【003】Reflection 作:イサリ

☆11 ☆☆12 ☆☆☆7 =56


(自由感想)
・悪くはないが、絶望するほど暗いというわけでもなく、インパクト不足。
・最後にトレーナーの名前を言わせるとか、使い捨てられた感を描くか。短編にはそれなりのキャッチーさが必要。
りえ大統領


ウインディ自体の死に対する感情を書いてくれないと描写してくれるとこの話に乗りやすくなると感じた。ただ、情景描写は上手く書いていると感じた。
西条流月

☆☆☆
グッと来た文 【「……みがわりという技を、キミは知っているだろう?」】
『みがわり』という技が持つ一つの意味に鳥肌が立ちました。 合わせ鏡のように、これからも延々と続くと考えると更に鳥肌が立ちました。 本物のウィンディが命尽きるまで繰り返されるのですよね、これは。(汗) 『みがわり』の子達は最期、どのような想いで散っていったのがとても気になりました。 ウィンディの体力を削って、つまりウィンディの一部分から生まれた命だと考えると、ウィンディにも色々な側面があると思われるから、姿は同じ『みがわり』でも、中身は一匹一匹違っていたのかなって感じました。
そして淡く輝く桃色の光は……ミュウのことですか? 間違っていたらスイマセン。(汗)
巳佑

☆☆
お題:鏡(みがわり)
主人公が実は「みがわり」で出来た分身だったという意外性。そして鏡というテーマを「みがわり」という技に落とし込む。素直に上手いなと思いました。タイトルの「Reflection」は、「反射」と思い込んでいたので、「みがわり」に反射というイメージはないなぁ……と思っていたのですが、「(鏡に映った)影」という意味もあると知り、納得。ただ、そのこと知ってないとわかりにくいかなという気も。……私の英語力がないだけだというツッコミはなしでお願いします(汗)
レイニー

☆☆
 テーマはどうやら鏡と思われる。果たしてどこに鏡やタマゴと思われる文章が現れるかと読み進め、やっと出てきたのはまさかの「鏡像」。もしこの言葉がなければ、テーマが何だったかわからなかったかもしれない。誤字脱字が無いのはもちろん(5/9時点)、話の流れや描写が全体的に良かっただけに、テーマの存在感が薄いという点が惜しい。
あつあつおでん


 闇の中。自分の形はあやふや。そこから、徐々にスポットライトを当てていくことで、その姿が浮き彫りになっていく。 そんなお話ですね。 口は一つで耳二つ、って聞くと、谷山浩子さんのそっくり人形展覧会を思い出します。笑 途中の正体当ての問答は楽しいですね。
一つ言うとすれば、割れて砕けた、というラストの文です。話し全体として不気味さを感じさせるものだった故に、もっと無常感溢れる生々しい意識の失い方をしてほしかったなぁ、と思います。
乃響じゅん。

☆☆
 【道の両脇には黒い壁があり、行く手と視界を塞いでいる。】とありますが、道の両脇=両側にだけ壁がある、という状態なら行く手や視界は塞がれていないのでは……?最初の場面の想像に、少々躓いてしまいました。
それ以降は、「僕」が淡々と語る状況描写、心理描写が分かりやすく(想像しやすく)、特に野良試合の場面は実に格好良かったです。冷静な分析家のウインディ、という印象を受けました。欲を言えば、彼が相対していた二体目のポケモンの外見描写が欲しかったかな、というところです。☆二つを付けさせて頂きましたが、今回のコンテスト応募作の中で、個人的に好きな五作品の中の一つでした。
ラクダ

☆☆
 発想が面白く、文章も読みやすかったです。


 ある部分において句読点や改行により文章の形を合わせているせいで、表現し得る描写の幅が限定されていたように思えます。「みがわり」を使うことによってどうなるか、そこから物語を創り出した発想は素晴らしいものだと思いますが、お題になっている鏡の印象がひどく薄かったので、☆の数が少なくなってしまいました。 発想力、独特な文体、キャラクターの作り方、これらからこの物語を創れるのは著者だけでしょう。非常にオリジナリティに溢れた作品でした。


☆☆
 ポケモンの技を題材にとった作品。好みが分かれそう。おおなるほど、やられたーと思えるかどうかが、評価の分かれ目である。ミュウ(だと勝手に思ってる)の台詞回しが非常によかった。  小品といえる作品なので上位を狙うタイプではないが、これを読んだ人が普段対戦でみがわりを使っていてドキリとしたり、対戦で使った際にウインディの抜け殻の山を思い出してくれたら小説としては成功だろう。
 個人的には長編の設定の一部でこれが冒頭だったら、どんな話になるだろう。どういう風な広がりを見せるだろうというのも気になるところ。
お題:鏡 タグ:一人称、ウインディ、ミュウ、わざ、みがわり
地方:不明
死亡:あり?
No.017


 発想はすごい。身代わりの末路ってこうなるんですね。
 ただ、それだけなんです。それによる驚きは十分あったんですが、この小説の感想を聞かれればその驚いたっていうことだけになってしまうんです。
 そのなかで気になったことを。
 最初の暗闇の件(くだり)はそんなに長くする必要ありました? 光に会うだけなら別にもう少し短くても良かったような。
 オチが強力な作品は好きですし、武器だと思いますが、オチまでにつながる間が退屈かなと思いました。
 そしてなにより肝心のネタばらしが長ったらしく、インパクトが薄れてしまったように感じます。落とすなら一気にストンとしてほしい。
 身代わり軍団見つける→光のセリフよりは光のセリフ→身代わり軍団見つけるのほうが良かったかな、と『わたしは』思いました。
 それと鏡要素が弱いかと。というか鏡であってますよね? 果てしなく微妙なところですが……。
でりでり

