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しゃらしゃらと涼しげな音を立てながら、大きな笹が夜風に揺れています。
その枝葉には、色とりどりの短冊がいくつも結び付けられていました。柔らかな風に踊るそれらには、人とポケモンの祈りや願いが書き込まれています。
道の向こうからくたびれた様子の駱駝が一頭、とぼとぼと歩いて来ました。
足を引きながら笹竹の前にやってきた駱駝は、大きな溜息を吐いて背中の荷を下ろしました。小さな袋に詰め込まれた短冊の束です。
あれからもう一年が経ったんだなあ、と呟きつつ、さらさらと手元の用紙に何かを書き付けています。
肉厚の蹄で器用に――どうやってという疑問は胸にしまっておきましょう――結び付けられたそれには、『藁一本で背骨が折れそうなこの現状を、なんとか打破できますように』とありました。なんとまあ、辛気臭いことです。
……それはさておき、自分の分を書き終えた駱駝は、預かってきたらしい短冊たちを次々と結び付け始めました。
『ブラック3・ホワイト3で主役級に抜擢されますように 風神・雷神』
『またポケンテンの新作料理を食べられますように 学生A・B』
『監督の尻をひっぱたいてとっととロケを終わらせて、年内には上映できますように 飛雲組』
『世界中での百鬼夜行を望む 闇の女王』
『第三部及び完結編まで続きますように! 甲斐メンバーの一人』
『今年の夏休みも、あいぼうといっぱい遊べますように 夏休み少年』
『いつまでも“彼”と一緒にいられますように 名も無き村娘』
『もう大爆発を命じられませんように ドガース』
『今年も美味しい食事にありつけますように。 桜乙女』
『僕たちが無事に「割れ」られますように タマタマ』
『彼らの旅立ちを祝福できますように…… マサラの研究員』
『この世界に生まれ出ることができますように 未完の物語一同』
さらさら、しゃらしゃらと笹が揺れています。
一年分の願いを括り終えて、駱駝はふうと息をつきました。
しばらくぼんやりと色紙の踊るさまを眺めていましたが、やがて意を決したように首を振ると、元来た道をのろのろと引き返して行きました。
おや? 駱駝の立っていた場所に、二枚の短冊が落ちています。どうやら、付け忘れてしまったようです。
仕方がないので、私が結んで締めくくりましょう。
『受験・就職・体調・原稿その他もろもろの、皆様の願いが良い方向へ向かいますように』
『自分の思い描くものを、思い描いた形に出来ますように。今後も地道に書き続けられますように』
七夕の夜に、願いを込めて。
ご無沙汰しています。
しとしと雨の降る七夕を迎えました。
それでも街中では浴衣を着た人たちに出会ったりちいさな七夕飾りを見つけたりと、すっかり七夕ムードですね。
「黄金色を追い求める最高のトーストマイスターになる ちるり」
「リーフィアといっぱいあそべますように ミノリ」
「今年もご主人さまのいちばんでありたい チリーン」
「さらに出番をよこせ ムウマ丼推進委員会」
「めざせコンスタントに短編投下 小樽ミオ
「池月くんがエリス嬢のもとに帰れる日が早く来ますように」
今年は夏コミにスペースを出される方もいらっしゃるので、素晴らしい祭典になるようにお祈りします。
個人的には、有明夏の陣2012で私自身が討ち死にしないようにと願うばかりです(笑)
短冊の願いごと、届くといいな!
※追記:読み返したら語弊ありげな箇所があったので直しておきました、すみませんm(_ _)m
梅雨の宿命だわな……
止まれ、不景気な事言っててもしゃあないので……!
