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ブースターたんかわいいよブースターたん。
初代緑版で迷わずイーブイをブースターたんに進化させたくらい好きだよブースターたん。
唯一王とか、ブイズ統一パにウインディ入れた方が勝率上がるとか言われても可愛いからいいんだ。
お口あーんしてるブースターたんとかまじカワユス。
嫌がって炎吐いて歯ブラシとか溶かしたりしてしまうんだろうか。
それとも口閉じてしまうから歯ブラシに歯形がつきまくりなのか。
どっちも可愛いから無問題。
涼しくなったし、ブースターたんうちにおいで。
私信
もーりーすまぬ、すまぬ…。感想遅れて本当にごめんなさい。
ちょっと修羅場ってた。
> 怖い!怖すぎる!下手なホラーよりずっと怖いぞ!
> でも多分この怖さが分かるのはポケモン好きだけなんだろうな……
ありがとうございます。怖いの不気味なの書こうと思ってたんですよw
ポケモン好きのみわかる恐怖……なんかいい響きですよね
> そうだよね。よくよく考えたらタウリンとかブロムへキシンとか薬なんだよね。
> 使いすぎたらヤバイよね。ジャンキーだよね。
> 当たり前なんだけどゲームの中にサラリと出てくるものだから気付かない。変な盲点。
さらっと出てくるからこそわからない。ましてやゲームの中ですからね、薬なんて意識ないですもんねw
みなさんも使いすぎには注意しましょう。
感想ありがとうございました!
テンションがすごく上がりました。最近リアルが忙しくてなかなか長時間ネットできる日がないのですが、
一応小説のところだけは毎日チェックしてるというね。
本当に読んでくださってありがとうございます。
怖い!怖すぎる!下手なホラーよりずっと怖いぞ!
でも多分この怖さが分かるのはポケモン好きだけなんだろうな……
そうだよね。よくよく考えたらタウリンとかブロムへキシンとか薬なんだよね。
使いすぎたらヤバイよね。ジャンキーだよね。
当たり前なんだけどゲームの中にサラリと出てくるものだから気付かない。変な盲点。
> ごめんね私の手持ち達。お願いだから死なないで。
しぼうフラグが たった! ▽
その昔、おばあちゃんに聞いたことがある。
木の実や野菜、お米等を収穫している途中で
遠くで雷が落ちたところを見たあとに、お酒や花と一緒に
収穫したものを鳴神様にお供えすると
そのものの願いを叶えてくれるのだと言う。
*
「おばあちゃん。」
「びぃ!」
「いらっしゃい、チナツ。可愛いあなたもね。」
大きな昔ながらの家。その裏に、小さなビニールハウスがある
そのハウスの中から、おばあちゃんは収穫したたくさんの野菜を持って
私とエレキッドを出迎えてくれた。
「可愛いでしょ!エレキッドって言うんだ!