☆☆☆
一読目:物凄いのが来た。身代わりがどこに行くのかなて考えもしなかったからこの発想はすごい。なるほど、身代わりって鏡だよなぁ。純粋にすげぇと思った。
二読目:これはレベルが高い。身代わりが死ぬ場所はゴミ捨て場と言いきるところがまた怖い。この光という案内人はこうやっていくつもの身代わりの死を見届けてきたのか。短編ってこう有るべきじゃないかなぁって思えた作品。なんかただこれ面白いやってなった。
三から八読目:何度読んでもすげぇなぁ。ただ、ちょっと単調であるともいえるなぁ。ただ単に読み慣れてきたからそう思うのかもしれないけど。
九から十読目:これは文句ないかな。☆三つ。結構満足できました。
音色

☆☆
 アイデアの勝利な作品。 ……もう、最初に言うべきはそれしかない。当初御題が発表された時、『ミラータイプ』と『身代わり』は使われるだろうなと思ってましたが、まさかその身代わりを意思を持った者として扱おうとは。夢にも思ってませんでした……これは脱帽。 文章内容も申し分なく、淡々と語られる物語は粗相らしいものも無しに、綺麗に組み上がっています。 ポケモン名をぼかす手法も、記憶を浮かび上がらせる表現もしっかりしており、情景描写も明確。 大振りな道具はありませんでしたが、全体的な水準は高かったと思います。 ただ、ミスリードに頼りすぎた感だけはあったかなぁ……? 作品内容はきっちり纏まってましたので、あんまりそう言う路線を繰り返す必要は無かった気もいたします。 まぁ、あった方が良いと言う意見を持たれる方も当然おられましょうから、その辺は個人によりけりでしょうか。
クーウィ

☆☆
<作品情報>
テーマ種別  →鏡
作品タグ  →【観念的な鏡】【みがわり】【死後の世界】【幻想的】
ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義  →十分満たしている。「みがわり」に着目したのは評価ポイント。
テーマの消化度合い  →「鏡」と判断するが、「みがわり」が鏡を表現しているというのはやや弱いと感じる。
<講評>
 読者に対して与える情報を制限し、物語への興味を持続させたまま進めていくタイプの作品と感じました。徐々に状況が明らかになっていくのは、読んでいて楽しいものでした。死後の世界というテーマを扱った作品として、ふさわしい書き方と言えるでしょう。与えられた「鏡」というテーマから「みがわり」への着想に至ったのも良いと思います。「鏡」との関連性が若干弱い感もありますが、気になるものではありません。展開や構成も破綻無くまとめられていて、文体にも経験を感じさせる安定感があります
 あえて指摘を入れると、「なぜ主人公がウィンディである必要があったのか」が希薄という点が挙げられます。「みがわり」という技は、特に第一世代(赤・緑・青・ピカチュウ)では一部を除いたほぼすべてのポケモンがわざマシンで習得できてしまう技で、第四世代(ダイヤ・パール・プラチナ・ハートゴールド・ソウルシルバー)でもわざマシンとして再登板され、再び多くのポケモンが習得可能な技になっています。ウィンディは第一世代から登場しているポケモンであり、当然「みがわり」を習得できるポケモンの一匹なので、本作品の構成要件として支障はありません。ですが、ウィンディはあくまでその中の一匹に過ぎません。今回「みがわり」をテーマに置いたことで、主人公がウィンディである必要性が却って薄くなってしまった感があります。ここが少し残念なところでした。今後の更なる活躍に期待しております。
586

☆☆☆
 ここここ、怖えぇえええええええ〜!!!;;;「みがわり」をこんな切り口で描くという発想は完璧に無かった。視覚的インパクトも非常に強烈。 まいりました。脱帽。(鏡との関わりが多少薄い気もしないでもないが、クオリティでぶっ飛んだ)
一か所だけ気になった部分。
>だが、ただ倒されるだけでは済ませない。最後のターンに目に物を見せてやる。
 「ターン」という言葉が現実味を殺いでしまっている。 一瞬を争う現実の攻防ではない「ゲームの中」のニュアンスを感じさせてしまうのである。 「最後に目に物を見せてやる」でよかったのではないか。
サトチ

☆☆☆
 とても読みやすいテキスト。内省中心の内容だが、周囲を暗闇にしたことで描写の物足りなさもない。上手い、言い換えればずるい(笑)。  最初はありきたりな自己存在の問答かとも思ったが、ポケモンの世界観を上手く活かして驚きをもたらした。積み上がった何十、何百というウィンディの亡骸は圧巻である。  桃色の光の歌が面白い演出だった。こうした事実の記述や語りとは違う、第三の文体が神秘的な雰囲気を出している。
渡邉健太

☆(作者の為、参加点のみ)
タイトルには、選択したお題を提示すると同時に、「反射」「(水や鏡に)映った影」という二つの意味を持たせようとしました。全体的に判りにくかったと反省……。
イサリ








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