『今年こそ日の目を…… 書きかけ山脈関係者一同』
『武運長久・凶運回避 ボックス対戦組』
『求むルカリオ 目指せ獣人パ結成! アジル(コジョンド)・シュテル(コジョフー)・グリレ(ゾロア)・ギブリ(ゾロアーク)・ケム(リオル)』
『神は言っている……仲間を救えと イ―ノック(コイキング move担当)』
『原こ(赤黒いものが飛び散っていて読めない……) **ウィ』
うーん、不景気だわ(
皆さんはもっと明るく楽しい七夕祭りをお過ごしくださるよう……!(笑)
では。ゲームも創作の方も、もっともっとギアを上げて行きたいですね〜。
『これからもこの場所により多くの作品が集まって、創作者の方々の良き憩いの場であり続けますように』。
サイコソーダ大好きダイケンキ、シェノンがてくてくと道を歩いていると、目の前に笹が立っていました。
その笹には短冊がたったの一枚だけ、ひらりひらりと揺れていました。水色の短冊には、太く黒々とした、おそらく筆ペンで書いたのであろうでっかい『合格祈願』の四文字。
「何かすっげぇ切なくなる光景だな」
ありのままを口にした後、そのシェノンは何も言わずに代表として持ってきた短冊をかけていきます。去年よりも数枚、増えている気がします。シェノンはまず彼の仲間たちの短冊をかけ終えると、見覚えの無い字形で書かれた残りの三枚を見つめました。
一枚目は、ひらがなとカタカナだけで書かれた、まるで小学生が書いたような文字。
『これからも おじさんと たくさん ほんが よめますように! ルキ』
二枚目は、綺麗な、大人が書いたような文字。名前はありません。
『平和な日々が続き、彼を置いていったりするようなことが起こらない事を祈る』
三枚目は、少し丸みがかった、女の子っぽい字。黄色い短冊です。
『今年も向日葵が沢山咲きますように。 再会できますように 夏希』
その三枚も掛け終えると、シェノンは「サイコソーダの季節だなぁ」などと呟きながら去っていきました。
夜空に、星々を湛えた天の川が輝いておりましたとさ。
【短冊 どうか増やしてほしいのよ】 【なんか今年もやっちゃったのよ】
こんばんは、6時のニュースです。
さて、今日は七夕。各地で笹が飾られる中、ある事件が起こりました。では現場から中継です。
「本日午後3時頃、このトクサネシティで大量のキュウコンを連れて辺りを干上がらせた疑いで男が逮捕されました。男は非理亜住(ひりあ じゅう)容疑者で、調べに対し容疑を認めているとのことです。非理亜容疑者は特性が『ひでり』のキュウコンを使って夜を明るくしようとしましたが、駆け付けた警察に『明るくても七夕じゃなくても、カップルはいちゃいちゃするんだぞ!』と説得され、その場に崩れ落ちました。非理亜容疑者は動機を『夜を明るくすれば七夕をできなくなると思った』と語っています。以上、現場からでした」
ありがとうございました。1年前にも似たような事件がありましたが、どこにでもこうした人はいるものですね。では、次のニュースはこちら。
1年前はサーナイトのブラックホール設定を使い、今年はキュウコン。来年はどうなることやら。
自分の過去記事がいきなり上がってるとビビりますね。こんばんは。
掲載の方OKです!
殴りにいけるアイドルのネタ、TBN48のひみつって題で夏コミ新刊の好評の未刊部に載せたいのですが、いいでしょうか?
TBN48のひみつ レイニー
キャッチコピーは殴りに行けるアイドル。
戦場と化す握手会に直撃取材を敢行、タブンネ。
という感じにしたいのですが。
「いらっしゃい、よく来たね」
「こんにちは、おじさん」
都心から少し離れた高級住宅街、少年は親戚のおじさんの家に遊びに来ていた。
少年にとって、おじさんは父親の兄にあたる。住んでいる家も近所のため、少年はよくおじさんの家に訪れていた。
その理由はただ一つ。おじさんが集めている物に興味があるからである。
おじさんは、いわゆるコレクターの一人だった。何を集めているかというと、ポケモンに関連する道具である。
例えば、ポケモンを捕まえるモンスターボールの初期型。他にも、ポケモンを進化させる石や、特別な進化を手助けする特殊な道具等、種類は様々である。特に、今の時代出回っていない物を収集するのが趣味だった。
少年は、どこにでもいるポケモン好きである。だからこそ、普通に生活していたらお目にかかれない道具が沢山見られるおじさんの家は魅力的だった。
彼の腕の中には、コラッタが抱きかかえられている。
「お父さんから聞いたよ。珍しい物を手に入れたんだって?」
「おお、そうなんだよ。お前は私の話を熱心に聞いてくれるからな、どうしても見せておきたかったんだ」