この前お父さんがくれた卵が孵ったの!!」
「そう、良かったわね。大事に育てなさい。」
「うん!!」
おばあちゃんはニコニコ笑いながらエレキッドの頭を撫でた。
私も!と、おねだりして撫でてもらったとき、遠くで雷が鳴った。
「……あら?鳴神様かしら?」
「なるかみさま?」
「ちょっと呼んでみましょうか。」
「!あの歌だね!!」
「びぃ?」
「エレキッドにも聞かせてあげる!」
*
空に黒雲渦巻いて
雨降り風吹き雷(かんだち) 落ちる
嵐の過ぎた焼け野原
鍬立て種撒き命成る
鳴神様に捧げよう
黄金に染まった我が宝
*
目の前に、小さな祠が現れた。
そこには、古びた和紙に、『鳴神様ノ祠』と書かれていた
おばあちゃんの手には、なんだか高そうなお酒が握られている
「さあ、チナツ。野菜をお供えして上げて?」
「うん。」
私は、色とりどりの木の実や夏野菜が入った籠を、小さな祠の前に置いた。
その横では、おばあちゃんがお酒をお猪口に注いでいるのが見えた
アルコールの匂いが鼻につくが、神様の前なので我慢した。
エレキッドは、花瓶に花と水を入れて、そっと野菜達の横にそれを置いた。
おばあちゃんも、注いだお酒を供えると、蝋燭に火をつけて、手を合わせた。
「チナツとエレキッドが、何時までも仲良しでいられますように。」
「……!!」
「ふふ。チナツとエレキッドも、お願い事をしてみなさいな。」
「じゃあ……おばあちゃんが元気でいられますように!!」
「ありがとう、チナツ。さあ、帰ってお昼にしましょうか。」
「うん!!行こう、エレキッド!!」
おばあちゃんは蝋燭の火を仰いで消すとお酒を持ち、私の手を取った。
私もおばあちゃんの手を取ると、反対側の手で、エレキッドの小さな手を握った。
そのエレキッドの反対側の手には、いつの間にか拾ってきたであろう木の枝が握られていた
「チナツ。何がいい?おばあちゃん。今日は何でも作るわよ。」
「カレー!カレーがいい!!」
「じゃあ、決まりね。」
家路をのんびり歩きながら、色んな話をした。
鳴神様が、私達を優しく見守っている気がした。
*あとがき*
雷を題材に、ほのぼのしたのを1つ。
この小説における鳴神様はなんなのか
皆様のご想像にお任せします。
【好きにしていいのよ】
※暴力表現注意。苦手な方は閲覧を控えて下さい
スリムストリート。
ヒウンのセントラルエリアへと続く狭く暗い道
その道の一角に、うずくまるたくさんの人影。
その中心には、男の胸ぐらを掴んで威圧する紫の少年がいて
近くに、オレンジの髪に赤渕メガネだった物を持っている青年がいた
「あーあ、どうしてくれちゃったのよ。……弁償してくれる?ねえ。」
「あ、あく、ま、が……!」
「はあ?そっちから喧嘩吹っかけといてそりゃないでしょう……弁償しろよッ!!」
「ぐっ……ぅ、……。」
「……ウィル。」
「チッ……。」
オレンジの髪の青年は、そのままタバコを取り出した。
あとは少年に任せるらしい。
「……おい、てめえがリーダーか?あ゛ぁ?」
「っ、ちげーよ……俺ァ、あんたを潰せって頼まれただけだ……。」
「そうかよ……なら、そいつにこう言っとけ。
『いつかぶった切ってやる』ってよお!!」
「ぐぅっ!?」
鳩尾に思いっきり拳を叩き込むと、相手はそのまま気絶した
それからまるでタイミングを計らったかのように、雨が降り出して来た。
「……あ、結構ひどくね?そういや、さっき雷が鳴ったような……。」
「……どうだっていいさ。戻るぞ、ウィル。」
「はいはい……結局、尻尾は掴めずか……いい加減ムカついてきた……。」
「それは俺もだが、まあなんとかなる。」
「そのうち痺れ切らしてヤバイ連中けしかけてきたりして。」
冗談にしては、かなり怖い事をさらりといいのけたウィルだが
ヴィンデは寧ろ、笑って賛同していた。
捕獲屋Jack Pot。たった6人の最強の捕獲屋。
だからこそ、裏の人間に恐れられると同時に
今回みたいに因縁吹っかけられて狙われる。
「夕立。ひどくなったね。」
「ああ……メガネ。どうすんの。」
「同じタイプのを買うよ……金掛かるけど。」
本格的に強くなった雨に打たれ、鳴り響く轟音にぜめぎられながら
2人は帰るべき自分たちの居場所へと、ゆっくりと戻って行った。
*あとがき*
誰も書いてくれないって正直寂しいですね……。
今回は喧嘩組の話し。案外短く終わった……。
ヤバいよ。ネタが尽きそう……!!
