【028】月明かりの島で 作:レイニー

 ☆8 ☆☆18 ☆☆☆4 =56


(自由感想)
・ニックネーム「月島」
・ルギアを「ママ」としたのは素晴らしいと思う。「ルギア爆誕」の脚本はなんでルギアをメスにしなかったんだー! と葛藤したとか。それは海の神様は女でしょ。という考えに基づくものだそうです。
りえ大統領

☆☆
 グッと来た文【「まなふぃとるぎあと、いっしょにあそぼ!」】
 ルギアがこもってしまっていた殻を破ったのは、あの日、孵ったマナフィだった……ということでもあるんですよね? この物語は。(ドキドキ) とても胸が温かくなりました。月に語りかける物静かなルギアさん、マナフィさんに慌てるルギアさん……ルギアさんの心境の変化も印象的でした。そしてマナフィさんの無邪気さには思わず微笑みがこぼれました。
巳佑

☆☆
 孤独なルギアがマナフィを通して、自分が周囲に対して作っていた殻を破っていき、一人が普通ではなくなり、離れていくことが辛くなったというところはルギアのツンデレ的な可愛さがでていたと思うし、上手くまとめられていた
西条流月


 マナフィが可愛くてしかたがないです。
カレー屋さん

☆☆
 ◇私は、神ではない。ルギアなのだ。
 完成度が高いです。本気で。 日常(海の神としての、一人ぼっちの日々)から未知への旅(マナフィとの出会い、島を訪れるポケモン達)、そして変化した日常への帰還(また一人ぼっちになるが、ルギアとしての新しい価値観が生まれる)までの道筋がきれいに描写されているので、ブレのない、堂々とした結末を気持ちよく見ることができました。
リナ

☆☆
 児童書のようなお話でした。マナフィの成長とともにルギアの変化していく心情を描いた作品。分かりやすくて、読みやすかったです。


☆(作者の為、参加点のみ)
 お題:タマゴ(物理的)、鏡(海面反射)自作品。実は趣味丸出しの作品ですが、普段ネタ物が多いので、案外作者断定は難しいかなと思ってたり(笑)シチュエーションはかなりお気に入り。月への階段=実は鏡も盛り込んでいたということに気づいていただければ幸い。しかし、それだけに表現力のなさが残念だよな……と思ってしまう。チキンなので批判コワイヨーと思いつつ、作品への思い入れ強いので、しっかり受け止めて改稿版書きたいなと思います。
レイニー


 絵本のようなあたたかい話ですね。


 話の流れとしてはいいもの持ってるなぁと思いますが、何だかダイナミックさに欠ける気がしてなりません。考えてみたところ、ルギアの悩みとそれに至るまでがしょうもなさすぎるのではないかと思いました。人に海の神と呼ばれたからと言って、そんな即信じるものなのでしょうか。悩むなら、まず本当に神かどうかを疑うべきでは。そうなる可能性があるとすれば、ずっと周りに神だ神だと言われ続け、自分の意見を主張できないまでに「お前は神なんだ」という言葉にさらされ続ける必要があると思うのです。ですが、その描写もないですし。うーん。
乃響じゅん。

☆☆
 これを読み終わり、最後の5565字という文字を見て気が狂いそうになりました。
 こんなにあって5565字なの!? ええええこんなに良い話が5565字で書けるの!? 5565字で。5565字ですよ。 面白かったです。この話好きです。
 でも言わせてください、読点があまりにも多すぎました。接続語の後につければいいってものじゃないです。 お陰様でリズムよく読めませんでした。いちいち切れて、マラソン選手が100mごとにこけそうになる感じでした。これに関しては音読していただけば分かると思います。
 そして、同じ接続語を何度も続けて使いすぎです。そして、それが全体的にリズムを悪くしたと思います。そして、それらを意識して頂いたならもっと文にキレが出来ると思います。
 また序盤で神、神、後半でも神、神とガミガミ言ってる割りに神って何かの答えが出てないですよね。問題提起してるなら何かしら欲しかったです。>>かつて、ここに来た人間は、自分のことを『海の神』と呼んだ。そう呼ばれるからには、自分はこの海を支配しているのだろう。しかし、自分はここでひっそりと暮らしているだけだ。ならば、私がここでひっそりと暮らしていることによって、神の力は果たされているのだろう。 今の一文には致命的なミスがあります。神である→海を支配している。これは成り立ちません。 使っているキャラクターの割にはダイナミック感が少ないのはややもったいないように思います。
でりでり