少年が案内されたのは、立派な家の奥にある倉庫。そこは特に丈夫に作られており、万が一泥棒が入らないようにするためにセキュリティも高い。指紋認識はもちろん、目や声帯を認証しなければ中には入れない。今のところ、その中に入れるのはおじさんと少年、それに少年の父親だけだった。
次に軽い霧のようなものをふりかけられる。それは、中に入る人につく細菌を除去するものだった。おじさんの方は平然としているが、少年は顔をしかめて目を瞑っている。少年のポケモンのコラッタも、小さなくしゃみをした。
漸く入り口を通ると、涼しい空気が肌を撫でる。収集している貴重品が極力傷まないように、中の湿度と温度も保たれているのだった。
この場所は、二人にとって天国と言っても過言ではない。ここに来ると何時間も外に出ないのは当たり前のことだった。
おじさんは、迷わず倉庫の奥へと歩いていく。少年は大人の歩調に必死に着いていく。
二人が足を止めた場所は、わざマシンを並べている棚だった。
わざマシンと言えば、ポケモンに技を覚えさせる道具のことである。本来ポケモンはバトルをしたり鍛えたりと、経験を積まなければ新しいわざを覚えることはない。しかしこの道具を使えば、あっという間にわざを習得することができる。それがポケモンにとって役立つかはともかく、昔から活用されてきた道具の一つだった。
少年は、ここにはよくお世話になっていた。なぜなら、わざマシンはとても高価だからである。
モンスターボールはとても安い。この世界では必需品なので子どものお小遣いでも充分購入可能なのだが、わざマシンに関してはそう簡単にはいかない。物によっては値段や生産される数等の障害によって、大の大人でも入手困難な物もある。
おじさんは、古い物もそうだが最近の道具も集めている。そのため、少年はここに来ればポケモンを強化することができた。周囲の友人からも差をつけられる。まだまだ世間が狭い彼にとって、これ程嬉しいことはない。
「そういえば、おじさんこの前はありがとう。また僕、ポケモンバトルで友達に勝てたよ」
「おお、そうかそうか。ギガインパクトはとても強力な技だからな」
おじさんは皺を寄せて嬉しそうに笑い、少年の頭を撫でる。
「ここに、見せてくれる物があるの?」
「そうだ。これだな」
おじさんは、わざわざ手袋をはめて棚に手を伸ばす。その様子から少年は、いかに貴重な物なのかを察することができた。
紙でできた長方形の箱。その中の円盤は倉庫の照明を反射し、少年の目を軽く刺激する。箱も随分と黄ばんでおり、外には手書きで描かれたような文字で『わざマシン』と書かれていた。
「これがわざマシンなの? 大きな箱だね」
少年の頭をすっぽり覆うことができる大きさである。
「そうだよ。これは発明家がわざマシンというものを開発した時、つまり、本当に一番最初の頃作られたわざマシンの一つだ」
「そうなんだ、どうりで古いと思った」
「今でもわざマシンはそれなりに高価だろう? 当時はもっと高かったんだよ」
「もっと高かったって、どれくらい?」
「そうだなあ、今お店で発売されているわざマシンを、五個はいっぺんに買えるだろうね」
「そんなに高かったんだね。でもそんなに高かったら、誰も買わないんじゃない?」
「そうでもないよ。買う人が本当に必要ならば、高い金を出しても手に入れたいと思うものさ。お前だって、欲しいゲームがあったらお小遣いを使うのを我慢するし、誕生日やクリスマスにお父さんやお母さんにおねだりするだろう。大人だって同じさ」
「大人もおねだりするの?」
「ああ、そういうことじゃなくてね。要するに、大人も子どもも、欲しい物に向かって努力するってこと」
少年は首を傾げたが、何となく分かるかもと呟いた。
「おじさん、これを買うのに幾ら使ったの?」
彼は、少年の耳で購入した値段を教える。
「もしおじさんが結婚していたら、お嫁さんに怒られちゃうね」
「本当だな」
手が届かない訳ではないが、一人の労働者が何ヶ月も働いてやっと受け取れる程のお金を使ったことに少年は驚きつつも、いつものことだなと思っていた。それだけこのおじさんが裕福なのは知っているからだ。
「ねえおじさん、これって何のわざマシンなの?」
少年が尋ねる。わざマシンが何故価値あるものなのか、それはわざマシンがわざのデータを収録してあるからだ。使う人が必要なわざが記録されていなければ、そのわざマシンを所持していても意味がない。
時代によって変化はするものの、どんなわざが収録されているかは、番号によって区別されている。おじさんが大事に持つ大きな箱には、その番号が書かれていなかった。