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】
【批評してもいいのよ】
学校が怖い。最後に彼から連絡があったのは一ヶ月前のことだった。
彼は頭がよかった。小学校を卒業して私はすぐに旅に出たのだが、彼は中高一貫の名門校へと入学した。なんでもバトルなどの実技、学力がほぼトップクラスでないと入れないところらしい。彼は合格したときすごく喜んでいて、二人で祝ったりもした。
彼の学校が始まると同時に私は旅に出た。暫くの間は手持ちのポケモン達をゆるゆると育てつつ、時にはトレーナーにバトルを挑まれつつ金欠と戦う日々であった。そんなある日の夜に、珍しく彼からメールが届いた。あの学校は携帯の使用が禁止らしく、特に中等部では入学と一緒に回収されるらしい。これは彼が入学前に言っていたことだがあいつ回収をばっくれたのか。半ば呆れつつ中身を開く。
【この学校はおかしい。】
ほんの一行。これだけで鳥肌がたったのは初めてかもしれない。それに頭のいい彼の言うことだ。あの学校は全面的に、そしていろんな意味で閉鎖されている。情報も月に一度あるかないかの行事を知らせるものだけらしい。彼の母親が少し心配そうにそう言っていた気がする。
でも、と思った。いくら彼の言うことでもすぐには信用できない。あの学校からは色々なジムリーダーなどが出ているのだ。学歴重視のその手の職業は変な学校出身の奴にはやらせてはもらえないだろう。信じるべきか否か。複雑になった頭でとりあえず彼に何を見たのかと返信をする。どうせすぐに返信はこない。くるとしても一週間は後になるだろう。隙を見てメールを打つ彼の姿が想像できなくて笑ってしまう。
そのまま疲れきった体でベッドに倒れこみ携帯を無造作にバッグの中へ投げ入れる。今朝拾ったタウリンを片手に眺めながら、明日はどこへ行こうかと思考を馳せた。
またしばらくして私も順調に旅を続け、以前よりも特に金欠に困ることもなく、手持ちも強くなってきた。ジムバッヂも頑張った甲斐ありようやく三つになった。
あの日から返事はまだこないが、あの学校は相も変わらず外から見る分にはいろんな意味で閉鎖されたまま何も変わりはしなかった。そう、外からは何も。
一体内側では何が起こっているのか。もしかしたら彼は携帯を所持しているのがバレて取り上げられてしまったかもしれない。まぁそれでも元気にやっていればいいのだが。
ジムバッヂ八このエリートトレーナーに勝負を挑まれすっかり撃沈していたとき、不意に携帯が振動した。こんなときに、と不満ながらも発信源を見て首を捻る。非通知だ。
「……どなたですか?」
『○○か!?』
懐かしい声で名前を呼ばれ驚いた。裏返って相当パニクっているようだったが紛れもなく彼の声だった。一体どうしたのか?
「どうしたの?」
『見ちまったんだ!!』
間髪入れずにまるで長距離走でもやった後のような荒々しい声色。声自体の音量はさほど大きくないのが逆に緊迫感を煽らせ手が震えた。
「……何を?」
恐る恐る尋ねると、彼は一層声を小さくして、幼い頃した内緒話のように
『今日こっそり学校の、立ち入り禁止になってる地下室に友達と行ったんだそしたらっ』
彼は長く息を吐いた。
『ポケモンが……数えきれないほどのポケモンが薬付けにされて檻の中に入ってた』
……。
『目があり得ないほどぎらっぎらしてて、暗くてよくわかんなかったけどらりってたと思う。しきりに檻を壊そうと攻撃してた。その音が上の教室越しに授業の時聞こえてて気になって降りたんだ……』
……。
『もう駄目だっ。ここの奴等のポケモンが馬鹿見てぇに強いのはこういうことだったんだよ! 嫌だ俺はこうはなりたくないこんなことを平気でするような奴にはなりたくない自分のポケモンをあんな風にさせたくないっ』
電話越しに嗚咽が聞こえた。
『……でももうオワリだ。おしまいだ。俺も平気でポケモン薬付けにしてひたすらに勝利ばかりもとめる腐った男になっていくしかないんだっ……ないんだよっ』
泣き叫ぶように訴える彼を数年ぶりに聞いた気がした。
