【029】ヨーヨー、顔文字、オムライス 作:久方小風夜

 ☆3 ☆☆11 ☆☆☆16 =73


☆☆
 ポケモンでミステリ、面白かったです。「タマゴ」が「ポケモンのタマゴ」以外のことを指しているのもいいですね。

(自由感想)
・ニックネーム「オムライス」
・雰囲気に押しきられそうな自分とそうでない自分との戦いがあった。
りえ大統領

☆☆☆
 グッと来た文【『テッちゃんの作ったオムライスを食べるナツキちゃんが、とても幸せそうでした。』】
 最初のサーナイトさんがキーボードの打ち方を覚えたという文に油断してました。(汗)まさか、物語のカギとなるような伏線だったとは……!ハルちゃんとテッちゃんの関係も読み進めていく度に好きになりましたし、二人がどれだけ仲良しだったのかも伝わってきて……胸が温かくなりました。そして、中盤の方で、亡くなったはずのハルちゃんからのメール……ってこれ、まさかのホラーだったの!? と、勝手に背筋をビクつかせていましたが、全てが繋がった後は涙腺が熱くなって……(もちろん良い意味で)裏切られました。ちなみに、ヌオーの抱き枕って体だけではなくて、心までも癒してくれそうです。
巳佑

☆☆
 タイトルのインパクトもさることながら、それらが上手く物語とリンクしていることがよかった。
西条流月

☆☆☆
 オムライスが食べたくなりました。必死にキーボードを叩くサーナイトを想像して悶えたのは私だけでいい。
カレー屋さん

☆☆☆
 テーマは……鏡?それともタマゴ?どちらとも取れる。誤字脱字誤用及び話の流れに不自然な点は見当たらなかった(5/18時点)。また、テーマであろうタマゴor鏡は、存在感が薄いながらも出ていた。以上の点から☆☆☆とした。これは評価と関係ないが、サーナイトの知能がどう見ても人間以上あるように感じられる。文章見ただけで誰かわかるなんて、人でも中々いない。是非とも私の知能と交換してほしいと思った。あと、ヨーヨーさんの文体は誰のものかをあからさまに示しているような箇所(そう言えば、ハルからのメールも、いつも過剰なほど顔文字だらけだったなあ。の部分)が序盤にあり、実際に書いていたのがサーナイトと分かったときもやや盛り上がりに欠けた。(代案もなしに言うばかりで非常に申し訳ないが、)もう少しこの部分はぼかしても良いと思う。
あつあつおでん

☆☆☆
 ◇オムライスがなくなっても、俺とハルはまだまだしゃべり続けていた。
 泣きましたーw ミラージュさん(およびサーナイト)の存在が「ハル」の想いを伝える伝達者としてとても秀逸です。「サーナイトがタイピング?」ってなるところを、さり気なく伏線張ってあって違和感全くなし。そして、タイトルの全然関係なさそうな三つの名詞が物語の中に織り込まれているのを、読みながら確認していく楽しみがありました。
リナ

☆☆☆
 構成力の光る作品でした。最初はお題がないなと思っていましたが、よくよく考えればオムライスって卵でしたね。別にポケモンの卵を使わなければいけないという決まりもありませんし、この使い方は予想外でした。おもしろかったです。


☆☆☆
 お題:鏡(「ミラージュ」、サーナイトが陽世を映す)、タマゴ(オムライス)
 あまりに皆さんが絶賛されているので、☆三つ付けてしまうのが悔しい私はひねくれ者(苦笑)お題の使い方から、伏線の張り方、そしてリアリティとポケモンの世界観の組み合わせ方の上手さ、そして皆さんが口をそろえておっしゃる通り、オムライスが食べたくなる。素晴らしい。ふわふわ卵のオムライスを、オムレツが上に乗っているタイプと表現するのは作る側じゃないとできない表現ですね。料理しない人間なので、ちょっと違和感あった表現ですが、オムライス作るシーンを再読して、以前メイドカフェでオムレツをメイドさんに割ってもらったことを思い出して納得しました。余談ですが、このオムライスは何の卵なのか、気になるところ。鶏肉=鳥ポケモンの肉なのか否かと考えてしまう(爆)そしてヌオーを抱き枕にしたい。したい……!!
レイニー

☆☆☆
・ネット物書きという我々と同じ立場の人を使って書いた作品。その境遇に共感する部分も多かったです。
・トレーナーの旅と学業の両立について、やっぱり一番いい落とし所はこれですよね! と一人でテンション上がってました。
・オムレツ割るタイプのオムライス作れるとか、テッちゃんシェフになればいいのになんて冗談言って見たくなりました。
・サーナイトがキーボードの打ち方を覚えたとかってさりげない伏線を挟んできましたね。これはうまい。こりゃあ、もう敵いません。何もかもが敵いません。一気に最後まで読んでしまいました。いつの間に私の特性がシンクロになってたんですかね。ラスト……泣きそうです。共感。この作品には☆☆☆☆をあげたい。度肝抜かれました。ありがとうございます。
乃響じゅん。

