【027】卵破壊大作戦 作:はる○

 ☆4 ☆☆19 ☆☆☆7 =63


(自由感想)
・筆者はサンテグジュペリを読むべき。
・小説として成立しているがポケモンとしてやる必要性を考えてしまう。
りえ大統領

☆☆
テーマはタマゴと思われる。誤字脱字誤用及び話の流れに不自然な点は見当たらなかった(5/14時点)。テーマのタマゴは作中を通して重要なものとして取り上げられている。しかしながら後半、登場人物達の「チルタリスをタマゴとまとめて殺した罪悪感」が強く、ややタマゴが陰りがちだった印象を受けた。以上の点から☆☆とした。
あつあつおでん

☆☆☆
 グッと来た文【『あのね、勝利が安心して前向いてられるようにしてあげるから。勝利は前だけ見ててよ。あなたの背中は私が守る。だから私の背中はあなたが守って』】
 何年後かのポケモン世界であってもおかしくない状況かも、とその可能性に思わず唾を飲み込んだり、体長二十メートルのチルタリスでも小さい方って……巨大化どんだけ!? と驚いたり、戦闘シーンは手に汗を握る! とにかくインパクトがすさまじかった物語だったと思います。(汗)ミリタリー系(と言えばいいのですかね?)はなんか機械やらなんやらで難しそうだなぁ……と思っていたのですが、この物語では勝利さんの分かりやすい説明のおかげで、スイスイと読み進めることができました。光鼠と雷鼠という名の機体は「本当はポケモンにはポケモンで立ち向かうところだが……我々には……もう、ポケモンは……」といったような葛藤(?)から名付けられたものでもあるのかな……と思いました。だって、このポケモンと人間が分かれて戦いあうまでは共存していたはずですから『ポケモンを敵とみなして殺す』という考えには戸惑っている人もいるはずだと。それと、勝利さんと素直さんがお互いを信頼しあっているところも好きでした。更には、素直さんの前向きさに惚れたり……それと、勝利さん、さりげなく言った最後の台詞には素直さんが好きだという意味が込められているんですよね?(キラーン)
巳佑

☆☆
 進撃の巨人+アリソン?(^^;)とか思ったが、巨大チルタリスは意外性があり面白いと思った。余談だが、タイトル、「大」がつくとやや大仰というか微妙にコミカルな雰囲気が漂ってしまう気がする。シリアスなので「卵破壊作戦」とかの方がいいような気もするが……?もしくは、タイトルを「ある破壊作戦」とかにして破壊対象を伏せておいて、実はターゲットは卵、というのも面白いかも。批評とは関係ないが、テンガン山頂が2000mというのはイメージ的に少々低いような気もした。モデルと目される大雪山は2290mだそうだし、登場ポケモンもデカイし、どうせなら景気よくもうちょっと高くともいい気もするのだがどうだろう?
サトチ

☆☆☆
 怪獣ものとしてよくできていて、連載してほしいぐらいの細かな設定のデティールを感じることができた。特に戦闘員二人の掛け合いは軽妙で、重い雰囲気の作品のいいアクセントになっていた。
西条流月

☆☆
 女子力のアピールどころがさすがでした。むむ、ポケノベでお見かけするあの方では!と、こっそり予想をしておきます。
カレー屋さん

☆☆
 ポケモン二次創作でミリタリーというのは見かけたことがなく、新鮮で面白かったです。戦闘機と巨大ポケモンの戦いの映像が脳裏に浮かびました。青と白のコントラスト、とてもかっこいいです。


 この突拍子もなさが結構好きだったりします。インパクトのある設定に度肝抜かれました。巨大な敵が相手と言うのは、進撃の巨人という漫画を思い出します。それにしても、明らかに緊張感が足りない素直……そんなんでいいのか。笑いや、緊張し過ぎないようにあえてそういう態度をとっているのか。多分こっちですね。チルタリス戦でちょっとおどけた描写になるのは、雰囲気ブレイクが過ぎる感が否めません。やりすぎです。読者の調子を狂わせます。あと、肝心なところで無言に頼るのはいただけない。あれをされる度に私の集中力が途切れてしまい、非常に読みにくかったです。いずれにせよ、雰囲気の統一を計り、落ち着いた文体を貫き通してくれていたらもっと読みやすかったのになぁと思います。
乃響じゅん。

☆☆☆
 ◇『冗談でも言ってないとやってられないでしょ、こんな仕事。正直』
 これまた問題作w もちろん良い意味です。可愛いとしか思っていなかったチルタリスが、ジュラシック・パークのT・レックスやヴェロキラプトルのように見えましたw 二人の軽快な会話と、過酷な作戦のギャップがすごくいい。その辺りがこの作品にリアリティを持たせてると感じました。
リナ