『……学校が恐い。学校の人間が恐ろしい。あそこにある全てがもう怖くて怖くて仕方がない』
彼はそれ以上はもう何も言わずにただ小さく泣いていた。私は慰めることもできずに、呆然と電話越しの彼の嗚咽が止むのをただ待った。
あれ以来彼からの連絡は途絶えてしまった。私は後味の悪さと、どうして何も言ってあげられなかったのかと若干の後悔を噛み締め頭の外へ追い出すようにひたすらポケモンを鍛え、ジムへ行き、バッヂを手にして時には負けて、そしたらもう一度その日のうちにリベンジして……目まぐるしい一日一日を送った。
私のジムバッヂがとうとう八こになったのは私が旅に出て六周年を迎えたときであった。六年もかけてようやくかと父には笑われ母には調子に乗るなと小突かれた。もっと誉めてくれてもいいんじゃないかと思ったが口には出さなかった。二人ともジムバッヂ八こよりもその先に期待してるのが丸分かりだったからだ。
両親には全力を尽くせと背中を叩かれ、小学校からの幼馴染みには優勝したら奢れと頭をはたかれ、旅先で知り合った友人トレーナーには先越されたぜ畜生っと背中をどつかれた。何てバイオレンスな優しさをもつ人達だろうと苦笑した。
「……やあ、奇遇だね」
私が参加しているポケモンリーグ第二ブロック。ついに三回戦までのぼりつめ、ここで勝てば各ブロックごとの代表者と戦い最後には決勝が待ってる。これまでの対戦は心底ヒヤッとするものもなく、運がよかったのかもしれなかった。
でもそれもここまでのようだった。
「……久しぶり。無事に卒業出来たんだね、おめでとう」
前に見たときより遥かに身長が伸びて体つきも男らしくなって。それでも面影は残っていた。
「無事?」
彼は笑う。
「ははっ。そんなわけないだろ! ここまでくるのに俺がどれだけのものを犠牲にして捨ててきたか知らないだけだろっ」
その通りだった。私はあの電話以降の彼の状況を全くもって知らない。だから彼の苦労も知らないし、彼の今の状態も知らないのだ。
「そうだね」
話さなかった期間が長すぎて、最早他人同然の繋がりにまで成り果てた今、特に彼と話すこともないので私は最初に繰り出す予定のボールを握った。
勝敗など見えている。それでも彼と戦うことによってあのときから消えない後味の悪さと後悔を消そうとしていると同時に彼のことをもっと知りたいと望んでいる。
「ここで会えて光栄だよ○○。悪いけど俺にはもうバトルしかないから」
彼が傷ついたボールを放る。
スタジアムを震わせる化け物の雄叫びと砂嵐。その中心に威圧するぎらついた目のバンギラスがこちらを睨む。
彼は口元を歪ませ目線は早くポケモンを出せと訴えていた。
ごめんね私の手持ち達。お願いだから死なないで。
私は祈るようにボールを投げた。
> 「男性同士の性行為を暗示する表現があります。
> 15歳未満の方の閲覧はご遠慮ください」
そう言われればそうですね!修正します!
指摘ありがとうございました
こんにちは。イサリです。
冒頭の注意書きが曖昧でわかりにくいです。
マサポケは中高生も見ているサイトなので、
「男性同士の性行為を暗示する表現があります。
15歳未満の方の閲覧はご遠慮ください」
くらいは書いた方が良いと思います。恥ずかしいのかもしれませんが。
BL小説の評価についてはよくわからないため、感想は割愛させていただきます。
失礼いたしました。
まだまだ暑いヒウンシティに、少しずつ秋が近づいてきた
どこか遠くで雷が鳴る音がするため、そのうち雨が降るかもしれない
僕の名前は、その雷から名づけられたらしい。
雷の綱と書いてイズナ。それが僕の名前だ。
ルルーメイさんが帰ってすぐに、無理を頼んでお願いした
特訓を終えて、お気に入りのフロストヨーグルトアイスを口に入れた
―Pi Pi Pi ♪
「……はい。お電話ありがとうございます。
捕獲屋Jack Pot です。……依頼ですか?」
リラさんが受話器を取った。メモを取りながら、今出れそうな人を
思案しつつ、相手からの情報を詳しく聞き取って行く
「……迷子のポケモンの保護ですか……メノクラゲ?