「これか。高い値段で買っておいてなんだが、実はこのわざマシンはポケモンに使うものとしてはそんなに価値がないんだ。当時としては、どうしてこんなわざマシンがあったのかよく分からないと言うコレクターもいるからね。このわざマシンは何十年も前の物だがちゃんと役目を果たすことができる。だからこそ、価値が跳ね上がっているんだ」
「だからおじさん。中身はどんな技が入っているの?」
焦らすおじさんに、少年は答えを促す。
「これはね、当時カントー地方で発売されたわざマシンじゅう・・・」
ここまで言った瞬間、倉庫に大きな音が響く。音はおじさんのズボンから聞こえてくる。わざマシンを元の場所に戻し、少年から少し離れた場所で携帯電話の着信に出た。
「もしもし。はい、ええ―――――分かりました。直ぐに確認します」
そう言い残すと、おじさんは電話を止め少年の頭を撫でながら言う。
「悪い。ちょっと仕事の資料を確認してくる。直ぐに戻ってくるから、倉庫で好きな物を見ていてくれ。手に取る時は、ビニール手袋をして触ってくれな」
いそいそと倉庫を出て行くおじさん。どうやら本当に急いでいるらしい。こういうことは今までにも何度か経験しているので、少年はタイミングが悪かった程度しか感じていなかった。
広い倉庫の中、少年とコラッタが取り残される。話す相手がいなければ、この場所はとても静かな所だった。ここだけ時間が止まっていると言っても誰も疑わないだろう。
自由に見ていてくれても良い。そう言われても、少年の心は先程のわざマシンに釘付けだった。
このわざマシンには、どんな技が記録されているのだろう。
おじさんはそんなに価値がないものと言っていた。けれど、あんなに大事に扱っていたのだから、物としての価値は高いことは少年にも理解できる。ポケモンのわざとして価値がないと言っていたが、それはバトルをする上での意味だろうか。それとも、日常生活をする上? いずれにしても興味がある。
少年はコラッタを下ろし言われた通り使い捨てのビニール手袋をはめる。慎重に、壊さないようにそのわざマシンを手にとった。
近くで見ると、いかに古い物なのかを再認識する。少し力を入れてしまえば箱が歪んでしまいそうだし、古い本のような匂いがした。
箱を開けると、ディスクと共にボタンがあった。ゆっくりと赤いボタンを押す。
ピピッ と大きな音が鳴り箱を落としそうになるが、きちんと箱に力を入れた。
『わざマシン起動――――――が収録されています。ポケモンにわざを覚えさせる場合、ディスクを取り外しポケモンに当ててください』
百貨店でアナウンスされるような、女性の聴き取りやすい声が備え付けのスピーカーから流れてくる。おじさんの言っていた通り、まだちゃんと使えるらしい。しかし、何の技がインプットされているか分からない。
でもどうせ、ポケモンが覚えるわざなんて直ぐ忘れさせることができる。おじさんが言っていた通り本当に使えない技なら、直ぐに別のわざを覚えさせれば良い。少年は好奇心に負けてディスクを取り外し、コラッタの額に当てた。
『確認しています――――コラッタ、ねずみポケモン。わざを覚えられます。わざのインプットを開始します』
コラッタはわざマシンを使われることに慣れているからか、少年がわざマシンを当ててきてもじっとしている。少年の手の中にある箱は、カリカリと擦れるような音を立てながらコラッタに情報を送っていく。
自分は、同級生は誰も手にすることができない貴重なわざマシンを使っているのだ。そう思うだけで優越感に浸ることができる。これでまた仲間に差をつけることができるかもしれない。考えるだけで、少年の胸は高鳴った。
やがて倉庫に響いていた音が鳴り止んだ。終わったらしい。コラッタからディスクを外し、静かになったわざマシンを丁寧に棚へ戻したと同時におじさんが戻ってきた。
「いやあ、ごめんね。ちょっと仕事でトラブルが起きたみたいで」
穏やかな笑顔を少年に向ける。少年は思わず目を逸らす。おじさんの方は、少年のそのほんの少しの変化を見逃さなかった。
おじさんは先程自分で戻したわざマシンを見つめ、その後少年に視線を当てる。
「使ったのかい?」
クリスマスプレゼントもお年玉も、そして誕生日プレゼントも欲しい物をくれる。いつも優しいおじさん。そんな彼が怒っている。そのことに気づいた少年は、俯いたまま動けなくなった。
「本当のことを言いなさい」
更なる圧力。ついに観念して、顔を下げたまま謝る。
「ごめんなさい。勝手に使っちゃったんだ、あのわざマシン」
おじさんがため息をつく。
「良かったね、君が本当の息子なら怒鳴り散らしているよ」
おじさんは屈み、少年と目線を合わせた。
「なんでおじさんが怒っているか分かるかい? 人の断りなしにその人の物を使ったからだ。そういうのは卑怯っていうんだよ」