☆☆☆
 ルギアとマナフィ。
 孤独と交流。
 まともにツボを突かれた作品の一つです(笑)月を眺めて暮らすルギアは、何事も思慮深く受け止め、周囲の遠巻きな視線や自らの孤独にも、それ相応の反応を示しています。それに比べて、突然彼の生活に飛び込んで来た幼いマナフィの方は、誰に対しても明るく天真爛漫で、主人公であるルギアの周囲に、今まで全く縁の無かった、他者の温もりを齎してくれて。まるで御伽噺のような内容でありながら、其処で語られているものは紛れも無く血の通った、親しみやすい命の交流であり、個々人の意志や思想、世界観である。 ……伝説のポケモンを配しているにも拘らず、変に上段ぶった構えや重々しい威厳を捨てて、敢えて素朴な姿を綴ったそのストーリーに、すっかり魅了されてしまいました。そしてその一方で、決して等閑にはされていない丁寧な情景描写と、緻密な心理描写。
 時とそれが齎すさまざまな変化を、『月』と言う第三者も絡めて描くその表現力は、これだけ多くの作品の中に於いても、全く埋もれるレベルではなく。
 ……二三度読み返してアラを探してみたのですが、特にこれと言ったものは見つからず、逆に評価するべき点がボコボコ増えてしまって、そういう意味ではえらく苦労する破目となりました(苦笑)自分の如き未熟者には、特に指摘できる点はございません。
 良い作品を拝見させて頂き、ありがとう御座いました!
クーウィ

☆☆
 やさしいおとぎ話のような物語。海繋がりのポケモンで巨大なルギアと小さなマナフィというのは絵になる構図である。公式でもありそうでなかった組み合わせである。
 そしてやはり特筆すべきはお題の扱い方であろう。この小説のタマゴには二重の意味が込められている。マナフィのタマゴとルギアは「私は海の神ではなく、ルギアなのだ」という概念の殻をやぶるという意味でのタマゴである。海の神というタマゴにこもっていた彼はルギアとして殻をやぶり、生まれたのである。
 欠点をあげるとすると、ちょっと退屈だけれどこれはそういう話だから仕方ないでしょう。あとは読む人の好み次第。
お題:タマゴ
タグ:三人称、ルギア、マナフィ、月、童話的
地方:不明
死亡:なし
No.017

☆☆☆
 テーマはタマゴと思われる。誤字脱字誤用及び話の流れに不自然な点は見当たらなかった(5/18時点)。また、テーマのタマゴは結果的にルギアが考えを変えるキーマンとなった。以上の点から☆☆☆とした。
あつあつおでん


一読目:なんというべきか、ルギアにマナフィというある種の異色コンビ。かわいいけどさ、なんかね、どうもね、気にくわねぇ(おい)。別に純粋なマナフィはいいんだよ?別に俺がチビッ子が嫌いなだけで。
二読目:「どうして? だって、ルギアは『海の神』じゃなくてルギアだよ!」…。ごめん、それでも俺はルギアは海の神だと思ってるんだ。と言ってみる。だってその方が格好いいんだもん。神様って持ち場離れても大丈夫なんでしょーかね。しらね。しかし、いちおーこれでルギアさんは自分を縛りつけていた海の神という称号から無事自立で来たんだからめでたしめでたし…な空気何だろうがおいこらちょっと待てや。なんかすげー納得がいかない。お話の流れ的には大変素晴らしいものがあるのに。どうしてだろう、なんか嫌いだこの流れ。
三から八読目:読み返しながら気づいた。とにかく俺はピュアな子が出てくるとムカついてしまうらしい。つまりこの作品に問題があるのではなく読んでいる俺に問題があるのだ。
九から十読目:結論。今回のこの作品はとてもお行儀よくまとまっています。模範っぽいです。しかし受け取る側(=俺)の性格と大変噛み合いません。ですので☆一つ。無茶苦茶です。正直スル―してください。いやほんとごめんなさい。
音色