……一回り小さく、うち一匹が色違いと……。」
「……アズキ兄さん、メノクラゲって?」
「アジア圏のクラゲポケモンだよ。水タイプと毒タイプね。
この間の、ホウエンを直撃した台風の影響かもしれんな。」
「荒波で仲間とはぐれたってこと?」
「正確には、親のドククラゲとだな……色違いか
早めに行った方がいいな……リラ!今回は俺が行くよ。」
「……………。
わかりました。すぐに向かわせます。怪我は
ジョーイさんの指示に従って手当をして下さい。」
電話で指示を出す一方で、アズキ兄さんは
クルマユのぼたんをボールに戻して、ケンホロウ(♀)のひなぎくを出した。
彼女を窓から外に出すと、応対を終えたリラさんが
兄さんにメモを渡した。
「急な仕事だからね。気をつけなよ。」
「わかってるよ。じゃあ。」
それだけ言って、兄さんはそのまま、窓から外に出ると
セイガイハシティへと、ひなぎくと共に向かって行った。
またどこか遠くで、雷が鳴った。
*あとがき*
お仕事受注編です。秋が近づいて来ましたね。
最近は雷がひどかったり突然強い雨が降って来たりなため
洗濯物がなかなか乾かないのがイラつきます。
雷と聞いて、一番最初に思い浮かぶポケモンは
やっぱりサンダーです。今度サンダーがメインの
小説でも書こうかな……。
【書いてもいいのよ】
【描いてもいいのよ】
【批評してもいいのよ】
前書き:BLです ミクダイです。
BLには入れないでください。
男性同士の性行為を暗示する描写が含まれます。そういうシーンがあるので、嫌いな人や、嫌な予感したら早く読むのをやめましょう。
振られたとミクリが聞いたのは、変な時間の電話だった。
ダイゴに飲みに来ないかと誘われて、ミクリは休みの合間にトクサネシティに向かう。
チャイムを鳴らしても誘った本人は出て来ない。声だけが「開いてるよ」と返ってきた。
いくら付き合いの長い友達とはいえ、こんなことがあっただろうか。今回の失恋が相当こたえたのか。ミクリは玄関を開ける。
酒臭い。ミクリが感じたのはそれだった。もとより酒は強く、ウイスキーのダブルを平気で飲み干すダイゴだった。だがここまで匂いをさせているのは彼らしくない。
「やぁミクリ、飲もうよ!」
テーブルは散乱している。ダイゴのまわりには口の開いたビンが転がっていた。そして本人はワイシャツの胸元をだらしなくあけ、ジャケットはその辺に脱ぎ散らかしていた。
「飲もうよ、じゃあないでしょ。まず片付けるからね」
「いいじゃない、片付けなんてどーだっていいんだよ、どーだって!」
酔っ払いながらもグラスを引き出す。その間にミクリはビンを端に寄せた。足の踏み場もそろそろなくなりそうだ。
「カルバドスだよ!凱旋門が見えないけどね、失恋にはぴったりだ!」
「そんなに振られたのがこたえたの?」
ダイゴは酔いながらも、いきなり態度が変わる。
「当たり前じゃない!この僕が振られるって有り得ない!僕はあの人しかいないって言ったし結婚しようって約束もした!なのに僕の金しか見てなかった!僕はあの人が欲しいもの何でも買ってあげたのに!」
水を飲むようにグラスの酒を飲み干す。
「お酒に逃げても体を壊すだけだよ」
「ミクリに何が解るのさ!」
「私だって失恋の一つや二つはあるよ」
「君はいいよね!イケメンイケメン騒がれて、トレーナーとしても成功して、ファンもたくさんでさ!毎日毎日君のことが好きな女の子に囲まれてれば楽しいよね!」
「いい加減にしなさい。私に恨み言聞かせるために呼んだなら帰る」
ミクリは立ち上がる。が、ズボンの裾をダイゴがしっかりと掴んでいた。
「なに?」
「ごめん、帰らないで」