☆☆
 前半の設定部分が冗長だと感じてしまいましたし、その設定の要である戦争の発端もいまいちよく分かりませんでした。巨大化したポケモンなら街くらいあっさり壊滅させられそうな気がします。若干の粗はありましたが、ストーリー自体はおもしろかったです。


☆☆
お題:タマゴ(物理的)
 まず、お題「タマゴ」で卵破壊するのかよ!とタイトルでまず驚き。さらに、タイトルからコミカルなの想像してたら、巨大ポケモンと兵器で命かけたガチバトルというその設定に度肝を抜かれました。ただこの世界観は、好みが分かれそうな気がします。しかし、勝利と素直のやり取りがコミカルで、硬い世界観をほぐす、なかなかいい効果になっていると感じます。
レイニー

☆☆
 読んでいて、作者はこの手のもの(軍事っていうかミリタリーというか)に通じているんだろうな、と感じた。シリアスな設定に軽妙なノリは好きである。
 苦言を呈するならノリと扱うネタが前回と同じだったことか(嫌いではないのだけど)。主催には作者がわかるというチート能力があるので贅沢を言っちゃうとこの演劇的なノリで戦闘モノ以外も読んでみたいと希望するところである。 あと、女子力はちょっと余計だったかも。舞台の上だったらokだったと思うが、小説だとちょっとシラけるかな。
お題:タマゴ
タグ:一人称、ミリタリー、戦闘機、チルタリス、演劇的、特定しました
地方:シンオウ
死亡:あり
No.017

☆☆
 これは発想と順番の勝利。勝利だけに。
 とかいうのは置いといて、精通してるなあと思いました。
 あんまりどころかまったく軍事に詳しくないんですがだいたいわかりました。が、全てわかるわけでもなく二階級上がるとかの件が分からなくて辛かったです。いや、これはわたしが無知なのが悪いですよね申し訳ないです。
 そして描写もパワーがあって実力を感じます。
 設定もすごく練られていて良かったと思います。特に地名とかに漢字着いてるのはセンスを感じます。
 しかし体長20mのチルタリスは怖い。そんなのが襲ってきたらもれなくちびりそうですわたし。
 それとこれはすごい個人的な感想なんですがキャラクターが軽すぎるように感じました。内容とマッチしてないように思うんですがこういうのってこんなもんなのでしょうか。
 そしてチルットは一体どこから現れたのでしょう。
 でもこういうのはどちらかと言うと苦手なんですが、そんなことなくわくわくして面白かったです。
 ただ、評価とは一切関係ないんですが586さんのコットンガードを読んだ日にこれを初読したので複雑な気持ちでした(笑)
でりでり

☆☆☆
<作品情報>
テーマ種別 →タマゴ
作品タグ →【物理的なタマゴ】【異色作】【ミリタリー】【ネットスラング】
ポケットモンスターシリーズの二次創作としての意義 →異色作だが、一つの可能性としてはあり。「ライチュウ」に由来する戦闘機の名前等、小ネタの挿入が効いている。
テーマの消化度合い →テーマとしてはやや弱いが、概ね問題ないレベル。
<講評>
 今回投稿された全三十五作品中、恐らくもっとも特異な世界観と設定を持っていると断言できます。元の世界観を「尊重しつつ叩き壊す」という、二次創作としてはある意味勇気のいるスタイルで、評価にはかなりの時間を要しましたが、全体として破綻したところはないと判断しました。その上で、この独自性は高く評価すべきであると感じました。
 作風は好みの分かれやすいミリタリー風味で、人によっては受け付けない可能性もあります。私自身も手掛けたことのない(実際のところ、手掛けるだけの知識と自信がないのが本音です)分野なので適切に評価を下せているかは不安の残るところですが、作品全体を包み込む緊張感と、主人公と一之瀬さんの軽妙な台詞のやり取りが綺麗なコントラストを描いており、筆者の技量の高さを感じさせる作品に仕上がっていると言えます。本来長編向けの設定を違和感無く短編作品に閉じ込めた手腕も見事です。貫禄のある作品といえるでしょう。 以下は余談です。最終評価には考慮していませんが、最後の最後で出てきた女子力云々のネタは、率直に言って蛇足だと感じました。元のネタ自体が一過性の風化しやすいネタだということ、そしてTwitterやまとめブログ等の閉じられたコミュニティのみで流行した一種の「内輪ネタ」ということがその要因です。確かにテーマである「タマゴ」にも引っ掛かっているのですが、個人的には若干水を差された感がありました。評価には影響しませんが、参考コメントとして記載しておきます。今後の更なるご活躍に期待しております。
586