☆☆☆
 泣けた。意外な真相に衝撃。読み返すとしっかり張られた伏線に納得。季節ごとの情景とか、いかにも美味しそうなオムライスとか、細かい描写も実に上手い。これもテーマとのつながりがもう一つ薄い気がするが、それを作品の質が補ってあまりあると思う。>急な呼び出しですみません。でも、どうしても確かめたくて。いいえ、構いません。言われた通り、連れてきました。ありがとうございます。この辺、普通に会話にしてもいいように思うが……?ところで、なんでヘリウム風船をピカチュウが欲しがるんだろう(^^;)ネタがわからず残念!
サトチ

☆☆☆
<作品情報>
テーマ種別 →タマゴ作品タグ →【物理的なタマゴ】【恋愛】【インターネット】
ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義 →十分満たしている。
テーマの消化度合い →問題ないレベル。オムライスがキーアイテムとして機能している。
<講評>
 全体の構成の手堅さもさることながら、タイトルで読者をひきつけることに成功した作品と言えます。タイトルだけを見ても何が何だかさっぱり分からず、どうしても気になってクリックしてしまう。その時点で、このタイトルをつけた筆者の勝ちと言えるでしょう。私も興味を引かれてクリックした人の一人です。 純文学とライトノベルのちょうど間くらいの柔らかな文体に、インターネットなどの現代的なアイテムを絡めつつポケモンの世界を描き出すという構成は、読者のイマジネーションを上手く刺激する形になっています。また、冒頭のシーンで後々重要な情報となる「サーナイトがキーボードの打ち方を〜」という一文が、その他の他愛ない話に巧妙に忍ばせてあるのも感服しました。まさに木は森に隠せ! 重要な情報は、なんでもないところに隠しておくべきですよね! お題の「タマゴ」から派生した「オムライス」も、ハルがそれを好きな理由(=幼い頃からよく食べていた)も説明されていますし、主人公がディスプレイの向こう側にいる人物の正体に感づくきっかけもオムライスでした。問題ないと思います。 語り口は上に載ったタマゴのように柔らかく、そして物語は中に詰まったチキンライスのようにほのかに酸っぱい。まさにオムライスのような、素晴らしい作品でした。今後の更なるご活躍に期待しております。
586

☆☆
 そういえば、俺は大学二年の夏に暑さでパソコンがやられたのを思い出した(笑)。注意されたし。
 前半は具体的に描かれていて面白い。特筆すべきはオムライスを作る場面。だんだんと具材がオムライスへと変貌していくのが目に浮かび、次の段落の“ハルはいつも幸せそうにオムライスをほおばった。”が輝く。このコンボは素晴らしい。
 少し注文を付けるのならば、夏休みの終わるころの“時は流れて、外の景色は、少し秋らしさを帯びてきていた。”という記述。ここはさらりと時間を経過させてしまって、季節の変わり目の感慨がない。“日中はまだまだ暑い”が、なぜ“朝晩の風はだいぶ涼しく”なるのか。夕立が来るからだ。季節の変わり目には寒暖の空気の境目が雨を降らせる。 例えば“夕暮れ時に窓から外を見”たときに、“虫取りの網を持った小学生くらいの男の子たちが”夕立のあとの水たまりを踏んではしゃいでいたら、まさに夏の終わりではないだろうか。
 まあ、私が夏の終わりに思い入れが強いせいもあるだろうが、得意な季節をひとつ持つと武器になる。そうでなくても、少しは季節の特徴を取材・調査して取り入れてみるといい。八月の終わりなら、夕方の主役は蝉から鈴虫へと変わっているころだ。
 さて、後半でいきなりおかしなことになる。ミラージュさんと待ち合わせの件。“駅近くのビルの前”、昼飯時に“当たりにはまだ誰もいない”とは思えない。いくらか人通りがあるだろうから、その中にミラージュさんらしき人は見当たらないのだろう。想像で、或いは自分の都合のいいように世界をねじ曲げて書いてはいけない。 これ以降、とても不自然な状態での会話が行なわれる。相手に背中を向け、ガラス越しに相手を確認して話すというのはどうだろう。なんというか、本当に都合のいい別世界に飛び込んでしまったようだ。
 正直に言って、演出が効果を発揮したとは思えない。ただの変な人なのでやめた方がよかった。 最後に改行に苦言を。紙にプリントして見てほしい。小説を買ってきて、これほど白紙の多い作品を読んだことがあるだろうか。サーナイトとの対話の件は、まるで印刷ミスのように白い。そこに激しい情動、時間の経過などがあるのだろうが、それを改行で表現するのは「逃げ」である。そこに何かがあるなら、書いてなんぼが小説だ。
渡邉健太