仕方なくミクリは再び腰を下ろす。注がれたカルバドスを一口つけた。
「ミクリまでいなくなんないで」
振ったことは数え切れなくても、振られたのは初めてだ。ミクリの知るかぎりは。だからか耐性が全くないのだろう。
「もう女なんてやだ。僕なんか見てないんだ。僕のお金しか見てない」
「正体隠して付き合ってみたら?」
「今回だって結婚の話するまで言わなかったのに」
「玉の輿狙いが自爆してくれて良かったじゃない。それこそ、結婚後だったら悲惨だよ、浮気なんて」
ダイゴは黙った。空のグラスを握って、声を押し殺して泣いている。
「ダイゴほどの男だったらまた次があるから」
「もう次なんていい。僕だって誰かに抱かれたい」
タコのようにダイゴが絡んでくる。酔っ払いだから仕方ない。ミクリは抱きついてくるダイゴのひたいを軽く叩いた。
「いいじゃない。ミクリって自分でも綺麗だって思ってるでしょ。それ女の子だけが独り占めなんてあり得ないんだよね」
「何をおっしゃい。女に振られたからって男に逃げないでよ」
「それに興味あるんだよね。女の子とやるよりいいなら、もう女なんて要らない」
「私がそっちの趣味だとしても、振られて腐ってる男なんて抱きたくないね」
ミクリがはっきり断ってもダイゴはますますミクリにくっついて来る。
「女々しいという言葉は、今のダイゴの為の言葉だね、全く」
酒臭い息がミクリの首筋にかかる。酔っているだけなのか、本気なのか、ダイゴはミクリの開いた胸元に抱きつく。
そこから見たダイゴの体は、クッキリとラインが見えた。男の均整の取れた姿は、同性から見ても憧れるくらいだ。
ミクリから見たダイゴは、最高のステータスを兼ね備えた完璧な存在だ。もしミクリが女だったら、こんな男をわざわざ手放すわけがない。
もしダイゴが女だったら…今の彼と同じように出来ることをやり尽くしても引き留めるだろう。そしてそれが叶わない時、こうして酒に逃げるしかない。
「悪ふざけもそこまでにしよう。ダイゴが興味本位で私とやったことが、未来永劫響くんだよ。家業にも影響するだろうし」
「んー、それってミクリは僕とやるのは、やぶさかではないってことだよね?」
「どうしてそういう言葉のあやを見つけるの。そもそも誘うならその酒臭いのはどうなんだ」
「だからさ」
ダイゴは後ろのテーブルにある酒ビンを掴んだ。
「飲もうって言ったんだよ。お酒はいいよ!何だってその気にさせてくれる。誰も見てやしない」
これだけ酩酊してれば、普段とは違うのは当たり前。ダイゴはカルバドスを口に含む。そして口移しするかのようにミクリの唇に触れた。
強い酒がミクリの口腔に流れ込んだ。蒸留酒の香りが鼻から抜けていく。
けどそれより衝撃なのは、ダイゴと舌まで絡ませあっていることだった。今にも泣きそうな息づかいと共にミクリを求めて来る。
「ミクリ、僕を抱いてよ、誰でもいいわけじゃないんだ。一番の親友に抱かれたいんだよ」
子供のようにしがみつくダイゴは、今まで見たことがなかった。ミクリはダイゴの頭を軽くなでる。
「酔いがさめたら後悔しますよ。今のことは忘れますから」
「いやだ!ミクリまで僕を要らない人間にするの!?」
「誰も要らないなんていってないでしょう。ダイゴは私の大切な友人だと思ってる。だからこそ酒によって間違いをおかすなど見てられない」
黙ってダイゴはミクリを見る。納得いかない顔をして。今度はミクリの上にかぶさるように唇を求める。勢いよくミクリは後ろに倒れ込む。
親友だと思っていた男……抱きつかれた時に、ほんの少し感じた色気。いつにないものがダイゴから漂っている。それはベッドに入る前の女のようだった。
唇を離したダイゴは遊んで欲しい子供だ。困惑しているミクリを楽しそうに見てる。