「ごめんなさい」
「今度そういうことしたら、二度とここには来ちゃいけないよ」
少年は涙目になるが、男が簡単に泣くなと更に喝を入れる。彼は素直に頷いた。
おじさんは頭をかく。
「参ったなあ。まあ壊されるよりはマシだったか・・・」
少年は、彼が言っている意味が分からなかった。
「実はね、昔のわざマシンというのは使い捨てだったんだ。一度ポケモンにわざを教えたら、そのわざマシンは二度と使えないんだよ」
もうこのわざマシンは使えない。その事実を知った瞬間少年は自分がとんでもない過ちを犯したことに気がついた。
「それは本当に初期型だからね、メーカーも復刻していないしリサイクルもできないんだ」
「ごめん、なさい」
「済んでしまったことは仕方ない。次に同じことをしなければ良いんだ」
コラッタは事態が飲み込めず少年の足に寄り添っている。
「ほら、コラッタもいつまでもくよくよするなってさ」
「うん、おじさん本当にごめんなさい」
「反省しているなら良い。同じことはしないことだ」
はい と返事を返して、少年はコラッタを抱き上げて頭を撫でる。コラッタは嬉しそうに喉を鳴らしている。
「でも本当にそのわざマシンを使ってしまったのか。きっと、直ぐにわざを忘れさせたくなるよ」
「とっても貴重なわざマシンを使ったもの。忘れさせないよ」
「そう言ってくれるのは嬉しいんだがなあ、いつまでその志が持つことやら」
「どうして? そんなにそのわざマシンは使えないの?」
「ああ、そのわざマシンの番号は12。当時は、みずでっぽうというわざが記録されていたんだ」
――――――――――
何故わざマシンにみずでっぽうがあったのか。初代ポケモンを知っているなら同じ疑問を持った人がいると思います。
因みに私は、みずでっぽうはいつもコラッタに覚えさせていました。
フミん
【批評していいのよ】
【描いてもいいのよ】
はじめてフワンテで飛ぶことを知ったのは、まだソノオにいた11歳の頃。
「なぁ…ホントに大丈夫なのか?」
「大丈夫だって。向こうから手つかまれても逆に俺らが振り回せるって、兄貴の図鑑に書いてあった」
「それに俺らも生きてるし、な」
たまに川沿いの発電所にやってくるフワンテの手を捕まえて、5秒キープする。そんな、田舎町のガキの精一杯
の度胸だめしがきっかけだった。たしかあの時は仲のいい奴らに誘われて、すこしドキドキしながら川まで歩い
ていったんだっけ。
かすれた看板の近くで、紫色のポケモンがふよふよと漂っている。
「…ほら。今後ろ向いてるからチャンスだぞ」
「えっ、でも・・・・」
「ニツキが成功すれば5レンチャンで、タツキたちの記録抜けるんだよ〜。だから、ほら行っちゃえって」
「う。・・・・うん。じゃあ…行くよ」
友達の一人に背中を押されて、僕はゆっくりフワンテへの一歩を踏み出した。
僕の家は何故か妙なところで厳しい家で、その時一緒に行った友達含め、周りの奴らはみんなはじめてのポケモ
ンを貰っていたんだけれど、その頃の僕はまだポケモンを貰えていなかった。だから友達よりもずっと、フワン
テとの距離感がやけに大きくて、度胸だめし以前のところで緊張したのを今でも覚えている。
まだまだ幼かった僕の手が、フワンテの小さな手と視界の上でようやく重なったとき、突然フワンテがくるりと
こちらを向いた。
「ぷを?」
フワンテと目があった瞬間の衝撃は、今でも軽くトラウマだったりする。
「うっ、うわぁぁぁあ!?」「ぷををを?!」
悲鳴を上げながら慌てて後ずさる僕に、フワンテも軽く飛び退く。というか明らかに逃げようと浮き上がる。
「ヤバい!逃げられるよコレ!」「馬鹿!はやく手掴め!!」
ビビりながらそれでもフワンテに手を伸ばしたのは、僕なりのプライドってやつだったのかもしれない。
必死に伸ばした僕の手はふたまわりは小さいフワンテの手をがっしりと捕まえて、なんとかフワンテの逃亡は阻
止出来た。
「ぷををを〜!!」
ぐるぐると回りながらフワンテは必死に逃げようとする。でも5秒キープのためには、この手を離すわけにはい
かなかった。
「1!」友達のカウントが始まる。
「2!」体を膨らませて、フワンテがさらに逃げようとする。
「3!」「ぐうぅぅぅ…」僕は必死に足を踏ん張る。内心、魂を持っていかれるんじゃと思いながら。
「4!」ずりずりと足が地面を滑りはじめる。なんだよ振り回せるなんて嘘じゃないか!そんな図鑑と友達への
文句を考えられたのもそこまでだった。
「5!」
僕の足が、地面から離れた。
「・・・・え?」
上を見上げると、眩しい位の青空。
下を見下ろすと、一面に広がる花畑。
「うそ・・・・だろ?」