☆☆
 ルギアとマナフィという組み合わせは珍しく感じた。マナフィの言葉により、ルギアが自己を改めて見つめなおす「転」の部分は多少弱い気もするが、ラストは美しい。さて、島を離れたルギアは月と会えたのだろうか。その後の物語も読んでみたい。
サトチ

☆☆
 綺麗な物語、綺麗な文章。ときどき美しい。
 が、感動がやや薄い。 クライマックスで“だってルギアは『海の神』じゃなくてルギアだよ!”というマナフィの言葉に、“忘れていた大切なことを思い知らされた”とある。これは「忘れていた」のだろうか。 これまでマナフィと過ごすことで、マナフィの目線を通すことで、これまで「気付かなかった」発見があったはずである。海のポケモンたちが訪れて、「知らなかった」発見をしたはずである。
 ルギアの幼少時の記述はなく、ルギア自身も自分は何者なのかと問いながら存在していた。アイデンティティは『海の神』であって、『ルギア』ではなかった。それはまた、マナフィから与えられた「新発見」だろう。どうにもこの「忘れていた」が引っかかった。
 さらに振り返ったルギアは、“大きな驚きを味わ”う。これはよくない。読者は(ふーん、驚いたんだ)としか思わない。それよりは、先ほどの“大切なことを思い知らされた”という記述の方が、心的衝撃は大きい。
 大きく驚いたのならば、「驚き」以外の言葉で表現しなければならない。心証というのは、そのままの言葉(嬉しい、楽しい、悲しい)では、その感動を伝えられないものである。何か具体的事象を提示するか、或いは比喩を用いるかしなければ伝わらない。このルギアが驚いた姿を、何か別の方法で伝えてほしい。(安易な表現だが、「振り向き、そして目を見開いた」と置き換えるだけでも、「振り向き、そして大きな驚きを味わった」よりは驚きが伝わらないだろうか。)
 まあ、それはともかく十六夜の月って本当にいいよね。俺は何って十六夜がいちばん好きだよ。あれは本当に美しい。
渡邉健太

☆☆☆
<作品情報>
テーマ種別 →タマゴ
作品タグ →【物理的なタマゴ】【海の神様】【出会いと別れ】【実は観念的なタマゴ?】
ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義 →十分満たしている。マナフィは原作でもタマゴで配布された経緯があり、ここに着目したのは大きい。
テーマの消化度合い →まったく問題ないレベルと判断。
<講評>
 強大な力を持つルギアが、どこまでも純粋なマナフィと出会って変わっていく。それだけのごくごくシンプルなストーリーですが、ルギアの心境の変化とマナフィの成長の様子が的確に描かれていて、すっと飲み込める良い作品でした。また、ルギアが作中で「もしかしたら創造神の気まぐれで突然生み出されたのかもしれない」と言及されているのに対し、もう一人の主人公と言えるマナフィがはっきりとタマゴから生まれてきたと描写されているのは、これまで一度も公式に「タマゴ」として配布された実績のないルギアと、所謂「伝説系」にしては珍しいタマゴでの配布が幾度か行われたマナフィをうまく対比させていると感じました。
 これに加えて、ラストシーンでルギアがずっと住んでいた島を離れていったのは、実は「島」という「タマゴ」を割って外へと出て行く(=誕生する)構図のメタファーとなっているのでは、と感じました。そうであるとすると、タマゴというテーマをルギアとマナフィの双方で消化している形となり、非常に美しいストーリーであると言えます。感嘆しました。
 明快なストーリーに、さりげない技巧を無理なく無駄なく絡めた、大変良い作品だと評価させていただきます。今後の更なるご活躍に期待しております。
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