☆☆
一読目:なんだこのタイトル。破壊力大すぎる(爆)いわゆるタイトルホイホイですね分かります。しかし中身も結構な破壊力だった。しかし幼馴染の女の子の名前が陽代ってちょっと無理があるような気が。ていうかこれのどこがどうハルに繋がるんだ。もしかして陽代とかいてハルヨと読むのか?え、マジで。変換してくれた。ちょ、ごめんなさい。まじでヨウヨって読んじゃった。
二読目:ていうかこれもよくよく考えたらリア充話な気がしてならない。今回この路線多いな!そして死亡ネタ。いいけどね、死があってこその生ですけどね。けどさぁ、同い年の女の子ってがそのハルちゃんで引き取ったサ―ナイトが…ってまぁ偶然が重なった奇跡みたいなお話ってことなんだろうけども。しかし、オムライスはともかく顔文字いるのかこれ。いるのか、キーワードみたいなもんだし。ちなみに俺は顔文字書けません打てません。だから全然このトレイン君に共感ができない。顔文字懐かしいって言うのが分からないんだよなぁ。
三から八読目:ところでサ―ナイトがテッちゃんって書いたのは確信犯だから何だろうか。そうだろうな。
九から十読目:☆2つ。お話のできはかなりの物だと思うけど、どうもね。決定打に欠けるかなぁ。
音色

☆☆☆
 これね、最初冗長だなあって思って読んでたんです。例えるならフローリングに寝転がりながら本読む感じ。
 そんな感じで読み続けていたらこれまたとんでもないことが起きました。
>とっくの昔に、この世にはいないんだから。
 !? えっ、ええええええ!!!!!! う、嘘やんまじで、えええ! 小説読んでてこんな取り乱したことはないです。今までフローリングで寝転がってたのが急に立ち上がってそのまま5mくらい空飛んだ感じです。 そのままがっついていたら、あれよあれよと今までの文、伏線が見事に繋がっていくじゃないですか! これはもう感動しました。99―0の九回裏、2アウトからの逆転劇。もうほんとすごい、オチもすごい綺麗で三回転半ひねり土下座します。
 いやもう本当にありがとうございましたいやあ天晴れ。文句なしの☆☆☆です。
でりでり

☆☆☆
 まずタイトルにもっていかれた。コンテストのインデックスに35作品のタイトルが並んでいるわけだが、どうしても目が「オムライス」に吸い寄せられる。ヨーヨーと顔文字とオムライス。オムライスにケチャップで顔文字でも書くのか? でもヨーヨーどうするねん。接点ないねん。わけがわからないよ。そんな感じで。(※もちろんいい意味でです)
 で、肝心の内容なんだけども、ヨーヨーさんが出てきて、顔文字が出てきて、なんか思わぬ展開になって、うおおお!? と主人公が焦って、そして真相が分かって、ほっとする、泣く。ホッとするとお腹がすく。泣いてもおなかがすく。オムライスが食べたいです、で締める。
 タイトルはインパクトだけを狙ってるのではなく、ちゃんと関係があるのね。ああ、この作品にはこのタイトルしかないなって説得力がある。 なのでその、とくにあんまり言うことが無いです。あえていうなら、オムライスが食べたいです。調理法が出てくると食欲を刺激されます。これはずるい。 審査会後の夕食がオムライスになったのはこの小説のせいです。
(あ、難を上げるなら、感想がことの真相より、オムライスのほうに言ってしまったことか(笑)。あと陽世の読みはハルヨでいいんだよね? ちょっと迷った。)
お題:タマゴ
タグ:一人称、インターネット、オンライン小説、サーナイト、タイトル一人勝ち、オムライスが食べたくなる小説
地方:不明
死亡:あり
No.017

☆☆
 題名が強すぎる作品。
 最初見たときは「何ぞや!?」と思った(苦笑)しかし、内容自体は王道だったので一安心。
 ……正直、本当にカオスな作品だったら、どう評価したもんかとビクビクしておりました。第一の印象は、オムライスの描写が無敵過ぎる! もう、兎に角これに尽きた(笑)読んでるだけで腹が減る。
 唾が湧き出る。
 これは間違いなく、洋食屋の陰謀か回し者に違いない( )一方ストーリーの方は、取り立てて珍しい部分は無かったにせよ良く作り込まれており、全体を貫くテーマやメッセージ性がはっきりしていて、文句なしに良作と言い切れるレベル。……ただ、主人公が謎を解く経緯は些かキーが少なく、多少「鋭過ぎでしょ……」と言う感じの違和感が存在した事。それに、幼馴染の少女の手持ちに殆ど全く触れていない為、犯人であるサーナイトの登場が唐突に感じられた事だけは、敢えて明言して置きます。意図的にヒントを遮断しておられたのかもしれませんが、せめてさわりだけでも触れられた方が、事情が明らかになった時の感慨も、それ相応に大きくなるもの。 ……ネタバレを警戒される気持ちも分からないではないのですが、せめてもう少し情報を零しておかないと、『何処から出て来た』感が生じるのは、避けられないかなぁと。食べ物と思い出を絡めるのは非常に有効な手段ではあるのですが、上手く魅力的に仕上がるかは、当然当人の技量次第。 願わくば、これからもその優れた技量を眠らせる事無く、この調子で頑張ってくださいね!
クーウィ







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