信じられないことに、僕はフワンテに掴まって、空を飛んでいた。
今さらになって考えてみると、飛び降りて怪我しないくらいの高さだったんだからそんな風景見えるはずはない
んだけど、とにかく11歳の僕には、見慣れたソノオのあれとは違う、もっと別な感じで綺麗な花畑が見えた。
風もないのに、何故かフワンテは滑るように進んでいって、花畑は僕の足元を過ぎていく。鳥ポケモンで飛んだ
とき―初めて飛んだのは父親のムクホークだったっけ―とは違う、あくまでも穏やかな、なめらかなフライト。
「すっげぇ・・・・」
どれくらい、僕はフワンテに掴まっていたんだろう。
「ニツキ!いいから手離せ!」「まだそんな高くないから今なら降りれるぞ!」
その声に反射的に手を離した僕は、無様に花畑…ではなく草の生えた地面に転げ落ちた。
少し遠くから、友達が走ってくる。
「おい大丈夫か!?」
「な・・・・なんとか」
くらくらする頭で見上げた空には、天高く舞い上がるフワンテ。
「すっげーよニツキ!お前空飛んでたんだぞ!」
「うん…ほんと・・・・すごかった」
友達からの心配と称賛に、僕は上の空で答えていた。
『3秒間のフライト』。
この僕の記録はしばらく抜かされることはなくて、タツキがフワンテを追いかけるあまり発電所の機械にぶつか
って壊してしまい、大人にこの遊びがバレて度胸だめし自体が無くなることで、めでたく殿堂入りとなった。
あの後僕はもう一度一人で発電所に行ったけど、フワンテはいなかった。
****
あれから12年。
「よーし、いくぞフワライド!」「ぷをを〜〜!」
僕はわざわざフワライドで空を飛ぶ、風変わりなトレーナーとなっていた。
あの時のように手に捕まる訳じゃなくてフワライドに乗っかる形でのフライトだけど、それでもあのふよふよと
浮かぶ感じ、楽しさは変わらない。今はソノオからノモセに引っ越して、すっかりあの頃を思い返すこともなく
なったけど、このフワライドと子どものフワンテだけが子どものころの僕を忘れさせないでくれていた。
トレーナーとしての仕事も上々で、今話題のフリーターになることもなく安定した暮らしを送れている。もちろ
んパートナーたちも増えて、うるさいながらも楽しい暮らしだ。
ただひとつ問題なのは――
『何?またアンタ彼女にフられたの?』
電話の向こうで、コハルが呆れたような口調で言った。
「うん……」『もうこれで何回目よ?』
「3回目…」『嘘。4回目よ。もー、アンタが失恋した月は電話代が上がるから迷惑なのよ』
「でもさ…こういう愚痴聞いてくれるのも言えるのもお前だけなんだよ」
コハルはバイト中に知り合った数少ない…というか唯一の女友達で、こんな僕と長々と電話で話してくれる良い
友達だった。
『…まぁいいけど。で何?また原因はアレ?』
「そう…アレ。」僕はフローゼルとじゃれあうフワライドに目をやった。
『アンタさぁ…そうやって妙に見栄張るからダメなのよ』
「だってデートに空から颯爽と登場するのは男のロマンだろ?」
『それでデートに2時間遅れるんだったらロマンもムードも皆無よ』
それに僕は枕をバンと叩いて応じた。
「しょうがないじゃないか!フワライドで飛ぶんだから!それくらい大目に…」
『でもフラれたのは事実でしょ?女からすればデートに遅れる男はサイテーなのよ。分かる?』
「う゛っ」
何回も言われてきたフラれ文句を突きつけられ、僕は布団に撃墜される。
「……でも」『でもじゃない』
そう、僕のフワライド――というかフワライドのそらをとぶは遅すぎるのだ。それも洒落にならないレベルで。
飛んだのに遅刻は当たり前。下手すれば風に流されあらぬ方角へ飛んでいき、家に帰るのもままならななくなる
。
もう何回『コトブキで待ち合わせね!』と言われて絶望に落ちたことか。
もし僕がトバリかナギサみたいな都会あたりに住んでいたら、遠出の心配をする回数もぐっと減ってたと思うん
だけど、残念ながら僕の住まいはノモセ。おまけにここシンオウ沿岸部はわりに風が強い場所で、フワライド乗
りにはかなりつらい場所なのだと、ノモセに住まいを見つけてから知った。
デートはおろか、普段の外出もままならない。
この大問題に、僕は決着をつけられていなかった。
『いいかげん諦めたら?アンタ、ペリッパー持ってるでしょ?』
「……ねぇコハル。僕の体質分かって言ってるの?」
『分かってるわ』
コハルはしれっと言った。
『でもそこはもう割りきっちゃうしかないんじゃない?』
「…確かにデートに遅れる男はサイテーかもしれない。それは認める。でも、デートにベロンベロンに酔ってく
る男も僕からしたらサイテーだ」
たしか父親のムクホークに乗せられた時も、酔っちゃって大変だったっけ・・・・僕はぼんやり昔のことを思い