☆☆
一読目:またリアル充実組かぃ。正式カップル。どうでもいいけど空気が前回の怪獣大決戦と似ているような似ていないような。大体タイトルも中身もよく似てるもんなぁ。作者様一緒だったりして(爆)
二読目:前半ハイパーリアル充実風味、後半VS巨大チルタリス。ところでポケモン巨大化ってアニメにもあったよな。ていうかツボちゃんはどうなるんだよ、おい!?だいたい、チルタリスがホラーだって言ってるけど基本的に非現実的なポケモンはすべてホラーだと言えるじゃねーか。ていうか、思うんだけどさ、何故武器で迎え撃つんだ。お前たちの世界には球状携帯獣拘束具、通称モンスターボールという画期的なものがあるじゃないか。巨大化したからって逃がさんでも、そのまま育てれば立派な戦力じゃね?ボールに封じ込めてしまえば出られないんだろ?なんでこの発想ないのかね。この世界は今スグモンスターボールの量産に取り掛かるべきだ。巨大化したらボールに入らないなんて理屈があるか。データ化するんだろ、ポケモンって。容量が膨大?じゃあボール大きくして要領を大きくすれば問題ないじゃないか!とか突っ込んでみる。ところでテンガンサン頂上のタマゴって誰が発見したのよ。どうやって発見したのよ。衛生かなんかだろうか。
三から八読目:とりあえず感動を台無しにしてくれる彼女さんに拍手とかしてみる。
九から十読目:なんか個人的には☆1つにしてやりたい気分にさせられる(ところどころだけどね)。しかし文章の運びがうまいもんだからええぃ、2つくれてやらぁ!ホントは3つでもいいと思うんだけどさ、前述の突っ込みどころはじめいろいろ引っ掛かるのよ。
音色

☆☆
 戦場ロマンアニメの弊害か、男女が同じ部隊に所属して恋愛オッケー。フィクションとはいえ、こういう作品には感心しない。 なぜポケモンが巨大化したのかなんて、もう何百年も前のことであやふやなのだが、そこに端を発する作品そのものがあやふやである。巨大化する以前、ポケモンと人間は生息地を争っていなかったようだし、戦争の発端が見えない。『スカイクロラ』のような娯楽としての戦争を描いていないとしても、作者の動機がそうなのではないかと感じてしまう。こうした点も感心しない。食物連鎖ではないにせよ、人間にも天敵が現われたということだろうか。大自然で生き抜くことのメタファーだろうか。注目すべき作品なのだが、戦争を題材とするにはライト過ぎる。現実問題として、ヒトはそれほど知能の低い動物ではない。
 作中に“『やり切れない』”という台詞があって、爽やかにジョークに持って行く。これはいい。そうでなければ殺し合いなどできない。感覚が麻痺するのではなく、自我を守るために自発的に認知を避けるのだ。これは健常に生きるための知恵で、それによって軍人は責められるべきではない。こうした記述にはいいものがあるので、恋愛を排除して、純粋に戦場を描いた方がよかったように思う。 中身のテキストについてだが、いくつか仕掛けがあって面白い。
 第一は、あれこれ御託を並べた割に、あっさり天願山へ接近する件。あとになって陽動作戦があったことが記述されている。なるほど整合性は取れているが、ちょっとこれは後出しジャンケンになっている。作戦≪ミッション≫の発令は指令書だけではなく、もちろん作戦会議があったろう。陽動作戦に参加するメンバーも同席することが想像できる。そこでさらっと登場させておくだけでも伏線として十分だし、緊迫感のある会議の後ならば、一之瀬少尉の言動もまた特徴付けられるだろう。(陽動作戦が全て別基地所属部隊だったのならば仕方ないが。)
 第二に、複座戦闘機の形状である。チルタリスから逃げるべく“重力が塊になって僕に一之瀬に圧し掛かる。”の記述などは、いまかかったGは彼らにとって前からなのか、後ろからなのかと疑問を挟ませる。複座戦闘機についてあれこれ所感を述べているが、そこには“操縦席は前後に分かれており”としか記述されていない。途中、一之瀬少尉が“『背中』”と言うところから、後席は前席と背中合わせに設置されているのだろうと推察するが、あれだけ細々と雷鼠について語っていたパートに出てこないものだから、断定はできずに困った。クライマックスの戦闘では、突撃してくるチルタリスの真上に出て、かつ自機の後部が敵に向いているのだろう。これはエースでなければできない芸当で、空中戦といえばやはりこの垂直状態を期待してしまう。後席はパイロットと逆を向いており、つまりチルタリスの首は一之瀬少尉の視界にある。大いにアドレナリンが出た。
 ……と、まあ想像して楽しんだのだが、それは読者に少なからぬ知識を要求する。いまこうして振り返っても、最後の雷鼠の姿勢には絶対の自信がない。つまるところ、このテキストではそれが分からないのだ。きっとこうなのだろうとしか言えない。そこは改善の余地があるテキストだということだ。 さて精一杯に講評を書いてみたものの、私は軍事マニアではないのでよく分からない作品だった。正直すまん。
渡邉健太


