感じました。表現として適切かは分かりかねますが、しっかりと地に足の着いた世界観重視のライトノベルのような、わくわくする内容でした。
ただ、高度に形作られた設定を飲み込むのが精一杯で、読者が設定を把握する前に本編が始まっているような印象を受けました。もう少し余裕を持った進行でも良かったのではないか、と感じました。しかし、作りこまれた世界観は掛け値なしに素晴らしいです。こういうの、大好きです。
586

☆☆
好きなシーンや台詞が多かった作品です。
…摩訶不思議なポケモンワールドを説明しようとするのは、とても難しいですね(笑)
キュウコンの言い分も良いのが沢山ありましたが……特に好きなのは、『あなたが残念がっている「今」は未来にとって美しいものだから』…という、セレビィの台詞。 ……あのくだりには、殊更に強い感慨を抱かせて頂きました…!
セレビィが絡むと、兎に角こう言う感慨深い作品が多くなる。 ……アイツは本当にずるいヤツだ(笑)
クーウィ

☆☆
大きな起伏はないが、設定は魅力的。過去=足跡の比喩表現は上手い。 セレビィ出現予測あたりのわくわく感はなかなか。☆☆。 旅をするには仕方ないが、せっかくの時計草を実家に送ってしまうのは若干惜しい気も。 最初、炎姫と出会ったあたりの話を書くのかと思ったら違った。そちらの話も読んでみたい。
誤植発見:

>一通りの話が住むと、実家に電話した。
「済む」で。

サトチ

☆☆
まず目をひくのが他の作品にはない、独自の世界観である。楽しめる/楽しめないで言うのなら結構楽しめた。
だが、少なくともこのストーリーにおいてこの設定・世界観が必要不可欠かと問われたら私は「否」だと思う。
ゲーム上で描かれているポケモンの世界は、いわゆるポケモントレーナー中心の世界だが、トレーナーが存在しない(あるいはメジャーでない)レンジャー主体の地方があるように、経済活動が優位な外国を設定して、今ある世界が経済的に飲み込まれたと仮定すれば、わざわざあっちの世界と繋げる必要はないからである。
それでなくてもトレーナーの世界は甘いものではない。主人公が旅立ちに踏み切れない理由を壮大な世界設定に求める必要性を少なくとも私は感じなかった。
私は以上のような理由から、この設定語りたいが為にストーリー作っていないか? という疑いを持ってしまうのである。
ただ、全体的に見て決して悪かったわけではなく、むしろよくまとまってはいたと思う。
セレビィを捕まえるために数学を駆使するくだりは惹かれるものがあるし、「未来のあなたたちは、昔は良かったって、懐かしがってる」というセレビィの台詞には何か感じ入るものがあった。
ようするに(旅立ちたいのに旅立つべきか迷っていた)主人公はセレビィと出会ったことで「(自分の未来について)むずかしく考えすぎていたのかなぁ」というある種の悟りを得て、(あるいは考えすぎという呪縛から解放されて)、炎姫やお母さんに背中を押されつつも旅立っていくというあたりが本編の感動のポイントであるという風に私は考えている。
なので余計に、わざわざすごい設定持ってこなくたってこれだけで十分じゃないの? と思ってしまった部分がある。
つまりこの批評には設定ではなく、心の動きで魅せてみせろよ! という審査員の挑戦的な期待が込められているのである(笑)。
ただし、この設定がこの短編の為だけの設定ではなく、シリーズ物としての世界設定であったなら、この評価は変わる可能性がある。この設定でないと出来ない何かがあるとすればそれを見せて貰いたい。

その他気になった点:
炎姫との筆談について具体的な説明が欲しかった。キュウコンは四つ足のポケモンであるため、いきなり「書いていた」という表現をされても「え?」となってしまう。ペンを使っているのか、筆を使っているのか、書く道具を持っているのは前足か、口か、尻尾なのか。あるいは神通力で動かしているのか。きちんと描写してくれないと光景が想像できない。

印象に残ったくだり:
「何がポケモンのためになって、何がポケモンを苦しめているのか、ぼくにはわからない。無理やり子供を産ますことは、当人のためになるんだろうか。」

No.017

☆☆☆
第四段落の「概念」は意味用法を誤っている。「思念」などが適当だろう。  その他、文章のリズムなど推敲の余地はあるが、それらを差し引いても秀作。
「向こう」と「こっち」の世界の存在は、現実とゲーム(ゲームボーイやニンテンドーDS)を行き来することの比喩にも読めて面白いのだが、とにかく把握が難しく、これが作品の敷居をやや高くしてしまったかもしれない。  しかしこのパートが作中主体に数学を学ばせるきっかけとして意味を持っており、まったく凝った作品を書いたものである。
これまでの人生の動機、“現在”への疑念、そして新たな旅立ち。受容する父親としての装置、タイト氏の存在が秀逸である。素晴らしい作品だった。
渡辺タテタ







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