返す。
『・・・・まぁね。それもそうね』
そういえば、とコハルは言葉を次ぐ。
『アタシの知り合いの医者、そういう体質に詳しいらしいんだけど・・どうする?』
何回も言われてきた事実を突きつけられ、僕は沈黙する。
助けを求めるように見た部屋の床には、ふわふわと飛び回るフワライドの影が踊る。その影に一瞬あの青空と紫
色の輝点が写った。それと花畑も。
「・・・ゴメン、コハル。」
僕はあの夢のような、夢だったかもしれない、あのフライトが忘れられないんだ。
「やっぱ…僕はフワライドで飛びたいんだ」
『・・・・アンタさぁ』
「分かってるよ」僕は苦笑いしながら答えた。そうやって意地張るからダメなんだって。
『・・・・分かった。とにかく愚痴だけは聞いてあげるから、あとは自分でなんとかしなさいよ。いいわね?』
あと電話代はレストラン払いでね、と言い残し、コハルはブツッと電話を切った。
「・・・・どうしよう…」
布団に寝転がった僕を、ぷを?と上からフワライドが覗きこんできた。心なしか心配そうな目をしていて、僕は
申し訳なさで一杯になる。
「ん?コハルがななつぼし奢れってさ。電話代の代わりに」
あくまでも明るくそう言うと、あのレストランの高さを知っているフワライドは、ぷるぷると頭・・・・という
か顔・・・・というか体を振った。
「だよなぁ・・・・ちょっとアンフェアだよね」
ぷぅ、と同意するかのように少し膨らんだフワライドは、開けてた窓から入ってきた夜風に煽られ、部屋の向こ
うまで飛んでいった。
「・・・・ホント、どうしよう」
昔読んだ本にも、こんなシーンがあった気がする。たしか、泥棒になるか否かを延々と悩んで、試しに入った家
で結論が出る話。
「・・・・あ、そうだ」
あることを思い付いた僕は、布団から勢いよく起き上がった。その風に煽られたのか、またフワライドが少し飛
んでいく。
****
「ん〜・・・・ないなぁ・・・・・・・・」
かれこれ2時間、僕はパソコンとにらみあっていた。
要するに決断にはきっかけが必要。そんな訳で僕の背中を押してくれる情報を得るため、僕は検索結果を上から
順にクリックしていた。
Goluugに入れたキーワードは、『フワライド』『飛行』『悩み』。
でも引っ掛かってくるのはそういうフワライド乗りのコミュニティやサイトばかりで、そういうコアなファンは
僕の悩みを「それがロマン」と割りきってしまっていたのだった。でも残念ながら僕はフワライドのロマンより
、男としてのロマンや人間としての効率の方をまだ求めたい。
何十回、薄紫色のサイトを見ただろう。白とグレーを基調にしたそのサイトは、唐突に現れた。
「・・・・なんだここ」
『小鳩印のお悩み相談室』。
見たことのないポケモンの隣に、そのサイトの名前が控え目に記されていた。
見知らぬ鳥ポケモンはこういう。
『ようこそ。このサイトはフリー形式のお悩み相談サイトです。僭越ながらこのピジョンが、アナタの悩みの平
和的解決のため、メッセージを運ばせていただいております。もし、なにかお悩みのある方は、この下の「マメ
パトの木」に。お悩み解決のお手伝いをしてくださる方は、「ムックルの木」をクリックしてください。
私の飛行が、アナタの悩みを少しでも軽く出来ますよう・・・・』
どうやらこのサイトは、何回もでてきた「お悩み」と最後の一行の「飛行」に引っ掛かったらしかった。
「お悩み相談室・・・・か」
最近はこういう体裁を装って個人情報を盗むサイトがあるらしいけど、緊張しながらクリックして現れたフォー
ムには、ニックネームと悩みを書く欄しかなくて、どうも犯罪の匂いはしなかった。
「……やってみる?」
僕は画面の明かりに照らされるフワライドの寝顔を見る。ただのイビキかもしれないけど、ぷふぅとフワライド
は答えてくれた。
「・・・・よし」
僕はキーボードに指を当てた。
ニックネームは少し迷ったけど、『小春』にした。
****
そらをとぶが遅すぎます
フワライドのそらをとぶは遅すぎてまともな移動手段になりません。
デートで颯爽と空から登場、のようなことをしたかったのですが、フワライドに乗っていったところ約束時間を
かなり過ぎてしまいました。彼女に振られました。気分が沈んだのでそらをとぶで帰ったのですが、夕暮れ時に
ぷかぷか浮いているのが心にしみました。
リーグ戦でも空から颯爽と登場がしたかったのですが、あまりにもゆっくりすぎるそらをとぶで遅刻しました。
不戦敗で夕日が心にしみました。
フワライドに乗り続けたいです。でも遅すぎます。フワライドをそらをとぶ要員にしている方は、どんな対策を
とっているのでしょうか?