 初めに言って置きます。
 面白いです。題名自体にも威力がありましたし、内容に至っては、他の奇をてらった作品群を嘲笑うかのような、ダントツのインパクトがありました。全体を通して貫かれている世界観やメッセージ性、軽妙なノリ、そして一転してシリアスな最後の締めの部分も、本当に好きなのです。
 ……でも、ちょっと突っ込みどころが多すぎた(汗)先ず、誤字や矛盾が多いっす!当初性能を書いたところでは、乗機の搭載機銃が強力と書かれていたのに、いざ使う段になると小口径になったり、チルタリスのスピードを語るところで対象がチルットになったりと、ちょっと推敲の荒さが目立ちました。文と分の間が詰まっているわけでは無いので、見直しは比較的容易なはず。 ……もう少し、ゆっくりと読み直してくださいね。後、もうちょっとマニアックな突っ込み。 ……しかし先ず申し上げたいのは、ここから突っ込む内容は、作品の大筋に関わるような事では、決してありません。
 と言うか、正直知ってても知らなくても一向に構わない無駄な知識です(爆)ですので、普通に聞き流して頂いて構いません。 ってか、ここからは読まずともOKです。
 では、早速。 ……はっきり申し上げます。こんな設計の攻撃機あり得ません!(爆)
 高速・高機動を売りにしている機体なのに、後部に銃塔が付いているわ、装甲が薄いわと、凡そ高速設計の機体にはタブーとされている要素がてんこ盛りで、到底大気圏内で使える仕様じゃないです。明らかにジェット攻撃機ですから、当然高速を謳えば最高時速はマッハを越えるでしょうが……そんな機体には、そもそも後部銃塔はつけられません。
 音速飛行には強大な負担が掛かるため、銃塔の様な明らかに空気抵抗を増すものがあれば、最悪其処からフラッター(震動現象)が起こって、機体そのものが空中分解してしまうからです。また、攻撃機なら多くの場合は、雲の上からでも標的をロックオンできる強力な赤外線センサーが標準装備になっており、態々下降してリスクを犯さなくとも、確実に標的に攻撃・命中させられます。
 近代に於いては、戦闘機も攻撃機も全天候型である事がほぼ必須の条件となっていますから、雲が出たぐらいで使えない攻撃機と言うものは、先ず過去の時代の産物と言ってもいいでしょう。それに更に、仮に後部機銃が付いていたとしても……実際にそれを使いこなすのは、近代戦闘機に於いてはほぼ百パーセント不可能です。
 と言うのも、いわゆる可動可能な旋回機銃と言うものは、我々が普段思っている以上に、当たるものじゃないんですね…… 実際の命中率は、前方に固定されている固定機銃に比べて、大体7:1と言われています。しかもこれは、まだ飛行機のスピードが遅い第二次世界大戦頃の命中率なので、近代における高速機動の物体を狙った場合は、もうこんなレベルじゃないのは疑いようがありません。 ……しかも、作中では主人公達の機体は急激な機動飛行をやっていた訳ですから、そもそもその時に発生する強烈なGで、機関銃を振り回す事すら叶わなかったはず。高速飛行時の急旋回は、予め踏ん張っているパイロットの意識が飛ばされるぐらいの遠心力が掛かる為、普通乗員は手足は愚か、首すらまともに動かせません。
 そんな中で、同じく遠心力で自由に動かない旋回機銃に取り付き、百分の一秒単位で移動する目標を精確に照準して狙い撃つと言うのは、流石に常識の範疇を越えております……此処は普通に、航法士がタイミングを見極め、パイロットがその合図で旋回して、前方機銃でまぐれ当たりを取ったと言う形にするのが、最も自然かと。
 ……それだけ言うのに、こんなに沢山無駄な文章を並べておると言うのは、まさに愚劣の極みではあるのですが……流石に突っ込みたいところが多かったので、致し方も無く。申し訳ない……(汗)最後にもう一度。 面白いのです。締めの形は企画全体を通してみても五本の指に入るぐらいですし、其処から得られる感慨や余韻のほども、素晴らしいものがありました。しかし一方、やっぱり空力学や兵器としての視点で見ると、ちょっとアラが大き過ぎ(汗)
 余り興味の無いものでも、さっと流す程度には、下調べをして置く事が肝心ですね……
クーウィ








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