「ダイゴは本当にそれでいいんですか」
「なんで?僕はミクリがいいよ。女なんかもういやだ」
「私たちはそういう目で見られるんだよ。これからずっと」
「ミクリは僕より誰も知らない他人の評価の方が気になるの?そんなのありえなくない?ねえ、あり得ないよね、ねえ!そんなに僕に魅力ないの?じゃあミクリは僕よりその辺の女の子のがいいっていうの!?」
「とにかく落ち着いて。人肌恋しいのは解ったから。でも私にも選択権があること忘れないで」
酔っぱらいはとにかく面倒だ。なるべく優しく言っても、ダイゴも感情の起伏がおかしく、泣いたと思えば怒りながらミクリを叩く。
「ミクリまで僕を振るんだ」
「こんなになよなよしてるダイゴは嫌い。それに君だけ気持ちよくなろうなんて図々しい」
軽くダイゴの額に唇をつける。
「今日だけだ」
ミクリの返事にダイゴは物凄い嬉しそうだった。やっと受け止めてくれる人を見つけたような、そんな顔。
酒の力もあった。
ダイゴの着ているものをはぎ取る。ソファに横たわる彼は、温泉などでよく見るダイゴの体とは違った。錯覚のようにも感じる。これから抱く男の筋肉。
この体に毎晩抱かれておきながら、他の男も求めたのか。随分と贅沢な女だったんだな。こんなに強く、男らしい体なのに。この上ない男だというのに。
そんなに合わなかったのだろうか。ミクリはダイゴの体を抱きとめながら考えた。今の彼は確かに頼りないが、それがいつものダイゴではないはずだ。
「ミクリぃ、どうしたの?」
やたら色っぽい声と共にダイゴはミクリを見つめる。
「なんでもない」
ミクリ自身も服を脱いだ。ダイゴを力強く抱きしめる。そしていつもするようにダイゴの唇をそっと塞いだ。
ミクリに抱かれた。初めてであるのに、ダイゴは少しずつ心が軽くなっていくのが解る。ミクリが自分を求めてくれている。そして肌に感じるミクリの暖かさ。
もっと早く知っていればよかった。こんなに親友の肌が優しいなんて。その暖かさがダイゴの傷を癒していくようだった。
ダイゴの中にミクリが入って来ても気持ち悪いとか不快だとか思わなかった。どんどんミクリが入ってくればいい。そして自分を埋め尽くすくらいになってしまえばいい。
そこから感じる快感が、いつもより強いのは酒のせいではないだろう。
「ミクリ……」
ダイゴの体が絶頂を知らせる。ミクリに抱かれながら。それがとても幸せなことに感じた。
その夜もダイゴはミクリに抱いてくれるように願った。仕方ないね、とやや困ったようにダイゴの唇に触れる。そして半分固くなったダイゴのものをそっと握った。ダイゴも応えるようにミクリの舌を絡ませた。
朝になってミクリは目を覚ます。あんだけ強い酒をあおった後の行為を思い出すと物凄い罪悪感がある。その隣ではまだダイゴが寝ていた。全裸で何も知らないように寝ている。
「ダイゴ、朝だよ」
「ん……」
それだけ言うとダイゴは寝返りをうって反対を向く。さては飲み過ぎか。酒に強いとはいっても、あんだけ飲んで抱いてと言う。相当苦しかったのだろう。それだけ相手の女が好きだった。それはミクリにも解る。
もうこの先、二度と親友とこんなことをすることはないだろう。ならば最後にもう一度だけ……。ミクリはダイゴの頬に軽くキスをした。まだ起きて来なそうな親友をおいて、ミクリは昨日脱いだ服を羽織った。
ーーーーーーーーー
ダイゴさんください。
ダイゴさんならもうなんでもいいよ。
ダイゴさんくれよ。
ダイゴさんください。
ダイゴさんよこせ。
【好きにしてください】
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