お答え、よろしくお願いします。
補足
鳥ポケモンに乗ってそらをとぶと酔います。
****
「・・・・お?」
意外なことに、返事はすぐ帰ってきていた。
『もしあなたが鳥ポケモンをお持ちなら、「おいかぜ」と「そらをとぶ」を覚えさせることをお勧めします。
おいかぜをしてもらいながら併走(併飛行?)してもらえば、かなり早くなるかと思います。
あなたを乗せて飛べなかったポケモンも、きっと満足してくれるはずです。
・・・・ただし飛ばしすぎにはご注意を。』
「そうか・・・・おいかぜ、かぁ」たしか効果は『味方のすばやさをしばらく上げる』、だったなと僕はおぼろ
気な記憶を思い出した。
というかリーグに再挑戦しようとしている身なのにこんな技の記憶がテキトーでいいのだろうかと一人思う。
そういえばフワンテ時代に「覚えますか?」と聞かれて、どうせダブルバトルはしないからとキャンセルした覚
えがある。
そこでもうひとつ、僕は思い出したことがあった。
この間引っ越してきたオタク風の男。たしか技マニアとか言っていた気がする。なんか技を思い出させるとか、
させないとか言っていて・・・・
「……よし」
僕は一つこの作戦にかけてみることにした。
Goluugのワード欄を白紙に戻す。新しく入れたのは、さっきみたフワライド乗りのコミュニティサイトの
名前だった。
****
「よし・・・・行きますか」
僕はバックパックのバックルを締め、天高くボールを放り投げた。
「フワライド!フワンテ!飛ぶよ!」「ぷををを!!」「ぷぉっ!」
僕はフワライドの頭に飛び乗り、空へ舞い上がった。
冬だというのに暖かいシンオウの空。けどテンガン下ろしの風は冬のままで、僕らに吹き付けてくる。案の定フ
ワライドの進路がやや東に逸れた。
僕はあの小鳩の言葉を慎重に思い出す。
「フワンテ!右舷に回れ!」「ぷお!」
フワライドより小さい体のフワンテは機動力が高い。テンガン下ろしに煽られながらも、なんとか僕らの右斜め
前、指示通りの位置についてくれた。
「よし!そこで『おいかぜ』!」
内心上手くいくかと思いつつ、僕はフワンテにやや鋭めに命令する。
すると―
「ぷおわ!」
ごうとフワンテから信じられないくらいの強風が吹き出してきた。
「うおっ?!」僕は一瞬風に浮いた体を掴み戻し、なんとかフワライドに掴まり直す。おいかぜってこんなすご
い技だったっけ?そう思ったのもつかの間、視界がぐんと上に煽られた。
「お?」
下を見ると、僕は空を飛んでいた。
今までにないくらい、高く。今までにないくらい、速く。
遠い街並みの中にも一瞬、花畑が見えた気がした。
「お・・・・おおおぉ!!」
おいかぜに乗って、フワライドはテンガン山にぐんぐん迫っていく。風に流されるのではなく、あくまでも乗っ
て。フワライド乗りのサイトで知ったんだけど、フワライドの持つあの黄色い四枚のひらひらは風の流れを捕ら
えるためのもの、つまり翼に近いものらしい。僕にとっては風と恋への敗北旗でしかなかった翼は、今飛ぶため
に意思をもってはためいていた。
「ほんとに・・・・ほんとに空飛んでるぞフワライド!」
僕はフワライドの紫の体を思わず叩いた。
「ぷを〜!」
少し不機嫌そうな、でも楽しそうな声をあげてフワライドはさらに速度を上げる。昔感じたムクホーク羽ばたき
とは違う、水面を滑るようなフライト。
「ぷぉ〜♪」
僕らの脇を、フワンテが楽しそうに回りながら追い越していく。
あの日の僕が掴まっている気がして、僕はしばらくフワンテの手を目で追いかけていた。
****
「よし・・・・見えてきた」「ぷぉっ!」「ぷををー!」
遠くのテレビ塔を見つめながら、僕は嬉しさを噛み殺していた。ここまで2時間。今までの最高記録、いやもう
別次元の速さだ。
途中一回PP補給でヒメリの実を使ったけど、これくらいなら二人にも負担を掛けないだろう。
フワライドと一緒に、飛び続けることが出来る。
それだけでもう、涙が出そうだった。いやもう出てたのかもしれない。けどこれからのことを考えると、泣き顔
をつくる訳にかいかなかった。
「・・・・じゃあ後少しだし、おいかぜ使い切っちゃうか!」
「ぷぉぉっ!」
勢いよく吹き出す風に乗って、僕らは塔の立つ街を目指す。
幸せの名前がつけられた、僕にとっては不幸の街。でも今日からは幸せを受け入れられるかもしれない。
街の広場が見えてくる。その時、僕の頭に一抹の不安がよぎった。
(――止まるの、どうしよう)
「危ない!」
その声に反射的に振り向いた僕は、無様に花畑・・・・ではなくタイルの地面に転がり落ちた。僕が落ちたおか
げでフワライドは地面に激突しなくてすんだけど、僕は盛大に顔を擦りむくことになった。
少し遠くから誰かが駆け寄ってくる。
「ちょっと何・・・・・・アンタ何してんのよ!」
顔を上げると、コハルが呆れたような顔で僕を見下ろしていた。
腕時計を見ると、10時を少し過ぎた位置を指している。
「・・・・ゴメン、遅れちゃった」地べたに転がりながら、僕は曖昧に笑う。
「遅れすぎよ、バカ」
フワライドがコトブキのビル風に揺れる。少しお洒落をした君は、やれやれと笑ってくれた。
"following others without much thought" THE END!
【あとがきと謝辞】
初めましての方は初めまして。
また読んでくださった方はありがとうございます。aotokiと申す者です。
ねぇこの話って長編?短編?どっちなの!!この中途な長さをどうにかしてぇぇ(ry
・・・・まず、この話の原案となる素敵な悩みを下さった小春さん、そしてお悩み相談企画を立ち上げて下さっ
たマサポケ管理人のNo.017さんに感謝の意を述べたいと思います。
お二人がいなかったらこの物語は出来ませんでした。本当にありがとうございます。
果たして私の愚答が小春さんの悩みを解決出来たかは分かりませんが・・・・
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